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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2025/03/07 

UTM(統合脅威管理)とは? 仕組みやメリット、おすすめサービス5選を紹介

【2025年最新比較表あり】UTM(統合脅威管理)とは? 仕組みやメリット、おすすめサービス5選を紹介

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

企業を狙う不正な攻撃にはさまざまな手法があります。しかし、ひとつひとつの攻撃に対してセキュリティ対策を講じていくのが困難な企業もあるでしょう。そのような場合は、不正な攻撃を総合的に対策できるUTMの導入がおすすめです。

本記事では、UTMが求められる背景や導入するメリット、選び方などを解説します。

おすすめの不正侵入検知サービス一覧

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会社名 サービス名 特長 費用 主なサービス
株式会社サイバーセキュリティクラウド 株式会社サイバーセキュリティクラウド 詳細はこちら 攻撃遮断くん
  • 一社通貫の万全なサポート体制で、稼働率99.999%・解約率約0.97%の圧倒的な運用力を誇る
  • 20,000サイト以上の豊富な導入実績あり! SBI証券や厚生年金基金などの金融機関からANA、PARCO、代ゼミまで規模や業界問わず幅広く対応
  • 万が一サイバー攻撃により損害を受けた場合に、最大1,000万円を補償する保険を付帯可能
1サイト月額11,000円~
※別途、初期導入費用がかかる
お問い合わせ
攻撃検知AIエンジン搭載
サイバー攻撃対策
サイバー保険付帯
株式会社AndGo 株式会社AndGo 詳細はこちら Aikido Security
  • さまざまな脆弱性診断機能をオールインワンツールで提供、幅広いセキュリティ課題に包括的に対応
  • SaaS事業者からオンプレミスインフラを扱うエンタープライズまで世界3,000社で導入実績あり
  • アラートの自動トリアージ機能により、誤検知や過検知による重要アラートの見過ごしを防止
ベーシック:52,500円/月
プロ:105,000円/月
カスタム:要お問い合わせ
Webアプリケーション診断
プラットフォーム診断
クラウド診断
手動脆弱性診断
伴走サポート
株式会社スリーシェイク 株式会社スリーシェイク 詳細はこちら Securify(セキュリファイ)
  • 初期費用0円・最短1営業日でワンストップのセキュリティ対策を開始できる
  • 簡単3ステップで、3300項目以上の診断を実施
  • シンプルかつストレスフリーな操作性
  • リリースやアップデート時に課金なしで何度も診断可能
  • 【新機能リリース】攻撃対象になり得るIT資産を自動で棚卸し、管理できるASMを搭載!
ASMプラン:お見積り
BASICプラン:10万円/月額
STARTERプラン:5万円/月額
Freeプラン:0円/月額
※契約は年単位
お問い合わせ
ASM
Webアプリケーション診断
Wordpress診断
SaaS診断
トレンドマイクロ株式会社 TippingPoint
  • 機械学習による脅威の検知によりネットワーク全体を防御
  • 拡張性の高いシステム構成で大容量のネットワークに対応可能
  • 高性能な検知と対応の優先度を提供
要お問い合わせ 要お問い合わせ
株式会社東計電算 Total Security Function Service
  • 高機能、高セキュリティのマルウェア対策サービスが低コストで利用可能
  • 自社データセンターを活用したSaaS型サービス
  • ヒューリスティック分析の多層防御で未知のマルウェア対策が可能
月額600円~/1台 ウィルス対策機能
マルウェア対策機能
ファイアウォール
ヒューリスティック分析
デバイス制御 など
Broadcom Inc. Symantec Endpoint Security
  • 全体のセキュリティ強化で日々の業務を維持
  • 持続性の高い脅威を検出修復しAD資格情報の窃盗を防ぐ
  • 一元管理により作業負荷を軽減
要お問い合わせ 脆弱性の修復
デバイス制御
マルウェアの防止
ファイアウォール
分析・調査 など
エクスジェン・ネットワークス株式会社 L2Blocker
