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SFA JOURNAL by ネクストSFA

顧問とは?経営課題を解決し企業成長を加速させる外部専門家の活用法【役員・決裁者向け】

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

激変するビジネス環境の中で、企業が成長を続けるには、社内だけでは解決が難しい複雑な課題への対応が求められます。

本記事では、経営の専門パートナー「顧問」の役割や導入メリット、活用シーン、選び方、契約・運用のポイント、顧問紹介サービスの活用術までを網羅的に解説。外部の知見を戦略的に取り入れ、持続的成長を目指す経営者・役員必見の実践ガイドです。

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顧問派遣
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  • 費用をなるべく抑えたい企業
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  • 専門分野の異なる複数の顧問でチームを組成することも可能
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  • レベルの高い人材と長い期間つながりたい企業
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  • 自社にさまざまな経営課題がある企業
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要問い合わせ 新規事業開発/企画
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マーケティング
  • 採用したい人材がいても年収が見合わないなどの悩みを抱える企業
株式会社クラウドワークス クラウドリンクス
  • 転職市場に未出のハイクラス人材が在籍
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  • 経営課題のヒアリングから具体的な解決策を提示、最終的な課題解決までサポート
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社外取締役・社外監査役紹介
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  • 長期的には、顧問として契約した人を直接雇用したいと考えている企業

この記事の目次はこちら

1. 顧問とは何か?

まず、本質的な問いである「顧問とは何か」について、その定義と現代経営における戦略的な役割を明確にしておきましょう。

顧問とは、企業が経営上の特定の目的(例: 経営戦略の高度化、事業運営の効率化、専門知識の獲得、リスク管理体制の強化など)を達成するために、外部から招聘する高度な専門知識、スキル、そして豊富な実務経験を有するプロフェッショナル人材(個人または法人)を指します。通常、企業と顧問の間で顧問契約(業務委託契約が一般的)を締結し、契約内容に基づき、継続的またはプロジェクトベースで、アドバイス、コンサルテーション、情報提供、あるいは具体的な実行支援といった役務提供を受けます。重要なのは、顧問は企業の指揮命令系統から独立した第三者であり、その客観性と専門性を活かして経営に関与する点です。

顧問に期待される役割は多岐にわたりますが、単なるアドバイザーに留まらず、企業の成長を加速させる「戦略的パートナー」としての役割がますます重要になっています。

顧問は、これらの役割を通じて、企業の非連続的な成長や変革を実現するための重要な外部資源となりうるのです。

2. 多様化する顧問の種類とその専門領域:自社の課題に最適な専門家は?

企業の経営課題が多様化・複雑化するのに伴い、顧問の専門分野も細分化・多様化しています。自社の課題解決に直結する専門性を持つ顧問を見極めるためには、どのような種類の顧問が存在し、それぞれがどのような領域を得意としているのかを理解しておくことが第一歩となります。

  • 経営顧問: 経営戦略全般、事業計画、組織運営、ガバナンス等、経営の根幹に関わる課題を扱います。元経営者やコンサル出身者が多いです。
  • 技術顧問: AI、IoT、製造技術、R&D戦略等、特定の技術分野における専門知識を提供します。技術革新や新製品開発を支援します。
  • 営業・マーケティング顧問: 売上向上、販路開拓、ブランド戦略、デジタルマーケティング等、企業の収益力強化に直結する分野を支援します。
  • 人事・労務顧問: 採用、人事制度、組織開発、労務管理、人材育成等、「人」に関する戦略的課題に対応します。社労士が労務に特化する場合もあります。
  • 財務顧問: 資金調達、M&A、IPO、財務戦略、管理会計等、企業の財務健全性と成長戦略を支えます。公認会計士や元CFOなどが担います。
  • 法務顧問: 契約、コンプライアンス、紛争対応、知的財産等、法的リスク管理と事業活動の法的基盤整備を支援します。弁護士が一般的です。
  • DX顧問: 全社的なDX戦略の策定から実行、データ活用、組織変革まで、企業のデジタル化を推進します。
  • 広報・PR・危機管理顧問: 企業のレピュテーション管理、ブランディング、メディア対応、そして風評被害対策を含む危機管理広報を支援します。インターネット上のリスク対応は特に重要性が増しています。
  • 海外進出顧問: 海外市場展開に関する調査、戦略策定、現地法人設立、法規制対応などを支援します。
  • その他専門顧問: 上記以外にも、サステナビリティ(ESG/SDGs)、サプライチェーン、事業再生、新規事業開発など、特定の経営課題に特化した顧問が存在します。

