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SFA JOURNAL by ネクストSFA

福利厚生サービスの費用相場|種類別の料金体系とコストパフォーマンスを高める選定術

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

はじめに

従業員の定着率向上や採用力強化のために福利厚生の導入を検討されている経営者様、人事・総務部門の責任者様にとって、最初の、そして最大の関門となるのが「費用」の問題ではないでしょうか。「福利厚生サービスは、一体いくらかかるのか」「料金体系が複雑で、自社に合ったサービスの費用感がつかめない」「上司や経営層に提案するための、客観的な相場感が知りたい」こうした悩みから、導入検討がなかなか前に進まないというケースは少なくありません。福利厚生サービスの費用は、その種類やプラン、企業の従業員数によって大きく変動するため、一概に「いくら」と言い切ることは困難です。しかし、費用の仕組みや種類ごとの料金相場、そして費用対効果を見極めるポイントを正しく理解すれば、自社の予算内で最大限の効果を発揮するサービスを選定することが可能になります。本記事では、福利厚生サービスの導入を検討されている担当者の皆様のために、①福利厚生サービスの基本的な費用内訳、②サービス種類別の具体的な料金相場、③コストパフォーマンスを高めるための選定ポイント、④経費として計上する際の会計・税務上の注意点まで、意思決定に必要な情報を網羅した「完全ガイド」としてお届けします。この記事を最後までお読みいただくことで、費用に関する漠然とした不安を解消し、自信を持って社内提案を進めるための一助となるはずです。

