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SFA JOURNAL by ネクストSFA

【2025年版】保養所の福利厚生は時代遅れ?成功企業に学ぶ導入形態の比較と選び方の3つの秘訣

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

この記事の目次はこちら

はじめに

従業員のウェルビーイングやエンゲージメント向上施策を検討する中で、「保養所」という選択肢が頭に浮かんだものの、「今どき保養所は時代遅れではないか」「莫大なコストがかかる割に、一部の従業員しか利用しないのではないか」「管理が大変そうだ」といった懸念から、具体的な検討をためらってはいないでしょうか。

かつて大企業が資産として所有するイメージの強かった保養所ですが、そのあり方は現代の働き方や価値観に合わせて大きく変化しています。もはや「所有」する時代ではなく、自社の目的に合わせて「賢く利用」する時代なのです。

正しく導入・運用すれば、保養所は従業員の心身のリフレッシュ、生産性向上、そして家族を含めた満足度の向上に繋がり、企業の持続的成長を支える強力な福利厚生となり得ます。

この記事では、そのような旧来のイメージを刷新し、2025年の最新トレンドを踏まえながら、現代における保養所福利厚生の本当の価値を解説します。4つの主要な「運営形態」の徹底比較から、導入を成功に導くための「3つの秘訣」まで、決裁者・管理部責任者様が知るべき情報を網羅しました。この記事を最後までお読みいただくことで、失敗しない保養所選びの全てが分かり、貴社にとって最適な選択が可能になります。

【比較表】福利厚生のおすすめサービス

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初期費用:0円
月額費用:0円
送料・備品費:0円
商品代金:下記から選択
食べる分だけ都度決済「企業負担ゼロ」パターン
企業と従業員が一部負担する「一部負担」パターン
福利厚生費として企業が一括購入する「買取」パターン
置き菓子やドリンクの提供
おやつ
ドリンク
コーヒー
スイーツパン
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おつまみ
プロテインバー
ヴィーガン
そうざい など
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※定価の25%オフ、50%オフにできるプランの他、要望に合わせたカスタマイズも対応
お弁当や軽食、ドリンクなどの提供
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  • 従業員の85%が魅力を実感、リフレッシュや仕事へのモチベーションアップにつながる
  • チームビルディングや研修合宿にも利用可能、有給消化の促進や社員満足度の向上が期待できる
初期費用:0円
月額料金:9万円~(年間宿泊日数30泊~)
宿泊時の費用:宿泊費0円、清掃費3,300円、週末料金(土曜・日曜・祝前日)5,500円/室
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初期費用:0円
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※月次でまとめて請求
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  • オーラルケアを通じて健康経営をサポートする、独特かつ斬新なサービス!
  • 高機能な電動歯ブラシを格安サブスクで利用可! 無料サンプルも提供可能!
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  • 継続率99.9%! お客さまからの高評価
電動歯ブラシ本体無料
<スタッフ自宅への個別配送>
替え歯ブラシ1本350円(税込)
<会社への一括配送>
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電動歯ブラシ本体無料+選べる替え歯ブラシ(スタンダード/極細/フラット/子供用)
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  • それぞれのメンバーが選べる特典あり
  • サービス導入後、メンバーを招待するだけで簡単に利用を開始できる
要問い合わせ ビジネススキルの研鑚・プライベートの充実など社員の様々なニーズにフィットする1,000以上のサービスを提供
Resort Worx
  • 宿泊施設が30~80%割引
  • 従業員の2親等以内の親族まで利用可能
  • 合宿・社員旅行の予約手配を代行
要問い合わせ トラベル体験、リゾートワークの支援
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SANU 2nd Home for Business
  • 日本中の自然豊かな立地を自由に選んで滞在できる
  • 初期費用0円・利用日数を30泊単位で選べるので、導入しやすい
  • 従業員の85%が魅力的と答える福利厚生
・初期費用:0円
・年間泊数
30泊 / 90,000円(/月)~
・清掃費(1室1滞在)
3,300円
保養所の利用サービス
オフィスおかん
  • ランチに限らず24時間活用できる
  • 従業員数10名未満から10万名超まで対応
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要お問い合わせ 置き型の社食サービス
おかず
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汁物
ご飯・パン など
チケットレストラン
  • 日本全国で約150,000人が活用
  • 非課税を活用してランチが実質半額になる
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  • 利用できるお店は全国25万店舗以上
要お問い合わせ ランチが実質半額になるチケットサービス
WELBOX
  • 多様なニーズに応じた幅広いメニューを、会員価格で提供
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  • 業界最長の受付時間のコールセンターや24時間365日利用できる会員専用ホームページが充実
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要お問い合わせ 旅行、健康増進、介護、育児、自己開発、エンターテインメントなどの商品・サービスをパッケージで提供
ライフサポート倶楽部
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グルメ、ショッピング、学習コンテンツ、育児、介護、引っ越しなどの商品・サービスをパッケージで提供
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1. なぜ今、改めて「保養所」なのか?福利厚生としての4つの提供価値

