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SFA JOURNAL by ネクストSFA

パートスタッフにも福利厚生を!定着率を高める制度設計と導入ポイントを徹底解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

人手不足が深刻化する中で、企業が注目すべきは「パート・アルバイトスタッフの定着率向上」です。
そのカギを握るのが、正社員だけでなくパートスタッフにも行き届いた福利厚生制度の整備です。
モチベーションの維持や離職防止、採用コストの削減につながる一方で、「どこまで提供すべきか」「費用対効果は?」と悩む企業も少なくありません。
本記事では、パートスタッフに福利厚生を導入するメリットや制度設計のポイントをはじめ、**導入しやすい事例(食事補助・健康支援・スキルアップ支援・表彰制度など)**を具体的に紹介します。
誰もが働きやすい職場環境を実現し、長く活躍できる組織づくりを目指す企業担当者に向けた実践ガイドです。

【比較表】福利厚生のおすすめサービス

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サービス名 特長 費用 福利厚生の内容
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送料・備品費:0円
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食べる分だけ都度決済「企業負担ゼロ」パターン
企業と従業員が一部負担する「一部負担」パターン
福利厚生費として企業が一括購入する「買取」パターン
置き菓子やドリンクの提供
おやつ
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コーヒー
スイーツパン
グラノーラ
おつまみ
プロテインバー
ヴィーガン
そうざい など
オフィスコンビニTUKTUK オフィスコンビニTUKTUK 詳細はこちら
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  • AIが販売データを分析、オフィスのニーズに合わせて適した商品を自動補充! 社員からのリクエストもアプリで簡単に受付可能
  • スマートロックとカメラを搭載! 夜間や土日を含む24時間365日、いつでも利用できる
  • 全国対応! 拠点間の福利厚生の公平化を図れる
要お問い合わせ
※予算に合わせて選べる3つのプランを用意
※要望に応じたカスタマイズも可能
・お弁当
・パスタ
・チャーハン
・お惣菜
・お菓子
・ドリンク
・おにぎり
・パン
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・アイスクリームなどの提供

