更新日:2025/01/08
車両管理システムとは? 必要性や種類、主な機能などについて解説
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
運送業務や物流業務を効率的かつスムーズに遂行するためには、車両管理システムが不可欠です。車両の位置情報をリアルタイムで把握できるGPS機能や、日々の使用状況や点検のデータ管理などの機能が搭載されています。
導入するにあたっては、車両管理システムの概要や必要性に加えて、種類や主な機能などを押さえておくことが重要です。
そこで本記事では、車両管理システムの概要や必要性、種類と特徴、主な機能を解説します。記事後半では、車両管理システムのメリットや選び方などの項目も解説するので、車両管理システムの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
【比較】おすすめの車両管理システム一覧
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サービス名称 | 特長 | 費用 | 主な機能 | 無料トライアル |
---|---|---|---|---|
Cariot |
|
要お問い合わせ |
・DriveView ・エリアマップ ・車両予約 ・配送計画 ・遅延の検知 など |
要お問い合わせ |
LINKEETH |
|
月額1,980円~ |
・運転診断機能 ・運転傾向の可視化 ・ヒヤリハット通知 ・DMS・ADAS機能 ・任意映像取得 など |
有 |
KITARO |
|
月額3,360円/台~ |
・運転状況モニタリング ・日報・月報自動作成 ・車両予約 など |
有 |
SmartDrive |
|
要お問い合わせ |
・アルコールチェック ・走行履歴・運転診断 ・リアルタイム ・車両予約 ・運行工程 など |
有 |
ロジこんぱすLite |
|
要お問い合わせ |
・現在位置表示 ・走行軌跡 ・運転日報/運転評価表 ・接近離脱判定 ・スマート乗車 |
要お問い合わせ |
ビークルアシスト |
|
端末レンタルプラン -月額サービス利用料:要お問い合わせ -端末レンタル費用:0円 端末ご購入プラン -月額サービス利用料:980円~ -端末購入費用:要お問い合わせ |
・安全運転支援レポート ・運転評価メール ・車両予約 ・勤怠管理 ・走行コース作成 など |
無 |
TCLOUD FOR SCM |
|
要お問い合わせ |
・動態管理 ・運行実績一覧 ・到着時刻予想 ・日報自動作成 ・データ分析 など |
要お問い合わせ |
ODIN 動態管理 |
|
月額1,200円/人~ |
・位置確認 ・運転日報 ・勤怠管理 ・メッセージング ・配送先管理 など |
有 |
AORINO Biz |
|
月額1,650円~ |
・緊急時110番通報 ・危険運転アラート ・あんしん運転通信簿 ・管理者ページ ・現在位置マップ など |
要お問い合わせ |
ビジネスナビタイム動態管理ソリューション |
|
要お問い合わせ |
・配車計画作成 ・顧客情報・案件管理 ・車両位置・ステータス確認 ・メッセージ送受信・管理 ・走行履歴管理 など |
有 |
AI-Contact |
|
無料 |
・運行管理 ・動態管理 ・車両管理 ・アルコールチェック記録管理 |
無 |
DRIVE CHART |
|
要お問い合わせ |
・遠隔動画取得 ・走行軌跡表示 ・日報・月報自動作成機能 ・ドライバー顔認証 ・ライブマップ など |
要お問い合わせ |
この記事の目次はこちら
車両管理システムとは?