現代の経営環境において、保養所が福利厚生として提供できる価値は、単なる「慰安」の域をはるかに超えています。人的資本経営が叫ばれる中、保養所がいかに戦略的な投資となり得るか、その4つの提供価値を解説します。

1. 従業員の心身のリフレッシュと生産性向上 

最大の価値は、従業員が日常の喧騒から離れ、心と体をリフレッシュできる機会を提供することにあります。質の高い休息は、燃え尽き症候群(バーンアウト)を防ぎ、創造性や集中力を回復させます。リフレッシュした従業員は、結果として業務における生産性が向上し、組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。これは、従業員の健康維持を経営課題と捉える「健康経営」の観点からも非常に有効な施策です。

2. 従業員エンゲージメントと定着率の向上 

企業が従業員のプライベートな時間の充実にまで配慮し、安価で質の高い余暇活動の機会を提供することは、「会社に大切にされている」という従業員のエンゲージメントを育む上で大きな効果を発揮します。エンゲージメントの高い従業員は、自社への帰属意識が高く、離職率が低い傾向にあります。優秀な人材の獲得競争が激化する中、保養所というユニークで魅力的な福利厚生は、人材の定着、すなわちリテンションマネジメントにおいて強力な武器となります。

3. 従業員の家族も利用可能|ワークライフバランスへの貢献 

多くの保養所は、従業員本人だけでなく、その家族も利用対象とすることができます。家族旅行は大きな出費となりますが、福利厚生で安価に利用できれば、従業員の家計を直接的に支援することに繋がります。企業が従業員の家族までをも大切にする姿勢を示すことは、従業員の深い感謝と信頼を獲得し、ワークライフバランスの実現を強力に後押しします。家族の満足は、従業員の働く意欲にも好影響を与えるでしょう。

4. 新たな活用法:ワーケーションやチーム合宿の拠点として

 働き方の多様化に伴い、保養所の活用法も進化しています。リゾート地などの保養所は、ワーケーション(仕事+休暇)の拠点として最適です。環境を変えることで新たな発想が生まれる効果も期待できます。また、普段はリモートで働くメンバーが集まるチーム合宿や、経営幹部が集中して議論を行うオフサイトミーティングの場としても活用できます。このように、保養所は単なる休暇施設ではなく、新たな働き方を支え、組織のコラボレーションを促進する戦略的拠点としての価値を持ち始めています。

2. 保養所福利厚生の4つの「運営形態」を徹底比較【コスト・特徴】

「保養所=自社で建物を所有する」という考えは、もはや過去のものです。現代では、企業の規模や予算、目的に応じて多様な運営形態を選択できます。ここでは、主要な4つの形態について、それぞれの特徴、コスト、メリット・デメリットを徹底比較します。

1. 【自社所有型】 

企業が土地や建物を自ら所有または一棟借りし、直接運営する伝統的な形態です。

  • メリット:企業理念を反映した独自の施設運営が可能。従業員は気兼ねなく利用でき、愛社精神の醸成に繋がる。
  • デメリット:数億円単位の莫大な初期投資が必要。固定資産税、修繕費、管理人の人件費など、維持管理コストが恒常的に発生する。利用率が低い場合、コスト負担が非常に重くなる。施設の老朽化対策も必須。
  • コスト感:初期費用(億単位)+維持管理費(年間数百万円~)。
  • 向いている企業:資金力に絶大な余裕があり、福利厚生を自社の象徴としたい一部の大企業。

2. 【共同利用型】 

複数の企業が共同で保養所を所有・利用する形態です。

  • メリット:自社所有型に比べ、初期投資や維持管理コストを参加企業で分担するため、1社あたりの負担を軽減できる。
  • デメリット:利用希望日が他社と重複する可能性があり、予約が取りにくい場合がある。自社の意向だけで運営方針を決めることができず、自由度が低い。
  • コスト感:初期費用(数千万円~)+維持管理費(年間数十万円~)。
  • 向いている企業:同業他社や地域企業との連携が密で、コストを抑えつつ施設を確保したい企業。