※取り扱い商品は300種類以上
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初期費用:0円
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※月次でまとめて請求
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    ※諸条件あり
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※毎月届くスープの個数によって異なる
※64個・96個・128個から選択が可能
常温保存可能なスープの提供
Perk
  • 従業員が自分に合った特典を自由に選べる! 公平で納得感のある福利厚生を実現
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要お問い合わせ さまざまなジャンルのサービスを特別価格で利用できる「割引き特典」とコンビニやカフェで利用できるチケットに交換できる「ポイント制度」を提供
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  • 全国357施設以上を定型宿泊先として登録
  • 採用力・定着率向上・出張費削減にも寄与
要お問い合わせ 旅行に特化した福利厚生サービス
リゾートエリアの会員施設やホテルの宿泊を30~80%割引で利用可能
OFFICE DE YASAI
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  • 導入・運用が簡単で手間がかからない
要お問い合わせ サラダやカットフルーツ、お惣菜など約140品目をオフィスに設置した冷蔵庫に常設、食事補助により従業員の健康をサポート
オフィスおかん
  • 冷蔵庫を置くだけで導入できる置き型社食サービス、導入企業3,000社以上の実績
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  • 在庫管理や発注の手間を削減、健康経営とエンゲージメント向上を同時に実現
要お問い合わせ 管理栄養士が監修した主食・主菜・副菜がオフィスに設置した冷蔵庫または自動販売機に届く置き型社食サービス
チケットレストラン
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要お問い合わせ 全国25万店以上の加盟飲食店で利用できる電子カード型の食事補助サービス
WELBOX
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要お問い合わせ 介護・育児・自己啓発・健康増進・旅行・エンタメなど幅広いラインナップから、企業の課題に応じてサービスを選べる
ライフサポート倶楽部
  • 会員制の総合型福利厚生サービスとして全国の宿泊・レジャー施設を会員優待で利用可能
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要お問い合わせ 宿泊・レジャーといった余暇支援から介護・育児のサポートまで幅広いメニューから自由にサービスを利用できる
ベネフィット・ステーション
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  • 利用率を高めるための導入後サポートが充実、専用アプリやキャンペーン施策で定着を促進
Netflix得々プラン:1,850円(月額/1名)
Netflixプラン:1,350円(月額/1名)
学トクプラン:1,200円(月額/1名)
得々プラン:1,000円(月額/1名)
グルメやレジャー、ショッピングからeラーニング、育児・介護・引っ越しなどのライフイベントに関わるものまで、140万以上のサービスを勇退価格で利用できる
福利厚生倶楽部
  • 約12万・350万種以上の豊富なサービスを利用可能
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要お問い合わせ 余暇支援・日常支援・健康支援・学習支援の4軸を中心に、約12万・350万種以上のサービスを提供
オフィスグリコ
  • お菓子・アイス・ドリンクなど多彩なラインナップを展開、電源不要で手軽に導入できる無人販売型の社食サービス
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  • 従業員のリフレッシュ・健康促進・防災備蓄にも役立つ
要お問い合わせ 職場にお菓子やドリンクなどの商品を届ける設置型サービス
TsugiTsugi
  • 全国300以上のホテル・旅館を定額で利用可能、福利厚生やワーケーションにも活用できる法人向け宿泊サービス
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シティホテルからリゾートホテル、温泉旅館、グランピン施設など、定額で全国の宿泊施設に泊まれるサービス
ごちクルNow
  • 自社サービスで培ったノウハウを生かし、お弁当屋さんと企業をつなぐ法人向けデリバリーサービス
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月額費用:0円
配送料:0円
※システム利用料はお弁当代に含まれます
利用者とお弁当屋さんをつなぐ決裁システム。会社請求払いにすることで、食事補助の福利厚生として利用可能
chocoZAP法人会員
  • 全国1,700店舗以上を24時間利用可能、従業員の健康促進と働きがいを支援
  • 運動初心者でも続けやすい! セルフエステやセルフ脱毛など“運動以外”でも利用可能
  • アプリ・体組成計・ヘルスウォッチが連携しデータヘルスを実現、採用力や企業ブランディング向上にも貢献
要お問い合わせ chocoZAPを初めとするRIZAPの8つのブランドを特典的に利用できる、法人向け福利厚生サービス
yui365
  • メッセージや写真、ロゴを挿入して“世界に一つのギフトカタログ”を作成
  • 従業員の嗜好や用途に合わせた内容にカスタマイズ可能
  • URL送付で非対面でも贈れる、オンライン完結で導入・運用もスムーズ
要お問い合わせ 従業員の好みに合わせた世界に一つのオリジナルデジタルカタログを作成するサービス
セラヴィリゾート泉郷
  • 全国の人気リゾート地に展開、直営ならではのサービス品質と420万人超の利用実績
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  • 自然環境を生かした健康経営・エンゲージメント施策にもおすすめ
要お問い合わせ 宿泊施設が運営する余暇支援の福利厚生サービス
カフェテリアHQ
  • 福利厚生をコストではなく投資と捉え、企業成長と従業員満足を両立
  • AIが一人ひとりの嗜好や行動データを分析し、福利厚生メニューを提案
  • 導入効果を「見える化レポート」で定量的に把握、PDCAを回せる
要お問い合わせ 数問のアンケートからAIが適したアイテムを個別提案する福利厚生サービス

この記事の目次はこちら

1. パートスタッフへの福利厚生適用が、企業の成長戦略となる理由

少子高齢化と人手不足が深刻化する現在、企業の持続的成長を支える鍵は「人材の確保と定着」にある。
特に小売・飲食・介護・製造などの現場では、パートスタッフが組織運営の中核を担っており、彼らの安定雇用なくして企業経営は成り立たない。

かつてパートへの福利厚生は“正社員の補完的存在への厚意”にすぎなかったが、いまや戦略的投資へと変化している。
背景には2つの潮流がある。


① 労働市場の競争激化と採用構造の変化

近年、働き方の多様化が進み、パート人材は「時給」だけで職場を選ばなくなった。
「働きやすさ」「企業の配慮」「制度の柔軟性」といった非金銭的価値が、求人選択の重要な指標となっている。

