更新日:2025/01/08
反社チェックとは? 必要な理由や実施方法、反社と分かった場合の対応を解説
【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
かつてに比べて、企業におけるコンプライアンス遵守が重視されるようになった今、企業が特に力を入れるべきなのが反社チェックです。政府も反社チェックに関する指針を発表し、各自治体もそれに基づいた条例を定めていますが、明確なチェック方法は法律で示されておらず、企業に任されている部分が多いのが現状となっています。
反社チェックはどのようなもので、具体的にどのような方法で実施すればよいのでしょうか。
本記事では反社チェックの概要や反社チェックが必要な理由、実施しなかった場合に起こり得るリスク、代表的な実施方法、調査によって反社会的勢力であることが判明した場合の対応方法などを分かりやすくまとめました。反社チェックの方法を模索しているコンプライアンス担当者の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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会社名 | 特長 | 費用 | 主な機能 | 無料トライアル |
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有 |
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月額3,000円~ |
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有 |
RiskAnalyze |
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月額27,500円~ |
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有 |
RISK EYES |
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1検索300円~ |
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有 |
uSonar |
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有 |
DQ反社チェック |
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1件500円~ |
・個人調査 ・企業調査 ・新聞記事検索 ・Web検索 など |
要お問い合わせ |
リスクチェック |
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1件500円~ |
・自動スクリーニング ・メール署名取り込み ・一括リスクチェック ・リスク検索 など |
有 |
反社チェックヒートマップ |
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要お問い合わせ |
・企業検索 ・与信指標チェック ・コンプライアンスチェック など |
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日経リスク&コンプライアンス |
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この記事の目次はこちら
反社チェックとは?
反社チェックとは、取引先や提携先、採用候補者など、自社と関わりを持つ企業や個人が反社会的勢力ではないか、また反社会的勢力と何らかの関わりを持っていないかを確かめる調査のことです。
法務省が示す「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」では、反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」と定義されています(※)。この定義に基づくと、以下のような組織やその組織に所属している個人が反社会的勢力に該当します。
※出典:法務省.「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」p1.
https://www.moj.go.jp/content/000061957.pdf ,(2024-11-26).
- 暴力団
- 暴力団関係企業
- 総会屋
- 社会運動標ぼうゴロ
- 政治活動標ぼうゴロ
- 特殊知能暴力集団
またコンプライアンス遵守の側面から、反社会的勢力だけではなく、対象企業の過去の不祥事や対象者の過去の犯罪歴なども含めて調査を行うことも多いです。
反社チェックは、以下のような企業や個人が対象となります。
- 取引先
- 提携先
- 投資先
- 株主
- 役員
- 採用候補者
- 顧問弁護士
- 顧問税理士
- セミナーなどの登壇者や参加者
基本的に反社チェックは、新規で自社と関わりを持つことになる企業や個人に関して行われます。また一度調査を行って終わりというわけではなく、定期的に実施し、状況に変化がないかを確かめることが大切です。
反社チェックが必要な理由
では、どうして反社チェックの実施が企業に求められているのでしょうか。反社チェックが必要な3つの理由をご紹介します。
1. コンプライアンス遵守のため
反社チェックは、コンプライアンス遵守のために必要不可欠です。
コンプライアンス遵守は、法令遵守を意味します。政府は2007年に「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を掲げ、それに沿って各自治体は「暴力団排除条例」を定めています(※)。取引自体に問題がないとしても、反社会的勢力と分かった上で取引を行えば、法令違反となり、最悪の場合は行政処分の対象となってしまうでしょう。
また近年コンプライアンス遵守は、法令だけでなく社会的道徳や倫理、規範の遵守も含まれるケースが多いです。反社会的勢力を排除する取り組みが進められている今、法令違反に該当しなかったとしても、関係を持つこと自体が社会的道徳や倫理、規範などを逸脱していると見なされてしまいます。
「一見反社会的勢力に見えない企業が実は反社会的勢力だった」というケースも少なくありません。反社チェックはインターネットの情報や各種データベース、行政機関の持つ情報などを基に、企業に近付く反社会的組織を洗い出せるため、コンプライアンス遵守に生かすことができます。
※参考:法務省.「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」.
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji42.html ,(2024-11-29).
