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SFA JOURNAL by ネクストSFA

人事管理システム導入するべき!メリットや選定ポイントについて解説

小島 伸介

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介

株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。

人事管理システム導入は、現代企業にとって戦略的な重要性を持つ取り組みです。人材データの活用、DX推進、法規制対応といった経営課題の解決に貢献しますが、その導入プロセスには多くの課題が伴います。特に、人事評価システム導入を検討する決裁者人事部の方々は、システムの選定、コスト、セキュリティ、運用定着など、多岐にわたる懸念をお持ちのことでしょう。

本記事では、導入時に直面しがちな課題とその実践的な解決策、そして失敗しないための選定ポイント成功へのステップを、要点を絞って解説します。情報資産である人事データを守り、活用するための羅針盤として、本稿が皆様のプロジェクト推進の一助となれば幸いです。

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人事管理システム導入必要?導入の背景や目的の再確認

人事管理システムは本当に必要なのか――そう疑問に感じる企業担当者もいるかもしれません。しかし、労務管理の複雑化や法改正への対応、テレワークの普及など、現代のビジネス環境では効率的な人事運用が求められています。まずは、導入の目的と得られるメリットをあらためて確認してみましょう。

人事管理システムを導入する背景

企業が人事管理システム導入を急ぐ背景には、無視できない時代の要請があります。単なる業務効率化ツールではなく、企業の競争力と持続可能性を高めるための戦略的基盤として、その価値が再認識されています。

人材データの戦略的活用

従業員のスキル、経験、評価といった情報は、分析・活用してこそ価値を生む情報資産です。しかし、多くの場合、これらのデータは分散・埋没しています。人事管理システムは、データを一元管理・可視化し、データに基づいた客観的な人事施策(適材適所配置、効果的な育成、タレントマネジメント、サクセッションプラン等)を可能にします。これにより、人的資本の価値を最大化し、競争優位を築きます。

DX推進と業務効率化

労働力不足が課題となる中、生産性向上は必須です。人事部門の定型業務(入退社手続き、勤怠管理、給与計算連携等)は、システムによる自動化・標準化で大幅に効率化できます。これにより、人事担当者は、より戦略的なコア業務(人材育成、組織開発等)に注力できるようになります。

法改正への迅速・正確な対応

働き方改革関連法、個人情報保護法など、人事労務関連の法規制は複雑化しています。システム導入は、最新の法令に準拠した運用を助け、コンプライアンスリスクを低減します。特にクラウド型は、法改正への追随が早いというメリットがあります。リモートワークなど多様化する働き方への対応も容易になります。

人事管理システムを導入する目的

導入の主な目的としては、業務効率化、コスト削減、データ活用による戦略的人事の実現、コンプライアンス強化、従業員エンゲージメント向上などが挙げられます。これらを達成することで、人事部門の生産性向上、ミスの削減、迅速な意思決定、適材適所の人材配置、従業員満足度向上といったメリットが期待できます。自社の課題と照らし合わせ、導入目的を明確にすることが成功の第一歩です。

人事管理システムの導入前の課題

人事管理システム導入検討初期において、多くの企業が「最適なシステムの選定」「コスト・ROI(投資対効果)」という2つの大きな壁に直面します。ここで的確な判断を下すことが、プロジェクト成功の鍵を握ります。

課題1:自社に合うシステムが多すぎて選べない

市場には多様なシステムが存在し、その豊富さが逆に選定を困難にしています。

  • 機能の洪水: どの機能が本当に必要か見極めが難しい。
  • 専門用語の壁: IT知識がないと理解が困難。
  • 比較軸の混乱: 各社アピール点が異なり、何を基準に比較すべきか不明確。
  • 情報収集の負荷: 多数のベンダー情報を比較検討するのは大変。

