経営コンサルタントの選び方!確実に失敗しないためのポイントについて解説

【監修】株式会社ジオコード 専務取締役CFO
吉田 知史 ※公認会計士
公認会計士合格後、有限責任 あずさ監査法人に入所。中小企業から大手メガバンクまで幅広い企業規模の監査を担当。財務アドバイザリーファームに転職後、M&Aや企業再生など、さまざまな財務・会計コンサルティングに携わる。その後CFOとしてIPO準備を先導し、アイビーシー株式会社・株式会社ジオコードの2社を上場に導いている。
経営課題を解決し、成長を加速させるために経営コンサルタントを導入する企業が増えています。しかし、専門性や実績があっても、自社の課題や文化に合わないコンサルタントを選んでしまうと、期待した効果は得られません。導入で失敗しないためには、選定基準と活用のポイントを正しく押さえることが不可欠です。
本記事では、最適なコンサルタントを見極め、効果を最大化するための具体的な戦略をご紹介します。
おすすめの経営コンサル会社
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会社名 | 特長 | 得意分野 | 費用 |
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株式会社ウィルリンクス
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IT/飲食業/小売業/サービス業/建設業など | 要問い合わせ |
株式会社船井総合研究所 |
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医療/介護/福祉など | 要問い合わせ |
山田コンサルティンググループ株式会社 |
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メーカー/学校・保育/印刷/建設/倉庫・物流/IT/エネルギー/官公庁・公的機関など | 要問い合わせ |
株式会社タナベコンサルティンググループ |
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全国のありとあらゆる業種の大企業から中堅企業 行政・公共の経営者・リーダー |
要問い合わせ |
株式会社 武蔵野 |
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社員教育/人材定着/環境整備/採用コンサルティング/組織力向上コンサルティング | 要問い合わせ |
株式会社リブ・コンサルティング |
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IT・通信・メディア/金融/エネルギー・資源/商社/ヘルスケア・ライフサイエンス/自動車・モビリティ/製造業/住宅・不動産など | 要問い合わせ |
株式会社Pro-D-use |
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サービス/メーカー/IT/日本文化(畳、米、和菓子など)/協会(公益法人、国際協会)/その他(人材斡旋、派遣、第6次産業) |
働く顧問プラン:15万~20万円 事業部長プラン:21万~50万円 並走役員プラン:51万~90万円 ほぼ常駐役員プラン:91万~200万円 |
マッキンゼー・アンド・カンパニー |
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先端エレクトロニクス・半導体/自動車・産業機械/化学・農業/消費財/電力・ガス/エンジニアリング・建設・建材/金融/石油/紙・板紙製品・包装材/テクノロジー・メディア・通信など | 要問い合わせ |
アクセンチュア株式会社 |
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エネルギー/化学/教育/公共サービス/航空宇宙・防衛産業/産業機械/自動車/消費財・サービス/電力・ガス/ヘルスケア/保険など | 要問い合わせ |
PwCコンサルティング合同会社 |