顧問とコンサルタント、社外取締役との違いの再確認 顧問選びにおいては、類似する役割との違いを明確に意識することも重要です。

  • コンサルタント: 特定プロジェクトに期間限定で関与し、具体的な成果物(報告書、計画書など)を納品することが多い。
  • 社外取締役: 取締役会の一員として経営を監督し、意思決定に参加する。法的責任を負う。
  • 顧問: 中長期的な視点で継続的に関与し、アドバイスや実行支援を行うことが多い。アドバイザーとしての性格が強い。

ただし、これらの境界は曖昧な場合もあり、コンサルタントが顧問的な役割を担ったり、顧問がプロジェクトベースで活動したりすることもあります。重要なのは、肩書きではなく、自社が求める役割や関与の仕方に合致するかどうかです。

3. なぜ顧問活用が不可欠なのか?経営にもたらす計り知れないメリット

外部の専門家である顧問を活用することは、単に不足する知識を補うだけでなく、企業経営に対して多岐にわたる、計り知れないメリットをもたらします。特に、変化の激しい現代においては、顧問の活用はもはやオプションではなく、持続的な成長のための不可欠な戦略要素となりつつあります。

「知のショートカット」:高度な専門知識と経験への即時アクセス

自社で長年かけて蓄積・育成しなければ得られないような高度な専門知識や、多様な修羅場を経験してきた実践的なノウハウに、顧問を通じて即座にアクセスできます。これにより、新規事業の立ち上げ、難易度の高い技術開発、複雑な法規制への対応など、課題解決までの時間を大幅に短縮し、「知のショートカット」を実現できます。

「外部の目」によるバイアス除去と新たな視点の獲得

組織内部にいると陥りがちな固定観念や成功体験への固執、部門間の利害対立といったバイアスから解放された、客観的で冷静な分析と評価を得られます。また、異業種やグローバルな視点を持つ顧問からは、自社だけでは決して生まれなかったであろう斬新なアイデアやビジネスモデルのヒントが得られ、イノベーションの起爆剤となる可能性があります。

「意思決定の質とスピード」の飛躍的向上

重要な経営判断において、専門的知見に基づく的確な情報提供、リスク分析、代替案の提示を受けることで、より深く多角的な検討が可能となり、意思決定の質が飛躍的に向上します。また、専門家のお墨付きを得ることで、経営陣の迷いが減り、変化に対する迅速な意思決定と行動を促進します。

「経営資源の最適化」:コスト効率と柔軟性の両立:

必要な専門性を、必要な期間だけ、外部から柔軟に調達できるため、正社員として雇用する場合と比較して、人件費や育成コストを大幅に抑制できます。特に、常時必要ではないが高度な専門性が求められる分野において、顧問契約は極めてコスト効率の高い選択肢となります。顧問料は「投資」であり、それによって得られるリターン(ROI)を最大化する視点が重要です。

「信頼とネットワーク」という無形資産の獲得

経験豊富で業界内で評価の高い顧問の存在は、それ自体が企業の信頼性やブランドイメージを高める効果を持ちます。また、顧問が持つ広範な人脈やネットワークを活用することで、新たなビジネスチャンス、提携先、資金調達ルート、優秀な人材などにアクセスできる可能性が広がり、企業の成長を加速させる無形の資産となり得ます。

「攻めと守りのリスクマネジメント」強化

法務、財務、労務、情報セキュリティ、コンプライアンス、そして風評被害といった多様な経営リスクに対し、専門的な知見に基づいた予防策と、万が一発生した場合の迅速かつ的確な対応策の構築を支援します。これにより、事業継続性を確保し、レピュテーションを守る「守りのリスクマネジメント」と、リスクを適切にテイクして事業機会を追求する「攻めのリスクマネジメント」の両面を強化できます。