【比較表】福利厚生のおすすめサービス

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送料・備品費:0円
商品代金:下記から選択
食べる分だけ都度決済「企業負担ゼロ」パターン
企業と従業員が一部負担する「一部負担」パターン
福利厚生費として企業が一括購入する「買取」パターン
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おやつ
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コーヒー
スイーツパン
グラノーラ
おつまみ
プロテインバー
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そうざい など
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※定価の25%オフ、50%オフにできるプランの他、要望に合わせたカスタマイズも対応
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※取り扱い商品は300種類以上
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初期費用:0円
月額料金:9万円~(年間宿泊日数30泊~)
宿泊時の費用:宿泊費0円、清掃費3,300円、週末料金(土曜・日曜・祝前日)5,500円/室
※ハイシーズン料金なし
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初期費用:0円
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※月次でまとめて請求
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  • オーラルケアを通じて健康経営をサポートする、独特かつ斬新なサービス!
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  • 歯科医師、歯科衛生士によるデンタルサポート付き! 従業員の口内環境改善をサポート!
  • 継続率99.9%! お客さまからの高評価
電動歯ブラシ本体無料
<スタッフ自宅への個別配送>
替え歯ブラシ1本350円(税込)
<会社への一括配送>
替え歯ブラシ1本308円(税込)
電動歯ブラシ本体無料+選べる替え歯ブラシ(スタンダード/極細/フラット/子供用)
Perk
  • オフィスに来なくても受けられる福利厚生
  • それぞれのメンバーが選べる特典あり
  • サービス導入後、メンバーを招待するだけで簡単に利用を開始できる
要問い合わせ ビジネススキルの研鑚・プライベートの充実など社員の様々なニーズにフィットする1,000以上のサービスを提供
Resort Worx
  • 宿泊施設が30~80%割引
  • 従業員の2親等以内の親族まで利用可能
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要問い合わせ トラベル体験、リゾートワークの支援
OFFICE DE YASAI
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オフィスでやさい
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健康指導・支援
SANU 2nd Home for Business
  • 日本中の自然豊かな立地を自由に選んで滞在できる
  • 初期費用0円・利用日数を30泊単位で選べるので、導入しやすい
  • 従業員の85%が魅力的と答える福利厚生
・初期費用:0円
・年間泊数
30泊 / 90,000円(/月)~
・清掃費(1室1滞在)
3,300円
保養所の利用サービス
オフィスおかん
  • ランチに限らず24時間活用できる
  • 従業員数10名未満から10万名超まで対応
  • 従業員満足度や健康経営の取り組みにも活用できる
要お問い合わせ 置き型の社食サービス
おかず
副菜
汁物
ご飯・パン など
チケットレストラン
  • 日本全国で約150,000人が活用
  • 非課税を活用してランチが実質半額になる
  • 内勤・外勤など勤務環境を問わず公平に利用できる
  • 利用できるお店は全国25万店舗以上
要お問い合わせ ランチが実質半額になるチケットサービス
WELBOX
  • 多様なニーズに応じた幅広いメニューを、会員価格で提供
  • 従業員の利用状況を随時把握できる
  • 業界最長の受付時間のコールセンターや24時間365日利用できる会員専用ホームページが充実
  • 内定者にも、現役社員と同様の福利厚生を提供
要お問い合わせ 旅行、健康増進、介護、育児、自己開発、エンターテインメントなどの商品・サービスをパッケージで提供
ライフサポート倶楽部
  • 手間なく低コストで充実
  • 全国に対応したサービスにより地域間格差が解消され平等な制度の構築が可能
  • 制度導入の費用対効果の検証が可能
要お問い合わせ 宿泊・レジャー、介護、育児などの商品・サービスをパッケージで提供
ベネフィット・ステーション
  • 約140万件以上のメニュー
  • 従業員の家族も使用できる
  • 導入企業法人約16,000団体
  • 法人会員数約1,100万人
Netflix得々プラン:1,850円(月額/1名)
Netflixプラン:1,350円(月額/1名)
学トクプラン:1,200円(月額/1名)
得々プラン:1,000円(月額/1名)
グルメ、ショッピング、学習コンテンツ、育児、介護、引っ越しなどの商品・サービスをパッケージで提供
福利厚生倶楽部
  • 人材確保・定着に役立つ
  • 低コストで育児介護・研修・旅行・グルメ・遊び・スポーツ・健康など約350万種以上の豊富なサービスを業界最安水準の価格で提供
  • 導入後のアフターフォローが充実
要お問い合わせ 余暇支援、育児、介護、学習などの商品・サービスをパッケージで提供
オフィスグリコ
  • 設置費用、ランニングコスト0円
  • 数名規模から1000名超まで、幅広い企業の導入実績あり
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要お問い合わせ グリコが提供するおかし、ドリンク、アイスの提供

【第1章】まずは基本から。福利厚生サービスの費用内訳と料金体系の仕組み

福利厚生サービスの費用を比較検討する前に、まずはその料金がどのような要素で構成されているのか、基本的な構造を理解しておくことが重要です。費用は主に「初期費用」「月額料金」「オプション費用」の三つに大別されます。

1. 初期費用(導入費用) 

初期費用とは、サービスを導入する際に初回のみ発生する費用のことです。主な内訳としては、システムへの企業情報の登録や、従業員一人ひとりのアカウントを発行するためのシステム設定費、導入にあたっての運用設計などをサポートする導入コンサルティング費用などが挙げられます。費用相場としては、近年この初期費用を無料としているサービスが非常に増えています。特に、多くの企業に利用されている主要なパッケージ型福利厚生サービスなどでは、導入のハードルを下げるために初期費用ゼロを打ち出しているケースが目立ちます。一方で、企業の個別事情に合わせてシステムをカスタマイズする必要があるカフェテリアプランや、専門的なコンサルティングが伴うサービスなどでは、数万円から数十万円の初期費用が必要となる場合があります。

2. 月額料金 

月額料金は、サービスを利用し続ける限り毎月発生するランニングコストであり、福利厚生費用の中心となる部分です。この月額料金の算出方法は、サービスの種類によって多少異なりますが、多くのサービスで共通しているのは、以下の二つの要素によって価格が決定されるという点です。