そのため、法定外福利厚生の充実は他社との差別化要因になり、求人応募数の増加に直結する。
「福利厚生が整っている企業=安心して働ける企業」という認識が広まりつつあり、特に女性やシニア層を中心に、制度の整備状況が応募意欲を左右する時代になった。


② 「同一労働同一賃金」法制化による公平性要求の高まり

2020年(大企業)・2021年(中小企業)に施行されたパートタイム・有期雇用労働法により、
「正社員とパートの不合理な待遇差を禁止する」という法的原則が確立された。

この制度は賃金や手当だけでなく、福利厚生にも適用される。
たとえば、正社員に健康診断や慶弔休暇を提供しているにもかかわらず、同様の職務を担うパートに適用していない場合、
不合理な待遇差として訴訟リスクを負う可能性がある。

つまり、福利厚生の平等設計は法的義務と企業ブランディングの両面から避けて通れない課題となっているのだ。


このように、パートへの福利厚生適用は

  • 採用力強化(応募率・定着率の向上)
  • 法令遵守とリスク回避
  • ブランドイメージの向上
    という三つの効果を同時に生む“経営戦略”である。

管理部門責任者・決裁者は、これを単なる人件費ではなく将来的な投資回収が見込める施策として捉える必要がある。


2. パートに福利厚生を適用するための法的枠組みと制度の整理

制度を設計する前に、まず理解すべきは「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の違いである。
この2つを区別し、どこまでが義務でどこからが企業裁量なのかを整理しておくことが、制度設計の第一歩となる。


① 法定福利厚生(義務的に提供する制度)

法律で定められた福利厚生には以下の4種類がある。

  • 健康保険:医療費負担の軽減(週20時間以上・月収8.8万円以上が加入目安)。
  • 厚生年金保険:老後の所得保障(勤務時間・期間条件に応じて適用)。
  • 雇用保険:失業時の生活支援・教育訓練給付(週20時間以上勤務で原則加入)。
  • 労災保険:業務中・通勤途上の事故補償(雇用形態に関係なく全従業員対象)。

これらは加入条件を満たした時点で自動的に義務が発生する。
企業側が「短時間だから」と判断して未加入のまま放置すれば、法令違反に問われるリスクがある。

さらに2024年10月からは社会保険の対象企業が「常時51人以上」に拡大されるため、
これまで適用外だった中小企業も対策を急ぐ必要がある。


② 法定外福利厚生(企業裁量で提供する制度)

一方、法定外福利厚生は、企業の裁量で導入できる任意の制度である。
代表的なものは以下の通り。

  • 食事補助(社食・弁当・デリバリー補助)
  • 通勤費・ガソリン代補助
  • 社員割引・商品購入サポート
  • 健康診断・人間ドック補助
  • 慶弔金・記念日手当
  • 宿泊・レジャー優待
  • eラーニングなどの教育支援

これらはパートスタッフのニーズに合わせて柔軟に設計できる点が魅力であり、
「働きやすさ」を演出する最も実効性の高い手段といえる。

福利厚生代行サービスを活用すれば、全国拠点に散在するパートにも統一的に提供でき、
コストと運用負担の最適化を両立できる。


③ 「不合理な待遇差」を防ぐための制度見直し

同一労働同一賃金の下では、福利厚生も「合理的な差」でなければならない。
たとえば以下のような状況は、トラブルの原因となる。

  • 正社員のみ利用できる社食や保養所がある
  • パートにだけ慶弔金や健康診断補助がない
  • 教育研修の機会が限定されている

これらを是正するためには、「職務内容」「責任範囲」「異動の有無」を基準に差を明確化し、
その根拠を就業規則などに明記しておくことが必要だ。

透明で公平なルールを整備することは、
法令遵守だけでなく社員間の信頼形成・モラル維持にも寄与する。


3. パート福利厚生を設計する際の4つの基本方針

パートスタッフ向け福利厚生の目的は、「定着率の向上と業務の安定化」にある。
そのためには、制度を闇雲に増やすのではなく、公平性・コスト効率・運用負担・利用促進の4点を意識した設計が欠かせない。