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自動車/重工業/エネルギー・資源・鉱業/運輸・物流/消費財・小売・流通/テクノロジー/総合商社/銀行・証券/保険・不動産/官公庁・地方自治体・公的機関/人材サービス/ヘルスケア・医薬ライフサイエンスなど | 要問い合わせ |
デロイトトーマツコンサルティング |
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要問い合わせ | 要問い合わせ |
ボストン コンサルティンググループ |
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航空宇宙・防衛/自動車業界/消費財業界/教育/エネルギー/金融機関/ヘルスケア業界/流通業界/テクノロジー、メディア、通信/運輸・物流など | 要問い合わせ |
野村総合研究所 |
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電機・ハイテク/化学・素材/自動車/消費財・サービス/ヘルスケア・社会保障/エネルギー・環境/運輸・物流/住宅・不動産/ICT・メディア/金融/公共など | 要問い合わせ |
三菱総合研究所 |
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サーキュラー・エコノミー/GX/エネルギー基本計画/サステナビリティ経営/蓄電池/半導体/生成AI/農業基本計画 /自然資本など | 要問い合わせ |
ベイカレントコンサルティング |
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通信 自動車・モビリティ ヘルスケア 消費財 小売 機械・素材 銀行 証券 保険 電力・ガス 石油・化学 交通・物流など |
要問い合わせ |
ドリームインキュベータ― |
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要お問い合わせ | 要問い合わせ |
経営共創基盤 |
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この記事の目次はこちら
経営コンサルタントとは? 役割・メリット・潜在的リスク
経営コンサルタントは、企業の経営課題に対し、専門知識や経験に基づき、客観的な立場から分析・助言・実行支援を行うプロフェッショナルです。その役割は多岐にわたります。
経営コンサルの主な役割と提供価値
経営コンサルタントの役割は以下の通りです。
- 客観的な現状分析・課題特定: 社内では見えにくい問題点を、データに基づき冷静に洗い出します。
- 専門知識に基づく戦略・解決策の策定: 最新の知見や他社事例を踏まえ、最適な解決策を立案します。
- 実行支援・変革推進: 計画倒れを防ぎ、実行段階をサポートし、時には変革の推進役となります。これにより意思決定の精度向上にも寄与します。
- 社内リソースの補完: 専門知識、ノウハウ、分析ツール、一時的なマンパワーなどを提供します。
経営コンサルに依頼するメリット
経営コンサルタントに依頼することで様々なメリットがあります。
- 客観性と専門性の獲得: 第三者の視点と高度な専門知識を活用できます。
- 課題解決の迅速化: 確立された手法や経験により、効率的にプロジェクトを進められます。
- 知見・ネットワークの活用: 自社にないノウハウや人脈を利用できます。
- 変革推進力の強化: 社内だけでは難しい改革を外部の立場から後押しします。
潜在的リスクと注意点
メリットがある一方、以下のリスクも認識すべきです。
- コスト負担: コンサルティングフィーは高額なため、費用対効果(ROI)の見極めが重要です。
- 過度な依存: 自社の問題解決能力や意思決定能力が低下する恐れがあります。
- ミスマッチ: 能力や専門分野、相性が合わないと成果に繋がりません。
- 実行されない提案: 分析や提言だけで終わり、具体的なアクションに繋がらない場合があります。
これらのリスクを回避するには、目的の明確化、慎重な選定、主体的な協働が不可欠です。メリット・デメリットを理解し、依頼の是非や範囲を検討することが重要です。
