5ちゃんねるへの書き込みを削除する方法について

インターネット上の匿名掲示板サイトである5ちゃんねるには、さまざまな情報が書き込まれています。中には自社についての風評被害とも言える悪質な書き込みもあるでしょう。悪質な書き込みを放置していると、自社にさまざまなリスクをもたらしかねません。そのため、適切な方法で対処することが大切です。

本記事では、5ちゃんねるに悪質な書き込みがあったときの対策として、書き込みを削除する方法を紹介します。また、書き込みを放置するリスクや注意すべきことなどを解説します。

5ちゃんねるへの書き込み削除方法は3つ

5ちゃんねるに書き込まれた自社の情報を削除する方法は次の3つです。

• メールで削除依頼
• フォームで削除依頼
• 法的手続きで削除依頼

メールで削除依頼

5ちゃんねるに書き込まれた自社の情報を削除するには、5ちゃんねるへ削除依頼をメールしましょう。メールで削除を依頼するには次のような要件に従う必要があります（※）。

• 送信先：meiyokison@5ch.net
• メール件名：削除申し立て
• 内容：URL、レス番号、削除理由、本人確認のための資料、理由を根拠付ける資料があれば添付

自社の書き込みについて削除を依頼するのであれば役職、身分が分かる書類を添付してメールします。

※参考：5ちゃんねる.「5ちゃんねる削除体制」.“【削除フロー】”.https://ace.5ch.net/saku2ch/ ,（参照2024-05-31）.

フォームで削除依頼

フォームで削除依頼するのであれば削除要請板（重要削除対象専用）、削除依頼板（通常削除）どちらかの選択が必要です。両者は次のとおり依頼内容によって使い分けます（※）。

フォームの種類	依頼内容
削除要請板（重要削除対象専用）	対象者：企業、団体や5ちゃんねるのガイドラインが定める個人一群、二類内容：個人情報や電話番号、誹謗中傷など
削除依頼板（通常削除）	上記以外の内容、対象者

削除要請板（重要削除対象専用）の対象者である個人一群、個人二類は次のとおりです（※）。

区分	対象者
個人一群	政治家芸能人プロ活動をしている人物有罪判決を受けた人物
個人二類	板の趣旨に関わる職業で責任問題の発生する人物著作物や創作物、活動を販売や提供して対価が発生している人物外部になにかしらの被害を与えた事象の当事者

フォームで削除を申請すると、削除人と呼ばれるユーザーが削除を進めてくれますが、申請内容が掲示板に残ってしまいます。内容によっては炎上につながりかねないため、慎重に申請しましょう。

※参考：5ちゃんねる.「削除ガイドライン」.https://5ch.net/adv.html ,（参照2024-05-31）.

法的手続きで削除依頼

法的手続きを取ることでも5ちゃんねるに掲載された書き込みの削除は可能です。例えば自社の権利侵害にあたるような書き込み、削除申請をしたのに対応されない書き込みは、法的手続きによって削除を進めます。具体的には、裁判所に書き込み削除の仮処分命令を申請して、裁判所から5ちゃんねるの運営に削除命令を出してもらうという方法です。

なお、裁判所に書き込み削除の仮処分命令を申請するためには、「自社の権利が違法に侵害されている」「すぐにでも解決が必要である」という2つに該当している必要があります。

5ちゃんねるへの書き込みを放置する4つのリスク

5ちゃんねるに自社のネガティブな情報が書き込まれると、信用低下につながります。その結果、以下のようなリスクが予想されます。

• 売上の減少
• 取引先や金融機関からの信頼低下
• 従業員の離職
• 求人応募者の減少

1. 売上の減少

5ちゃんねるに書き込まれた自社のネガティブな情報を放置していると、売上の減少につながりかねません。例えば「対応が悪かった」という情報が書き込まれた場合、顧客が自社を敬遠する恐れがあります。顧客が自社の商品やサービスの利用を控えるようになれば、結果的に利用売上の減少につながるでしょう。

なお5ちゃんねるの書き込みを見た人が、内容の真偽を見抜くのは難しいです。そのため、たとえ書き込みの内容が虚偽であったとしても、放置せずに削除を進めましょう。

2. 取引先や金融機関からの信頼低下

自社のネガティブな情報が5ちゃんねるに放置されたままでは、取引先や金融機関からの信頼が低下する可能性があります。特に自社の経営状況についてネガティブな情報は取引先、金融機関の信頼低下を招きかねません。最悪の場合、取引の中断や融資停止につながる恐れもあるでしょう。

