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SFA JOURNAL by ネクストSFA

介護と仕事の両立支援は企業の成長戦略!採用力を高める福利厚生導入ガイド

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

少子高齢化が進む日本において、仕事と介護の両立は企業にとって避けて通れない経営課題となっています。中でも「介護離職」は、貴重な中核人材の流出や生産性の低下を招く重大なリスクです。

本記事では、介護支援を「守り」から「攻め」の戦略へと転換するための福利厚生導入ガイドを、具体的な制度内容からROIの考え方まで詳しく解説します。

【比較表】福利厚生のおすすめサービス

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サービス名 特長 費用 福利厚生の内容
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初期費用:0円
月額費用:0円
送料・備品費:0円
商品代金:下記から選択
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企業と従業員が一部負担する「一部負担」パターン
福利厚生費として企業が一括購入する「買取」パターン
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コーヒー
スイーツパン
グラノーラ
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そうざい など
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要お問い合わせ
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※定価の25%オフ、50%オフにできるプランの他、要望に合わせたカスタマイズも対応
お弁当や軽食、ドリンクなどの提供
※取り扱い商品は300種類以上
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初期費用:0円
月額料金:9万円~(年間宿泊日数30泊~)
宿泊時の費用:宿泊費0円、清掃費3,300円、週末料金(土曜・日曜・祝前日)5,500円/室
※ハイシーズン料金なし
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初期費用:0円
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※月次でまとめて請求
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  • オーラルケアを通じて健康経営をサポートする、独特かつ斬新なサービス!
  • 高機能な電動歯ブラシを格安サブスクで利用可! 無料サンプルも提供可能!
  • 歯科医師、歯科衛生士によるデンタルサポート付き! 従業員の口内環境改善をサポート!
  • 継続率99.9%! お客さまからの高評価
電動歯ブラシ本体無料
<スタッフ自宅への個別配送>
替え歯ブラシ1本350円(税込)
<会社への一括配送>
替え歯ブラシ1本308円(税込)
電動歯ブラシ本体無料+選べる替え歯ブラシ(スタンダード/極細/フラット/子供用)
Perk
  • オフィスに来なくても受けられる福利厚生
  • それぞれのメンバーが選べる特典あり
  • サービス導入後、メンバーを招待するだけで簡単に利用を開始できる
要問い合わせ ビジネススキルの研鑚・プライベートの充実など社員の様々なニーズにフィットする1,000以上のサービスを提供
Resort Worx
  • 宿泊施設が30~80%割引
  • 従業員の2親等以内の親族まで利用可能
  • 合宿・社員旅行の予約手配を代行
要問い合わせ トラベル体験、リゾートワークの支援
OFFICE DE YASAI
  • オフィスでいつでも好きな時に健康的な食事ができる
  • 従業員は1つ100円~手軽に購入可能
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要問い合わせ 置き型の社食サービス
オフィスでやさい
オフィスでごはん
健康指導・支援
SANU 2nd Home for Business
  • 日本中の自然豊かな立地を自由に選んで滞在できる
  • 初期費用0円・利用日数を30泊単位で選べるので、導入しやすい
  • 従業員の85%が魅力的と答える福利厚生
・初期費用:0円
・年間泊数
30泊 / 90,000円(/月)~
・清掃費(1室1滞在)
3,300円
保養所の利用サービス
オフィスおかん
  • ランチに限らず24時間活用できる
  • 従業員数10名未満から10万名超まで対応
  • 従業員満足度や健康経営の取り組みにも活用できる
要お問い合わせ 置き型の社食サービス
おかず
副菜
汁物
ご飯・パン など
チケットレストラン
  • 日本全国で約150,000人が活用
  • 非課税を活用してランチが実質半額になる
  • 内勤・外勤など勤務環境を問わず公平に利用できる
  • 利用できるお店は全国25万店舗以上
要お問い合わせ ランチが実質半額になるチケットサービス
WELBOX
  • 多様なニーズに応じた幅広いメニューを、会員価格で提供
  • 従業員の利用状況を随時把握できる
  • 業界最長の受付時間のコールセンターや24時間365日利用できる会員専用ホームページが充実
  • 内定者にも、現役社員と同様の福利厚生を提供
要お問い合わせ 旅行、健康増進、介護、育児、自己開発、エンターテインメントなどの商品・サービスをパッケージで提供
ライフサポート倶楽部
  • 手間なく低コストで充実
  • 全国に対応したサービスにより地域間格差が解消され平等な制度の構築が可能
  • 制度導入の費用対効果の検証が可能
要お問い合わせ 宿泊・レジャー、介護、育児などの商品・サービスをパッケージで提供
ベネフィット・ステーション
  • 約140万件以上のメニュー
  • 従業員の家族も使用できる
  • 導入企業法人約16,000団体
  • 法人会員数約1,100万人
Netflix得々プラン:1,850円(月額/1名)
Netflixプラン:1,350円(月額/1名)
学トクプラン:1,200円(月額/1名)
得々プラン:1,000円(月額/1名)
グルメ、ショッピング、学習コンテンツ、育児、介護、引っ越しなどの商品・サービスをパッケージで提供
福利厚生倶楽部
  • 人材確保・定着に役立つ
  • 低コストで育児介護・研修・旅行・グルメ・遊び・スポーツ・健康など約350万種以上の豊富なサービスを業界最安水準の価格で提供
  • 導入後のアフターフォローが充実
要お問い合わせ 余暇支援、育児、介護、学習などの商品・サービスをパッケージで提供
オフィスグリコ
  • 設置費用、ランニングコスト0円
  • 数名規模から1000名超まで、幅広い企業の導入実績あり
  • 江崎グリコのお菓子や飲み物をオフィスで手軽に購入できる
要お問い合わせ グリコが提供するおかし、ドリンク、アイスの提供