なぜ今、経営コンサルタントの選定が重要なのか?
現代ビジネスは変化が激しく、企業は複雑な経営課題に直面しています。内部リソースだけでは対応が難しく、外部の専門家、すなわち経営コンサルタントの活用が有効な選択肢となっています。彼らは客観的な視点と専門知識で問題解決や変革を支援しますが、その選び方を誤ると、高額なコストを費やしても成果が得られないリスクがあります。
特に企業の管理部門や決裁者にとって、コンサルタント選定は単なるコストではなく、将来への戦略的投資です。限られた予算内で最大の効果(ROI)を引き出すためには、自社の課題に合致した最適なパートナーを「戦略的に」選定することが不可欠です。
経営コンサルタントの種類と得意分野:自社課題との最適なマッチング
経営コンサルタントは多種多様です。自社の課題解決に最適なパートナーを見つけるには、その種類と得意分野を理解し、自社のニーズと照らし合わせることが重要です。
専門分野による分類
得意とする領域によって、以下のように分類されます。
- 戦略系: 全社戦略、事業戦略、M&A戦略など、経営の最上流に関わる課題。
- 業務・オペレーション系: SCM、生産管理、コスト削減、BPRなど、現場の効率化・生産性向上。
- 組織・人事系: 組織設計、人事制度、人材育成、チェンジマネジメントなど、「ヒト」に関わる課題。
- 財務・M&A系: 財務戦略、資金調達、企業価値評価、DD、PMIなど、財務・M&A関連。
- IT系: IT戦略、システム導入、DX推進、サイバーセキュリティなど、IT関連。
- その他: マーケティング、リスク管理、サステナビリティ(ESG)など、特定領域特化型。
ファームの規模・形態による分類
会社(ファーム)の成り立ちや規模によっても特徴が異なります。
- 大手総合系(戦略系含む):
- 特徴: グローバルネットワーク、多様な専門家、豊富なリソース、大規模プロジェクト対応力。
- 留意点: 高コスト傾向、若手中心の場合も。
- 専門特化型(ブティック):
- 特徴: 特定分野での深い知見、柔軟な対応力。
- 留意点: 対応領域・リソースが限定的。
- 独立系:
- 特徴: 個人の高い専門性、密接な支援、柔軟な契約、比較的リーズナブルな場合も。
- 留意点: リソース限定、個人への依存度高。
最適なマッチングのポイント
自社に最適なコンサルタントを選ぶためのポイントです。
- 課題分野の特定: まず、自社の課題がどの専門分野に該当するかを明確にします。
- 専門性と実績の確認: 候補者がその分野で十分な専門性と、類似プロジェクトでの成功実績を持っているかを確認します。(具体的な成果が重要)
- 企業文化・戦略との適合性: 提案されるアプローチが、自社の文化や戦略と合っているか、実行可能かを検討します。
- ファーム規模・形態の検討: プロジェクト規模、予算、求める支援スタイルに応じて、適切なファームタイプを選びます。大手=最適とは限りません。課題によっては専門特化型や独立系の方が適している場合もあります。
これらの要素を総合的に検討し、自社の状況に最もフィットするコンサルタントを見極めることが、効果的な活用の第一歩です。
経営コンサルに依頼する前の準備すること
経営コンサルタントの活用が成功するか否かは、依頼前の準備段階でほぼ決まります。このステップを疎かにすると、どんなに優秀なコンサルタントを選んでも期待する成果を得るのは難しく、予算と時間の浪費に繋がりかねません。
なぜ準備が重要なのか?
経営コンサルタントの力を最大限に引き出すためには、実は「依頼前の準備」が最も重要なプロセスです。目的や課題が不明確なままでは、適切な人材の選定も、成果の評価も難しくなります。どれほど実績のあるコンサルタントであっても、準備不足の状態では本来の力を発揮できません。
- 目的や課題が曖昧だと、コンサルタントは的確な提案ができない。
- 期待成果が不明確だと、プロジェクトが迷走する。
- 評価基準がないと、提案の良し悪しを判断できない。
- スコープが不明確だと、責任範囲が曖昧になりトラブルの元になる。
依頼前に必ず行うべき準備
コンサルタントに接触する前に、社内で以下の点を徹底的に明確化・準備します。
- 目的・課題の具体化:
- 現状課題の特定: 「売上低迷」など漠然とした状態から、データに基づき具体的に記述します。(例:「主力製品Aの市場シェアが過去3年で15%低下」)
- 達成したいゴールの設定: コンサルティングを通じて何を実現したいのかを明確にします。(例:「〇〇事業の売上を1年で20%増やす戦略と実行計画の策定支援」)
- 内部要件の整理と優先順位付け: 関係部署と連携し、課題解決に必要な要件を洗い出し、重要度に応じて優先順位をつけます。
- 達成目標(KPI)の設定:
- プロジェクトの成功を客観的に測るための指標(KPI)を設定します。
- KPIはSMART(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限付き)であることが望ましいです。(例:「間接材コストを6か月で10%削減」)
- KPIにより進捗管理、成果測定、ROI評価が可能になります。
- スコープ(範囲)と期間の明確化:
- コンサルタントに依頼する業務範囲を具体的に定義し、自社で行うこととの境界線を明確にします。
- 期待する成果物(報告書、計画書など)をリストアップします。
- プロジェクトの開始・終了時期や期間の目安を設定します。
- 社内体制の整備:
- プロジェクト責任者と担当窓口を明確にします。
- コンサルタントと協働するプロジェクトメンバーを選定します。
- 関係部署への情報提供や協力体制を整えます。
- 経営層のコミットメントを確認します。
これらの準備をしっかり行うことで、コンサルタントは精度の高い提案ができ、企業側もそれを適切に評価できます。これが予算の無駄を防ぎ、投資対効果を最大化するための最も確実な方法です。
経営コンサルタント選定プロセス:比較検討から契約まで
依頼前の準備が完了したら、いよいよ具体的なコンサルタント選定プロセスに移ります。場当たり的ではなく、体系的なステップを踏むことが、最適なパートナーを見つける鍵です。
ステップ1:候補リストアップ
- 情報源: 業界団体、取引先推薦、Web検索、比較サイト、書籍、セミナーなどを活用。
- ポイント: 自社の課題分野に強みを持つファームを中心に、ファーム規模も考慮し、幅広くリストアップ。
ステップ2:情報収集と比較検討(RFI)
- 候補のWebサイト等で初期情報を収集・比較(会社概要、得意分野、実績概要など)。
- 必要ならRFI(情報提供依頼)で詳細情報を入手。
- 自社の要件に合わない候補を除外し、3~5社程度に絞り込み。
- 評価基準チェックリストの骨子を作成しておくと後工程がスムーズ。
ステップ3:提案依頼(RFP)の作成と送付
- 絞り込んだ候補にRFP(提案依頼書)を送付。
- RFP記載項目例: 依頼背景・目的、課題認識、依頼スコープ、期待成果物、KPI(可能なら)、予算感、期間、社内体制、提出期限、選定プロセスなど。
- 具体的で明確なRFPが質の高い提案を引き出す。
ステップ4:提案内容の評価と比較
- 提出された提案書を、事前に作成した評価基準に基づき客観的に評価。
- 評価項目例: 課題理解度、提案の具体性・論理性・実現可能性、アプローチ、推進体制、担当者の実績・専門性、費用、成果物など。
- 定量評価も取り入れ、客観性を高める。費用だけでなく提案の質・実現性を重視。
ステップ5:面談・ヒアリングの実施
- 提案書だけでは分からない担当者の資質や相性を見極めるため、直接面談。
- 確認ポイント: 提案内容への質疑応答、コミュニケーション能力、思考力、人柄、企業文化とのフィット感、熱意など。
- 複数の候補と面談し、複数名で評価することが望ましい。
ステップ6:レファレンスチェック(可能であれば)
- 候補の過去クライアントに実績や評価を問い合わせ(候補の許可を得て実施)。客観的な情報を得る有効な手段。
ステップ7:契約条件の確認と締結
- 最終候補と契約条件を詳細に詰める。
- 契約書記載項目例: 業務範囲、成果物、報告体制、スケジュール、費用・支払条件、担当者、機密保持、解除条項など。
- 専門家も交えて内容を精査し、双方納得の上で締結。
これらのステップを丁寧に進めることで、ミスマッチを防ぎ、最適なパートナーを選定できる可能性が高まります。
失敗しないための選定基準:重視すべき5つの評価ポイント