車両管理システムとは、車両管理業務を効率的に行えるシステムです。車両管理業務とは、企業や組織が所有または運行する車両の運用状況や状態を適切に管理し、効率的な運用や安全性の向上を図ることを指します。車両のメンテナンスや点検、ドライバーの労務管理、運行スケジュールの調整などが、主な業務内容です。
車両管理システムを活用すれば、労力のかかる車両管理業務を効率的に行えます。
なぜ車両管理システムが必要なのか
車両管理管理自体は手作業でも行えるため、なぜ必要になるのか疑問に感じている方もいるでしょう。車両管理システムが必要な理由は、以下の通りです。
- 業務効率化
- 安全性向上
- コスト削減
車両管理管理システムの導入は、業務効率化に大きく寄与します。車両の状態やリアルタイムの位置情報を把握できるだけでなく、運行スケジュールの最適化、ドライバーの労務管理など運送・物流に関するあらゆる業務を効率化できます。
また、従業員の安全性を守るためにも車両管理システムは重要です。システムを活用すれば、車両トラブルを事前に検知できるため、それに起因する事故やけがのリスクを低減できます。
加えて、コスト削減効果にも寄与します。リアルタイムでの位置情報や運行データの可視化などにより、効率的な運行ルートを確立できたり燃料消費を削減できたりするためです。
車両管理システムの種類と特徴
車両管理システムには、以下の種類があります。
- OBD-Ⅱポート型
- シガーソケット型
- アプリ型
- ドライブレコーダー型
- デジタルタコグラフ搭載型
それぞれの種類の概要や特徴を詳しく見ていきましょう。
OBD-Ⅱポート型
OBD-Ⅱポート型車両管理システムは、車両のオンボードダイアグノスティック(OBD-Ⅱ)ポートに、SIMカードが挿入された車載器を接続して使用するタイプです。OBD-Ⅱポートは多くの車両に標準搭載されており、接続するとスピードやエンジン回転数、燃料消費量などの車両データを取得できます。
OBD-Ⅱポート型車両管理システムの場合、ポートに挿入するだけなので特別な設置工数が必要なく、差し替える場合もスムーズです。また、ポートの差し込み口は運転席の足元にあるので、運転の邪魔になりません。
シガーソケット型
シガーソケット型の車両管理システムは、シガーソケット(アクセサリーソケット)に接続して使用するタイプです。運転席と助手席の間に設置されているケースが多く、電源が供給されるためスマートフォンの充電や音楽プレイヤーの充電などに用いられます。
このタイプのメリットは、設定が簡単で特別な配線工事が必要ない点です。車両を変更する場合も、差し替えるだけで設定が完了します。
メーカーにより、本体をそのままシガーソケットに差し込むタイプと、電源をシガーソケットから供給する大きめのタイプなどがあります。
アプリ型
アプリ型車両管理システムは、スマートフォンやタブレットなどのデバイスにアプリをダウンロードして利用するタイプです。専用のハードウェアやデバイス、配線工事などを必要としないので、低コストで導入できます。アプリ上で簡単に設定を変更できる点もメリットに挙げられます。
一方で、デバイスの電源が切れると使えなくなる他、通信環境にも依存する点には注意が必要です。また従業員個人のデバイスにインストールすると、公私の境目がなくなってしまうので、社用デバイスにインストールするなど対策を取りましょう。
ドライブレコーダー型
ドライブレコーダー型は、ドライブレコーダーと車両管理システムが統合したタイプです。リアルタイムで運転の映像を記録し、クラウドに保存できます。車両管理だけでなく映像データを通じてドライバーの安全管理を行ったり、トラブル時に備えて映像を記録しておきたかったりする場合におすすめです。
ドライブレコーダー型はデバイスが必要となるので、初期費用は高くなる傾向にあります。導入時は、コストに見合った効果が得られるかを検討しましょう。
デジタルタコグラフ搭載型
デジタルタコグラフ搭載型とは、車両の運行状況を詳細に記録・管理できるデバイスであるデジタルタコグラフを活用したタイプです。従来のアナログ式タコグラフと異なり、デジタルタコグラフではデータを電子保存できたり、さまざまなデータを集計できたりする点がメリットに挙げられます。
