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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2024/09/18 

ソーシャルリクルーティングとは? メリットや採用を成功させるポイントを解説

ソーシャルリクルーティングとは? メリットや採用を成功させるポイントを解説

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

ソーシャルリクルーティングは、近年注目度の高い採用方法の一つです。少子化や就活の早期化、あるいは採用後のミスマッチによる早期退職といった問題に対応できる可能性があるとして、ソーシャルリクルーティングを実施する企業が増えています。

この記事では、ソーシャルリクルーティングとは何か、またソーシャルリクルーティングの具体的なやり方や、効果的な運用方法について解説します。効率的な採用を検討している方はぜひ参考にしてください。

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ソーシャルリクルーティングとは?

ソーシャルリクルーティングとは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用して行う採用活動のことです。2009年には既に、日本でソーシャルリクルーティングを開始した企業があり、その後2010年には大手リクルーティングサイトがSNSとの連携を発表するなど、SNSの普及とともに広がりを見せました。

そもそもはSNSの主な利用者層であった学生や、新卒者、第二新卒といった若手をターゲットとして始まったソーシャルリクルーティングですが、現在ではSNS利用者層が拡大したこともあり、中高年の求職者に対する中途採用にも大いに活用されています。

SNSでは企業の実態を発信しやすいため、ソーシャルリクルーティングではSNS利用者とコミュニケーションを取りながら企業風土や体質を理解してもらい、肌に合うと感じた人からの応募を待つことが可能です。こうした方法は就職後のミスマッチを防ぐことにもつながるでしょう。

現在までにFacebook、Twitter、InstagramといったSNS媒体がソーシャルリクルーティングに利用されていますが、詳細については後述します。

ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングの違いとは?

ソーシャルリクルーティングにはダイレクトリクルーティングの側面もありますが、全く同じものではありません。

ダイレクトリクルーティングとは、企業が求職者のデータベースを閲覧し、見込みのある求職者に直接声を掛けて採用を行う方法です。

ソーシャルリクルーティングでは、SNSを通して求職者とやり取りもできるため、ごく一部には直接ターゲットに声を掛ける方法も取られます。しかしSNSの主眼は企業から情報を発信することです。この情報は求職者以外の人も閲覧でき、求職者以外の人とのやり取りが発生することもあります。

ダイレクトリクルーティングでは企業が公衆に対して情報発信をすることも、求職者以外の人とやり取りが発生することもありません。

ソーシャルリクルーティングを行うメリット

ソーシャルリクルーティングを行うメリット

ソーシャルリクルーティングには、従来の採用活動にはないさまざまなメリットがあります。メリットを活用できると、通常の就活では得られない出会いにつながったり、コストを削減しつつ増収を狙えたりすることもあるでしょう。

ここでは、ソーシャルリクルーティングのメリットを4つに分けて解説します。

採用コストの削減

ソーシャルリクルーティングで使用するSNSアカウントは無料で作成・運用が可能なため、求人サイトへの掲載や人材紹介サービスを利用する場合に比べて採用コストが削減できます。

人手不足が著しい現在、企業にとって採用コストは大きな課題の一つです。コストを掛けてリクルーティングサイトなどに求人情報を掲載しても、望ましい人物が応募してきてくれるとは限りません。人材紹介サービスも同様に、お金を払って採用した人物がすぐに辞めてしまうこともあり得ます。

このことを考えると、無料のSNSを運用して応募者を集める方が効率的と言えるでしょう。

ミスマッチ防止

SNSを活用すると、採用のミスマッチを防止する効果も見込めます。

採用においてミスマッチがあると、せっかく採用した社員が入社後に早期離職する可能性もあるでしょう。採用にも、入社後の新入社員研修などにもコストが掛かっているため、社員が早い段階で離職することは企業にとって大きな損失です。

SNSでは、ユーザーの投稿から生活習慣や趣味嗜好、物事の考え方など、人間性に関する情報を読み取れます。エントリーシートや履歴書、面接だけでは見えない人柄を知るきっかけにもなるでしょう。ユーザー側からも、SNSを通じて企業風土が見えやすいため、自分に合っていそうな企業に応募でき、ミスマッチ防止につながるのがメリットです。

