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おすすめの生成AIサービス9選! メリットや活用時に気を付けたいことを解説

おすすめの生成AIサービス9選! メリットや活用時に気を付けたいことを解説

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

生成AIとは、テキストや画像などを生み出せる人工知能のことです。さまざまな生成AIサービスが登場している今、業務効率化や新たなアイデアの創出を目的として生成AIを導入する企業が増えてきました。

しかし自社に合った生成AIを選ばないと

  • 導入目的を達成できない
  • 十分に使いこなせない
  • 予算オーバーになってしまう

という事態に陥りかねません。このような事態を避けるためには、導入前にしっかりサービスを比較・検討することが大切です。

本ページではおすすめの生成AIサービスの概要や主な機能、特長などを分かりやすくまとめました。生成AIの導入を検討している方は、ぜひお役立てください。

この記事の目次はこちら

生成AIとは?

生成AIはジェネレーティブAI(Generative AI)とも呼ばれ、さまざまなコンテンツを生み出せる人工知能のことです。

ディープラーニング(深層学習)という機械学習手法の一種によって学習し、そのデータを元にさまざまなコンテンツを作り出します。学習済みのデータからAI自らが最適な答えを導き出して、0から高度な成果物を生み出せるのが特徴です。

生成AIツールの種類

生成AIサービスによって生成できるコンテンツは異なりますが、主に以下のような種類のツールがあります。

種類概要主な用途
万能型質問や指示に従って、AIがさまざまな成果物を作成する要約・記事作成・翻訳・対話形式の質問への回答
チャット型質問に対してAIが回答する対話形式の質問への回答
文章生成型指示に従ってAIが文書を作成する記事作成・メール作成。書類作成
文字起こし型音声や動画からAIが文字起こしをする議事録作成
画像生成型テキストデータや参考画像をベースに画像を生成するデザイン案作成・広告用画像作成
動画生成型テキストデータや参考画像をベースに動画を生成するプロモーションビデオ作成、マーケティング用動画作成
音声・音楽生成型テキスト・音声データをベースに音声や音楽を生成する音声ガイド作成・ナレーション作成・音楽制作
コード生成型テキストによる指示に対して、プログラミングコードを生成するプログラミング

おすすめの生成AIサービス一覧

ここからはおすすめ生成AIサービス9選をご紹介します。

今あるデータで簡単にデータ学習が可能「SELFBOT」

主な機能ドラッグ&ドロップでのデータ学習、個人情報の入力制限、対応話題の制限 など
費用要お問い合わせ
無料トライアルなし

SELFBOTは生成AIを搭載したチャットボットサービスです。

ChatGPTを活用したサービスで、カスタマーサポートをAI化できる「顧客対応型」、社内ナレッジの効率的な共有を促進する「社内利用型」、生成AIを活用してオリジナルのAI開発が行える「生成AI個別開発型」があります。ドキュメントやエクセル、FAQのURLなどを使って簡単にデータ学習をさせられるため、導入にかかる時間や手間を削減できるのが特長です。

特長

  • データ学習から回答生成までAIが一括で行う
  • 拡張性が高く、ニーズに合わせたカスタマイズが可能
  • 使いやすさを重視したシンプルな管理画面

こんな企業におすすめ

  • 顧客対応業務の負担を軽減したい企業
  • 社内ナレッジの有効活用を行いたい企業
  • LINEやTeamsなどと連携して使いたい企業
提供会社SELF株式会社
サービスサイトURLhttps://self.systems/

さまざまな業務をサポートする社内向け生成AI「リコーのAI」

主な機能Teams呼び出し、前処理フィルタ、利用ログの確認 など
費用要お問い合わせ
無料トライアル有(RICOH Chatbot Service デジタルバディのみ)

リコーのAIは日々の業務で蓄積したデータを活用し、さまざまなシーンでビジネスをサポートしてくれる生成AIです。社内データをアップロードするだけの簡単操作で、自社専用の生成AIが作れます。誤情報の生成を防止する仕組みを採用し、正確性の高い回答を行ってくれるのが特長です。