ドライブレコーダー型と同様に、デバイスや配線工事が必要となるため、導入コストはやや高めです。より効率化したい場合や、高度な分析を行いたい場合は活用してみるのがいいでしょう。
車両管理システムの主な機能
車両管理システムには、以下の表に示す機能が搭載されています。
機能 | 詳細 |
位置情報の取得 | リアルタイムでの車両の現在位置を把握する機能。車両の運行状況や位置情報を即座に把握でき、効率的な運行管理が可能となる。 |
走行記録の取得 | 車両の走行速度、走行距離、停車時間などのデータを取得する機能。走行記録を詳細に分析すれば、車両運用の効率化やコスト削減、ドライバーの安全管理・安全運転などに役立てられる |
到着予想時刻の取得 | 現在位置や実際の交通状況に基づき、目的地までの到着時間を予想する機能。配送スケジュールの精度を高められ、遅延が発生しそうな場合は事前に顧客に状況を共有できる。 |
危険運転アラート | 急加速、急減速、速度超過などの危険運転を検知し、必要に応じてアラートする機能。ドライバーの安全運転への意識向上、安全運転の送信、事故リスクの低減などの効果に期待できる。 |
ヒヤリハットマップ | 危険運転の発生頻度が高い地点を、地図上に図示する機能。事故リスクが高いエリアや、十分に気を付けて運転すべきエリアが可視化されるので、事前に対策を取ることができる。 |
運転傾向の分析 | 急加速や急ハンドル、急ブレーキなどの運転傾向を分析する機能。各ドライバーの運転傾向を把握できるため、安全運転への意識向上や、指導者によるフィードバックに役立てられる。 |
運転成績表・ランキング表 | 各ドライバーの運転スコアを可視化し、成績表またはランキング表にまとめる機能。スコアリングすることで、ドライバー自身の安全運転への意識を高められる他、モチベーションアップにもつながる。 |
車両稼働管理 | 車両ごとの使用状況や稼働時間などを管理できる機能。車両を効率的に運用できているか、配分できているかなどを把握できる。 |
日報の自動作成 | 日々の運行データを基に、車両の規模によっては義務化されている日報を自動で作成する機能。ドライバーの手作業の負担を軽減できる他、報告の正確性を高められる。 |
最適な配送ルートの取得 | 交通状況や運送条件などの情報に基づき、最適なルートを取得して提示する機能。燃料消費の削減やドライバーの負担軽減につながる。 |
車両管理システムを導入する5つのメリット
車両管理システムを導入すると、以下のようなメリットがあります。
- 交通事故の防止につながる
- 管理工数を削減できる
- 長時間労働を防げる
- 生産性の向上が期待できる
- 従業員のモチベーションアップにつながる
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
1.交通事故の防止につながる
車両管理システムは交通事故の防止に大きく寄与します。
システム上で、急加速や急減速、速度超過などのドライバーの運転傾向を把握でき、それを可視化します。これにより、ドライバー自身が振り返ることはもちろん、管理者がフィードバックしていくことが可能です。
加えて、ヒヤリハットマップなどもあり事故リスクの高いエリアを事前に把握することもできます。
2.管理工数を削減できる
車両管理システムは、車両の管理工数を削減できる点もメリットです。
車両管理システムを活用して常日頃から車両の状況をチェックしていれば、大きなトラブルや故障が起きる前に対応できます。結果、修理費用やメンテナンスコストを抑えることも可能です。
3.長時間労働を防げる
トラックドライバーの長時間労働は長年問題視されており、2024年4月からは本格的に対策がなされています。
車両管理システムでは、各ドライバーの勤務時間や休憩時間を正確に記録・管理できます。自身の労働状況が分かれば事前に長時間労働への対策もでき、労働環境の改善につながるでしょう。
また運転以外にも、日報の自動作成機能もあり、労働負担をトータルで削減できます。
参考サイト:厚生労働省.「トラック|建設業・ドライバー・医師の時間外労働の上限規制 特設サイト はたらきかたススメ|厚生労働省」
.https://hatarakikatasusume.mhlw.go.jp/truck.html ,(参照 2024-12-01).