企業の魅力をアピール

SNSでの情報発信には、認知度の向上や採用ブランディングの効果も期待できます。リアルタイムかつ気軽な雰囲気が伝わる自由なコンテンツで、企業の魅力を不特定多数に配信できるでしょう。

例えば企業アカウントでは、自社から発売しているレトルト食品のちょい足し方法や、自社製品の便利な使い方のアイデア、自社の近隣の地域情報といったことが日々発信されています。

採用を目的としたアカウントとはいえ、SNSアカウントを見るのは求職者だけではありません。投稿の内容や雰囲気から企業に親しみを持てれば、積極的に製品を購入しよう、サービスを利用しようという人が現れます。結果的に収益増加につながる可能性が高いでしょう。

転職潜在層へのアプローチ

企業の投稿が拡散されると、自社を知らない層や転職潜在層にも情報を届けられます。

転職潜在層は、普段積極的に「転職をしたい」とは考えていません。しかしSNSを通して魅力的な企業に出会い、その企業が採用を強化していることが分かると、転職を視野に入れ始める可能性があるでしょう。

つまり、SNSの運用によって企業の認知度が向上することで、効率的に採用候補者を集められるということです。また企業のSNSに興味を持っている人は、事業内容や企業の方針に好感を持っている可能性が高く、ミスマッチの少ない候補者が集まりやすいのもメリットです。

ソーシャルリクルーティングのデメリット・注意点

ソーシャルリクルーティングはメリットが多い一方、注意すべき点もあります。SNSならではの運用の注意点を把握しないままソーシャルリクルーティングを開始してしまうと、SNS運用の効果が見込めない、かえって企業のイメージを傷つけるということにもつながりかねません。

ここではソーシャルリクルーティングのデメリットと注意点を解説します。

継続的に取り組まなければならない

ソーシャルリクルーティングのためのSNS運用は、継続的に取り組まなければならないものです。

SNSは多くの人が利用しているため、更新頻度が低ければすぐに情報が埋もれてしまいます。多くの人の目に自社のコンテンツを見てもらうには、高頻度で継続的に情報発信していくためのルールや、体制づくりが必要です。

また、通常の採用サービスと比べて成果が出るまで時間が掛かることも、ソーシャルリクルーティングの特徴と言えます。発信を継続することでフォロワーが増え、多くの人の目に触れるようになりますが、アカウントが話題性をもち、採用へとつながるのはそのさらに後です。すぐに成果が出ないからと諦めず、運用開始時点から長期的な視点を持っておく必要があるでしょう。

炎上のリスクがある

SNSは拡散力および即時性が高く、社会通念上で不適切とされる内容や配慮に欠けた投稿があった場合に炎上してしまうリスクもあります。ひとたび炎上が起こると、企業全体として顧客からの信頼が失われ、商品を買わない、サービスを利用しないという結果につながりかねません。また、まとめサイトなどへ掲載されることで炎上の内容が半永久的に残ってしまうこともあります。

こうした事態を防ぐには、社内でSNSの運用ガイドラインを定めて、コンプライアンスを意識した投稿を心掛けることが大切です。

また、SNS運用者のITリテラシーや万全な管理体制も整えた方が良いでしょう。SNSは公式サイト以上に企業の顔として認知されやすいため、細心の注意を払って運用する必要があります。

ソーシャルリクルーティングに利用される代表的なSNSと特徴

ソーシャルリクルーティングは各種SNSプラットフォームを通して実施するものです。SNSにはそれぞれユーザー特性や傾向があるため、それらを理解した上で自社の採用に適したSNSを選ぶ必要があります。

ここでは、ソーシャルリクルーティングで利用されるSNSとその特徴を解説します。利用するSNS選びの参考にしてください。

X(旧Twitter)

Xは利用者数が大変多く、利用者の層も多岐にわたるSNSです。文字に加えて写真と動画で幅広い情報を掲載できます。年齢層や性別が幅広く、拡散力が大きいため、どのような企業でも利用してみる価値はあるでしょう。