  • 課金モデルと従業員数: ほとんどのサービスが「従業員一人あたり〇〇円」という従量課金制を採用しています。例えば「月額500円/人」といった形で、従業員数に応じて月額料金の総額が変動します。一般的に、契約する従業員数が多ければ多いほど、一人あたりの単価が安くなる「スケールメリット」が働く傾向にあります。
  • プラン内容(サービス範囲): 同じサービス内でも、利用できるメニューの数や質に応じて複数の料金プランが用意されているのが一般的です。例えば、基本的な割引サービスのみが利用できるスタンダードプランと、人間ドックの補助や介護支援など、より手厚いサービスが含まれるプレミアムプランとでは、一人あたりの月額料金も大きく異なります。

3. オプション費用 

オプション費用は、基本プランには含まれていない特定のサービスを追加で利用する際に発生する費用です。例えば、パッケージ型サービスを契約している企業が、追加で専門的なeラーニングコンテンツを導入したり、全社でストレスチェックを実施してその結果を詳細に分析してもらったりする場合などがこれに該当します。健康経営への関心の高まりから、オンラインでの産業医面談やカウンセリングサービスをオプションとして提供するケースも増えています。これらの費用は、利用するサービス内容や頻度によって大きく変動するため、基本の月額料金だけでなく、自社が必要としそうなオプションの料金体系についても、契約前にしっかりと確認しておくことが重要です。

【第2章】<種類別> 福利厚生サービスの費用相場を徹底比較【2025年最新】

福利厚生サービスと一言で言っても、その種類は多岐にわたります。ここでは、代表的なサービスを5つのカテゴリーに分け、それぞれの概要と2025年現在の費用相場を詳しく解説します。

1. パッケージ型福利厚生サービス(総合型)

旅行、レジャー、グルメ、育児・介護支援、自己啓発、フィットネスなど、数万から百万以上もの多彩な割引メニューを、一つのプラットフォームでまとめて提供する最も一般的なサービスです。従業員は、自身のライフスタイルや好みに合わせて好きなサービスを自由に利用できます。

費用相場

従業員一人あたり月額300円~1,500円程度が相場です。価格は、提供されるプランのグレードによって大きく変動します。月額300円~500円程度のリーズナブルなプランでは基本的な割引サービスが中心となり、月額1,000円を超える上位プランになると、宿泊補助や人間ドックの補助金など、より付加価値の高いサービスが含まれる傾向にあります。

2. カフェテリアプラン(選択型)

企業が従業員一人ひとりに対して、年間で利用できる一定のポイント(例:5万ポイント=5万円分)を付与し、従業員はそのポイントの範囲内で、企業が用意した複数の福利厚生メニューから好きなものを自由に選んで利用する制度です。

費用相場

費用は①制度を運用するためのシステム利用料と、②従業員に付与するポイントの原資の二つで構成されます。システム利用料は、従業員規模にもよりますが一人あたり月額300円~500円程度、加えて初期設定やコンサル費用として30万円~100万円程度が必要な場合があります。ポイント原資は、企業の予算に応じて任意に設定できます。

3. 食事補助サービス

社員食堂の運営委託や、オフィスに惣菜などを常備する「設置型社食」、提携するコンビニや飲食店で利用できる食事券や専用アプリ(チケットレストラン等)の提供といった、従業員の「食」を支援するサービスです。

費用相場

最も注目すべきは、所得税法上の非課税枠です。企業が食事費用の半額以上を負担し、かつ企業からの補助額が従業員一人あたり月額3500円(税抜)以下である場合、その補助は給与として課税されません。この節税メリットを最大限に活用するため、多くの企業がこの月額3500円を基準に制度設計をしています。これに加えて、サービス提供会社への手数料が別途数百円程度かかるのが一般的です。

4. 健康支援サービス

オンラインでの医師や専門家への健康相談、ストレスチェックの実施・分析、フィットネスジムの優待利用、人間ドックの予約代行・割引など、従業員の心身の健康維持・増進に特化したサービスです。