2. 企業価値を維持するため
企業の価値を維持することも、反社チェックを行う理由の一つです。
反社会的勢力と取引をしたり提携を結んだりして何らかの関係を持ったことが判明してしまうと、社会的な信用が損なわれてしまい、企業価値も大きなダメージを負ってしまいます。相手が反社会的勢力であると知らなかったとしても、関係を持った時点で自社も反社会的勢力に関与していることになるので、上場が廃止になったり融資が受けられなくなったりする可能性も高いです。
企業間取引では契約書に反社会的勢力であることが分かった場合に契約が解除できる「反社条項」が盛り込まれていることが一般的です。そのため、反社会的勢力と関わりを持ったことが判明すると、取引の契約解除になり、経営がままならなくなってしまう恐れもあります。またそれによって取引先が損害を受けた場合は、損害賠償請求されてしまう可能性もあります。
このような事態を避けるためにも、反社チェックは企業にとって欠かせません。
3. 反社会的勢力の資金源を断つため
反社チェックが必要なのは、反社会的勢力の資金源を断つためでもあります。
反社会的勢力が活動を行うには資金が必要です。資金調達の方法はさまざまですが、フロント企業が正規の取引で受け取った資金が流用されているケースも少なくありません。
例え反社会的勢力と知らずに法的には問題のない取引を行ったとしても、反社会的勢力にお金が流れると、何らかの犯罪行為の資金源となってしまいます。しかし逆に全ての企業が反社会的勢力との取引を行わなければ、資金源を断つことになるため、反社会的勢力の排除を実現できるでしょう。
反社チェックを徹底し、反社会的組織を撲滅することは、結果的に自社や従業員を守ることにつながります。
反社チェックを行わなかった場合に起こり得るリスク
反社チェックを実施しなければ自社の信頼が失墜し、前述したとおり、行政処分を受けたり、上場廃止や融資の停止、取引の解消、損害賠償請求などが起こったりする可能性があり、最悪の場合、倒産に追い込まれる可能性があります。倒産は免れたとしても企業のイメージダウンは避けられないため、これまでどおりの事業運営は難しくなってしまうでしょう。
また反社会的勢力から自社が脅迫を受ける恐れもあります。「反社会的勢力と関係を持ったことを世間に公表する」と脅され、関係を断つことができずに、ズルズルと状況が悪化してしまう恐れもあるでしょう。一度関係を持つと断ち切ることが難しいので、望まない形だとしても、結果的に反社会的勢力に資金を提供し続けることになってしまうかもしれません。
加えて、反社会的勢力と関係を持つと、企業はもちろんのこと、従業員個人が脅迫を受けてしまうリスクも高いです。従業員やその家族にも被害がおよび、取り返しがつかない事態に陥ってしまう可能性もあります。
反社チェックを行う7つの方法
さまざまなリスクから自社や従業員を守るためには、徹底した反社チェックを行うことが重要です。ここからは反社チェックを行う7つの方法を解説します。
登記情報を確認する
反社チェックを行う方法の一つは、登記情報を確認する方法です。
国税庁の「法人番号公表サイト」では、取引先の名称や本社所在地などから法人番号を検索できます。検索しても法人番号がない企業の場合は注意が必要です。また短期間に名称や所在地を変更している企業も、リスクが高い企業として注意しなければなりません。
疑わしい場合は、実際に足を運んで現地を調査したり、インターネットで本社所在地を検索し、反社会的勢力と関わりのある住所ではないかを調べたりするとよいでしょう。
インターネットで検索する
インターネットで対象企業や対象者の名前と、キーワードを組み合わせて検索するのも代表的な反社チェックの方法です。
対象企業や対象者の名前と組み合わせたいキーワードには、以下のようなものがあります。
- 反社
- 暴力団
- ヤクザ
- 摘発
- 違法
- 逮捕
- 容疑
- 詐欺
- 被害
- 訴訟
- 不正
- 行政処分
こういったネガティブワードと組み合わせて検索することで、インターネット上のニュースなどの記事が検索できます。ただしインターネットの検索結果は、最新の情報が上位に上がる傾向にあるため、過去の情報を見つけづらい点には注意しましょう。またWebサイトの運営元が信頼できるかどうかも注意しなければなりません。
新聞や雑誌のデータベースを参照する
新聞や雑誌のデータベースを参照するのも、反社チェックの方法の一つです。
新聞や雑誌のデータベースで、対象となる企業名や個人の名前を検索すると、過去に掲載された記事を見つけられることがあります。新聞や雑誌のデータベースの場合、インターネットで検索するよりも過去の情報が見つけやすいです。また運営元がはっきりとしているため、信頼できる情報が収集しやすい傾向にあります。
業界団体のデータベースを参照する
業界団体のデータベースを参照するのも、反社チェックを行う方法の一つです。
業界団体の中には、業界内のさまざまな情報を独自で収集しているケースがあります。反社会的勢力との関わりに関する情報も蓄積されているため、反社チェックに活用できるでしょう。例えば上場企業の場合は「日本証券業協会」のデータベースを参照できます。
ただし業界によっては複数の業界団体があり、それぞれ保有している情報が異なるケースもあるので、その場合は複数の業界団体のデータベースを参照するようにしましょう。
また日本信用情報サービスは、日本最大級のデータベースで、幅広い業界の反社チェックやコンプライアンスチェックに活用されている「JCISデータベース」を提供しています。
反社チェックツールを活用する
反社チェックツールを活用するのも、反社チェックの方法です。