3. 従業員の離職

5ちゃんねるに書き込まれているネガティブな情報は自社の従業員にも影響を及ぼします。従業員によってはネガティブな情報が書き込まれている会社での勤務に抵抗を覚える可能性があるでしょう。また、身近なところで「悪評のある企業で働いている」と噂が立ち、精神的苦痛を味わう従業員が現れる可能性もあります。

5ちゃんねるへの書き込みがきっかけでストレスや精神的苦痛を感じた従業員は、離職を検討するかもしれません。従業員が大量に離職する事態に発展すれば、人手不足による倒産リスクも高まってしまいます。

4. 求人応募者の減少

5ちゃんねるへの書き込みが原因で従業員が離職した場合、新たに従業員を採用しなければなりません。しかし、5ちゃんねるへの書き込みを残したままにしていると、求人への応募者が減少する可能性があります。例えば福利厚生や残業についてネガティブな情報が記載されている場合、求職者は応募をためらってしまうでしょう。内定を辞退される可能性もあります。応募者が集まらない、内定辞退が頻発するといった状況が続くと、採用にかかるコストがかさむ恐れがあります。

5ちゃんねるに書き込みされた際のNG行動

5ちゃんねるに書き込みされた場合、次のような行動は避けましょう。

• 掲示板で応戦する
• 何度も削除フォームで申請する
• 焦って削除申請する

掲示板で応戦する

自社について書き込まれた内容に応戦や反論するのは避けましょう。掲示板で反論すると、かえって事態の悪化を招く恐れがあります。場合によっては、他のユーザーも書き込みに参加し、いわゆる「炎上」に陥るかもしれません。

何度も削除フォームで申請する

削除フォームで削除申請をすると、削除人が削除を作業を進めてくれます。削除人の作業によって書き込みが削除されるのには一定の時間がかかるため、作業完了まで待ちましょう。削除人はボランティアで活動しているため、何度も申請して催促するのは控えることが大切です。また、削除人に対して強い言葉を向けるとガイドライン違反と見なされ、削除対応につながらない恐れがあります。

焦って削除申請する

自社についての悪質な書き込みが5ちゃんねるにあった場合、法的措置を検討するケースがあります。法定措置を検討しているのであれば、書き込みが削除される前に証拠を押さえておきましょう。証拠を押さえられなければ、法的措置に必要な開示請求が難しくなります。従って、法的措置を検討している場合は、焦って削除申請をするのは控えましょう。

5ちゃんねるへの悪質な書き込み対策は専門家に依頼

5ちゃんねるへの悪質な書き込みは自社でも削除申請が可能です。しかし、削除申請が認められるとは限りません。削除申請が認められるまで自社で対応していると、担当者がコア業務に集中できず、業務が停滞する可能性があります。

そのため、5ちゃんねるへの書き込み対策は次のような専門家に依頼しましょう。

• 弁護士
• 専門の対策業者

弁護士は訴訟にも対応できる

弁護士は5ちゃんねるへの書き込み削除に対応しています。5ちゃんねるの削除はガイドラインに沿って実施する必要があります。自社で対応するとなると、ガイドラインから逸れてしまい削除申請が認められないかもしれません。また、複数の書き込みがあった際は自社の従業員のリソースが割かれてしまいます。

一方、弁護士であれば法律を根拠に削除申請を進めるため、申請が承認される可能性が高まるだけでなく、自社の従業員は本来の業務に注力できるでしょう。弁護士は書き込みを受けた訴訟にも対応できます。

専門の対策業者

5ちゃんねるへの書き込み対策は弁護士ではなく、風評被害対策サービスを提供する専門の対策業者にも依頼可能です。ただし専門の対策業者は、一般的に、5ちゃんねるに書き込まれた投稿の削除には対応していません。しかし、専門の対策業者は弁護士と異なり、悪質な書き込みの予防をサポートしてくれます。再発時の対応が心配な場合は、専門の対策業者への相談を検討するとよいでしょう。

