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SFA JOURNAL by ネクストSFA/CRM

更新日:2025/03/07 

監査対応でチェックされるポイントは? 経理担当が行うべき準備や注意点を解説

監査対応でチェックされるポイントは? 経理担当が行うべき準備や注意点を解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

法律で監査が義務付けられている企業では、経理担当者は監査対応が必須です。「なぜ監査が必要?」「何をすれば良い?」といった疑問を抱える方も多いでしょう。また、監査対応の負担を減らし、効率的に進めたいと考える方もいるはずです。

そこで本記事では、経理担当者向けに、監査の基本から、監査対応が必要な企業、具体的なチェックポイント、事前準備、注意点まで徹底解説します。さらに、監査対応をスムーズに進めるための裏技も紹介!この記事を読めば、監査対応の不安を解消し、自信を持って対応できるようになります。ぜひ最後までご覧ください。



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監査とは?

監査は「ある事柄について、監督・検査を受ける」という意味です。

企業で行われる監査は大きく分けると財務諸表や関連する会計書類を元に、正当な会計処理が行われているかの評価・報告が行われる「会計監査」と、会計業務以外の企業活動全般や組織が法令やルールに準じているかの評価・報告が行われる「業務監査」があります。また監査を行う人によって、以下のようにも分類されます。

  • 外部監査:監査法人・公認会計士が行う監査
  • 内部監査:企業内の内部監査部門・内部監査人が行う監査
  • 監査役監査:株主総会で選ばれた監査役が行う監査

一般的に監査という場合、監査法人・公認会計士によって行われる会計監査を指すケースが多いです。一定要件を満たす企業は会計監査を受ける義務が法律で定められており、これを「法定監査」と呼びます。一方、任意で行われる監査は「任意監査」です。

本記事で解説するのは、主に会計監査です。法定監査が義務付けられている企業が、会計監査を受けないとペナルティを課せられることもあります。

監査の必要性

どうして企業に対して監査を行う必要があるのでしょうか。

監査が行われるのは、対象とされる企業の財務情報が信頼できるものかどうかを保証することが目的です。株式会社は法律にのっとって決算公告を行い、経営状況を公表しなければならない義務があります。取引先や株主、債権者などのステークホルダーは、公表された経営状況を元に、取引や出資を行っています。

しかし、企業が公表した経営状況が実際とは異なる内容だった場合、ステークホルダーは適切な判断に基づいた取引や出資ができません。その結果、ステークホルダーは何らかの損失を受けるリスクを抱えることになってしまいます。

そこで企業が公表している経営状況の正確性を確かめるために行われるのが監査です。監査を受けることで、財務情報に信頼性があり、健全な経営活動を行っている企業ということが保証されます。監査報告の内容を元にすれば、ステークホルダーは確実性の高い情報を元に取引や出資を行うことができるのです。

企業規模が大きくなればなるほど、多くのステークホルダーを抱えることになるため、企業が持つ影響力は大きくなります。そこで一定要件を満たす企業は、会社法で監査を行うことが義務付けられています。

監査対応が必要な企業

では、具体的にどのような企業が監査対応が必要となるのでしょうか。監査が必要な企業について詳しく見ていきましょう。

大企業

大企業(大会社)は会社法第328条によって、監査が義務付けられています。

会社法第2条第6号で定義されている大企業の定義は以下の通りです。

  • 最終事業年度に係る貸借対照表で、5億円以上を資本金として計上している
  • 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部で、合計200億円以上を計上している

※参考:e-GOV.「会社法(平成十七年法律第八十六号)」. https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086 ,(参照2024-07-19).

監査等委員会設置会社

監査等委員会設置会社も監査対応が必要な企業です。

監査等委員会設置会社とは、3名以上の取締役で作られた監査委員会を置き、取締役の業務執行を監査する株式会社のことです。監査委員の半数以上は、外部取締役でなければなりません。

会社法第327条第5項で、監査等委員会設置会社は会計監査人を置かなければならないと定められており、大企業と同じ扱いでの監査が義務付けられています。

※参考:日本公認会計士協会.「監査等委員会設置会社」. https://jicpa.or.jp/cpainfo/introduction/keyword/post-100.html ,(参照2024-07-19).

※参考:e-GOV.「会社法(平成十七年法律第八十六号)」. https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086 ,(参照2024-07-19).

会計監査人を任意設置している会社

会計監査人を任意設置している会社も、監査対応が必要な企業です。

会社法第326条第2項により、株式会社は定款を定めることによって、会計監査人を任意で設置できると定められています。

任意で会計監査人を設置した場合、法定監査が義務となるため、監査対応を行わなければなりません。監査を辞めたい場合は、定款を変更する必要があります。

※参考:e-GOV.「会社法(平成十七年法律第八十六号)」. https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086 ,(参照2024-07-19).