「組織学習の促進」と社内人材の育成

顧問との協働プロセスを通じて、経営幹部や担当者は、専門知識、戦略的思考、問題解決スキルなどを直接学ぶことができます。これは、OJT(On-the-Job Training)やメンタリングとして極めて有効であり、組織全体の学習能力を高め、将来のリーダー育成にも繋がります。

これらのメリットを最大限に引き出すことが、顧問活用の成功と言えるでしょう。

4. 顧問が活躍する具体的なシーン:貴社の課題解決への貢献イメージ

顧問の専門性は、具体的にどのような経営課題や事業フェーズで活かされるのでしょうか。ここでは、顧問がその能力を発揮し、企業価値向上に貢献する代表的なシーンをいくつかご紹介します。貴社の状況と照らし合わせながら、顧問活用の具体的なイメージを描いてみてください。

  • 新規事業開発フェーズ: アイデア創出、市場調査、ビジネスモデル構築、事業計画策定、プロトタイプ開発、資金調達、初期マーケティング戦略など、ゼロからイチを生み出すプロセス全体を支援。
  • 成長・拡大フェーズ: 売上拡大戦略、販路開拓、マーケティング強化、生産体制増強、組織体制整備、人材採用・育成、新たな資金調達、海外市場への進出検討など、事業規模拡大に伴う課題解決を支援。
  • 成熟・安定フェーズ: 既存事業の収益性改善、コスト削減、業務効率化、顧客満足度向上、ブランド力強化、イノベーションによる再成長戦略、事業ポートフォリオの見直しなどを支援。
  • 変革・転換フェーズ: デジタルトランスフォーメーション(DX)推進、M&Aによる事業再編、組織風土改革、ビジネスモデル転換、事業再生、事業承継など、大きな変化を伴う局面での舵取りを支援。
  • 特定の経営課題対応: IPO(株式公開)準備、コーポレートガバナンス強化、コンプライアンス体制構築、大規模なシステム導入、サイバーセキュリティ対策強化、危機管理体制(BCP含む)構築、風評被害対策(モニタリング、削除要請、法的措置、再発防止)など、専門性が高く緊急度の高い課題に対応。

これらのシーンにおいて、適切な専門性を持つ顧問は、課題の本質を見抜き、具体的な解決策を提示し、実行をサポートすることで、企業が次のステージへ進むための強力な推進力となります。

5. 【役員・決裁者必見】失敗しない顧問選びの核心と比較ポイント

顧問選びの成否は、顧問活用の成果を大きく左右します。ここでは、数多くの専門家の中から、自社にとって真に価値のある「当たり」の顧問を見つけ出し、ミスマッチという「ハズレ」を避けるための、役員・決裁者の皆様が押さえるべき核心的なポイントと比較基準を解説します。

「目的適合性」が大前提:自社の課題と目標を明確に:

なぜ顧問が必要なのか? 顧問に何を期待するのか? この「目的」が曖昧では、最適な候補者を見つけることは不可能です。具体的な経営課題、達成したい目標、顧問に求める役割(アドバイザーか、実行支援か、人脈紹介か等)を徹底的に明確化し、それを評価軸の根幹に据えます。

「実績」は具体性と再現性を問う

華々しい経歴や肩書だけでなく、「自社と類似する業界・規模・課題において、具体的にどのような成果を出したのか」を深掘りします。成功事例だけでなく、失敗事例やそこから得た教訓なども聞けると、より人物像や能力を深く理解できます。可能であればリファレンスチェックを行い、客観的な評価を確認します。

「相性」は直感を信じつつ、論理的に確認

経営に関する深い議論ができるか、価値観や考え方に共感できるか、信頼関係を築けそうか。これらは専門性と同様に重要です。複数回の面談を通じて、コミュニケーションスタイル(分かりやすさ、傾聴力、報連相の的確さ)や、企業文化へのフィット感を確認します。「何か違う」という直感も無視できませんが、その違和感の原因を論理的に分析することも大切です。