専門の対策業者に依頼するメリット

弁護士ではなく専門の業者に5ちゃんねるへの悪質な書き込み対策を依頼するメリットは次のとおりです。

• 悪質な書き込みをスピーディに発見できる
• 悪質な書き込みが発生する原因を追求できる
• 逆SEOを実現できる

悪質な書き込みをスピーディに発見できる

専門の対策業者に依頼することで、5ちゃんねるへの悪質な書き込みをスピーディに発見可能です。悪質な書き込みがあったときは、早期の対応が求められますが、自社で掲示板に張り付いて投稿の有無を確認するのは困難でしょう。しかし、専門の対策業者によっては掲示板の監視が可能なため悪質な書き込みをスピーディに発見できます。

専門の対策業者であれば、自社の従業員のリソースを割くこともありません。そのため、従業員は通常業務に注力可能です。

悪質な書き込みが発生する原因を究明できる

悪質な書き込みが発生してしまう原因を究明できるのも、専門の対策業者へ依頼するメリットです。なぜ自社への悪質な書き込みが発生したのか、原因を究明できなければ再度発生する可能性があります。そのため、再度、悪質な書き込みに対応しなければなりません。

一方、専門の対策業者に依頼すれば原因究明できるため、以降の書き込み発生を防止可能です。専門の対策業者によっては書き込みを防止するために、策定したガイドラインを提供してくれるケースもあります。

逆SEOを実現できる

最後に、5ちゃんねるへの悪質な投稿への対策を専門の業者に依頼することで、逆SEOの実現につながるところもメリットと言えます。

逆SEOとは、企業の誹謗中傷を目的としたサイトや悪質な書き込みがされたサイトを、上位表示させない手法です。自社についてネガティブな情報が上位に表示されたままでは、ユーザーに悪い印象が広がってしまいかねません。そのため、対策業者では逆SEOに取り組みます。具体的には、逆SEOによって自社のサイトを最適化し、ネガティブなサイトよりも上位に表示させます。

逆SEOが実現すれば、ネガティブな情報が上位表示されず、ユーザーの目に届きにくくなるでしょう。

5ちゃんねるへの書き込み対応する専門業者の選び方

5ちゃんねるへの書き込みに対応してくれる専門業者は次のようなポイントに着目して選びましょう。

• 誹謗中傷対策への実績が豊富か
• 無料の相談を実施しているか
• 費用は適正か

誹謗中傷対策への実績が豊富か

専門業者を選ぶ際は5ちゃんねるに限らず、インターネットの誹謗中傷対策への実績が豊富かどうかを確認します。依頼を検討している専門業者に実績を問い合わせて、可能な範囲でヒアリングをしましょう。実績を判断する際の目安となるのが事業年数です。長期間事業を運営している専門業者であれば、顧客から一定の評価を受けていると考えられるでしょう。

無料の相談を実施しているか

無料の相談を実施しているかどうかも、誹謗中傷対策の専門業者選びのポイントです。業者によっては、相談の時点であっても相談料が発生するケースがあります。費用を抑えたいと考えているのであれば、無料の相談を実施しているかどうかを確認しましょう。

費用は適正か

5ちゃんねるの悪質な書き込みに対応する業者を選ぶ際、費用が適正かどうかの確認も大切です。業者の中には、過度に安い費用を提示しているケースがあります。しかし、安さばかりを押し出している業者の場合、満足いく結果が得られないかもしれません。

依頼にあたっての費用が適正かどうかを確認するには、複数の業者に相見積もりを依頼することが大切です。相見積りを取得すれば、大まかな費用相場を確認できるでしょう。

5ちゃんねるへの悪質な書き込み対策は専門の業者に相談

5ちゃんねるに書き込まれた自社の悪質な投稿は、放置していると売上の減少や従業員の離職などにつながる恐れがあります。そのため、メールやフォームでの削除依頼に加えて、法的な削除依頼を検討しましょう。

5ちゃんねるへの悪質な書き込み対策は弁護士や、風評被害対策専門の業者に相談可能です。特に専門の業者であれば書き込みの原因を究明して再発防止につなげるだけでなく、逆SEOで自社の誹謗中傷が他のユーザーの目に触れないようにしてくれます。自社についての悪質な書き込みを見つけたら放置するのではなく、専門の業者に相談しましょう。