特長

  • ニーズに合わせて選べる2つのプランあり
  • 生成された回答に参照URLやドキュメントのリンクが表示される
  • 専任スタッフによるサポートあり

こんな企業におすすめ

  • スモールスタートで手軽に始めたい企業
  • 社内データを有効活用したい企業
  • 回答精度の高い生成AI導入したい企業
提供会社リコージャパン株式会社
サービスサイトURLhttps://promo.digital.ricoh.com/ai/

自社データとChatGPTの連携でデータを有効活用「ユーザーローカル ChatAI」

主な機能自動マスキング機能、プロンプトテンプレート、Webページ連携 など
費用要お問い合わせ
無料トライアル

ユーザーローカル ChatAIはコンテンツやアイデア、関数、コードの生成、資料検索などに活用できる生成AIです。

自社データとChatGPTを連携させることができ、社内データの検索性を向上させたりデータから資料を作成したりすることができます。入力したプロンプトはAIが学習しない設計になっているため、情報漏えいリスクを軽減できるのが特長です。

特長

  • 自動マスキング機能で、個人情報や機密情報を保護
  • 社員の利用状況がダッシュボードで管理できる
  • 活用方法の勉強会の実施や問い合わせ窓口の設置などサポートが充実

こんな企業におすすめ

  • まずは無料で試してみたい企業
  • セキュリティが強固な生成AIを導入したい企業
  • 業務効率化や生産性アップを図りたい企業 
提供会社株式会社ユーザーローカル
サービスサイトURLhttps://chat-ai.userlocal.jp/

トークン課金制でコストを抑えて導入できる「dailyAI」

主な機能Microsoft Entra IDユーザー認証、ソースIP制限、利用ログ管理 など
費用100,000円(税抜)/5,000万トークン・月(※)
無料トライアル

dailyAIは、ソフトバンクグループのSBテクノロジー株式会社が提供する生成AIです。

既存のデータをアップロードするだけで、文書の要約・翻訳や誤字脱字チェック、データの分析、アイデア創出などの業務をサポートしてくれます。初期費用が無料で、今すぐ使い始められる手軽さが人気のサービスです。

※参考:SoftBank.「dailyAI(デイリーAI)」.https://www.softbank.jp/biz/services/ai/dailyai/ ,(参照 2024-09-13). 

特長

  • 自社専用プラットフォームが提供されるため、セキュリティに強い
  • プロンプトを生成AIが学習しない設計
  • トークン数ベースの課金なので、コストを抑えて運用できる

こんな企業におすすめ

  • 低予算で生成AIを活用したい企業
  • 既存のデータを活用して業務効率化を図りたい企業
  • セキュリティに強いサービスを導入したい企業
提供会社SBテクノロジー株式会社
サービスサイトURLhttps://www.softbanktech.co.jp/service/list/dailyai-mydata

大手企業や自治体への導入実績が豊富「AIさくらさん」

主な機能個人情報入力時のアラート機能、マスキング機能 など
費用要お問い合わせ
無料トライアル

AIさくらさんは、さまざまなシーンで活用できる製品を取りそろえた生成AIシリーズです。

チャットボットや社内問い合わせ、AISAS電話対応、メンタルヘルス、カスハラ対策、面接サポートなど、用途に合わせて利用できます。社内DX推進に効果的なサービスとして大手企業に導入実績がある他、自治体でも導入されているサービスです。

特長

  • 月々の費用は月額料金のみ
  • メンテナンスやデータバックアップに追加費用がかからない
  • 業務内容に合わせたカスタマイズに対応可能

こんな企業におすすめ

  • 導入実績が豊富な信頼できるサービスを利用したい企業
  • セキュリティがしっかりしているサービスを導入したい企業
  • 課題に合わせて適切な生成AIを選びたい企業
提供会社株式会社ティファナ・ドットコム
サービスサイトURLhttps://www.tifana.ai/

効率的なデータ分析で業務改善をサポート「テラデータ」

主な機能アナリティクス機能
費用$3,800〜 / 月(※)
無料トライアル要お問い合わせ

テラデータはAIとクラウドアナリティクスを組み合わせることで、効率的なデータの分析が行える生成AIです。

社内に蓄積したさまざまなデータを分析することで、パフォーマンス向上やコスト削減などを目指すことができ、業績アップにつながるデータドリブンな経営を支援します。例えば顧客データを分析すれば、顧客一人ひとりに合わせた顧客体験を提供できるため、カスタマーエクスペリエンス向上も目指せるでしょう。

※参考:teradata.「パワフルな機能を柔軟な価格体系で」.https://www.teradata.jp/getting-started/pricing ,(参照 2024-09-13).