費用相場

多くの健康支援サービスは、前述のパッケージ型福利厚生の一部として提供されています。単体で専門的なサービスを導入する場合、その費用は一人あたり月額200円~1,200円程度が目安ですが、産業医の選任やカウンセリングの回数など、サービス内容によって価格は大きく変動します。

5. 目的特化型サービス(住宅・育児・研修など)

特定の経営課題を解決するために、専門的なサービスを単体で導入するケースです。例えば、従業員の家賃を補助する借り上げ社宅制度の管理代行サービス、育児中の従業員を支援するベビーシッター派遣サービスの法人契約、従業員のスキルアップを目的としたeラーニングプラットフォームの導入などがこれにあたります。

費用相場

これらのサービスは提供される内容が専門的かつ多岐にわたるため、決まった価格というものがなく、企業の課題や利用人数に応じて個別に見積もりを取るのが一般的です。解決したい課題が明確な場合に非常に有効な選択肢となります。

【第3章】費用だけで決めない!コストパフォーマンスを高める3つのポイント

福利厚生サービスの導入を検討する際、どうしても月額料金の安さに目が行きがちです。しかし、真に価値のある投資とするためには、表面的な価格だけでなく、その費用対効果(コストパフォーマンス)を多角的に見極める必要があります。ここでは、費用だけで決めずにコストパフォーマンスを最大化するための三つの重要なポイントを解説します。

ポイント1:【利用率】を予測する。「安いけど使われない」は最悪のコスト 

最も避けるべきなのは、コストをかけて導入したにもかかわらず、従業員にほとんど利用されないという事態です。月額300円のサービスでも、100人の従業員がいれば年間36万円のコストが発生します。利用率が低ければ、それは全く効果を生まない無駄な支出となってしまいます。これを防ぐためには、導入前に従業員の真のニーズを把握することが不可欠です。全従業員を対象とした匿名のアンケート調査などを実施し、「どのような支援があれば嬉しいか」「日々の生活や仕事で何に困っているか」といったリアルな声を収集しましょう。若手社員、中堅社員、子育て世代、介護世代など、属性によって求めるものは異なります。一部の従業員しか喜ばないニッチなサービスよりも、フィットネスジムの優待や食事補助、自己啓発支援など、年齢・性別・役職を問わず、より多くの従業員が公平に利用できる機会のあるサービスを選ぶことが、高い利用率を確保し、結果的にコストパフォーマンスを高めることに繋がります。

ポイント2:【運用負荷】を把握する。「見えないコスト」が担当者を疲弊させる 

福利厚生サービスの費用は、ベンダーに支払う月額料金だけではありません。導入後に発生する管理業務にかかる担当者の人件費、いわゆる「見えないコスト」も考慮に入れる必要があります。例えば、新入社員や退職者の情報を毎月手作業で更新したり、従業員からの「パスワードを忘れた」「使い方がわからない」といった問い合わせに個別対応したり、利用状況を集計して報告書を作成したりと、運用には想像以上に手間がかかる場合があります。特に、人事・総務部門が少人数である企業にとっては、この運用負荷が日常業務を圧迫し、担当者を疲弊させる原因となりかねません。サービスの選定時には、料金プランと合わせて、管理画面は直感的で使いやすいか、従業員情報の登録・更新はシステム連携などで自動化できるか、従業員からの問い合わせに直接対応してくれるヘルプデスクは存在するか、といった運用負荷を軽減するための機能やサポート体制が充実しているかを必ず確認してください。