1. なぜ今「介護離職」が看過できない経営課題なのか

現代の日本企業が直面する数々の経営課題の中で「介護離職」の深刻さは年々増しており、もはや一部の従業員の個人的な問題ではなく、組織全体の生産性や持続可能性を揺るがす重大な経営リスクとして顕在化しています。総務省の調査によれば、介護や看護を理由にキャリアを中断せざるを得ない人は年間約10万人にのぼり、その多くが企業の将来を担う40代から50代の中核人材です。この世代は、長年の実務で培った高度な専門スキルと豊富な経験を持ち、管理職やチームリーダーとして組織を牽引する立場にあることが大半です。彼ら・彼女らの離職は、単なる人員欠員に留まらない甚大な損失を企業にもたらします。

一人の熟練社員が離職した場合に企業が被るコストは、代替人員を確保するための採用費用や再教育費用だけではありません。より深刻なのは、その社員が長年かけて組織内に蓄積してきた技術や業務ノウハウ、そして顧客や取引先との信頼関係といった、財務諸表には表れない「無形資産」の流出です。この無形資産の損失は、時に数千万円規模の経済的損失に匹敵するとも言われています。

さらに、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」を経て、今後も介護を必要とする人の数は増加の一途をたどることが予測されます。これは、企業内で介護と仕事の両立に悩む従業員がさらに増え続けることを意味しており、今から有効な対策を講じなければ、数年後には介護離職の波が経営を直撃する事態になりかねません。問題は可視化された離職だけに留まらず、離職には至らないまでも介護の負担を抱えながら働く従業員のパフォーマンス低下、いわゆる「プレゼンティーズム」も極めて深刻です。介護による心身の疲労や将来への経済的な不安は、従業員の集中力を削ぎ、業務効率を著しく低下させます。介護を理由とする突発的な遅刻や早退、欠勤が増えれば、周囲の従業員の業務負担が増加し、チーム全体の生産性や士気の低下を招く負のスパイラルに陥る可能性も否定できません。このように、介護離職とその予備軍の存在は、静かでありながら確実に企業の競争力を蝕んでいく経営上のリスクなのです。この課題に正面から向き合い、戦略的に対策を講じることは、もはや企業の存続と成長に不可欠な経営マターと言えるでしょう。

2. 介護支援が「守り」から「攻め」の経営戦略となる3つの理由

介護離職がもたらすリスクを踏まえた上で、企業がなぜ積極的に「介護と仕事の両立支援」に取り組むべきかを掘り下げます。その理由は、単なるリスク回避という「守り」の側面だけではありません。むしろ、これからの時代を勝ち抜くための「攻め」の経営戦略として極めて重要な意味を持ちます。