  • 不正端末を排除し低コストでセキュリティレベルの向上を実現
  • シンプルなアプライアンス構成のため簡単に導入ができる
  • 2005年の販売開始より、10,000センサー以上の出荷実績あり
オンプレミス版:25,000円~
クラウド版:月額3,000円~
社内端末の管理機能
利用状況の可視化
不正に接続した端末への通知
未登録機器の利用申請
レポート分析 など
株式会社セキュアソフト SecureSoft Sniper IPS
  • 高スループット高検知性能で適切なセキュリティ対策を実現
  • 完全日本語化対応かつ直感的に操作ができるように設計
  • バイパス機能を内蔵し障害時も通信の継続が可能
要お問い合わせ リアルタイムモニター
統合報告書
システム監査
環境設定
セキュリティ設定 など
ソフォス株式会社 Sophos Firewall
  • 高度な脅威を分かりやすく表示し、ネットワークを適切に制御
  • 次世代型の強力な保護テクノロジーにより未知の脅威を阻止
  • 脅威の拡散を防ぐため感染したシステムを即座に隔離可能
要お問い合わせ ディープパケットインスペクション
ゼロデイ対策
SD-WAN接続
セグメンテーション機能
レポート機能 など
株式会社IDCフロンティア 不正侵入検知/防御サービス
  • 導入時間の短縮と社内で必要なセキュリティ要員の縮小が可能
  • 増え続けるインターネット上の脅威を迅速に遮断し、不要なダウンタイムを回避
  • セキュリティ専門家による24時間体制でのセキュリティ運用最適化を実現
要お問い合わせ 検知レポート
機器監視
設定管理
故障時機器交換
変更監視 など
ソースネクスト株式会社 ZERO スーパーセキュリティ
  • 期限延長や契約更新が不要で高いコストパフォーマンスを実現
  • 世界的な第三者機関による性能テストで防御力を高評価
  • 充実の機能とサービスで使いやすさに定評あり
4,950円~
マルウェア検出
メール検査
ファイアウォール
迷惑メール対策
詐欺対策 など
フォーティネットジャパン合同会社 FortiGuard IPS
  • 豊富なIPS機能を提供し悪意のあるトラフィックの検知阻止が可能
  • 効率的なアーキテクチャを基盤に、大規模データセンターのパフォーマンスを確実に安定
  • リアルタイムで侵入防御シグネチャを分析展開し、連携したネットワーク対応を実現
要お問い合わせ ネットワーク保護
OT保護
リアルタイム展開
IOT保護
保護ライフサイクル など
NTTスマートコネクト株式会社 クラウド型UTM
  • UTMログ保管インターネット接続高度セキュリティオペレーションをワンストップで提供
  • 安価で簡単なセキュリティ対策が可能
  • オンプレミスの設定をクラウド移行可能
月額38,500円~(税込)
※初期費用110,000円(税込)
ファイアウォール機能
IPS(不正侵入防御)機能
アンチウィルス(アンチマルウェア)機能
アンチスパム機能
Webフィルタリング機能 など
サクサ株式会社 サクサのUTM
  • サイバー攻撃によるデータの破壊や流出から、メール誤送信などのヒューマンエラーまで対策可能
  • セキュリティ状況の見える化で、社内のセキュリティ意識を向上
  • 情報システム担当がいなくても導入運用できる充実したサポート体制
要お問い合わせ Webフィルタリング機能
アンチウイルス機能
迷惑メールブロック機能
侵入検知・防止機能
パロアルトネットワークス株式会社 PA-SERIES
  • 世界中の65,000件以上に信頼できるサービスとして選ばれている実績あり
  • 顧客からのフィードバックのみに基づいて決定されるカスタマーズチョイス賞を受賞
  • 簡単に導入運用が可能でセキュリティの簡素化と強化を実現
要お問い合わせ 脅威防御
SD-WAN
URLフィルタリング
WildFireマルウェア分析
DNSセキュリティ など
Google LLC Google Cloud IDS
  • 組織のニーズに基づいたトラフィックの検査が可能
  • 脅威分析エンジンと調査チームにより新しい脅威や検出メカニズムを特定
  • IDSを活用してコンプライアンス目標の達成をサポート
要お問い合わせ ネットワークベースの脅威検出
トラフィックの公開設定
コンプライアンス目標の支援
脅威警告の優先順位の提供
アプリのマスカレード検出 など

この記事の目次はこちら

UTM(統合脅威管理)とは?

UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)は、複数のセキュリティ機能を統合し、多様な脅威からネットワークを包括的に保護するソリューションです。ファイアウォール、アンチウイルス、不正侵入検知・防御システム(IDS/IPS)などを一元的に管理し、企業の情報資産を守ります。専用アプライアンスだけでなく、クラウド型サービスも提供されており、企業の規模やニーズに応じて柔軟な導入が可能です。

UTMが求められる背景

UTMが求められる背景として不正な攻撃の多様化が挙げられます。これまでもネットワークを通じた攻撃は存在していました。このような従来の攻撃に対しては専用のセキュリティ対策システムによって対応していました。しかし、さまざまな不正な攻撃が登場したことで、複数のセキュリティ対策が求められるようになっています。UTMであれば複数のセキュリティ対策をひとつの機器で対応可能です。

UTMとセキュリティソフトの違い

UTMとセキュリティソフトの違い UTMとセキュリティソフトは、多層防御の異なるレイヤーを担います。UTMは、ネットワークの出入口で不審な通信を遮断し、社内への侵入を防ぐ「門番」の役割を果たします。一方、セキュリティソフトは、エンドポイント(パソコンやスマートフォンなど)にインストールされ、万が一UTMを通過した脅威を個々のデバイス内で検出し、隔離・駆除する「最後の砦」です。

また、UTMはネットワークを通じた攻撃は防止できるものの、USBを用いた不正な攻撃や内部情報の持ち出しなどには効果を発揮しません。そのため、UTMとセキュリティソフトはどちらかだけを導入するのではなく、併用することが大切です。

UTMの導入が適している企業

UTMの導入が適している企業として以下が挙げられます。

  • セキュリティ担当者を設けていない企業
  • 個人情報を取り扱っている企業
  • 知的財産を核としている企業

セキュリティ担当者を設けていない企業

セキュリティ担当者を設けていない企業には、UTMの導入が適しています。セキュリティ対策は、随時システムのアップデートが必要です。担当者がいないことで対応が遅れてしまうと、不正な攻撃の対象になる場合があります。UTMであれば機器ひとつだけでいくつものセキュリティ対策を講じられるため、少ない工数で運用可能です。

また、UTMを設置することですぐにセキュリティ対策が講じられるので、スピーディにセキュリティを強化したいという企業にも適しています。

個人情報を取り扱っている企業

個人情報を多く取り扱っている企業にもUTM導入がおすすめです。不正な攻撃や内部不正などによって個人情報が流出してしまうと、企業としての社会的信用が低下するだけでなく、罰則が科せられたり多額の慰謝料を請求されたりする可能性があります。こういったリスクを避けるために、総合的なセキュリティ対策が講じられるUTMの導入が適しているでしょう。

知的財産を核としている企業

知的財産を事業の核としている企業の場合、情報漏えいや不正な攻撃によってノウハウが流出してしまうと、類似品や海賊版が作られる恐れがあります。類似品や海賊版が作られてしまうと、自社の競争力が低下しかねません。そのため、UTMによってセキュリティリスクを軽減させ、自社の知的財産を守りましょう。

UTMに含まれる主な機能と仕組み

UTMの主要機能と多層防御 UTMは、以下の多岐にわたるセキュリティ機能を統合し、ネットワーク全体を脅威から守ります。

  • ファイアウォール
  • アンチスパム
  • アンチウイルス
  • 不正侵入検知・防御(IDS/IPS)
  • VPN
  • データ損失防止(DLP)
  • Webフィルタリング

それぞれ仕組みが異なり、単体でのサービスも提供されています。それぞれセキュリティ効果を発揮する攻撃がある一方、対応しきれない攻撃もあるため、UTMによって総合的なセキュリティ対策を講じましょう。

ファイアウォール

ファイアウォールは、自社の端末やネットワークを外部からの不正なアクセスから守るセキュリティ対策です。外部だけでなく、自社が許可していない相手へのアクセスも防止できます。具体的には、あらかじめ設定されたルールに基づいて不正なアクセスであるかを判断し、必要に応じて遮断します。

しかし、ファイアウォールはルールからはずれた攻撃には対応できません。また、サイトの脆弱性を狙った攻撃も防止できないというデメリットがあります。

アンチスパム

大量に送られるスパムメール(迷惑メール)は、事業の妨害やシステムへの負荷増加につながります。また、スパムメールの中にはマルウェア感染につながるサイトへ誘導するケースもあります。アンチスパムとは、このようなスパムメール対策を目的とした機能です。次のような方法でスパムメールからどうかを判断します。