ポイント3:【税制優遇】を活用する。実質的な負担を軽減する知識 

福利厚生への支出は、一定の要件を満たすことで、法人税法上の経費(損金)として扱われる「福利厚生費」となり、節税に繋がります。この税制優遇を最大限に活用することは、実質的なコストを削減する上で極めて重要です。例えば、従業員への感謝を示すために現金を支給すると、それは「給与」と見なされ、企業側は社会保険料の負担が増え、従業員側は所得税の課税対象となります。しかし、同じ原資を福利厚生サービスの導入に充てれば、福利厚生費として経費計上できる可能性が高いのです。特に「食事補助」は、①従業員が食事費用の半分以上を負担し、②企業からの補助額が月額3500円(税抜)以下である、という二つの要件を満たせば、従業員の給与として課税されないという明確なメリットがあります。この税制優遇の視点を持つことが、コストパフォーマンスを判断する上でのプロの視点と言えるでしょう。

【第4章】経理担当者も納得。福利厚生費用の勘定科目と経費計上の注意点

福利厚生の導入を決定し、いざ運用を始めると、経理担当者から「この費用の勘定科目は何か」「これは経費として認められるのか」といった質問が出てくることが想定されます。ここでは、決裁者や管理部責任者が、経理部門への説明や連携で困らないための、会計・税務上の実務知識を分かりやすく解説します。

1. 勘定科目は原則「福利厚生費」

 外部の福利厚生サービス提供会社に支払う月額料金や初期費用は、原則として損益計算書上の「販売費及び一般管理費」の中の「福利厚生費」という勘定科目で処理します。福利厚生費とは、企業が従業員の労働環境の改善や勤労意欲の向上のために、給与や賞与とは別に支出する費用全般を指します。例えば、社員旅行の費用、慶弔見舞金、健康診断の費用などがこれにあたります。外部サービスを利用した場合も、その目的が従業員全体の福祉向上にあれば、この勘定科目で処理するのが一般的です。

2. 税務署に経費として認められるための「2大原則」 

福利厚生費として支出した費用が、法人税法上の経費(損金)として認められるためには、以下の二つの大原則を満たしている必要があります。この原則を外れると、税務調査などで指摘を受け、給与として課税されたり、経費として認められなかったりするリスクがあるため、必ず押さえておきましょう。

原則①:機会の均等 

これは、提供される福利厚生が、役員や正社員だけなど、特定の地位や役職にある人だけを対象とするのではなく、原則として全従業員に平等に利用できる機会が与えられていることを意味します。パートやアルバイトを含む全従業員を対象とすることが、この原則を満たす上での理想的な形です。

原則②:金額の妥当性 

これは、支出する費用が、社会通念上、常識的な範囲内の金額であることを意味します。あまりにも高額で豪華な福利厚生は、経済的利益の供与、すなわち給与と見なされる可能性があります。明確な金額の基準はありませんが、「一般的な企業の福利厚生として妥当な水準か」という客観的な視点が求められます。

3. これはNG!「給与」と見なされるケースと注意点 

福利厚生として支出したつもりが、税務上「給与」と判断されてしまうと、企業は源泉徴収義務違反や社会保険料の負担増、従業員は所得税の追徴課税といったペナルティを受ける可能性があります。特に注意が必要なのは、換金性の高いものを支給するケースです。例えば、商品券やギフトカード、旅行券などを直接支給した場合、それらは現金とほぼ同等と見なされ、給与課税の対象となるのが原則です。また、住宅手当や家族手当のように、現金を給与に上乗せして支給する場合も、当然ながら給与として扱われます。一方で、企業が借り上げた社宅を従業員に低価格で貸与する場合や、食事補助サービスを通じて食事という「現物」で支給する場合は、一定の要件下で福利厚生費として認められやすくなります。