「コミットメント」の熱量を見極める

評論家的な態度ではなく、自社の課題を「自分事」として捉え、情熱と責任感を持って取り組んでくれるか。契約時間外でも必要に応じて相談に乗ってくれるか。その熱意や真摯な姿勢は、面談での言動や質問への回答から感じ取ることができます。

「提案力」で課題解決能力を測る:

自社の課題や状況を説明し、「あなたならどう解決しますか?」と具体的な提案を求めてみましょう。課題の本質を捉え、実現可能で効果的な打ち手を、論理的かつ分かりやすく提示できるか。その思考プロセスに納得感があるか。これが実践的な貢献を期待できるかの試金石となります。

「契約条件・費用」は透明性と費用対効果を重視

業務範囲、報告義務、契約期間、報酬体系などを明確にし、曖昧な点を残しません。費用は、期待される成果とのバランス(ROI)で判断します。「安かろう悪かろう」も「高ければ良い」でもありません。価値に見合った適正な対価であるかを吟味します。

「倫理観・信頼性」は絶対条件

機密情報へのアクセスを伴うため、高い倫理観とコンプライアンス意識、そして守秘義務を遵守できる人物であることは、言うまでもなく絶対的な前提条件です。

これらのポイントを多角的に評価し、焦らず慎重に、複数の候補者を比較検討することが、顧問選びで失敗しないための王道です。

6. 顧問契約の形態と費用:ROI最大化のための最適解とは?

顧問との契約形態や費用は、顧問活用の効果や満足度を左右する重要な要素です。自社の状況や目的に合わせて最適な形態を選び、費用対効果(ROI)を最大化する視点が求められます。

主な契約形態とその特徴

  • アドバイザリー契約(リテイナー契約): 月額固定報酬で継続的な相談・アドバイス。中長期的な関係構築向き。いつでも相談できる安心感がある一方、稼働量に関わらず費用が発生。
  • プロジェクト型契約: 特定課題・期間・成果物を定めて契約。目的が明確で予算管理しやすいが、契約範囲外の対応は別。
  • 時間単位契約(タイムチャージ): 稼働時間に応じて支払い。スポット相談向きで無駄は少ないが、費用が変動し管理が煩雑。
  • 成果報酬型契約: 達成成果に応じて支払い。企業リスクは低いが、成果定義・測定が難しく、高額になる可能性も。アドバイザリー契約等との組み合わせも多い。

費用相場の考え方とROI 顧問料は専門性、経験、契約形態等で大きく変動します(例:中小企業向け月額10万~50万、大企業・高度専門家は月額50万~数百万超、士業相談は月額3万~)。重要なのは、顧問料をコストではなく投資と捉え、ROI(投資対効果)を最大化することです。支払う費用に対して、売上向上、コスト削減、リスク回避、生産性向上など、どれだけのリターンが見込めるかを検討します。安さだけで選ばず、自社の課題解決に最も貢献する顧問に、適正な対価を支払うという視点が不可欠です。契約前に期待成果と費用のバランスを十分に協議しましょう。

7. 顧問導入後の効果的な運用:成果を引き出す連携体制の鍵

顧問契約はゴールではなくスタートです。導入後に顧問の能力を最大限に引き出し、具体的な成果に繋げるためには、効果的な運用体制と社内連携の仕組みが不可欠です。

  1. 期待役割の再確認と共有: 契約内容に基づき、顧問の役割、責任範囲、期待成果を関係者間で明確に共有します。
  2. 定期的・質の高いコミュニケーション: 定例会議等を設定し、経営陣・関連部署も交え、課題や進捗をオープンに議論します。アジェンダ共有と議事録作成で質を高めます。
  3. タイムリーな情報共有: 顧問の的確な判断のため、良い情報も悪い情報も含め、企業の現状を迅速かつオープンに共有します。
  4. 社内部門との連携プロセス確立: 顧問の知見をどう共有し、アクションに繋げるか、情報ルートや連携プロセスを明確化します。
  5. 提案を実行に移す体制とフォロー: 顧問の提案を検討・判断し、実行担当者を決め、アクションプランに落とし込み、進捗を管理します。実行段階での顧問の関与も促します。
  6. 成果の可視化(KPI設定とROIレビュー): 導入効果を客観的に測るため、関連KPIを設定し定期的にレビューします。中長期的なROIも検証し、顧問と共有して改善に繋げます。