理由1:優秀な人材の確保と定着(採用競争力の強化) 

生産年齢人口が減少し続ける日本では、業界を問わず人材獲得競争が激化しています。このような状況下で求職者が企業を選ぶ基準は、給与や役職といった伝統的な要素だけでなく、「働きやすさ」や「ライフステージの変化に対応できる柔軟性」へと明確にシフトしています。特に、豊富な経験を持つ中堅・ベテラン層を採用したい場合、彼らの多くが親の介護を意識する年代であることを考慮すれば、介護支援の福利厚生が整っているか否かは、応募を決める際の重要な判断材料となります。介護支援制度の充実は、従業員の人生に寄り添う企業であるという強力なメッセージとなり、他社との明確な差別化要因となるのです。また、既存の従業員に対する効果も絶大です。介護という個人的な困難に対して会社が支援してくれるという事実は、従業員のエンゲージメント、つまり会社への愛着や貢献意欲を飛躍的に高めます。これにより離職率が低下すれば、結果として採用や再教育にかかるコストを大幅に削減できるという直接的なメリットにも繋がります。

理由2:組織全体の生産性の維持・向上 

介護の負担を抱える従業員は、いつ終わるとも知れない精神的・時間的なプレッシャーの中で働いています。このような状態では、本来持っている能力を十分に発揮することは困難です。企業が相談窓口の設置や柔軟な勤務制度といった支援策を提供することで、従業員は安心して仕事に取り組めるようになります。心理的な安全性が確保されることで、業務への集中力が高まり、組織全体のパフォーマンスが向上します。介護を理由とした急な休みが減れば、業務計画の安定化にも寄与し、残された従業員の負担増といった二次的な問題も防ぐことができます。

理由3:企業価値とブランドイメージの向上 

ESG経営や人的資本経営が重視される現代において、従業員を大切にする姿勢は、投資家や顧客、地域社会からの企業評価を大きく左右します。2024年に改正された育児・介護休業法への対応はもちろん、それを超える独自の支援策を講じることは、企業の社会的責任(CSR)を果たす上で重要な取り組みです。「健康経営優良法人」や「ホワイト企業」としての認定は、企業のブランドイメージを向上させ、採用活動はもちろん、金融機関からの融資や企業間取引においても有利に働く可能性があります。介護支援への取り組みは、まさに企業が社会の一員として果たすべき責任を示すものであり、そのポジティブな評判は、巡り巡って企業の持続的な成長を支える強固な基盤となるのです。

3. 企業が導入できる介護支援の福利厚生【種類別・運用ポイント付】

介護と仕事の両立を支援するため、企業が取り組める福利厚生には様々な種類があります。これらは、法律で定められた最低限の「法定制度」と、企業が独自に設けることで他社との差別化を図る「法定外制度」に大別されます。実効性の高い支援体制の構築には、これらの戦略的な組み合わせが不可欠です。

1. 法定制度:すべての企業が遵守すべき土台 

まずは育児・介護休業法に基づき、企業に提供が義務付けられている制度を正しく理解し、確実に運用することが大前提です。

  • 介護休業:要介護状態にある対象家族一人につき、通算93日を上限として休業を取得できる制度。介護体制の構築や施設入居の準備など、まとまった時間が必要な際に活用されます。
  • 介護休暇:対象家族の通院の付き添いや役所での手続きなど、短期的な介護ニーズに対応するための休暇。対象家族が一人なら年5日、二人以上なら年10日まで、時間単位での取得も可能です。
  • その他:残業を免除する「所定外労働の制限」や「深夜業の制限」、勤務時間を短縮する「所定労働時間の短縮措置」なども法律で定められています。