特長

  • 100社以上のパートナーネットワークでクラウド分析をサポート(※)
  • 世界中のさまざまな大手企業で導入実績あり
  • 社内のさまざまなデータを統合し、組織全体でシームレスに活用できる

※参考:teradata.「クラウドアナリティクスでイノベーションを」.https://www.teradata.jp/ ,(参照 2024-09-13).

こんな企業におすすめ

  • データ分析を目的として生成AIを活用したい企業
  • 世界で導入実績のある生成AIを導入したい企業
  • 顧客エンゲージメント向上を目指したい企業
提供会社日本テラデータ株式会社
サービスサイトURLhttps://www.teradata.jp/

さまざまな言語モデルに対応した法人向け生成AI「サテライトエーアイ」

主な機能利用ユーザー限定、ログ保存、IPアドレス制限 など
費用ライセンス:月額100円 / 1ユーザー(10名〜)(※)LLM利用回数課金:言語モデルによる
無料トライアル

サテライトAIは、株式会社サテライトオフィスが提供する法人向け生成AIサービスです。

議事録作成AIや社内ポータルAI、データ分析AI、FAQ AIなど、課題に合わせて導入できるさまざまなラインナップがあります。導入支援も運用もカスタマーサポートで迅速に対応してくれるので、分からないことがあってもスムーズな導入・運用がしやすいです。

※参照:サテライトエーアイ.「サテライトオフィス 企業活用ChatGPT/Gemini Azure OpenAI Service 導入支援」.https://www.sateraito.jp/sateraito_AI/index.html ,(参照 2024-09-13).

特長

  • 導入実績 2,688社(2024年9月1日現在)(※)
  • 1カ月間の無償トライアル中も万全のサポート体制
  • GPT-4、Azure OpenAI service、Google社Geminiなど多様なAIモデルに対応

※参照:サテライトエーアイ.「サテライトオフィス 企業活用ChatGPT/Gemini Azure OpenAI Service 導入支援」.https://www.sateraito.jp/sateraito_AI/index.html ,(参照 2024-09-13).

こんな企業におすすめ

  • 自社に合った言語モデルを選びたい企業
  • サポート体制が整っているサービスを利用したい企業
  • 課題に合わせてサービスを選びたい企業
提供会社株式会社サテライトオフィス
サービスサイトURLhttps://www.sateraito.jp/sateraito_AI/

1ユーザーから始められるAIアシスタント「HEROZ ASK」

主な機能アクセス権限設定、プロンプトテンプレート、監査ログ など
費用月額 900円~ / ユーザー
※ 10ID以下の場合:月額 1,980円 / ユーザー(※1)
無料トライアル要お問い合わせ

HEROZ ASKは取り込んだ社内データを活用し、文書作成や要約、翻訳、音声の言語化などができる生成AIです。

1ユーザー当たり月額900円〜という低コストで、生成AIを導入できます(※2)。誤情報の生成を防ぎやすい設計になっている上、提示される回答には参照元が表示されるので、情報の正確性を保ちやすいです。

※1 参考:HEROZ ASK.「HEROZ ASKの特長」.https://herozask.ai/#features ,(参照 2024-09-13).

※2 参考:HEROZ ASK.「HEROZ ASKの特長」.https://herozask.ai/#features ,(参照 2024-09-13).

特長

  • 追加料金なしで無限に目的別のAIアシスタントを作成可能
  • 1人から利用でき、利用人数に制限なし
  • 個人単位、グループ単位で権限設定ができる

こんな企業におすすめ

  • スモールスタートで生成AIを導入したい企業
  • 細かくアクセス制限を設定したい企業
  • 国際規格ISO27001を取得したサービスを選びたい企業(※)

※参考:HEROZ ASK.「セキュリティ」.https://herozask.ai/#security ,(参照 2024-09-13).