4.生産性の向上が期待できる
車両管理システムは、運搬・物流業務の生産性向上にも期待できます。
例えば、システム上で位置情報を取得すれば、ドライバーに現在どこにいるのかを確認する必要がありません。自動で目的地までの最適なルートや車両手配がされるため、迅速な判断と対応が可能です。
また日報も自動で作成されて日常の業務負担が大幅に軽減されるため、コアな業務に集中できるようになり、業務効率も改善します。
5.従業員のモチベーションアップにつながる
車両管理システムには、運転成績表・ランキング表の機能が搭載されており、自身の運転状況を客観的に把握できます。他のドライバーとの比較も行えるので、競争を生み出し、モチベーションアップにつなげられます。
車両管理システムの選び方
さまざまなメーカーから車両管理システムが出ているので、どれを選べばいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。そうした場合は、以下のポイントに基づき選んでみましょう。
- 導入の目的に合ったものを選ぶ
- 必要な機能が備わっているものを選ぶ
- 自社の車両に対応しているデバイスを選ぶ
- 従業員が使いやすいものを選ぶ
- 費用対効果が得られるか検討する
それぞれのポイントを詳しく解説します。
導入の目的に合ったものを選ぶ
車両管理システムの導入にあたっては、まず導入の目的を明確にしておくことが重要です。
目的が明確なら、「ドライバーの勤怠を管理する」が目的の場合は勤怠管理ができるものを、「リアルタイムの運行状況を把握する」が目的の場合は位置情報を取得できるものが最適だと分かります。
反対に、目的が曖昧なまま導入を進めていくと、「必要な機能が搭載されていない」「不要な機能が搭載されていて、コストがかさんでしまう」などの状況を引き起こしてしまう可能性があります。
必要な機能が備わっているものを選ぶ
システムを選択する場合、必要な機能が備わっているかで選ぶことも重要です。
企業によって、課題やニーズはさまざまです。その課題を解決できるシステムなのかを、慎重に検討しましょう。
必要な機能が搭載されているかを判断するには、まずは自社の課題を把握しておく必要があります。経営陣だけで判断するのではなく、現場で働くドライバーの意見を聞きながら、使いやすいシステムを導入しましょう。
自社の車両に対応しているデバイスを選ぶ
先述したように、車両管理システムにはさまざまな種類があります。自社の車両に対応しているデバイスを選びましょう。
古い車両の場合、新しく開発されたデバイスと適合しない場合があります。特にOBD-IIポート型やシガーソケット型は、デバイスが使用できるかをあらかじめ確認しましょう。
アプリ型であれば、基本的にはどの車両でも導入できます。
従業員が使いやすいものを選ぶ
ドライバーと管理者の双方にとって、使いやすくて操作しやすいかを考慮することもポイントです。
システムが使いやすければ、導入にあたって特別な教育コストが発生しにくいため、スムーズに運用フェーズに入れるでしょう。
また、操作しやすいシステムなら日常業務を圧迫しないので、業務効率化や迅速な意思決定が可能となります。
費用対効果が得られるか検討する
車両管理システムの導入には初期費用・月額費用などのコストがかかるので、そのコストに見合った効果が得られるかも十分検討しましょう。
このとき、初期費用・月額費用などの目に見えるコストだけでなく、燃料費や人件費の削減や業務負担の軽減などにも着目して、総合的に判断する必要があります。
まとめ
本記事では、車両管理システムの概要やなぜ必要なのか、どのような種類があるのか、導入により得られるメリットなどを網羅的に解説しました。
車両管理を効率的に行える車両管理システムには、さまざまな種類があるので、それぞれの特徴を把握した上で導入を進めていくのが重要です。交通事故を防止できる他、管理工数を削減できたり生産性が向上する効果に期待できたりなどさまざまなメリットがあるので、導入を検討してみましょう。
各サービスの機能やコストなどは、こちらの記事で詳しく解説しているので、詳細が気になる方はぜひ参考にしてください。
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サービス名称 | 特長 | 費用 | 主な機能 | 無料トライアル |
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月額1,980円~ |
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KITARO |
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月額3,360円/台~ |
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有 |
SmartDrive |
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要お問い合わせ |
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ロジこんぱすLite |
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無 |
TCLOUD FOR SCM |
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要お問い合わせ |
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ODIN 動態管理 |
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月額1,200円/人~ |
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