運用のポイント

これらの法定制度はあくまで最低限の義務です。申請フローを人事システム上で簡略化するなど、従業員が心理的な負担なく利用できる環境を整えることが重要です。

2. 法定外制度:他社と差がつく魅力的な支援策 

法定制度を上回る、より従業員のニーズに寄り添った法定外の福利厚生を導入することが、従業員満足度と定着率の向上に直結します。

相談窓口の設置・情報提供

多くの従業員が最初に直面するのが「誰に何を相談すれば良いか分からない」という情報不足の壁です。社内または外部の専門家(ケアマネージャー、社会福祉士など)による相談窓口を設けることで、公的制度の利用方法から介護施設の選び方まで、専門的なアドバイスを提供できます。また、介護に関する社内セミナーの開催や、いつでも学べるe-ラーニングコンテンツの提供も有効です。

  • 運用のポイント:情報提供体制を多層化し、制度の認知度向上と利用の心理的ハードルを下げることが成功の鍵です。

柔軟な勤務制度の拡充

法定を上回る柔軟な働き方の提供は、両立支援の要です。

  • 時短勤務:介護の状況に応じて1日単位、1時間単位で調整可能な制度。
  • フレックスタイム:コアタイムを設定し、介護状況に合わせて出退勤時間を弾力的に運用。
  • テレワーク:在宅でも業務を遂行できる環境を整備し、介護が必要な時間帯に合わせた働き方を支援。
  • 運用のポイント:勤怠管理システムとの連携と、チーム内での円滑な業務引き継ぎルールをセットで整備することが欠かせません。

経済的支援(費用助成)

介護には経済的な負担も伴います。直接的な金銭サポートは従業員の不安を大きく和らげます。

  • 介護サービス費用補助:外部の介護施設利用費や訪問介護サービス費用の一部を企業が補助。
  • 独自の休暇・休業制度:法定の日数を上回る有給の介護休暇や、介護休業中の所得補償を手厚くする制度。
  • カフェテリアプラン:従業員が付与されたポイントを使い、必要な介護支援サービスを自由に選択できる制度。
  • 運用のポイント:補助の対象となるサービスや金額、申請方法の枠組みを明確に定め、従業員が利用しやすい仕組みを作ることが利用促進に繋がります。

4. 【実践編】失敗しない導入ステップとサービス選定の勘所

介護支援の福利厚生を実効性ある仕組みとして定着させるには、単に制度を設けるだけでなく、導入プロセスから運用までを緻密に設計することが重要です。ここでは成功のための具体的なステップと選定ポイントを解説します。

ステップ1:導入に向けた社内体制の整備 

サービスを検討する前に、まず自社の足場を固めることから始めます。

  • 就業規則の整備と社内規程化:育児・介護休業法の最新要件を踏まえ、自社の就業規則に定められた介護関連の規定を棚卸しします。その上で、法定の義務と法定外の独自支援策を明確に区分し、有給取得条件や申請手続き、承認基準などを就業規則や別立ての「介護支援ガイドライン」として文書化します。
  • 社内周知と管理体制の構築:制度は作って終わりではありません。経営層から「介護支援を重視し、制度利用を推奨する」というトップメッセージを発信し、利用しやすい“空気感”を醸成することが極めて重要です。また、人事部門内で制度設計、申請受付、利用状況のモニタリングといった役割分担を明確にし、管理体制を構築します。
  • システム連携とワークフローの最適化:申請から承認までのプロセスが煩雑だと、せっかくの制度も利用されません。勤怠管理システムや人事システムと連携させ、スマートフォンなどからワンストップで申請・承認できるシンプルなワークフローを構築し、従業員の手間を削減します。