提供会社HIROZ株式会社
サービスサイトURLhttps://herozask.ai/

「AI-Starter」

主な機能生成AI環境構築、プロンプトテンプレート
費用初期費用:要お問い合わせ月額料金:200,000円(税別)(※)
無料トライアル要お問い合わせ

AI-Starterは複数の生成AI環境を構築できる生成AIパッケージです。

シンプルで使いやすい画面操作で、Claude、GPT、Geminiなど文章生成AIや画像生成AIの構築を一元化できます。プロンプトテンプレートが用意されているので、プロンプト設計作業にかかる手間を省いてスムーズに生成AIを活用できるでしょう。プロンプトテンプレートはカスタマイズも可能です。

※参考:classmethod.「生成AI環境構築サービス「AI-Starter」」.https://classmethod.jp/services/generative-ai/ai-starter/ ,(参照 2024-09-13).

特長

  • データとプライバシー保護を徹底したセキュアな環境
  • 使いやすく見やすい優れたUI / UX
  • 4,000社に導入されている豊富な実績(※)

※参考:classmethod.「生成AI環境構築サービス「AI-Starter」」.https://classmethod.jp/services/generative-ai/ai-starter/ ,(参照 2024-09-13).

こんな企業におすすめ

  • 複数の基盤モデルを活用したい企業
  • 操作性や視認性の高いシステムを導入したい企業
  • 誰でも簡単に使える生成AIを構築したい企業
提供会社クラスメソッド株式会社
サービスサイトURLhttps://classmethod.jp/services/generative-ai/ai-starter/

生成AIサービスを活用するメリット

生成AIサービスを活用する4つのメリットをご紹介します。

定型業務を効率化できる

生成AIサービスを活用すれば、日常的に発生する定型業務の効率化が可能です。

例えば文章生成型の生成AIサービスを使えば、契約書や報告書、企画書といったさまざまな書類作成業務やメール作成業務を効率化できます。また文字起こし型のAI生成ツールを使えば、会議の音声を文字起こしして、議事録を作成することも可能です。

定型業務を自動化すれば他の業務に時間をかけられるようになり、生産性もアップするでしょう。

クリエイティブな提案をしてもらえる

生成AIサービスを活用すれば、クリエイティブな提案をしてもらうことも可能です。

例えば何らかの企画を考えている際に生成AIを活用すると、学習した膨大なデータを元にさまざまな選択肢を提案してくれます。チームでの議論が煮詰まっているときに生成AIを使えば、画期的なアイデアを提案してもらえるかもしれません。

コンテンツ制作のリソースとなり得る

コンテンツ制作のリソースとなり得ることも、生成AIサービスを活用するメリットの一つです。

生成AIの中にはブログ記事作成やイラスト制作、動画制作、音楽制作などが可能なものもあります。これまで自社で人員を割いたり外注したりしていたコンテンツ制作を生成AIに任せられるため、業務効率化やコストやリソースの削減につながるでしょう。人間が制作するより作業スピードも早いので、生産性もアップしやすいです。

顧客とのコミュニケーションに役立つ

生成AIを活用すれば、顧客とのコミュニケーションにも役立ちます。

カスタマーサポートに生成AIを導入すれば、チャットボットによる顧客とのやり取りが可能です。オペレーターの負担軽減や人件費削減を図りつつ、24時間365日対応でスピーディーな対応ができるため、顧客満足度向上が期待できるでしょう。

また生成AIの中には、データ分析できるものもあります。顧客の購買履歴や嗜好を生成AIにかければ、顧客の好みを瞬時に把握できるので、顧客一人ひとりに合わせたアプローチが行えるようになるでしょう。

生成AIを活用する際に気を付けたいリスクとは?