① 対象範囲と適用基準を明確にする

勤務時間・雇用期間・職務内容に応じて段階的な適用基準を設ける。
たとえば次のような設定が効果的だ。

  • 週20時間以上勤務者:食事補助・健康診断を適用
  • 勤続1年以上:慶弔金・レジャー優待などを追加適用
  • フルタイムパート:正社員と同等の制度を提供

明確な基準を文書化することで、「なぜ自分は対象外か」という不満を防げる。
全国規模の組織では「全拠点共通ルール」の設計が特に重要だ。


② 公平性と合理性の担保

制度は「全員一律」である必要はないが、「合理的に説明できる差」が求められる。
差を設ける場合は、その理由を文書化し、社内共有することがポイントだ。

例:

  • 労働時間が短いスタッフは、利用上限を半分に設定。
  • 業務内容が限定的な場合は、教育支援を除外。

こうした説明責任を果たすことで、「差別」ではなく「適正運用」として理解されやすくなる。


③ コストと運用負担の最適化

パート福利厚生を運用する管理部門の負担を軽減するには、外部委託とデジタル化が有効。

  • 福利厚生クラブやチケット制サービスの活用
  • 申請・承認の電子化(スマホ・PC対応)
  • 利用履歴・費用をクラウド管理

これにより、少人数体制でも制度の品質を維持できる。
また、利用データを蓄積すれば、将来的な費用対効果分析にも活かせる。


④ 制度名と周知戦略の工夫

名前と伝え方は、制度の利用率に直結する。
「健康促進補助金」より「元気チャレンジ手当」、
「学習支援制度」より「スキルアップサポート」など、
親しみやすく直感的なネーミングを意識する。

また、イントラネット・社内掲示・動画・説明会など複数チャネルを使い、
利用方法や申請手順を明確に伝える。
制度が「存在しているだけ」ではなく「活用される状態」にすることが、成功の条件である。

4. パート層の定着率を高めるおすすめ福利厚生10選

パートスタッフのニーズは、フルタイム正社員とは異なる。
重要なのは、「時間」「家計」「家庭」「健康」の4軸を支援することである。
以下では、導入ハードルが低く、費用対効果の高い10種類のパート向け福利厚生制度を紹介する。


① 社員割引・社内販売制度

自社製品やサービスを社員価格で提供する仕組み。
特に小売・飲食・メーカー業界で人気が高く、「働くモチベーション」と「購買促進」を同時に実現できる。
社員だけでなくその家族にも適用すれば、ブランド浸透効果がさらに高まる。


② 食事補助制度(チケット・デリバリー型)

食事補助は、生活支援の中で最も満足度が高い制度の一つ。
社員食堂がなくても、外部のオフィスコンビニ・宅配弁当補助などを導入すれば、低コストで実現できる。
福利厚生として非課税扱いにできるため、税務上のメリットもある。


③ レジャー・宿泊施設優待制度

外部福利厚生サービスを利用し、全国の宿泊・レジャー施設を優待価格で利用できるようにする。
特にファミリー層のパートスタッフには「家族と過ごせる福利厚生」が好評。
家族を巻き込んだロイヤリティ強化が期待できる。


④ 健康診断・メンタルケア補助

正社員のみならず、パートスタッフも定期的な健康診断を受けられる体制を整える。
オンラインカウンセリングやストレスチェックも組み合わせると、健康経営の評価指標(ホワイト500等)にもつながる。


⑤ 通勤費・交通費補助

通勤費の一部または全額を支給。ガソリン代・駐車場代補助も有効だ。
「通勤コストが実質的な負担」となる職種では、1日数百円の補助でも応募率が顕著に上がる


⑥ 教育・スキルアップ支援

社内研修やeラーニングの受講をパートにも開放。
キャリアアップや資格取得を支援することで、「学べる職場」=魅力的な企業というブランドを形成できる。
また、正社員登用制度と連動させれば、長期雇用へのモチベーション維持にも効果的。