例えばスタートアップ企業でよく見られるのは、社長自身が社内の情報や個人的な趣味、就活イベントなどの情報を掲載する例です。知名度の高い大手企業でも、運用担当者(いわゆる「中の人」)が個人的な発信を交えたり、企業アカウント同士でリプライを送り合ったりすることで、話題性を高め、注目を集めています。

Instagram

Instagramは写真・動画がメインのSNSですが、文章も掲載できることでさまざまな情報を発信できます。Instagramの利用者は、文章よりも写真や動画で情報を受け取りたいと考えている層が多く、ビジュアルで訴えたい企業に向いているでしょう。またInstagramの利用者は女性が多く、女性の求職者にターゲットを絞りたい場合もおすすめです。

例えば、アパレル、化粧品、ハンドメイドといった業界は、視覚に訴えるところが大きく女性求職者を歓迎したい業界でもあるため、Instagramを利用すれば採用活動にメリットがあると考えられます。

Facebook

Facebookは、個人の背景が詳細に登録できるSNSです。本名での登録に加えて、性別・生年月日・学歴・職歴なども公開できるため、採用広告を配信したい場合はこうしたユーザー個人の背景をかんがみて、ターゲット層にだけ広告を表示するような効率の良い使い方ができます。

またSNSでありながら、ダイレクトリクルーティングを実施したい企業に向いているのがFacebookです。公開されたユーザーの職歴や投稿内容を分析し、自社に合っている人や欲しい人材を見つけたら、メッセンジャー機能を利用して直接自社に誘うこともできるでしょう。

YouTube

YouTubeは動画に特化したSNSプラットフォームです。子どもから大人まで利用者が幅広く、多くの人に見てもらえる他、長さ制限のない動画で自社の魅力をたっぷりと伝えたい企業に向いています。

YouTubeでは長尺の動画が投稿できる一方、1分以内のショートで話題性を作ることも欠かせません。動画の作り方が上手なスタッフを担当につけ、長短を使い分けながら、話題性のある動画をこまめに公開する必要があります。

TikTok

TikTokは、短い動画を投稿できるSNSです。若年層に人気が高く、小学生や中学生も見ていることが多いため、若手を採用したい企業、あるいは長期的に見てじっくりとファンを増やしたい企業に向いています。

TikTokの動画は3分以内に限られるものの、実際には60秒以内の動画がほとんどで、それを超えるとあまり視聴されません。したがって、短時間で自社の魅力を伝えられるかどうか、流行をうまく取り入れられるかどうかに成功が掛かっています。

LINE

年代を問わず、多くの人が日常的に使っているLINEもSNSの一種です。LINEをソーシャルリクルーティングに使う場合、LINE公式アカウントを用いてダイレクトリクルーティングを行う方法が一般的でしょう。

LINE公式アカウントは、開設後に公式サイトなどで宣伝を行い、興味を持ってくれたユーザーに登録してもらう必要があります。したがってLINEは、自社に興味のある人へダイレクトリクルーティングを行いたい企業や、公式サイト、別のSNSなどでLINE公式アカウントへの導線を設置できる企業におすすめです。

LinkedIn

LinkedInはアメリカ初、欧米で人気のビジネス用SNSです。そもそもビジネス上のつながりを目的として作られたSNSだけに、人材募集に特化した機能が付いており、国際レベルの人材、それも即戦力を採用したいと考えている企業に向いています。

企業が自社のページを作成し採用情報を掲載できる他、企業側からスカウトメールを送信して、欲しい人材に直接アプローチすることも可能です。もちろんユーザー側からも求人情報を探せます。

Wantedly

Wantedlyは、エンジニア業界発の採用マーケティングに特化したSNSです。Wantedlyの機能は企業ページとスカウトメールで、ダイレクトリクルーティングに強いSNSと言えます。

そもそも日本国内では人手不足の著しかったエンジニア採用がスタートになっているため、現在でもエンジニアの登録比率が多めです。世代は20~30代の若手が多く学生もいるため、若手エンジニアを採用したいと考えている企業には非常におすすめできます。