便利な生成AIですが、さまざまなリスクも潜んでいます。生成AIを活用する際に気を付けたい8つのリスクをご紹介します。

情報漏洩

生成AIを活用する場合、情報漏えいが起きてしまうリスクがあります。

生成AIは、入力したプロンプト(指示や質問)を学習してしまうことがあります。生成AIを使って業務を行う際に個人情報や顧客情報、自社の機密情報などを入力してしまうと、将来情報漏えいが起きてしまうかもしれません。

誤情報(ハルシネーション)の生成

誤情報(ハルシネーション)の生成も、生成AIを活用する際に気を付けたいリスクです。

生成AIが学習したデータに間違いが含まれていると、それを元に作成したコンテンツも事実とは異なるものになってしまいます。プロンプトが明確でないことによっても、誤情報が生成されてしまいやすいです。

また正しいデータを学習させ、正確なプロンプトを入力しても、現時点では生成AIの設計上、どうしても誤情報が生成されてしまうリスクがあるとされています。

倫理的に問題のある情報の出力

生成AIを活用する際は、倫理的に問題のある情報が出力されるリスクがあることも理解しておきましょう。

生成AIは、人としてのモラルや国による価値観の違いなどを完全に理解しているわけではありません。特に学習データが特定の思考に偏っている場合、特定の性別や人種、地域に偏見のあるコンテンツを作成してしまう恐れがあります。

ディープフェイク

ディープフェイクとは、人物の画像や動画、音声などをAIが人工的に生成することで、実際には存在しない偽のコンテンツを作り出してしまうことです。

生成AIによって偽物かどうかを見分けられないほど精巧なコンテンツが作り出されてしまうと、犯罪やフェイクニュースの拡散に使われてしまうことがあります。特に実在する人物のディープフェイクが生成されると、名誉毀損になったり世界的な大パニックを起こしてしまったりする可能性も高いです。

著作権などの権利侵害

著作権などの権利侵害も、生成AIを活用する際に注意したいリスクです。

AIが学習したデータには著作権や肖像権、商標権などを含むコンテンツが含まれていることがあります。これらのデータを学習したAIがコンテンツを生成すると、権利を侵害する内容のコンテンツが作り出されてしまう可能性も高いです。

AIが生成したコンテンツといえど、権利侵害が認められた場合、損害賠償を請求されたり刑事罰を課せられたりしてしまうリスクがあります。

プロンプトインジェクション

プロンプトインジェクションとは、悪意ある第三者が対話型の生成AIに特定のプロンプトを入力することで、本来非公開の機密情報やソースコードを流出させたり、誤情報を拡散したりするサイバー攻撃の一種です。

プロンプトインジェクションによって、開発用コードネームを引き出されたり、パスワードを引き出されたりといったセキュリティインシデントは実際に起きています。

サービス環境や開発環境に対する攻撃

生成AIはサービス環境や開発環境に対する攻撃を受けてしまうリスクもあります。

例えば悪意ある第三者が生成AIの設計や学習データに不正なプログラムを混入させたり、学習させるデータを改ざんしたりしてしまうなど、プロンプトインジェクション以外のサイバー攻撃で生成AIがターゲットにされてしまうかもしれません。

生成AIへの過信によるトラブル

生成AIを過信してしまうと、トラブルが発生するリスクがあることも十分理解しておきましょう。

生成AIは便利なサービスですが、常に万能で正確とは限りません。前述した通り、生成AIには誤情報を生成するリスクがあります。また根拠が不明な情報を含むコンテンツや、情報に一貫性がないコンテンツが生成されてしまう可能性も高いです。

「生成AIに任せておけば大丈夫」と過信してしまうと、思わぬ法的問題に発展したり自社の信頼が失墜してしまう事態に陥ったりしてしまうかもしれません。

生成AIを活用するためのリスク対策

リスクを軽減して生成AIを活用するために押さえておきたい5つの対策をご紹介します。

生成AIの利用目的と活用範囲の明確化

生成AIを活用するためのリスク対策を行うには、生成AIの利用目的と活用範囲を明確にしましょう。

利用目的を明確にせず、さまざまな範囲に生成AIを利用すると、それだけトラブルが起こるリスクが高くなってしまいます。利用目的を明確にし、活用範囲をある程度限定することで、不適切なコンテンツや法的問題に発展する恐れのあるコンテンツの生成を防止できるでしょう。

信頼性の高い生成AIツールの選定

信頼性の高い生成AIツールを選定することも、リスク対策につながります。

生成AIにはさまざまなツールが登場しています。リスクを軽減して生成AIを活用するには、セキュリティ対策が徹底しているツールを選ぶことが大切です。利用目的に合ったツールを選ぶことも重要ですが、セキュリティ面も併せて重視するようにしましょう。