ステップ2:自社に最適なサービスの選定と比較

 社内体制が整ったら、外部の福利厚生サービスを選定します。以下のチェックポイントを参考に、多角的に比較検討しましょう。

  • 導入形態:サービスには大きく分けて3つの形態があります。
    • パッケージプラン:導入が比較的容易でスピーディですが、カスタマイズ性は低い傾向にあります。
    • カフェテリアプラン:従業員の選択自由度が高く満足度に繋がりやすいですが、運用管理がやや煩雑になる場合があります。
    • 自社構築:自社の要件に完全に適合させられますが、開発コストと期間、運用負担が大きくなります。
  • コスト構造と契約条件:初期費用、月額費用(従量課金か定額か)、追加のサポート費用など、見積もりの内訳を詳細に確認します。単に安いだけでなく、後述する投資対効果(ROI)の視点から自社の利用想定に合致するモデルを選択することが肝要です。
  • ベンダー(提供企業)の評価基準:提供企業が信頼できるパートナーとなり得るかを見極めます。
    • サポート体制:導入時の要件定義から導入後の運用評価まで、ワンストップで支援してくれるか。
    • 専門性:相談窓口にケアマネージャーなどの有資格者がいるか、提携する介護事業者のネットワークは全国をカバーしているか。
    • アフターサポート:トラブル対応や法改正への対応、定期的なシステムアップデートは提供されるか。
  • セキュリティとコンプライアンス:従業員の個人情報や要介護者の健康情報など、機微な情報を取り扱うため、セキュリティ体制は厳重にチェックします。
    • PマークやISO27001などの第三者認証を取得しているか。
    • 各種労働関連法規の改正に迅速に対応したアップデートを確約しているか。
    • 申請ログの改ざん防止やアクセス履歴管理など、内部統制に必要な機能が揃っているか。

5. 【効果測定】ROI(投資対効果)の考え方と試算例

介護支援の福利厚生導入を経営層に説明し、予算を獲得するためには、その効果を定量的に示すことが不可欠です。ここでは投資対効果(ROI)の考え方と、具体的な試算例をご紹介します。

ROI算出の基本的な考え方 

ROIは「(導入によって得られた利益)÷(導入にかかった投資費用)× 100」で算出されます。介護支援における「利益」とは、主に以下のコスト削減・回避効果を指します。

  • 採用コストの削減効果:両立支援によって離職率が改善した場合、退職者の補充にかかる採用コスト(求人広告費、エージェント手数料など)が削減できます。
  • 離職に伴うコストの回避効果:一人の社員が離職した場合、代替要員の教育研修費用や、OJT期間中の生産性低下といった目に見えにくいコストが発生します。離職を防ぐことで、これらのコストを回避できます。
  • 生産性の維持・向上効果:従業員が介護の不安なく業務に集中できることで、プレゼンティーズムが改善します。また、突発的な欠勤が減ることで、年間の総稼働時間が増加し、組織全体の生産性が向上します。

モデルケースでのROI試算例

 以下は、ある企業をモデルとした試算の一例です。

  • 前提条件
    • 年間離職者数:10名
    • 平均採用コスト:100万円/人
    • 離職に伴う教育・生産性低下コスト:80万円/人
    • 対象従業員の平均時間単価:3,000円
  • 年間投資費用
    • 福利厚生サービス導入初期費用:300万円
    • 年間運用費用:100万円
    • 合計投資額:400万円
  • 年間リターン(効果額)の試算
    • 採用コスト削減額:制度導入で離職率が20%改善(離職者2名減)した場合 → 2名 × 100万円 = 200万円
    • 離職コスト回避額:離職者2名分のコストを回避 → 2名 × 80万円 = 160万円
    • 生産性維持効果:対象従業員100名の欠勤等が減り、年間稼働時間が一人あたり10時間増加した場合 → 100名 × 10時間 × 3,000円 = 300万円
    • 合計リターン額:660万円
  • ROIの算出
    • ROI = 660万円 ÷ 400万円 × 100 = 165%

上記はあくまで一例ですが、このように具体的な数値を基に試算することで、介護支援がコストを上回るリターンを生む戦略的投資であることを論理的に説明できます。

6. まとめ:企業の未来を支える「戦略的投資」として

本ガイドでは、介護離職という経営リスクの現状から、両立支援が企業の成長戦略となる理由、そして具体的な福利厚生の種類、失敗しない導入ステップ、さらには投資対効果の考え方までを網羅的に解説しました。介護支援の充実は、もはや単なるコストや義務ではありません。優秀な人材を惹きつけ、定着させ、従業員一人ひとりが安心して能力を最大限に発揮できる環境を整えることは、企業の持続的な成長を支える「人的資本経営」そのものです。それは、企業の未来を創るための極めて重要な「戦略的投資」と言えるでしょう。制度を整備するだけでなく、経営層から現場まで全社一体となった取り組みを通じて、その運用を定着させ、効果を最大化することが鍵を握ります。まずは自社の現状を調査し、従業員の潜在的なニーズを把握することから、その第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

【比較表】福利厚生のおすすめサービス

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