【監査対応】経理担当者が必ず押さえるべき9つのチェックポイント

監査対応をする際、監査法人・公認会計士に主にチェックされるポイントは以下の通りです。

  • 貸借対照表・損益計算書と総勘定元帳の数字が一致しているか(特に期末残高、科目間の整合性)
  • 売掛金・買掛金の残高と取引先の残高証明書の内容一致
  • 現金・預金・借入金の残高と残高証明書・現金出納帳の内容一致
  • 経理処理状態と帳簿組織・システムの確認
  • 伝票内容と実際の取引内容の一致
  • 勘定科目の正当性の確認
  • 引当金の確認
  • 固定資産の計上・除却処理の確認
  • 実地棚卸の確認

上記9つのポイントは不正や人的ミスが起こりやすいポイントのため、監査では特に重点的にチェックされます。

財務諸表や関連する会計書類は、それぞれ数字がきちんと一致しているかが重要です。また内容自体も適切かどうか、計上内容に不適切な部分がないかが確認されます。

経理処理状態と帳簿組織・システムの確認では、帳簿やシステムをチェックするだけでなく、経理担当者が処理状況を理解しているか、帳簿やシステムに関して正しい知識を持っているかなどを口頭で確認されるので、注意が必要です。

監査対応前に経理担当が行うべき準備

監査対応を効率良く行うためには、経理担当が事前に準備しておきたいことがあります。監査対応を控えている方は、これからご紹介する3つの準備を念入りに行っておきましょう。

必要書類をそろえる

監査対応を行う際は、必要書類をしっかりとそろえておきましょう。

一般的に監査対応で必要な書類は以下の通りです。

  • 財務諸表
  • 総勘定元帳や補助簿
  • 会計データ
  • 各種出納帳
  • 売掛金一覧表
  • 買掛金一覧表
  • 仕入先一覧表
  • 請求書・領収書・伝票
  • 銀行の取引明細書・預金通帳
  • 固定資産台帳
  • 棚卸表
  • 賃貸契約書、ローン契約書などの契約書類
  • 株主名簿
  • 株主総会の議事録
  • 取締役会議事録
  • 稟議書などの決裁書類

上記はあくまで一例で、通常会計監査人から事前にどの書類が必要かが提示されます。提示された内容に沿って、監査までにきちんと書類をそろえておきましょう。

書類がそろっていないと、追加監査が行われるかもしれません。追加監査は別途で費用がかかってくるため、日頃から上記のような書類はしっかりと管理し、不備なく用意できるように準備しておく必要があります。

書類の内容や業務範囲を理解する

監査対応の準備として、書類の内容や業務範囲を理解しておくことも大切です。

監査では、会計監査人から書類の内容や業務範囲に関する質問が行われることも珍しくありません。書類を全て用意していても、質問に適切に答えられないとスムーズに監査が進まなくなってしまいます。ご自身が担当する書類や業務範囲を改めて見直し、質問にしっかりと答えられるようにしておきましょう。

会計処理について事前に確認する

会計処理について事前に確認しておくことも、監査対応に欠かせない準備の一つです。

どのような根拠・経緯で会計処理が行われているかについても、会計監査人から質問される可能性があります。根拠や経緯に関してまとめておき、不明な点は担当者に確認してクリアにしておきましょう。

また会計基準が改正された場合や、これまでとは異なる性質の取引が行われている場合、適正に会計処理が行われているかもチェックされます。処理内容が複雑なケースもあるため、決算作業開始前に監査法人や公認会計士へ相談しておくと良いでしょう。事前に見解に食い違いがある点が分かり、どのように対応すべきかを検討できるので、スケジュール通りに監査が進めやすいです。

監査対応を進める際の注意点

監査対応を進める際は、これから解説する3つの注意点を把握しておきましょう。

チェックされる部分は重点的に確認しておく

監査対応を進める際は、チェックされる部分を重点的に確認しておきましょう。

監査で重点的にチェックされるのは、前述した9つのポイントです。また人的ミスが起こりやすい新しい取引や処理が複雑なものなども、重点的にチェックされる傾向にあります。

チェックされやすい部分を確認し、しっかりと内容を理解しておきましょう。

監査調書を想定して回答を用意する

監査対応を進める際は、監査調書を想定して回答を用意しておくことも大切です。

監査調書とは、監査法人や公認会計士が実施した監査手続きの内容や発覚した問題点、結論などをまとめた書類です。監査業務を適切に行った証拠になり、適切な監査が行われたかどうかを公認会計士協会が確認する際の重要な資料としても用いられます。

監査調書にどのような内容が記載されるかを踏まえて質問内容を想定し、回答を事前に準備しておくと、スムーズに監査が進みやすいでしょう。

虚偽の申告はしない

監査対応をする際は、必ず虚偽の申告をしないようにしてください。

前述した通り、監査は企業が公表している財務情報に信頼性があるか、不正がなく健全な経営が行われているかを保証する目的で行われるものです。ある意味嘘を見抜くために監査を行っているようなものですから、虚偽の申告をしてしまうと「何らかの不正があるのではないか」と疑われてしまいます。

どのような場合でも、必ず正確な申告をするように心掛けましょう。

まとめ

本記事では監査の概要や監査対応が必要な企業、監査対応でチェックされるポイント、監査対応前に経理担当が行うべき準備、監査対応を進める際の注意点を解説しました。経理担当者にとって、監査対応は気が重い業務の一つかもしれません。しかし何をチェックされるか、どのような準備が必要かを把握しておけば、監査対応の業務負担軽減につながります。本記事を参考にして、不備のないように監査対応の準備を行いましょう。

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