3. 【法人契約型(リゾート会員権など)】 

リゾートホテルやコンドミニアムなどを運営する企業の法人会員となり、その施設を利用する権利を得る形態です。近年、最も現実的な選択肢として注目されています。

  • メリット:全国各地に点在する多様な施設を利用できるため、従業員のニーズに応えやすい。施設の所有リスクや維持管理の手間が一切ない。必要な時に必要な分だけ契約でき、コスト管理が容易。
  • デメリット:会員権の購入に初期費用がかかる場合がある。人気の施設や繁忙期は予約が集中し、希望通りに利用できないことがある。
  • コスト感:初期費用(0円~数百万円)+年会費(数万円~)。
  • 向いている企業:所有リスクを負わずに、全国の質の高い施設を従業員に提供したい、ほぼ全ての規模の企業。

4. 【補助金制度型(宿泊費補助)】 

特定の施設に限定せず、従業員が個人で予約した宿泊施設などの費用の一部を企業が補助する形態です。福利厚生代行サービスなどを活用して運用するのが一般的です。

  • メリット:従業員が最も自由に行き先や施設を選べるため、満足度が非常に高い。公平性が最も担保しやすい。企業の管理工数が最小限で済む。
  • デメリット:保養所という「特別な場所」の提供にはならず、企業への帰属意識向上効果は限定的。
  • コスト感:初期費用(0円~)+利用実績に応じた補助金。
  • 向いている企業:従業員の多様性を最大限尊重したい企業。管理工数をかけずに公平な福利厚生を実現したい企業。

3. 【秘訣1】失敗しない保養所選びの戦略:目的・予算・工数から最適解を導く

4つの運営形態を比較した上で、次に決裁者が考えるべきは「自社にとって最適なのはどの形態か」です。この選定を誤ると、せっかくの制度が宝の持ち腐れになりかねません。失敗しないためには、以下の3つの視点から自社の状況を客観的に分析することが不可欠です。

1. 目的の明確化:「誰に」「何を」提供したいのか 

まず、福利厚生として保養所を導入する目的を具体的に定義します。

  • 例1:家族向けの福利厚生を手厚くしたい → 子供連れでも楽しめるプールやアクティビティが充実した施設が必要。法人契約型や補助金制度型で、多様なリゾート施設から選べるようにするのが有効。
  • 例2:若手社員のリフレッシュと交流を促進したい → 首都圏からアクセスが良く、グループで楽しめるコテージタイプの施設などが望ましい。特定の施設と法人契約を結ぶのが効率的。
  • 例3:ワーケーションやチーム合宿で活用したい → 高速Wi-Fiやワークスペースが完備された施設が必須。自社の裁量で利用しやすい自社所有型(サテライトオフィスとして)や、特定の施設との年間契約が考えられる。

このように、目的を具体化することで、必要な施設のスペックや、それに適した運営形態が自ずと見えてきます。

2. 予算の策定:初期投資とランニングコストのバランス 

次に、福利厚生にかけられる予算を明確にします。重要なのは、初期投資だけでなく、数年単位でのランニングコストまでを見据えた計画を立てることです。

  • 初期投資を抑えたい場合:補助金制度型や、入会金無料の法人契約型が第一候補となります。
  • ランニングコストを変動費にしたい場合:利用した分だけ費用が発生する補助金制度型が最適です。
  • 一定の予算内で最大限の価値を提供したい場合:年会費制の法人契約型がコスト管理しやすいでしょう。
  • 予算に大きな余裕がある場合:初めて自社所有型が選択肢として検討可能になります。

3. 管理工数の想定:自社でどこまで運用できるか

 最後に、制度の運用にどれだけ社内リソースを割けるかを考えます。

  • 管理部門の工数を最小限にしたい場合:予約から精算までを代行会社が一括して行う補助金制度型や法人契約型が最適です。
  • ある程度の管理は自社で行える場合:共同利用型や、特定の施設との直接契約も視野に入ります。
  • 専門部署を置いてでも運営したい場合:自社所有型を運営する体制が整っていると言えます。

これらの「目的」「予算」「管理工数」という3つの軸で自社の状況を評価することで、4つの運営形態の中から、無理なく継続でき、かつ効果を最大化できる最適な選択肢を論理的に導き出すことができます。