⑦ 慶弔見舞金・記念日手当

結婚・出産・葬祭などの人生イベントに会社が寄り添う制度。
支給額は少額でも、「会社に大切にされている」という心理的効果が大きい。
制度の存在自体がエンゲージメントを高める。


⑧ 永年勤続表彰制度

勤続年数に応じて金一封・ギフト・特別休暇などを付与。
特にパート層は、「感謝を形にする文化」への共感度が高く、モチベーション維持に直結する。


⑨ 在宅勤務手当・通信費補助

テレワーク対応職種では、在宅勤務者への通信環境補助が有効。
データ入力やコールセンター業務など、柔軟な働き方の整備=離職率低下につながる。


⑩ 子育て・介護支援制度

時短勤務・保育料補助・介護休暇など、家庭との両立を支援する制度。
「家庭を犠牲にせず働ける」環境は、女性パートの採用・定着に圧倒的な効果を発揮する。


これらを単独で導入するよりも、「経済的支援」「健康支援」「感謝の可視化」を組み合わせた“ミックス型福利厚生”が最も効果的だ。
制度は数より質、そして運用の一貫性が鍵である。


5. 導入プロセスと設計チェックポイント

福利厚生は、制度設計よりも社内浸透のプロセスが成否を分ける。
ここでは、導入から定着までの流れを4ステップで整理する。


ステップ①:現状分析と課題の特定

まず、パートスタッフの離職理由や満足度を調査し、「福利厚生で解決できる課題」を洗い出す。
例:交通費負担・健康診断の未整備・コミュニケーション不足など。
課題を明確化し、導入目的を定量化(例:離職率10%改善=年間△万円コスト削減)すると経営層の承認が得やすい。


ステップ②:制度設計と承認プロセス

制度内容を整理し、以下の3項目を明確にする。

  • 対象範囲:全パート/勤務条件に応じた段階設定
  • 費用負担:会社・店舗・本部の分担ルール
  • 効果測定:利用率・満足度・離職率改善

また、福利厚生を「費用」ではなく「投資」として経営層に提示する際は、ROI(費用対効果)換算を行うことが有効だ。


ステップ③:社内周知と利用促進

制度を導入しても、認知されなければ利用されない
イントラネット・掲示・動画・説明会など複数のチャネルで案内し、利用手順をわかりやすく伝える。
管理職層に対しては「制度説明マニュアル」を配布し、現場への説明力を高める。
社内報やSNSでの利用者コメント共有も効果的だ。


ステップ④:効果測定と改善

半年〜1年ごとに、利用率・コスト・満足度を測定し、PDCAを回す。

  • 利用率が低い→周知不足・申請手続きが煩雑
  • コスト超過→補助率・対象範囲を見直し
  • 満足度低下→制度内容が現場ニーズと乖離

制度を「固定化」せず、経営戦略に合わせてアップデートする柔軟性が重要である。


6. KPIと効果測定:成果を数値で可視化する

福利厚生は“成果の見えにくい投資”と思われがちだが、KPI設定次第で経営貢献を明確にできる。


① 定量KPI

  • 利用率=利用者数/対象者数
  • 離職率変化=導入前後の退職者比率差
  • 採用応募率=求人応募者数・内定承諾率の増加
  • コスト対効果=採用・教育コスト削減額/投資額

数値を四半期ごとにモニタリングし、経営層へ報告することで、制度の継続判断材料になる。


② 定性KPI

  • 社員アンケートによる満足度
  • 福利厚生に関する社内SNS投稿数・反応数
  • コミュニケーション活性度(社内イベント・ミーティング回数)

数字に表れない「企業文化の変化」も、定性的指標として記録しておくことが望ましい。


③ 改善サイクル

KPIをもとにPDCAを実行することで、制度は継続的に進化する。

  • Plan:改善目標設定(利用率+10%など)
  • Do:運用・周知施策実施
  • Check:データ・満足度調査
  • Act:制度改訂・更新

「制度を育てる」という視点を持つことで、単発的な施策から永続的な人材戦略へと発展させられる。


7. リスク回避と運用上の注意点

制度導入時には、法務・税務・公平性の3つの観点からトラブルを防止することが重要である。


① 税務リスク

福利厚生の中には、支給方法によって課税対象となるものがある。
現金支給や金券は「給与」とみなされやすいため、社会通念上の妥当性・全社員平等性を満たす形に設計する必要がある。
非課税で運用するには、対象を全従業員に広げることが基本条件だ。