【第5章】福利厚生導入を成功させる5つのステップ

計画的かつスムーズな導入を実現するためには、段階的なアプローチが不可欠です。ここでは、具体的な五段階のステップを解説します。

  • Step1:現状分析とKPI設定 まずは、離職率や求人応募数、従業員満足度などの現状数値を収集し、自社の課題を分析します。その上で、「離職率を5%低減する」「従業員満足度を10ポイント向上させる」など、福利厚生導入によって達成したい具体的な目標(KPI)を策定します。
  • Step2:RFP作成とベンダー比較 Step1で設定した目標と、従業員アンケートなどで把握したニーズに基づき、要件定義を行います。対象となる従業員数、予算上限、必須としたい機能などを洗い出し、RFP(提案依頼書)を作成します。これを複数のベンダーへ同条件で発行し、費用、サポート内容、実績などを一覧化して客観的に比較・検討します。
  • Step3:トライアル導入と効果検証 多くのベンダーが提供している1ヶ月〜3ヶ月の無料トライアルを徹底活用します。全社展開の前に、特定の部署やグループで限定的に試行導入し、実際の利用率や従業員からのフィードバックを収集します。これにより、導入前にコスト対効果を検証し、本契約後のミスマッチを防ぎます。
  • Step4:全面展開と社内周知 トライアルの結果を踏まえ、運用フローなどを改善した上で、全社へ展開します。全社員向けの説明会を実施したり、分かりやすいマニュアルを配布したりすることで、制度の目的と利用方法を周知徹底し、利用を促進します。イントラネットなどでFAQを公開するのも有効です。
  • Step5:継続的改善(PDCA) 導入して終わりではなく、四半期ごとなどにKPIの進捗をレビューし、効果を測定します。利用率が低いサービスがあれば、その原因を分析し、社内キャンペーンを企画したり、ベンダーと共同で改善策を検討したりします。このPDCAサイクルを回し続けることで、制度を常に最適な状態に保ちます。

まとめ

本記事では、福利厚生サービスの導入を検討する担当者様が直面する「費用」の問題に焦点を当て、その内訳から種類別の料金相場、そしてコストパフォーマンスを高めるための選定ポイント、さらには経費計上に関する注意点までを網羅的に解説しました。福利厚生サービスの費用は、単に帳簿上で消えていくだけの「コスト」ではありません。それは、従業員の満足度向上、優秀な人材の採用・定着、組織全体の生産性向上に繋がり、最終的に企業の持続的な成長を支えるための「戦略的投資」です。費用を検討する際には、目先の月額料金の安さだけで判断するのではなく、①従業員に本当に利用されるかという「利用率」の視点、②担当者の手間という「運用負荷」の視点、③節税効果という「税制優遇」の視点、この三つを併せ持って多角的に判断することが、真のコストパフォーマンスを見極める鍵となります。本記事で解説した費用相場と選定ポイントは、貴社が福利厚生導入という重要な経営判断を下す上での、客観的で力強い判断材料となるはずです。まずは、自社の課題と従業員のニーズを整理し、複数のサービスから資料を取り寄せ、比較検討を始めることから、未来への第一歩を踏み出してください。

【比較表】福利厚生のおすすめサービス

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要お問い合わせ 宿泊・レジャー、介護、育児などの商品・サービスをパッケージで提供
ベネフィット・ステーション
  • 約140万件以上のメニュー
  • 従業員の家族も使用できる
  • 導入企業法人約16,000団体
  • 法人会員数約1,100万人
Netflix得々プラン:1,850円(月額/1名)
Netflixプラン:1,350円(月額/1名)
学トクプラン:1,200円(月額/1名)
得々プラン:1,000円(月額/1名)
グルメ、ショッピング、学習コンテンツ、育児、介護、引っ越しなどの商品・サービスをパッケージで提供
福利厚生倶楽部
  • 人材確保・定着に役立つ
  • 低コストで育児介護・研修・旅行・グルメ・遊び・スポーツ・健康など約350万種以上の豊富なサービスを業界最安水準の価格で提供
  • 導入後のアフターフォローが充実
要お問い合わせ 余暇支援、育児、介護、学習などの商品・サービスをパッケージで提供
オフィスグリコ
  • 設置費用、ランニングコスト0円
  • 数名規模から1000名超まで、幅広い企業の導入実績あり
  • 江崎グリコのお菓子や飲み物をオフィスで手軽に購入できる
要お問い合わせ グリコが提供するおかし、ドリンク、アイスの提供
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