ルール策定とシステム構築の両面からのリスクマネジメント

ルール策定とシステム構築の両面からのリスクマネジメントを行うことも、生成AIを活用する際に講じておきたいリスク対策です。

生成AIを活用する際にリスクを軽減するには、従業員に対して利用のルールを明確にしておく必要があります。使用目的や活用範囲、データの取り扱い方法などを策定してマニュアルを作成しましょう。

また学習させるデータの正確性や公平性を確保したり、プロンプトを学習しない設定を行ったりして、システム構築の面からもリスク対策を行うことが大切です。

従業員教育によるAIリテラシーの向上

従業員教育によるAIリテラシーを向上させることも、AIを活用するために重要なリスク対策です。

プライベートでAIを活用している従業員もいるかもしれませんが、まだ一般的に広く生成AIが浸透しているわけではないので、AIリテラシーが低い従業員もいるはずです。リスクを軽減して生成AIを活用するには、生成AIを使う全ての従業員が生成AIの仕組みや特性、リスクをしっかり理解しておく必要があります。

研修を実施したりeラーニングを導入したりして、従業員教育を徹底しましょう。

導入後もブラッシュアップを継続

生成AIを活用するためのリスク対策として、導入後もブラッシュアップを継続しましょう。

生成AIはとてつもないスピードで急速に進化しています。それによってできることや活用できるシーンも増えて行くと考えられますが、同時に新たなリスクが生まれる可能性も高いです。導入後もルールやシステム構築、従業員教育のブラッシュアップを継続することが、リスク対策のアップデートにつながります。

生成AIサービスを選ぶ際のポイント

生成AIサービスを選ぶ際の5つのポイントをご紹介します。

自社の目的に沿った機能があるか

生成AIサービスを選ぶ際は、自社の目的にあった機能があるかを確認しましょう。

生成AIにはご紹介したようにいくつか種類があり、できることが異なります。自社の目的に合ったサービスを選ばなければ思ったような活用ができず、無駄なコストがかかってしまう可能性が高いです。自社が導入する目的をまず明確にして、適した機能を搭載したサービスを選びましょう。

使いやすさはどうか

生成AIサービスを選ぶ際は、使いやすさを確かめることも大切です。

いくら高機能の生成AIでも、使い勝手が悪ければ十分に活用できません。直感的に操作できるものや、シンプルな設計のものを選ぶようにしましょう。操作性を確かめるには、無料トライアルを試したりベンダーにデモ動画を依頼したりする方法があります。

日本製か海外製か

生成AIを導入する際は、日本製か海外製かも確認しましょう。

生成AIサービスには日本製のものも多く登場しています。海外製のサービスが劣っているというわけではありませんが、海外製の場合、マニュアルや問い合わせが英語対応のみの可能性も高いです。日本語での情報やサポートを求めるなら、日本製のものを選ぶと良いでしょう。

サポート体制は十分か

サポート体制を確認することも、生成AI選びの重要なポイントです。

生成AI導入後は、不明点が出てきたり技術的な不具合が出たりすることがあります。サポート体制が充実しているサービスなら問題発生時も迅速に対応してくれるため、効率良く運用できるでしょう。

利用価値に見合った料金か

生成AIを選ぶ際は、利用価値に見合った料金かどうかもチェックしましょう。

生成AIはリーズナブルな価格のものから、高額なものまでさまざまなサービスがあります。高額なサービスは多機能なことが多いですが、利用目的によっては必ずしも高機能である必要はありません。生成AIを導入して生み出せる価値に見合った料金かどうかを、慎重に見極めるようにしてください。

まとめ

生成AIを導入すれば、業務効率化や新たなアイデアの創出、コンテンツ制作コストの削減、顧客とのコミュニケーション活性化といったメリットが得られます。ただしリスクもあるので、導入する際はリスク対策もしっかり講じることが大切です。

生成AIサービスは、サービスによって特長やできること、使いやすさなどが異なります。利用目的や利用環境、予算を考慮した上で自社に合ったサービスを選びましょう。

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