② 不公平・濫用リスク

利用基準が曖昧だと、「一部社員だけが得をしている」といった不満が生じる。

  • 対象範囲と回数制限を明確化
  • 利用履歴のデータ管理で透明性を確保

公平性の担保は、制度継続の前提である。


③ 継続性リスク

財務状況に依存した制度は、途中廃止によって社員の不信を招く。
3年単位の運用計画を立て、安定した予算配分を行うことで信頼性を高められる。


④ 情報伝達リスク

「制度があるのに知らない」というケースを防ぐため、社内広報を多層化する。
掲示・メール・説明動画など複数の手段で反復告知することで、利用率アップ=費用対効果最大化を実現する。


8. まとめ:パート福利厚生は“定着経営”の中核戦略

パートスタッフへの福利厚生は、もはや“オプション”ではなく、経営における必須インフラである。
制度の導入・運用を通じて、企業が得られる価値は計り知れない。

  • 採用優位性の確立:制度の充実が求人市場での差別化につながる。
  • 定着率・生産性の向上:働きやすさとモチベーション維持が安定稼働を支える。
  • 法令遵守とリスク回避:同一労働同一賃金に対応し、公平性を確保。
  • 企業ブランドの向上:福利厚生を通じて“人を大切にする企業”という印象を醸成。

パート福利厚生は「費用」ではなく「投資」であり、
“人が辞めない会社”=強い企業を作るための最も確実な手段である。
管理部門としては、コスト効率と公平性を両立しながら、現場に根付く制度運用を実現することが求められる。