4. 【秘訣2】従業員満足度を高める施設選定と利用率向上の仕組み

最適な運営形態を選んだら、次は従業員が「行きたい」と思う仕組みを整えるフェーズです。これには施設の魅力(ハード面)と、利用を促す仕組み(ソフト面)の両方が不可欠です。

施設の選び方(ハード面)

  • アクセスの良さ:どんなに素晴らしい施設でも、行くのが困難では意味がありません。主要な事業所から2~3時間以内でアクセスできるか、公共交通機関での行きやすさは重要な指標です。
  • 施設の多様性と質:従業員の年齢層や家族構成は様々です。若者向けのグランピング施設、ファミリー向けのコンドミニアム、シニア向けの温泉旅館など、趣の異なる複数の選択肢を用意できる法人契約型や補助金制度型は、多様なニーズに応える上で非常に有利です。施設の清潔感やサービスの質も必ず確認しましょう。
  • 現代的な設備:ワーケーションでの利用を想定するなら、高速Wi-Fiやワークスペースは必須です。従業員の多様な使い方に対応できる設備が整っているかを確認します。

利用を促す仕組み(ソフト面)

  • 予約のしやすさ:利用率を左右する意外な、しかし重要な要因が「予約のしやすさ」です。電話予約のみ、空き状況が不明瞭といったアナログな運用は利用を妨げます。スマートフォンやPCからいつでも予約・キャンセルが完結するデジタル化された予約システムは、今や必須のインフラです。
  • 公平な利用ルール:人気の施設や繁忙期には利用希望が集中します。不公平感が出ないよう、抽選制度や、カフェテリアプランと連携したポイント制度、年間の利用回数制限などを組み合わせた、透明性の高いルールを策定し、周知徹底することが重要です。

ハードとソフトの両面から従業員の利用しやすさを追求することが、満足度と利用率を高めるための鍵となります。

5. 【秘訣3】継続的な成功へ導く運用管理と効果測定

素晴らしい施設と仕組みを導入しても、それを活かし、改善し続けなければいずれ形骸化します。ここでは、保養所福利厚生の価値を持続的に高めるための運用管理と効果測定の秘訣を解説します。

1. 積極的な情報発信と利用促進 

制度の存在を忘れさせないための継続的なコミュニケーションが不可欠です。

  • 社内メディアでの特集:社内報やイントラネットで、施設の魅力や周辺の観光情報を写真付きで定期的に紹介します。実際に利用した従業員の体験談(匿名可)を共有するのも効果的です。
  • 利用促進キャンペーン:「夏休み特集」「スキーシーズン割引」など、季節に合わせた利用プランを会社から提案し、利用のきっかけを作ります。
  • 業務での活用:ワーケーションやチーム合宿の推奨拠点として会社が利用を促進することで、施設の良さを知る機会を増やし、プライベートでの利用にも繋げます。

2. トラブルを未然に防ぐ管理体制 

特に自社所有や共同利用の場合は、運営・管理上のリスク対策が重要です。

  • 定期点検と保険加入:消防法や建築基準法に基づく設備点検を確実に実施し、万が一の事故に備えて施設賠償責任保険に加入します。
  • 利用規約の明確化:社内規程で利用条件や禁止事項、緊急時の対応フローを定め、トラブルを未然に防ぎます。

3. データに基づいた効果測定と改善(PDCA)

導入後は、データを活用して効果を測定し、改善のサイクルを回します。

  • KPIの設定:「年間利用率70%」「満足度アンケートで平均4点以上(5点満点)」「導入後の離職率10%低減」など、具体的な数値目標(KPI)を設定します。
  • データの収集と分析:予約システムのログから、利用率、人気の施設、利用者の属性などを分析します。また、年1回程度の満足度アンケートで、定性的なフィードバックも収集します。
  • 改善アクション:データ分析の結果に基づき、人気のない施設は契約を見直す、予約が取りにくい施設は契約枠を増やす、といった改善策を実行します。このPDCAサイクルを回し続けることが、制度を常に最適な状態に保つ秘訣です。

6. 決裁者・管理者が押さえるべき税務上の注意点

保養所の費用を福利厚生費として計上するためには、税務上の要件を満たす必要があります。これを満たさない場合、従業員への給与として課税されるリスクがあるため、管理部門は以下のポイントを正確に理解しておく必要があります。

1. 福利厚生費として認められるための大原則 

保養所に関する費用が福利厚生費として認められるためには、その利用機会が「全ての従業員に対して平等に与えられている」ことが大原則です。特定の役職者や部門のメンバーだけが利用できる制度は、福利厚生とは見なされません。