反社チェックツールは、反社チェックを自動化できるツールのことです。ツールごとに連携しているデータベースは異なりますが、複数の情報源から構築した独自のデータベースや連携しているデータベースから情報を照会できるため、反社チェックの対象企業や対象者が多い場合でも、効率的にチェックが行えます。
また検索結果の証跡保存や、重要度別の情報の絞り込み、外部ツールとの連携、レポート作成などが行えるツールもあるので、担当者の業務負担も軽減しやすいです。
外注サービスを利用する
外注サービスを利用するのも、反社チェックを行う方法の一つです。
専門の調査会社や探偵事務所、興信所などに反社チェックの外注を依頼すると、対象企業や対象者に関する詳細な情報を代行で調査してくれます。インターネットやデータベースを活用した調査だけでなく、現地調査を実施してくれるケースも多いため、より詳しく精度の高い情報を収集しやすいです。
ただし外注サービスを利用すると、費用が高額になる傾向にあります。全ての対象企業や対象者の調査を依頼するのではなく、他の調査を実施してリスクが高い場合や、反社会的勢力だった場合に自社が受ける被害が大きい対象企業・対象者の調査を実施する際に利用するとよいでしょう。
またサービスによって調査範囲や調査方法などが異なるため、どのような調査を行ってくれるのか事前に確認した上で依頼するようにしてください。
行政機関に照会する
以下の行政機関に照会して、反社チェックを行う方法もあります。
- 警視庁組織犯罪対策第三課
- 公益財団法人暴力団追放運動推進都民センター
- 全国暴力追放運動推進センター(暴追センター)
行政機関への照会は、明確な証拠が必要となるなど、ハードルが高い傾向にあります。他の方法で反社チェックを実施し、ハイリスクだと判断した場合は行政機関に紹介するとよいでしょう。
反社会的勢力と判明した場合の対応方法
反社チェックの結果、相手が反社会的勢力と判明した場合の対応方法を解説します。
弁護士もしくは警察に相談する
相手が反社会的勢力と判明した場合、弁護士もしくは警察に相談しましょう。
相談せずにいきなり何らかの対応を取ろうとすると、自社や従業員が被害を被ってしまう恐れがあります。状況が悪化する前に、まずは相談するようにしてください。
顧問弁護士であれば、法的な対処も含めた相談が可能で、比較的スムーズな対応が期待できます。警察の場合は聞き取りから始まるので、時間がかかる傾向にあります。
しかし、対象企業や対象者が犯罪行為に加担している場合は捜査も行われるため、従業員の安全を確保しながら次の対応を取ることができるでしょう。警察ではなく、各都道府県に設置されている暴力追放運動推進センターに相談するのも一つの方法です。
契約を解除する
相手が反社会的勢力だった場合、弁護士や警察のアドバイスに従いながら、取引先であれば速やかに契約を解除して取引を中止し、従業員であれば解雇します。
反社会的勢力と分かったまま契約を続けてしまうと、トラブルに発展する恐れがある他、行政処分の対象になってしまう可能性も高いです。契約書に反社会的勢力であることが判明した場合、契約を解除できる旨を示した「反社条項」を盛り込んでおけば、スムーズな対応が取りやすくなります。反社条項を盛り込んでいない場合は、契約書を見直しておきましょう。
手間なく質の高い調査を行うなら反社チェックツールがおすすめ
反社会的勢力と関係を持ってしまうと、自社の企業価値が失墜して最悪の場合は倒産の恐れがある他、従業員を危険にさらしてしまう可能性も高いです。国としても反社会的勢力の排除に向けて取り組んでいる今、反社チェックを適切に実施し、反社会的勢力との関わりを持たないことは、社会的責任でもあります。自社で反社チェックのルールを設け、適切なタイミングで調査を実施するようにしましょう。
反社チェックは労力も時間も要するため、担当者の負担が大きくなってしまいやすいです。効率良く精度の高い反社チェックを行いたいなら、反社チェックの自動化ができるツールの利用も検討しましょう。こちらのページで反社チェックについて詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
【2025年最新比較表あり】反社チェックツール12選を徹底比較!導入メリットや注意点も解説!
【比較】おすすめの反社チェックツール一覧
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会社名 | 特長 | 費用 | 主な機能 | 無料トライアル |
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AUTORO 反社チェック |
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有 |
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・サジェストサーチ ・トランス ・かんたん登録 ・名刺スキャン ・超名寄せ/NICE など |
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DQ反社チェック |
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1件500円~ |
・個人調査 ・企業調査 ・新聞記事検索 ・Web検索 など |
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1件500円~ |
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