【比較表】福利厚生のおすすめサービス

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オフィスおかん
  • 冷蔵庫を置くだけで導入できる置き型社食サービス、導入企業3,000社以上の実績
  • 管理栄養士監修メニューで従業員の健康をサポート、オフィスに家庭の味を提供
  • 在庫管理や発注の手間を削減、健康経営とエンゲージメント向上を同時に実現
要お問い合わせ 管理栄養士が監修した主食・主菜・副菜がオフィスに設置した冷蔵庫または自動販売機に届く置き型社食サービス
チケットレストラン
  • 電子カード型で全国25万店以上の加盟店で利用可能、ランチ・テイクアウト・デリバリーにも対応
  • 福利厚生としての税制優遇が受けられる、健康経営や採用力強化にも効果的
  • 従業員の「食」を通じてエンゲージメントと生産性を高める
要お問い合わせ 全国25万店以上の加盟飲食店で利用できる電子カード型の食事補助サービス
WELBOX
  • 1万件以上の多彩な福利厚生メニューをラインナップ! 健康・スキル・余暇など幅広くサポート
  • Webサイトやアプリで24時間利用可能、利便性の高さが従業員満足度をさらに向上
  • 導入から運用・効果測定までトータルサポート、人事・総務担当者の業務負担を軽減
要お問い合わせ 介護・育児・自己啓発・健康増進・旅行・エンタメなど幅広いラインナップから、企業の課題に応じてサービスを選べる
ライフサポート倶楽部
  • 会員制の総合型福利厚生サービスとして全国の宿泊・レジャー施設を会員優待で利用可能
  • 健康・子育て・介護・学びなどライフステージに合わせた支援メニューも充実
  • 従業員満足度向上とコスト効率化を両立
要お問い合わせ 宿泊・レジャーといった余暇支援から介護・育児のサポートまで幅広いメニューから自由にサービスを利用できる
ベネフィット・ステーション
  • 旅行・健康・学び・子育てまで、140万件以上の福利厚生メニューを網羅した福利厚生の総合サービス
  • 福利厚生サービスと給与天引き制度を融合した「給トク払い」で、企業のコスト削減と利用促進を両立
  • 利用率を高めるための導入後サポートが充実、専用アプリやキャンペーン施策で定着を促進
Netflix得々プラン:1,850円(月額/1名)
Netflixプラン:1,350円(月額/1名)
学トクプラン:1,200円(月額/1名)
得々プラン:1,000円(月額/1名)
グルメやレジャー、ショッピングからeラーニング、育児・介護・引っ越しなどのライフイベントに関わるものまで、140万以上のサービスを勇退価格で利用できる
福利厚生倶楽部
  • 約12万・350万種以上の豊富なサービスを利用可能
  • AIを活用した利用促進施策で「導入したけど使われない」を防止
  • スケールメリットと運営実績を生かして低コストで充実した福利厚生制度を構築
要お問い合わせ 余暇支援・日常支援・健康支援・学習支援の4軸を中心に、約12万・350万種以上のサービスを提供
オフィスグリコ
  • お菓子・アイス・ドリンクなど多彩なラインナップを展開、電源不要で手軽に導入できる無人販売型の社食サービス
  • 補充・集金・清掃までスタッフが定期訪問で対応、オフィスだけでなく病院やホテルなど多様な施設にも導入可能
  • 従業員のリフレッシュ・健康促進・防災備蓄にも役立つ
要お問い合わせ 職場にお菓子やドリンクなどの商品を届ける設置型サービス
TsugiTsugi
  • 全国300以上のホテル・旅館を定額で利用可能、福利厚生やワーケーションにも活用できる法人向け宿泊サービス
  • 初期費用・解約金なし、契約期間中は無期限で宿泊回数の繰り越しが可能
  • 予約からチェックインまでオンラインで完結、担当者の発送・精算業務を削減して管理負担を軽減
65,000円~/月
※平日/土日、宿泊日数によって料金は異なります
シティホテルからリゾートホテル、温泉旅館、グランピン施設など、定額で全国の宿泊施設に泊まれるサービス
ごちクルNow
  • 自社サービスで培ったノウハウを生かし、お弁当屋さんと企業をつなぐ法人向けデリバリーサービス
  • 担当者の手間も在庫ロスもゼロ! 従業員が個別に注文するから管理の手間がかからない仕組み
  • 柔軟な支払い対応で、スポット利用から継続利用まで幅広く対応
初期費用:0円
月額費用:0円
配送料:0円
※システム利用料はお弁当代に含まれます
利用者とお弁当屋さんをつなぐ決裁システム。会社請求払いにすることで、食事補助の福利厚生として利用可能
chocoZAP法人会員
  • 全国1,700店舗以上を24時間利用可能、従業員の健康促進と働きがいを支援
  • 運動初心者でも続けやすい! セルフエステやセルフ脱毛など“運動以外”でも利用可能
  • アプリ・体組成計・ヘルスウォッチが連携しデータヘルスを実現、採用力や企業ブランディング向上にも貢献
要お問い合わせ chocoZAPを初めとするRIZAPの8つのブランドを特典的に利用できる、法人向け福利厚生サービス
yui365
  • メッセージや写真、ロゴを挿入して“世界に一つのギフトカタログ”を作成
  • 従業員の嗜好や用途に合わせた内容にカスタマイズ可能
  • URL送付で非対面でも贈れる、オンライン完結で導入・運用もスムーズ
要お問い合わせ 従業員の好みに合わせた世界に一つのオリジナルデジタルカタログを作成するサービス
セラヴィリゾート泉郷
  • 全国の人気リゾート地に展開、直営ならではのサービス品質と420万人超の利用実績
  • コテージ・ホテル・旅館・わんちゃん同伴施設の4タイプを展開、従業員と家族が気軽に利用可能
  • 自然環境を生かした健康経営・エンゲージメント施策にもおすすめ
要お問い合わせ 宿泊施設が運営する余暇支援の福利厚生サービス
カフェテリアHQ
  • 福利厚生をコストではなく投資と捉え、企業成長と従業員満足を両立
  • AIが一人ひとりの嗜好や行動データを分析し、福利厚生メニューを提案
  • 導入効果を「見える化レポート」で定量的に把握、PDCAを回せる
要お問い合わせ 数問のアンケートからAIが適したアイテムを個別提案する福利厚生サービス
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