2. 従業員の自己負担額はどう設定すべきか 

従業員が保養所を利用する際、一定の自己負担額を設定することが一般的です。この金額設定において、「社会通念上、妥当な金額」であることが求められます。例えば、1泊2食付きで1人あたり1,000円~5,000円程度の自己負担であれば、福利厚生の範囲内と認められる可能性が高いでしょう。逆に、自己負担額が無料であったり、極端に安かったりする場合、その差額が「経済的利益の供与」と見なされ、給与課税の対象となるリスクがないとは言い切れません。地域の宿泊施設の相場などを考慮し、常識的な範囲で設定することが重要です。

3. 税務上NGとなる典型的なケース 

以下のケースは、福利厚生費として認められず、給与や役員賞与として扱われる可能性が極めて高いため、注意が必要です。

  • 役員やその親族のみが利用:これは完全に役員賞与(損金不算入)と見なされます。従業員の利用実績が全くない保養所は、役員のための資産と判断されるリスクがあります。
  • 特定の従業員のみを対象:成績優秀者への報奨旅行などで保養所を利用した場合、それはインセンティブ(給与)となります。
  • 利用権の換金:保養所を利用しない従業員に対し、その代わりに現金を支給した場合は、その現金は給与として課税されます。

保養所の運営にあたっては、誰がいつ利用したかを記録した「利用実績管理簿」を必ず作成・保管してください。この記録は、全従業員に公平に利用されていることを示す客観的な証拠となり、税務調査の際に非常に重要な資料となります。不明な点があれば、顧問税理士などの専門家に相談することをお勧めします。

まとめ

本記事では、旧来のイメージが強い「保養所」という福利厚生を、現代の経営課題を解決する戦略的施策として捉え直し、その導入を成功させるための具体的な方法論を解説しました。

かつてのように、企業が施設を「所有」することに固執する必要はもはやありません。「法人契約型」「補助金制度型」といった多様な運営形態の中から、自社の目的、予算、そして管理リソースに最も合ったものを「賢く利用」することが、現代における成功の鍵です。

そして、導入成功のためには、以下の「3つの秘訣」を実践することが不可欠です。

  1. 運営形態の戦略的な選定:目的と予算、管理工数を明確にし、自社に最適な形態を見極める。
  2. 満足度を高める仕組み:魅力的な施設(ハード)と、利用しやすいルール・システム(ソフト)の両輪で整備する。
  3. 継続的な運用と改善:導入後も利用を促進し、データを基にPDCAサイクルを回し続ける。

これらの要点を押さえ、税務上のルールを遵守することで、保養所は「コストがかかるだけの時代遅れの制度」から、「従業員満足度と企業の成長を同時に実現する、費用対効果の高い投資」へと生まれ変わります。この記事が、貴社にとって最適な保養所福利厚生を実現するための一助となれば幸いです。

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要お問い合わせ 旅行、健康増進、介護、育児、自己開発、エンターテインメントなどの商品・サービスをパッケージで提供
ライフサポート倶楽部
  • 手間なく低コストで充実
  • 全国に対応したサービスにより地域間格差が解消され平等な制度の構築が可能
  • 制度導入の費用対効果の検証が可能
要お問い合わせ 宿泊・レジャー、介護、育児などの商品・サービスをパッケージで提供
ベネフィット・ステーション
  • 約140万件以上のメニュー
  • 従業員の家族も使用できる
  • 導入企業法人約16,000団体
  • 法人会員数約1,100万人
Netflix得々プラン:1,850円(月額/1名)
Netflixプラン:1,350円(月額/1名)
学トクプラン:1,200円(月額/1名)
得々プラン:1,000円(月額/1名)
グルメ、ショッピング、学習コンテンツ、育児、介護、引っ越しなどの商品・サービスをパッケージで提供
福利厚生倶楽部
  • 人材確保・定着に役立つ
  • 低コストで育児介護・研修・旅行・グルメ・遊び・スポーツ・健康など約350万種以上の豊富なサービスを業界最安水準の価格で提供
  • 導入後のアフターフォローが充実
要お問い合わせ 余暇支援、育児、介護、学習などの商品・サービスをパッケージで提供
オフィスグリコ
  • 設置費用、ランニングコスト0円
  • 数名規模から1000名超まで、幅広い企業の導入実績あり
  • 江崎グリコのお菓子や飲み物をオフィスで手軽に購入できる
要お問い合わせ グリコが提供するおかし、ドリンク、アイスの提供
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