ソーシャルリクルーティングを運用する方法

ソーシャルリクルーティングを運用する方法

ソーシャルリクルーティングを実際に行うには、順を追って運用を進める必要があります。先述のとおりソーシャルリクルーティングは一足飛びに成果が出るものではなく、継続的に実施していくことでしか成果を出せません。焦らず、一歩ずつ手順を踏むようにしましょう。

ここではソーシャルリクルーティングの運用方法とポイントを解説します。

SNSを選定する

まずは自社でどのSNSを使うか決めなければなりません。いくつかのSNSについて先述しましたが、これらの中で自社と親和性の高いもの、自社で運用が可能なものを選定します。

大きな選択のポイントとしては、ダイレクトリクルーティング型か、そうでないか。またビジネス特化型か、そうでないか、といったことがあります。さらにターゲットとなる求職者は若手か、全年齢か。そして、情報を文章・写真・動画の何をメインにすれば自社をうまくアピールできるかなどを考慮しましょう。

運用ルールの策定

使用するSNSが決まったら、更新頻度や投稿・返信のタイミング、チェック体制などの運用ルールを策定します。SNSの性質に合わせて、運用の得意な担当者を決め、策定したルールを共有することも大切です。

運用開始前にいくつか投稿用のネタをストックしておくと、運用を開始した後も継続しやすくなります。更新頻度と併せてストックの数も決めておくと準備に入りやすいでしょう。

また、ソーシャルリクルーティングでは、ユーザーとのコミュニケーションも重要です。企業の担当者として生真面目なコミュニケーションに徹するか、人間味、面白みのあるコミュニケーションが必要かは、SNS媒体によって異なります。どのようなコミュニケーションが求められているかを視野に入れながら、運用方針を策定しましょう。

採用したい人物像に沿ったコンテンツ制作・発信

運用ルールが定まったら、実際のコンテンツ制作と発信を開始します。

コンテンツ制作では、どのような人を採用したいのか、対象のペルソナを決めておくことが重要です。この場合のペルソナとは、自社が採用したいと考えている人物像の具体例を指します。

例えば「32歳、男性、○○大学卒、既婚、子どもは男児5歳1人。現在はITベンチャー企業に勤務しており、年収は600万円。優しい性格でプライベート重視」といったようなものがペルソナです。実際に自社に勤務する社員の平均的な特徴を分析すると決めやすくなります。

コンテンツを制作する際は、ペルソナを踏まえつつ、自社がどのようなスタンスでアプローチするかを定め、投稿内容や求職者への対応を統一しましょう。

効果検証

数週間〜1カ月程度運用したら、これまでの投稿に対する求職者からの反応や数字を分析し、コンテンツの改善を図ります。

1カ月程度の運用期間があると、ユーザー層からの反応がある程度分かってくるでしょう。そもそも見られているのかどうか、反応があるかどうかといった部分から、採用につながったのか、そうでないのかという部分まで、チェック項目は多岐にわたります。

ただし、この時点で「反応がないからやめる」という判断は避けましょう。改善を繰り返しつつ年単位での運用を行うことが肝心です。

ソーシャルリクルーティングは採用管理システムを使うと便利!

ソーシャルリクルーティングは、SNSを運用しながら効率の良い採用を目指す方法です。ミスマッチの少ない求職者に出会える可能性がある一方で、SNS運用の結果は一朝一夕に出るものではないため、改善を繰り返しながら長い目で見た運用を行う必要があります。

効率的にソーシャルリクルーティングを実施するなら、おすすめは採用管理システムを使うことです。採用管理システムでは、求人に関するあらゆる情報を一元管理できます。LINEやWantedlyなどSNSと連携しているものもあり、採用コストを削減しながら、自社に合った良い人材を確保できるでしょう。

採用管理システムは複数社のサービスを比較検討して、自社に合った採用管理システムを選ぶことが大切です。採用管理システムについては、下のページでそれぞれのサービスを解説しているので、参考にしてください。

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