  • 送信元の情報から判断する
  • メールタイトルや本文でスパムに該当する特定の話題かどうか判断する
  • 過去にスパムと認定された差出人アドレスから判断する

アンチウイルス

アンチウイルスとは、ウイルス対策ソフトやアンチウイルスソフトをインストールして、ウイルスやマルウェアに対策を講じる機能です。しかし、ウイルス対策ソフトやアンチウイルスソフトを新たにインストールできないデバイスも存在します。また、ウイルスを定義するデータベースの更新にタイムラグが発生するケースもあるでしょう。このような状況下でウイルス対策として効果的なのが、UTMのアンチウイルス機能です。UTMのアンチウイルス機能であれば、ネットワークに入られる前にウイルスを遮断可能です。

不正侵入検知・防御(IDS/IPS)

攻撃を検知して侵入を防ぐ機能もUTMに備わっています。侵入防止は主に次の2つに分けられます。

  • IDS:ネットワークに対する不正なアクセス、内部情報の持ち出しを検知する
  • IPS:ファイアウォールでは対応できない不正な攻撃も検知する

IDS、IPSの機能を備えたUTMを導入することで、より高いセキュリティ対策が期待できるでしょう。

VPN

VPNは仮想プライベートネットワークと呼ばれる機能です。共用のネットワークを使用する場合、悪意あるユーザーから通信内容を盗み見られる可能性があります。そのため、機密性の高い情報を共用のネットワークでやり取りすると、情報漏えいにつながりかねません。このようなケースで用いられるのがVPNです。VPNは次のような技術によって専用の通信環境を構築します。


技術概要
トンネリング仮想のトンネルによって通信を外部から隔絶する
カプセル化データの情報を外部から分からないようにする
認証仮想トンネル内部への侵入を防止する
暗号化データを読み取れないように暗号化する


UTMのVPN機能によって通信内容を外部から守れるため、情報漏えいを防止可能です。

データ損失防止(DLP)

データ損失防止とは、データの流出や破壊を察知して、防止する機能です。データ損失防止機能は外部からの不正な攻撃に対処できるだけではありません。自社のシステムにアクセスできる従業員による内部不正も防止可能です。

Webフィルタリング

Webフィルタリングは、特定のサイトへのアクセスを防ぐセキュリティ対策です。企業の場合、オフィスで使用している業務用のパソコンを従業員が私的に利用することを防止します。例えば不正な攻撃につながりかねないサイトへのアクセスだけでなく、業務進捗を低下させる可能性のあるソーシャルメディアへのアクセスを制御することも可能です。

UTMを導入するメリット

 UTM導入のメリット UTM導入は、企業に以下のメリットをもたらします。

  • コスト効率の向上:複数のセキュリティ機器を個別に導入・運用するよりも、UTM一台で済むため、初期費用と運用コストを大幅に削減できます。
  • 運用管理の効率化:セキュリティ対策の一元管理により、システム管理者の負担を軽減し、運用効率を向上させます。
  • 迅速な脅威対応:統合されたシステムにより、セキュリティインシデントの早期発見と迅速な対応が可能になります。

従来のセキュリティ対策よりも導入・管理のコストを削減できる

UTMを導入することで、従来のセキュリティ対策で発生していた導入・管理のコストを削減可能です。従来のセキュリティ対策の場合、スパムメールやWebフィルタリングなどリスクに応じたシステムの導入が必要です。選定の段階から管理までのコストがかさむことも多いでしょう。一方、UTMであればさまざまなセキュリティ機能がひとつに備わっているため、導入・管理のコストを削減できます。

また、専用の機器を設置するだけでセキュリティ対策を講じられるため、導入にあたっての大規模なネットワークの変更なども不要です。

スピーディにトラブル対応できる

UTMはシステム(機器)にトラブルが発生した場合、スピーディにトラブル対応が可能です。ばらばらのシステムを使用していたこれまでのセキュリティ対策では、トラブルが発生した際に、どこにトラブルが発生しているのかの分析・特定が難しい傾向にありました。

一方、UTMであれば機器がひとつだけのため、故障した機器を交換するだけで完了します。さらに、ベンダーの窓口も一元化できるため、スピーディにトラブル対応が可能です。