【解決のヒント】

  1. 目的と要件を明確に:
    • 導入目的(何を解決したいか)を具体化する。
    • 現状業務を分析し、システム化する範囲と必須機能を洗い出し、優先順位をつける。これが選定の軸となります。
  2. 効率的な情報収集と比較:
    • ベンダー情報に加え、第三者の比較サイトやレビューも参考にする。
    • 無料トライアルやデモで操作性を確認。現場担当者の意見も重要です。
    • 事前に定めた機能要件に加え、費用、サポート、セキュリティ、拡張性などを多角的に評価する(評価シート活用も有効)。

課題2:導入・運用コストと費用対効果(ROI)への懸念

システムの導入には初期費用継続的な運用コストがかかります。予算内で収まるか、投資に見合う効果が得られるかは、決裁者にとって最大の関心事です。

  • 初期費用の高さ: 特にオンプレミス型や大規模カスタマイズは高額になりがち。
  • ランニングコストの不透明性: クラウド型の従量課金など、将来コストが見えにくい場合がある。
  • 隠れたコスト: システム連携、オプション、サポート等で想定外費用が発生するリスク。
  • ROIの算出困難: 業務効率化などの効果を金額換算しにくい。

【解決のヒント】

  1. コストの徹底把握と比較:
    • 各社の料金体系(初期、月額/年額、オプション、サポート等)を詳細に確認する。
    • 複数ベンダーから見積もりを取得し、サービス範囲を含めて比較。隠れたコストがないか確認する。
  2. ROIの試算と可視化:
    • 導入による具体的な効果(人件費削減、採用コスト削減等)を定量的に試算する。
    • 試算に基づきROI(投資回収期間含む)を算出し、導入の妥当性を明確に示す。
  3. コスト抑制策の検討:
    • 初期投資を抑えるならクラウド型スモールスタート可能なプランを検討する。
    • 標準機能での運用を基本とし、カスタマイズは最小限に。
    • IT導入補助金などの活用可能性を調査する。

これらの初期課題に計画的に対処することが、プロジェクトを軌道に乗せるために不可欠です。

人事管理システム導入後の課題

人事管理システムの選定とコスト問題に目処が立っても、導入後の運用フェーズには更なる課題が潜んでいます。ここでは「運用定着」「データ移行」「セキュリティ」という、プロジェクトの成否を分ける3つの重要な課題とその克服策を解説します。

課題1:システムが現場で活用されず、定着しない

導入したシステムが「使われない」状態は避けなければなりません。操作への抵抗感やメリット不浸透が原因で、システムが形骸化するリスクがあります。

  • 変化への抵抗: 新しいツール習得への負担感や、従来のやり方への固執。
  • 使いにくさ: 直感的でないインターフェース、分かりにくいマニュアル。
  • 目的・メリットの共有不足: なぜ導入したのか、従業員への利点が伝わっていない。
  • サポート不足: 不明点やトラブル時に相談しにくい環境。

【解決のヒント】

  1. 丁寧なコミュニケーション:
    • 導入目的とメリットを経営層や人事部から繰り返し説明する。トップメッセージも有効。
    • 選定段階から現場の意見を反映させ、当事者意識を醸成する。
  2. 操作性重視と十分な教育:
    • 選定時に直感的で使いやすいUIを重視する。トライアルで確認。
    • 導入時には十分なトレーニング(研修、マニュアル、動画等)を実施する。
  3. 手厚いサポート体制:
    • 社内ヘルプデスクパワーユーザーを設置し、質問に迅速に対応。
    • ベンダーの導入・運用サポート内容を確認し、活用する。
  4. 段階的導入:
    • 可能ならスモールスタートし、成功体験を積み重ねながら展開する。

課題2:既存データの移行が困難・不正確

旧システムやExcelからのデータ移行は、正確性と効率性が求められる複雑な作業です。

  • データの散在・不統一: 形式や項目名がバラバラ。
  • データ品質の問題: 欠損、重複、表記揺れ(データクレンジング必須)。
  • 移行工数の増大: データ量が多いと手作業では膨大な時間がかかる。
  • システム連携の障壁: 他システムとのデータ連携がうまくいかない。