候補コンサルタントを評価する際には、明確な基準を持つことが重要です。以下の5つのポイントを特に重視し、多角的に評価することで、失敗リスクを減らし、投資効果を高めることができます。
1. 専門性と実績(Know-How & Track Record)
- 深い知見: 自社の課題分野や業界に対する深い知識と理解があるか。
- 成功実績: 自社と類似の課題・業界・規模での具体的な成功実績があるか。定量的な実績データを示せるかが重要。
- 担当者の経験: プロジェクトの中心となる担当者自身の十分な実務経験があるか。
- なぜ重要か?:実績は価値提供能力の証明。不足は的外れな提案に繋がるリスク。
2. 課題解決へのアプローチと手法(Approach & Methodology)
- 論理性と具体性: 提案内容が論理的で分かりやすく、かつ具体的か。
- 実現可能性と現場適合性: 提案が自社の状況(リソース、文化)で実行可能か。理想論でなく、実行計画やリスク対策も考慮されているか。
- 「実行」へのコミットメント: 分析だけでなく、具体的な成果に繋がる「実行」までを見据えた提案か。
- なぜ重要か?:実行できなければ無意味。自社に合わない手法や実行を伴わない提案はコストの無駄。
3. コミュニケーション能力と相性(Communication & Compatibility)
- 円滑な意思疎通: 説明は分かりやすいか。率直な意見交換ができ、報告・連絡・相談がスムーズに行えそうか。
- 信頼関係: 誠実さ、熱意、責任感があり、長期的なパートナーとして信頼できるか。
- 企業文化とのフィット: 自社の価値観や文化と大きく乖離していないか。現場とも良好な関係を築けそうか。
- なぜ重要か?:コンサルティングは共同作業。円滑なコミュニケーションと信頼関係がなければ成功しない。
4. 費用対効果(ROI & Cost-Effectiveness)
- 費用の妥当性: 提示費用は期待成果や提供価値に見合うか。安さだけで判断しない。
- ROIの明確化: 投資に対し、どれだけの具体的なリターンが見込めるかが示されているか。
- 費用体系の透明性: 算出根拠や追加費用発生可能性などが明確か。
- なぜ重要か?:高額な投資に見合う価値があるか厳しく評価する必要がある。
5. 担当コンサルタントの質と体制(Consultant Quality & Team Structure)
- キーパーソンの関与度: エース級コンサルタントが実際のプロジェクトにどれだけ関与するか。
- チーム構成: メンバー構成は適切か(経験・専門性・バランス)。
- サポート体制: プロジェクト遂行のための十分なリソースとバックアップ体制があるか。
- なぜ重要か?:品質は「人」に依存。期待と実際の体制にギャップがないか確認が必要。
これらの基準に基づき、客観的かつ多角的に評価・比較することで、真に価値のあるパートナーを見つけ出すことが可能になります。
費用体系の理解と予算設定:投資対効果(ROI)を最大化する考え方
コンサルティング費用は高額になりがちですが、その体系を理解し、投資対効果(ROI)を最大化する視点で予算を設定することが極めて重要です。
主な費用体系
- タイムチャージ(時間単価制):
- コンサルタントの稼働時間に基づき計算(ランク別単価)。
- メリット: 柔軟な対応、透明性。 デメリット: 総額が見えにくい、予算超過リスク。
- 固定報酬(プロジェクト単位):
- プロジェクトに対し事前に総額を決定。
- メリット: 予算管理が容易。 デメリット: スコープ外は追加費用、早期完了でも費用は同じ。
- リテイナー契約(顧問契約):
- 一定期間(月額等)継続的なアドバイスを受ける契約。
- メリット: 長期的視点、いつでも相談できる安心感。 デメリット: 成果が見えにくい、活用頻度が低いと割高。
- 成功報酬:
- 成果(コスト削減額、売上増など)に応じて報酬が変動。固定報酬との組み合わせも多い。
- メリット: コンサルタントのコミットメント向上、リスク抑制。 デメリット: 成果定義・測定方法の合意が必須かつ複雑。
上記に加え、交通費などの実費が別途請求されるのが一般的です。契約前に費用範囲を明確に確認しましょう。
予算設定とROI最大化の考え方