UTMを導入する際の注意点

UTMを導入する際は、次のような注意点を把握しておきましょう。

  • 機器が故障するリスクがある
  • セキュリティ機能をカスタマイズしづらい
  • セキュリティ機能は製品によって異なる
  • UTM以外のセキュリティ対策も求められる

機器が故障するリスクがある

UTMを導入したとしても、機器が故障などのトラブルに見舞われるリスクがあります。機器が故障するとセキュリティリスクが高まり、業務に支障が出る場合もあるでしょう。

機器故障によるリスクを軽減するのであれば、クラウド型のUTMがおすすめです。クラウド型であれば機器の設置は不要なため、故障リスクを回避可能です。また、初期設定だけでなく、保守運用もベンダーが担ってくれます。

さらに、クラウド型はよりスピーディに導入できる上に、複数拠点のネットワークを一元管理可能です。

セキュリティ機能をカスタマイズしづらい

UTMにはさまざまなセキュリティ機能が備わっているものの、企業にとっては不要な機能もあるでしょう。しかし、基本的にUTMでは自社に応じたセキュリティ機能をカスタマイズするのが困難です。そのため、導入にあたってはどのような機能が備わっているかを確認しておきましょう。なお、ベンダーによってはオプションとしてカスタマイズ可能なケースもあります。

セキュリティ機能の効果は製品によって異なる

UTMには、ファイアウォールやアンチスパムなど、さまざまなセキュリティ機能が備わっています。しかし、どれだけのセキュリティ効果を発揮するかは製品によって異なるので注意しましょう。導入したUTMによっては、自社で求めるほどの効果が発揮されない可能性もあります。

UTM以外のセキュリティ対策も求められる

UTMはひとつでさまざまなセキュリティリスクに対応できるものの、万能ではありません。例えばネットワークを介さない不正には対応できません。そのため、UTM以外のセキュリティ対策も講じる必要があります。

UTMの選び方

最適なUTMを選ぶためのポイント UTM製品は多岐にわたるため、以下のポイントを考慮し、自社に最適な製品を選びましょう。

  • 自社が求める機能が備わっているか
  • ユーザー数やトラフィック数の上限が自社に応じているか
  • 操作しやすいか
  • サポート体制が整っているか

自社が求める機能が備わっているか

一般的にUTMは導入後に機能を拡張するのが困難です。そのため、自社が求める機能が備わっているかを導入前に確認しましょう。求めている機能が備わっていなかった場合、十分なセキュリティ対策が期待できません。一方、不要な機能が多く含まれている場合、使いこなせず、コストばかりかさんでしまいます。そのため、自社がどのようなセキュリティ課題が備わっているかを洗い出した上で、自社に応じたUTMを選択しましょう。

ユーザー数や通信量の上限が自社に応じているか

UTMを選ぶ際は機能だけでなく、ユーザー数や通信量の上限にも着目しましょう。UTMはユーザー数、通信量が設定されているのが一般的です。今後、従業員が増加する可能性がある企業は、上限に余裕を持った契約を結ぶのがおすすめです。また、従業員が少ない企業であっても、通信量が多い企業の場合、UTMによっては処理できる作業量が追いつかない可能性もあります。

ユーザー数や通信量の変化に対応するためには、クラウド型のUTMがおすすめです。クラウド型であればプランやオプションを見直すだけで、ユーザー数、通信量の上限を変更できます。

操作しやすいか

UTMを導入する際は、機能や操作性が分かりやすいかもポイントです。例えば日本語のユーザーインターフェースに対応している、簡単な設定で導入できるなどの操作性を確認しましょう。使いづらい仕様の場合、セキュリティの問題が発生した際、一目で状況を把握できない可能性があります。

サポート体制が整っているか

UTMを導入した場合、さまざまな疑問やトラブルが想定されます。そのため、万が一に備えてベンダーのサポート体制が整っているかを確認しましょう。特に社内でセキュリティ担当者を設けていない場合、ベンダーのサポート体制の確認が重要です。サポート体制を比較する上では次のようなポイントをチェックします。

