更新日:2025/01/07
車両管理システムを導入する7つのメリットとは?デメリットや選ぶ際のポイントも併せて解説
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
運送業務や物流業務を効率的に進めていくには、車両管理システムの導入が不可欠です。車両管理システムには、ドライバーのリアルタイムの位置情報が分かる、運転日報をペーパーレス化できる、ドライバーの労働量を可視化できるなどのメリットがあります。
導入する上では、これらのメリットだけでなくデメリットとその対策方法を押さえておくことも重要です。
そこで本記事では、車両管理システムの概要や導入する7つのメリット、活用する上で押さえておきたいデメリットを解説します。システムを選ぶ際のポイントもご紹介するので、ぜひ最後まで参考にしてください。
【比較】おすすめの車両管理システム一覧
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サービス名称 | 特長 | 費用 | 主な機能 | 無料トライアル |
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Cariot |
|
要お問い合わせ |
・DriveView ・エリアマップ ・車両予約 ・配送計画 ・遅延の検知 など |
要お問い合わせ |
LINKEETH |
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月額1,980円~ |
・運転診断機能 ・運転傾向の可視化 ・ヒヤリハット通知 ・DMS・ADAS機能 ・任意映像取得 など |
有 |
KITARO |
|
月額3,360円/台~ |
・運転状況モニタリング ・日報・月報自動作成 ・車両予約 など |
有 |
SmartDrive |
|
要お問い合わせ |
・アルコールチェック ・走行履歴・運転診断 ・リアルタイム ・車両予約 ・運行工程 など |
有 |
ロジこんぱすLite |
|
要お問い合わせ |
・現在位置表示 ・走行軌跡 ・運転日報/運転評価表 ・接近離脱判定 ・スマート乗車 |
要お問い合わせ |
ビークルアシスト |
|
端末レンタルプラン -月額サービス利用料:要お問い合わせ -端末レンタル費用:0円 端末ご購入プラン -月額サービス利用料:980円~ -端末購入費用:要お問い合わせ |
・安全運転支援レポート ・運転評価メール ・車両予約 ・勤怠管理 ・走行コース作成 など |
無 |
TCLOUD FOR SCM |
|
要お問い合わせ |
・動態管理 ・運行実績一覧 ・到着時刻予想 ・日報自動作成 ・データ分析 など |
要お問い合わせ |
ODIN 動態管理 |
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月額1,200円/人~ |
・位置確認 ・運転日報 ・勤怠管理 ・メッセージング ・配送先管理 など |
有 |
AORINO Biz |
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月額1,650円~ |
・緊急時110番通報 ・危険運転アラート ・あんしん運転通信簿 ・管理者ページ ・現在位置マップ など |
要お問い合わせ |
ビジネスナビタイム動態管理ソリューション |
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要お問い合わせ |
・配車計画作成 ・顧客情報・案件管理 ・車両位置・ステータス確認 ・メッセージ送受信・管理 ・走行履歴管理 など |
有 |
AI-Contact |
|
無料 |
・運行管理 ・動態管理 ・車両管理 ・アルコールチェック記録管理 |
無 |
DRIVE CHART |
|
要お問い合わせ |
・遠隔動画取得 ・走行軌跡表示 ・日報・月報自動作成機能 ・ドライバー顔認証 ・ライブマップ など |
要お問い合わせ |
この記事の目次はこちら
車両管理システムとは?