顧問を「外部の先生」ではなく「戦略的パートナー」として主体的に巻き込み、社内と緊密に連携させることで、その価値を最大化できます。経営陣のコミットメントと、効果的な運用体制の構築・維持が成功の鍵です。

8. 顧問紹介サービスの賢い利用法

「自社に最適な顧問を、効率的かつ確実に見つけたい」。そう考える役員・決裁者の皆様にとって、顧問紹介サービスは非常に有効な手段です。しかし、サービスを最大限に活用し、ミスマッチを防ぐためには、そのメリットと選び方のポイントを理解しておくことが重要です。

顧問紹介サービスを利用する明確なメリット

顧問紹介サービスを利用するメリットは以下の通りです。

  • 時間と労力の大幅削減: 煩雑な探索・評価プロセスを専門家に委託でき、経営陣はコア業務に集中できます。
  • 質の高い顧問へのアクセス: 自社ネットワークだけでは出会えない、非公開の優秀な顧問候補に出会える可能性が広がります。
  • 客観的なマッチング: スキル・経験だけでなく、相性や企業文化へのフィットも考慮した、プロの視点でのマッチングが期待できます。
  • 条件交渉・契約サポート: デリケートな条件交渉や煩雑な契約手続きを円滑に進めるためのサポートを受けられます。
  • 導入後のフォロー・ミスマッチ対応: 契約後もフォローがあり、万が一のミスマッチ時にも調整や代替候補紹介などのサポートが期待できます。

失敗しない顧問紹介サービスの選び方

顧問紹介サービスを利用する際は、以下の点に注意することが重要です。

  • 顧問ネットワークの質と専門性: どのような分野・レベルの顧問がどの程度登録されているか?自社のニーズに合っているか?
  • 得意領域の確認: 特定業界や企業規模(スタートアップ、中小、大企業)に強みがあるか?
  • マッチングプロセスとコンサルタントの質: プロセスは明確か?担当者は信頼でき、専門知識は豊富か?
  • 料金体系の透明性: いつ、いくら費用が発生するのか?追加費用は?明確で納得できる料金体系か?
  • サポート体制と実績: 契約後のフォロー内容は?過去のマッチング実績や利用企業の評判はどうか?

顧問紹介サービスの利用には手数料がかかりますが、自社で探すコストやミスマッチリスクを考慮すれば、合理的な投資となるケースが多いです。複数のサービスを比較検討し、自社のニーズに最も合致し、信頼できるパートナーを選ぶことが、最適な顧問との出会いを実現する近道となるでしょう。

9. まとめ

本稿では、「顧問とは」を軸に、その定義・役割から、多様な種類、活用メリット、具体的なシーン、失敗しない選び方、契約と費用、効果的な運用、そして顧問紹介サービスの活用法まで、顧問活用を検討される役員・決裁者の皆様に向けて、実践的な情報を提供してきました。

変化が激しく、専門性が求められる現代において、外部の専門家である「顧問」の知見や経験、客観的な視点を経営に取り入れることは、もはや特別なことではなく、企業の持続的成長と競争力強化のための重要な戦略です。顧問の活用はコストではなく、未来への投資であり、適切な顧問との出会いは、企業の可能性を大きく広げます。

重要なのは、自社の課題と目的を明確にし、最適な顧問を慎重に選び、そして導入後に効果的に連携・運用していくことです。また、そのプロセスにおいて、信頼できる顧問紹介サービスを賢く活用することも有効な手段となります。外部の叡智を戦略的に取り込み、変化に果敢に挑戦し、企業の輝かしい未来を切り拓いていきましょう。

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