  • メールか電話など窓口の種類
  • 問い合わせ可能な時間
  • トラブル発生時の対応

また、ベンダーによっては無料トライアル期間を提供しているケースもあります。無料トライアルを活用すれば、導入前に操作性を確認可能です。

おすすめのUTM5選

おすすめのUTMとして挙げられるのは以下のとおりです。

  • FortiGate
  • Sophos UTM 
  • Quantum Smart-1セキュリティ管理アプライアンス
  • beat サービス
  • TZシリーズ次世代ファイアウォール(NGFW)

高速なパフォーマンスを実現する「FortiGate」

フォーティネットジャパン合同会社が提供する次世代ファイアウォール(NGFW)が「FortiGate」です。UTMの場合、不要な機能がネットワークに負荷をかけてしまうことがあります。一方、FortiGateであれば必要な機能のみをオンにすることで、ネットワークへの負荷を軽減し、パフォーマンスの高速化が期待できます。


費用要問い合わせ
提供形態物理アプライアンス、仮想アプライアンス
主な機能ファイアウォール、ウイルス対策、迷惑メール対策、Sandbox機能、Webフィルタリングなど
無料トライアルあり

自社でのアップデート負担を軽減できる「Sophos UTM」

ソフォス株式会社が提供するUTMサービスが「Sophos UTM」です。「Sophos UTM」はクラウド型でも提供されています。クラウド型ならベンダーが随時新しい脅威への対策をアップデートしてくれるため、自社でアップデートする負担を軽減可能です。


費用要問い合わせ
提供形態ハードウェア、ソフトウェア、仮想環境、クラウド
主な機能ディープ ラーニング プロテクション、ネットワークプロテクション、ワイヤレスプロテクション、Web プロテクション、サンドボックス機能、メールプロテクション、Webサーバープロテクションなど
無料トライアルあり

スピーディな分析が可能な「Quantum Smart-1セキュリティ管理アプライアンス」

Quantum Smart-1セキュリティ管理アプライアンス」はチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社が提供するUTMです。毎秒21,000 件以上のイベントとログを処理できるため、スピーディに分析できます。


費用要問い合わせ
提供形態物理アプライアンス、クラウド
機能パッケージ化されたセキュリティ機能「Software Blade」、イベント分析機能、レポート機能など
無料トライアルあり

365日のサポート体制「beat サービス」

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が提供するUTMが「beat サービス」です。専用機器であるbeat-boxを設置することで多層セキュリティを実現できます。「beat サービス」ではbeat コンタクトセンターとして平日はもちろん、土日祝、年末年始であっても電話やメールで問い合わせが可能です。


費用要問い合わせ
提供形態物理アプライアンス
主な機能アンチウイルス、IPS、迷惑メール判定、ファイアウォール、レポート参照、週間稼働状況レポート、プライバシーマーク・ログ機能など
無料トライアル要問い合わせ

リアルタイムで高いスキャン能力を発揮する「TZシリーズ次世代ファイアウォール(NGFW)」

ソニックウォール・ジャパン株式会社によるUTMが「TZシリーズ次世代ファイアウォール(NGFW)」です。特許技術「RFDPI」を用いることで、ネットワークのパフォーマンスを落とすことなく、リアルタイムで脅威をスキャン可能です。


費用要問い合わせ
提供形態物理アプライアンス
主な機能ファイアウォール、侵入防止、VPN、アンチマルウェア、アプリケーションの識別、ネットワーク、ダッシュボードの改良、VoIPなど
無料トライアルあり

UTMを導入してさまざまなセキュリティリスクに対応しよう

UTMとは統合脅威管理を意味し、さまざまなセキュリティリスクをカバーする対策です。UTMにはファイアウォールやアンチスパム、アンチウイルス、侵入防止などの機能が備わっているため、UTMひとつでさまざまなセキュリティリスクに対応可能です。また、大幅な工事などが不要なため、スピーディにセキュリティ対策を講じられます。企業の中でもセキュリティ担当者を設けていない企業、個人情報を取り扱っている企業などはUTMの導入がおすすめです。

UTMにはさまざまな種類があります。そのため自社が求める機能が備わっているか、操作しやすいか、サポート体制が整っているかなどに着目するのがポイントです。特にUTMを導入してさまざまなセキュリティリスクに対応しましょう。

こちらの記事ではさまざまなセキュリティツールを解説しています。セキュリティリスクへの対策を講じたいと考えている方はぜひご覧ください。


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