運送業務や物流業務では、車両の現在位置や運用状況の把握、ドライバーの労務管理、運行スケジュールの調整などの車両管理業務を行うことが欠かせません。手作業でアナログ管理もできますが、管理自体が煩雑になる他、情報の記録や更新に手間がかかったり、担当者の負担が増えたりします。
そこで活用したいのが、車両管理システムです。車両管理システムには、GPSを利用した車両のリアルタイム追跡機能や運行データの記録・管理、ドライバーの労務管理などさまざまな機能が搭載されています。業務効率化や安全性向上、コスト削減のためには欠かせないシステムです。
車両管理システムには、以下の種類があることも把握しておきましょう。
- OBD-Ⅱポート型
- シガーソケット型
- アプリ型
- ドライブレコーダー型
- デジタルタコグラフ搭載型
車両管理システムを導入するメリット
車両管理システムには、以下のようなメリットがあります。
- ドライバーの位置や状況を把握できる
- 運転日報などをペーパーレス化できる
- サービスの質向上に役立てられる
- ドライバーの労働量を可視化できる
- 安全運転の意識が高まる
- 素早いトラブル対応ができる
- 法的なリスクの対策になる
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
ドライバーの位置や状況を把握できる
車両管理システムでは、ドライバーの位置や状況をリアルタイムで把握できます。この機能により、車両の運行状況を常にモニタリングでき、無駄のない最適化されたルートで目的地まで走行しているか、予定通りに目的地に到着するか、事故や渋滞に巻き込まれていないかなどを確認できます。配送業務や運送業務では、配送時間の正確な予想が重要となるので、これは大きなメリットです。
また、リアルタイムで車両の位置を把握できれば、配送指示の効率化も図れます。例えば、ある集荷地点で車両を手配する際、システム上で最寄りの車両を特定して、直接の依頼が可能です。システムがない場合は、ドライバーにわざわざ電話をして確認し、近いところにいる車両を手配する必要があります。
運転日報などをペーパーレス化できる
「貨物自動車運送事業輸送安全規則」および「道路交通法施行規則」において、運転業務の記録やドライバーの氏名、車両の状況を記載した運転日報の作成が義務付けられています。
車両管理システムには、日々の運行データや車両の状態、ドライバーの労務状況が自動で記録・保存されます。ペーパーレス化できるので、コスト削減にもつながるでしょう。
また、従来は運転日報を手作業で作成しており、ただでさえ長時間労働が問題視されているドライバーの負担になっていました。車両管理システムを活用すれば、ドライバーが自ら手作業で作成する必要はなくなるため、業務負担の大幅な改善につながります。ドライバーの負担を軽減できれば、ストレスフリーで運転できる環境も構築できるでしょう。
サービスの質向上に役立てられる
車両管理システムの導入により、サービスの質を向上させられる点もメリットです。
多くの車両管理システムには、GPSによる車両のリアルタイムの位置表示機能が搭載されています。これにより、クライアントや取引先に対し「現在はどこにいて、いつ到着するか」を正確に伝えることが可能です。顧客への迅速な情報共有ができ、信頼を獲得できるでしょう。
また、車両の稼働状況を把握でき、効率的な配車が可能となります。そのため、特定の人員に業務が偏りサービスの質が不均一になるような事態を避けることができ、一貫したサービスを顧客に提供できるでしょう。
ドライバーの労働量を可視化できる
運送業界では、長年トラックドライバーの長時間労働が問題視されていました。2024年から働き方改革により、時間外労働の上限規制や勤務時間、休息時間などを管理することが定められました。企業側は各ドライバーがどれだけ働いているのか、休憩は十分に取れているかを把握する必要がありますが、多くのドライバーを抱えている企業ほど、その手間がかかるでしょう。
車両管理システムを導入すれば、システム上でドライバーの労働量を可視化できます。あらかじめ労働状況が分かっていれば、長時間労働になる前に適切なタイミングで休息を取ることができ、働き方改革、労働環境の改善につながります。ドライバーが働きやすい環境を構築できれば、モチベーションアップや生産性向上などの効果にも期待できるでしょう。
安全運転の意識が高まる
車両管理システムでは、急加速や急停止、速度超過などの運転傾向をドライバーごとに可視化できます。ドライバーは自身の運転を見直すきっかけとなり、安全運転への意識が高まる効果が得られるでしょう。管理者側は、可視化されたデータを基に各ドライバーの運転傾向を分析し、個別にフィードバックや安全運転指導を行えます。
事故リスクが高い場所を図示したヒヤリハットマップが搭載されているシステムもあり、運転中も安全を意識できるでしょう。
また事故やトラブルが発生した際は、なぜ起こったのか、どうすれば防げたのかなどを実際のデータを参考に考察できます。ドライバーの安全運転への意識を高められるので、交通事故のリスクを低減させることが可能です。
素早いトラブル対応ができる
車両管理システムを導入していれば、万が一トラブルが発生した際に素早い対応を取ることができます。
例えば、とある車両が事故に巻き込まれたとしましょう。この場合、車両のリアルタイムの位置情報が分かるため、近くの車両に応援要請を出して迅速な対応を取ることができます。最適化されたルートからズレている車両があれば、ドライバーに現状を尋ねて到着時刻が大幅に遅れる事態を未然に防げます。
法的なリスクの対策になる
車両管理システムには、運行記録やドライバーの労働時間、車両のメンテナンス状況などが自動的に記録されます。これにより、貨物自動車運送事業輸送安全規則や道路交通法施行規則、労働基準法などの法令に基づいた管理を行うことが可能です。
例えば、システム上でドライバーの労働時間を把握し適切な休憩時間を設けることは、労働基準法の遵守につながります。
また道路運送車両法第四十七条の二や同法第四十八条では、車両の走行距離や制動装置の作動などの点検義務が定められています。点検の記録は一定期間保存する必要がありますが、これに関しても車両管理システムを活用すれば、負担をかけずに確認作業を行えるでしょう。
※参考:e-GOV法令検索.