【解決のヒント】

  1. 綿密な計画と準備:
    • 移行対象データを特定し、品質を確認。クレンジング計画を立て実施。
    • 移行手順、スケジュール、担当者を明確にした計画書を作成。
  2. ツール・サポートの活用:
    • ベンダー提供のデータ移行ツール移行支援サービスの利用を検討。
  3. 段階的移行と検証:
    • リスク分散のため、可能なら段階的に移行
    • 移行後、データが正確か新旧で整合性が取れているか入念にテスト・検証
  4. 連携の事前確認:
    • 他システムとの連携が必要な場合、API連携の仕様等を事前に確認。

課題3:セキュリティとコンプライアンスへの懸念

従業員の個人情報という機密性の高いデータを扱うため、情報漏洩不正アクセスは絶対に避けなければなりません。

  • 外部脅威: サイバー攻撃、マルウェア感染など。
  • 内部脅威: 内部不正、操作ミス、設定ミスによる漏洩。
  • コンプライアンス: 個人情報保護法などの法令遵守体制の不備。

【解決のヒント】

  1. 堅牢なシステム機能:
    • データ暗号化(通信、保存)、不正アクセス対策(MFA、IDS/IPS等)は必須。
    • アクセス権限を詳細に設定・管理できる機能(RBAC)を確認。
  2. 厳格な運用と内部統制:
    • アクセスログ、操作ログの適切な記録・保管・監査体制を構築。
    • 監視体制、インシデント対応計画を整備。
    • 社内セキュリティポリシーを策定・周知。
  3. 継続的な従業員教育:
    • パスワード管理、不審メール対応など、セキュリティ研修を定期実施。
  4. 信頼できるベンダー:
    • ISMS、プライバシーマーク、SOC報告書などの第三者認証取得状況を確認。

これらの導入後の課題への事前準備が、システム活用の成否を分けます。

失敗しない人事管理システムの選び方:比較・選定10のチェックポイント

人事管理システム導入成功は、自社に最適なシステムを選定できるかにかかっています。機能や価格だけでなく、多角的な視点での比較検討が不可欠です。ここでは、決裁者人事部が押さえるべき10のチェックポイントを解説します。

【選定の基本方針】

  • 目的達成: 導入目的と必須要件を満たすか?
  • 費用対効果: 予算内でROIが見込めるか?
  • 運用実現: 運用定着、データ移行、セキュリティ課題に対応できるか?
  • 将来性: 長期的に活用できるか?

【比較・選定10のチェックポイント】

1. 機能要件:

  • 必須機能(従業員情報管理、勤怠、給与連携、人事評価、申請WF等)は標準搭載か?
  • 人事評価機能は自社制度(MBO/OKR等)に適合するか?
  • 柔軟性・設定容易性は?
  • 必要な分析・レポート機能(人員構成、評価分布等)はあるか?

2. 費用対効果 (ROI):

  • 初期費用ランニングコスト(月額/年額、従量課金等)は予算内か?
  • オプション・追加費用を含めたトータルコストは?
  • 想定される導入効果と比較したROIは妥当か?

3. 使いやすさ (UI/UX):

  • 直感的な操作が可能か?
  • 画面デザインは分かりやすいか?
  • 従業員が使う機能(打刻、申請等)はシンプルか?
  • モバイル対応は?
  • 無料トライアル/デモで操作性を確認できるか?

4. サポート体制:

  • 導入支援(設定、データ移行、トレーニング等)は充実しているか?
  • 運用サポート(問い合わせ窓口、対応時間、FAQ等)は十分か?
  • SLA(サービス品質保証)の内容は明確か?

5. セキュリティ対策:

  • データ暗号化(通信、保存)は適切か?
  • 不正アクセス対策(MFA、IDS/IPS等)は十分か?
  • アクセス権限管理(RBAC)は詳細に設定可能か?
  • ログ管理・監視体制は整備されているか?

6. 第三者認証:

  • ISMS (ISO/IEC 27001)、プライバシーマーク、SOC報告書等の認証を取得しているか?