- 期待成果(ROI)からの逆算: まず、コンサルティングで期待する成果(定量的・定性的)を明確にし、それに見合う投資額として予算上限を設定します。(例:「年間1億円の削減効果に対し3000万円の投資は妥当か?」)
- 費用体系の選択・交渉: プロジェクト性質に合わせ最適な費用体系を選択し、必要なら条件を交渉します。成功報酬導入時は成果定義を慎重に。
- 内部コストの考慮: コンサル費用だけでなく、関与する自社人件費や実行に必要な追加投資も予算に含めます。
- 複数見積もりの比較: 相見積もりで費用と提案内容を比較します。安さだけで選ばず、質・専門性・実績を総合評価し、最も費用対効果が高いと判断できる先を選びます。
- 定期的なモニタリング: プロジェクト開始後も定期的に費用対効果をモニタリングし、KPI達成度などを確認、必要なら計画を修正します。
透明性のある費用体系で、期待成果(ROI)に見合う適切な予算を設定し、コスト意識を持って進捗管理することが、コンサルタント活用の効果最大化に繋がります。
契約後の効果的な協働:コンサルティング成果を引き出すための要諦
最適なコンサルタントとの契約はゴールではなくスタートです。成果を最大限に引き出すには、契約後の企業側の主体的な関与と効果的な協働が不可欠です。
避けるべき「丸投げ」
コンサルタントに全てを任せる「丸投げ」は失敗の元です。
- 内部事情を理解しない提案になる可能性。
- 社内の当事者意識が薄れ、実行されない。
- 自社の問題解決能力が育たない。
変革の主体は企業自身であり、コンサルタントはパートナー・支援者であるという認識が重要です。
効果的な協働のためのポイント
- 明確な役割分担と責任体制:
- コンサルタントと企業側の役割を明確にし、合意。
- 社内に専任担当者・チームを設置し、責任の所在を明確化。
- 経営層の継続的な関与を示す。
- 積極的な情報提供とオープンなコミュニケーション:
- 必要な情報を迅速かつ正確に提供。出し惜しみは禁物。
- 社内の状況や懸念事項を率直に伝え、認識の齟齬を防ぐ。
- 疑問点は遠慮なく質問し、相互理解を深める。
- 定期的な進捗確認とフィードバック:
- 定例ミーティング等で進捗、課題、アクションプランを共有・確認。
- コンサルタントの報告に対し、建設的なフィードバックを行う(軌道修正のため)。
- KPI達成状況などをモニタリング。
- 主体的な意思決定と実行への関与:
- 提案を鵜呑みにせず、自社状況に合わせ検討し、最終決定は企業側が行う。
- 実行段階にも主体的に関与(現場巻き込み、推進、効果測定)。
- 成果物の確認と知識・ノウハウの吸収:
- 成果物を深く理解し、自社の資産として活用。
- プロジェクトを通じて得られた知識・手法などを吸収・蓄積する意識を持つ。
- 戦略的パートナーシップの意識:
- コンサルタントを「業者」でなく「パートナー」として尊重し、信頼関係を構築。
- 長期的な視点での協力関係を目指す。
- リスク管理と柔軟な対応:
- 予期せぬ問題発生時、協力して柔軟に対応策を検討。リスクを事前想定することも有効。
企業側が主体性を持って関与し、コンサルタントと良好な協働体制を築くことが、投資効果を最大化し、具体的な成果に繋げる鍵です。
まとめ:最適なパートナー選定で経営改革を実現する
本記事では、経営コンサルタントを戦略的に選び、その効果を最大化するためのポイントを、管理部門や決裁者の視点で解説しました。変化の激しい現代において、外部専門家の活用は有効ですが、その成否は適切なパートナー選定と主体的な協働にかかっています。
最重要は「依頼前の準備」です。課題と目的、KPIを明確化することが全ての基礎となります。次に、「体系的な選定プロセス」と「重視すべき選定基準」に基づき、自社に最適なパートナーを慎重に見極めます。費用は単なる価格ではなく「投資対効果(ROI)」で判断し、適切な予算設定が不可欠です。
契約後は「効果的な協働」が鍵となります。丸投げせず、主体的に関与し、オープンなコミュニケーションと定期的な進捗確認を通じて、コンサルタントと共に成果創出を目指します。
経営コンサルタントの選定は、企業の未来を左右する重要な経営判断です。本記事を参考に、貴社にとって最適なパートナーシップを築き、経営改革と持続的成長を実現されることを願っています。