https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185#Mp-Ch_4-At_47_2
車両管理システムを導入するデメリット
車両管理システムには先述したメリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。
- コストがかかる
- ドライバーにプレッシャーを与える可能性がある
- サービスを乗り換えにくい
活用する上では、メリットだけでなくデメリットも把握しておくことが重要です。それぞれのデメリットを対策と合わせて解説します。
コストがかかる
車両管理システムの導入にあたり、コストがかかる点がデメリットです。主に、初期費用と月額費用があります。
初期費用の主な内訳は、以下の通りです。
- デバイス利用料:ドライブレコーダーやデジタルタコグラフ、GPS端末の購入またはレンタル費用
- 設置・設定費用:システム導入に必要なデータ設定や配線工事に関する費用
- 初回登録費用・契約費用:契約する際にかかる費用
導入後は月額費用が、毎月継続的に発生します。デバイスを購入するタイプが、レンタルするタイプよりも安価に設定されているのが一般的です。
ドライバーにプレッシャーを与える可能性がある
車両管理システムはリアルタイムの情報を取得できる反面、ドライバーは常に監視されている印象を受け、プレッシャーに感じてしまう可能性があります。休憩時間や停車時間も把握されているため、落ち着いて安心できないと考える人がいても不思議ではありません。
なぜ導入するのか、導入するメリットなどをあらかじめ伝えて、ドライバーからの理解を得ておくことが重要です。
サービスを乗り換えにくい
多くのシステムでは、2年前後の契約期間が定められています。そのため、「お試し感覚で導入してみて、合わなかったら次のシステムを試してみよう」というように、気軽に乗り換えることはできません。契約期間が終了するまでは費用が継続的に発生し、他システムへの移行ができない「ベンダーロックイン」状態になります。
コストを無駄にしないためにも、無料トライアルがあればぜひ利用して、機能や操作性、業務との適合性をチェックしましょう。
車両管理システムを選ぶ際のポイント
多くのメーカーから車両管理システムが提供されているので、どれを選べばいいのか分からない方も多いでしょう。選ぶ際は、以下のポイントを押さえておいてください。
- 解決したい課題を明確にする
- 車両に合った取付タイプを選択する
- ドライバーの使い勝手を検討する
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
解決したい課題を明確にする
車両管理システムを導入する目的が曖昧なまま進めると、必要な機能が搭載されていない、操作が難しくて使いこなせないなどの状況が引き起こされる可能性があります。これでは導入したコストが無駄になってしまうでしょう。
そうならないよう、導入するにあたっては、解決したい課題をあらかじめ明確にしておくことが重要です。
課題が明確なら、それを解決するにはどのような機能が必要となるのかも逆算できます。例えば、車両のリアルタイムの位置情報を管理したい場合は、GPS搭載の車両管理システムが最適だと判断できます。
車両に合った取付タイプを選択する
車両管理システムには、以下のようなさまざまな取付タイプがあります。
タイプ | 特徴 |
OBD-Ⅱポート型 | ・OBD-ⅡポートにSIMカードが挿入された車載器を接続するタイプ。 ・ポートに挿入するだけなので、特別な配線工事が不要。 |
シガーソケット型 | ・シガーソケット(アクセサリーソケット)に接続するタイプ。 ・配線工事が不要で、差し替えも簡単にできる。 |
アプリ型 | ・スマートフォンやタブレットなどのデバイスにアプリをダウンロードするタイプ。 ・専用のハードウェアやデバイスが不要であり、低コストで導入できる。 |
ドライブレコーダー型 | ・ドライブレコーダーと車両管理システムが統合したタイプ。 ・高機能な分、デバイスと配線工事が必要となるので、導入コストは高い傾向にある。 |
デジタルタコグラフ搭載型 | ・車両の運行状況を記録できるデジタルタコグラフを活用したタイプ。 ・デバイスと配線工事が必要となるので、コストは高め。 |
特徴が異なるいくつかのタイプのうち、自社の車両に合った取付タイプを選ぶことが重要です。車両が古い場合、それ以降に開発されたデバイスとの適合性がない場合があります。特にOBD-IIポート型やシガーソケット型に関しては、デバイスを接続できるかを事前にチェックしましょう。
ドライバーの使い勝手を検討する