7. 提供形態:

  • クラウド型オンプレミス型か?
  • 自社のインフラ、予算、運用体制に合っているか?

8. 拡張性:

  • 将来の従業員数増加や機能追加に柔軟に対応できるか?
  • システムのアップデートは容易か?

9. システム連携:

  • 既存システム(給与計算、会計等)との連携は可能か? API連携の仕様・実績は?

10. ベンダー信頼性:

  • ベンダーの事業継続性業界での実績、類似企業での導入事例はどうか?

これらのポイントに基づき、候補システムを客観的に評価・比較し、自社にとって最適なパートナーを選定することが重要です。

5. 人事管理システム導入を成功に導く8つの推進ステップ要約

人事管理システム導入は、組織変革を伴うプロジェクトです。成功には計画的なアプローチ関係者の協力が不可欠です。ここでは、導入を成功させるための8つのステップの要点を解説します。

ステップ1:目的明確化と体制構築

  • 目的・KPI設定: なぜ導入するのか、具体的な目標(KPI)を設定し、経営層含め全員で共有
  • 体制構築: プロジェクトオーナーを決め、人事・IT・利用部門代表等でチーム組成。役割分担と定例会議設定。

ステップ2:現状分析と要件定義

  • 現状可視化: 現行業務プロセスを分析し、課題を抽出。
  • 要件定義: システムに求める機能・性能・運用・セキュリティ要件を具体化。これが選定基準に。

ステップ3:システム選定とベンダー決定

  • 比較検討: 要件に基づき候補システムを評価(機能、費用、サポート、セキュリティ等)。
  • デモ・トライアル: 操作性を確認。
  • ベンダー決定: 最適なシステムと信頼できるベンダーを選定し、契約。

ステップ4:導入計画策定と準備

  • 全体計画: 詳細な導入スケジュール、体制、タスクを策定。
  • 個別計画: データ移行テストトレーニングの各計画を具体化。マニュアル作成も。

ステップ5:構築・設定とテスト

  • 構築・設定: 要件定義に基づきシステムを設定・カスタマイズ。
  • データ移行実施: 計画通りに移行し、正確性を検証。
  • テスト実施: システム動作、データ精度、連携等を計画に基づき徹底検証。不具合修正と再テスト。

ステップ6:従業員トレーニングと導入告知

  • トレーニング実施: 従業員に目的・メリット・操作方法を教育。マニュアル配布。
  • 導入告知: 本稼働日、利用ルール、問い合わせ先などを全社告知。

ステップ7:本稼働と初期サポート

  • 本稼働開始: 計画通りにスタート。
  • 初期サポート: 稼働直後は手厚いサポート体制(ベンダー連携、社内ヘルプデスク)で迅速に対応。
  • モニタリング: 稼働状況を注意深く監視。

ステップ8:効果測定と改善 (PDCA)

  • 効果測定: 事前設定したKPIに基づき、導入効果を定量的・定性的に評価
  • 改善: 効果未達や新課題には原因分析し、運用見直しや改善策を実行
  • 継続: PDCAサイクルを回し、継続的にシステム価値を最大化。

これらのステップを着実に実行することが、導入プロジェクト成功の鍵です。

6. まとめ

本記事では、導入時の課題解決策システム選定の要点、そして成功への推進ステップを解説しました。

人事管理システム導入は、人材データの戦略的活用業務効率化に不可欠ですが、システム選定、コスト、運用定着、データ移行、セキュリティといった多くの課題が伴います。これらの課題は、事前の認識と計画的な対策によって克服可能です。

導入成功の鍵は、明確な目的設定慎重なシステム選定計画的なプロジェクト推進徹底した準備とコミュニケーション、そして継続的な改善にあります。

システム導入はゴールではなく、人事データを経営に活かし、組織全体のパフォーマンス向上に繋げるためのスタートです。本稿が、決裁者および人事部の皆様にとって、課題を乗り越え、戦略的人事を実現するための一助となれば幸いです。

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