ドライバーにとって、使い勝手がいいかどうかで検討するのも重要です。システムの導入目的は、業務効率化や生産性向上に加えて、ドライバーの負担を軽減していくことです。そのため、ドライバー自身が直感的で簡単に操作できるシステムを選びましょう。
システムが使いやすいものであれば、現場で受け入れられやすいのはもちろん、導入にあたって特別な教育コストも発生しないメリットもあります。
余力があれば、ドライバーだけでなく管理者にとっても操作しやすいかを検討しましょう。車両の運行状況やドライバーの労働状況、データの可視化などにより迅速で的確な意思決定が可能となります。
まとめ
本記事では、車両管理システムの概要やメリット、デメリット、選び方のポイントなどを網羅的に解説しました。
車両管理システムの導入により、ドライバーのリアルタイムの位置情報を把握できる他、運転日報などをペーパーレス化できたり、法的なリスクの対策になったりするなどのメリットが得られます。導入にあたっては、コストがかかる、ドライバーのプレッシャーになる可能性がある点を考慮しましょう。
サービスを乗り換えづらい点にも注意が必要なので、課題を解決できるか、車両に合ったデバイスかなどのポイントを押さえることが重要です。
多くのメーカーから車両管理システムが提供されています。各サービスの機能やコストなどは、こちらの記事で詳しく解説しているので、詳細が気になる方はぜひ参考にしてください。
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Cariot |
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・DriveView ・エリアマップ ・車両予約 ・配送計画 ・遅延の検知 など |
要お問い合わせ |
LINKEETH |
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月額1,980円~ |
・運転診断機能 ・運転傾向の可視化 ・ヒヤリハット通知 ・DMS・ADAS機能 ・任意映像取得 など |
有 |
KITARO |
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月額3,360円/台~ |
・運転状況モニタリング ・日報・月報自動作成 ・車両予約 など |
有 |
SmartDrive |
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要お問い合わせ |
・アルコールチェック ・走行履歴・運転診断 ・リアルタイム ・車両予約 ・運行工程 など |
有 |
ロジこんぱすLite |
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要お問い合わせ |
・現在位置表示 ・走行軌跡 ・運転日報/運転評価表 ・接近離脱判定 ・スマート乗車 |
要お問い合わせ |
ビークルアシスト |
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端末レンタルプラン -月額サービス利用料:要お問い合わせ -端末レンタル費用:0円 端末ご購入プラン -月額サービス利用料:980円~ -端末購入費用:要お問い合わせ |
・安全運転支援レポート ・運転評価メール ・車両予約 ・勤怠管理 ・走行コース作成 など |
無 |
TCLOUD FOR SCM |
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要お問い合わせ |
・動態管理 ・運行実績一覧 ・到着時刻予想 ・日報自動作成 ・データ分析 など |
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ODIN 動態管理 |
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月額1,200円/人~ |
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有 |
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月額1,650円~ |
・緊急時110番通報 ・危険運転アラート ・あんしん運転通信簿 ・管理者ページ ・現在位置マップ など |
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無 |
DRIVE CHART |
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