保育士の定着率を上げる福利厚生とは?住宅・食事・研修支援の効果と導入ガイド

【監修】株式会社ジオコード 管理部長
小島 伸介
株式会社ジオコード入社後、Web広告・制作・SEOなどの事業責任者を歴任。
上場準備から上場まで対応した経験を生かし、サービス品質の改善を統括する品質管理課を立ち上げ。その後、総務人事・経理財務・情報システム部門を管掌する管理部長に就任。
保育園経営において、職員の採用難と高い離職率は、多くの経営者様や園長先生が直面する最重要課題ではないでしょうか。「常に人手が足りず、求人広告費がかさむ」「ようやく育った中堅職員が辞めてしまう」といった悩みは、保育の質の低下や、残された職員の負担増という負のスパイラルを生み出し、園の安定経営を揺るがします。この深刻な状況を打破する鍵は、給与や賞与といった直接的な報酬の改善だけでは、もはや限界に達しています。今、保育士が本当に求めているのは、自身の仕事への誇りと、安心して働き続けられる生活基盤です。その両方を支え、企業の姿勢を具体的に示す最も有効な手段こそが「戦略的な福利厚生」の導入に他なりません。本記事では、福利厚生サービスの導入を検討されている決裁者様や管理部責任者様に向けて、なぜ今、保育園に福利厚生が必要なのかという経営的視点での理由から、特に保育士からのニーズが高い「住宅」「研修」「食事」という3つの支援を中心に、その具体的な導入効果と成功のポイントを網羅した経営者向けの「実践ガイド」としてお届けします。この記事を最後までお読みいただくことで、貴園の課題解決と持続的な成長に繋がる、確かな一手が見つかるはずです。
【比較表】福利厚生のおすすめサービス
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サービス名 | 特長 | 費用 | 福利厚生の内容 |
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snaq.me office(スナックミーオフィス)
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初期費用:0円 月額費用:0円 送料・備品費:0円 商品代金:下記から選択 食べる分だけ都度決済「企業負担ゼロ」パターン 企業と従業員が一部負担する「一部負担」パターン 福利厚生費として企業が一括購入する「買取」パターン |
置き菓子やドリンクの提供 おやつ ドリンク コーヒー スイーツパン グラノーラ おつまみ プロテインバー ヴィーガン そうざい など |
TUKTUK
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要お問い合わせ ※福利厚生向けの従業員割引プランあり ※定価の25%オフ、50%オフにできるプランの他、要望に合わせたカスタマイズも対応 |
お弁当や軽食、ドリンクなどの提供 ※取り扱い商品は300種類以上 |
SANU 2nd Home for Business
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初期費用:0円 月額料金:9万円~(年間宿泊日数30泊~) 宿泊時の費用:宿泊費0円、清掃費3,300円、週末料金(土曜・日曜・祝前日)5,500円/室 ※ハイシーズン料金なし |
SANU 2nd Homeのシェア別荘(保養所)の利用 |
BeeNii
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初期費用:0円 月額料金:0円 ギフト代:有料 ※月次でまとめて請求 |
記念日に合わせて自動でギフトを贈る「ギフトスケジューリングサービス」 |
GALLEIDO
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電動歯ブラシ本体無料 <スタッフ自宅への個別配送> 替え歯ブラシ1本350円(税込) <会社への一括配送> 替え歯ブラシ1本308円(税込) |
電動歯ブラシ本体無料+選べる替え歯ブラシ(スタンダード/極細/フラット/子供用) |
Perk |
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要問い合わせ | ビジネススキルの研鑚・プライベートの充実など社員の様々なニーズにフィットする1,000以上のサービスを提供 |
Resort Worx |
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要問い合わせ | トラベル体験、リゾートワークの支援 |
OFFICE DE YASAI |
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要問い合わせ |
置き型の社食サービス オフィスでやさい オフィスでごはん 健康指導・支援 |
SANU 2nd Home for Business |
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・初期費用:0円 ・年間泊数 30泊 / 90,000円(/月)~ ・清掃費(1室1滞在) 3,300円 |
保養所の利用サービス |
オフィスおかん |
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要お問い合わせ |
置き型の社食サービス おかず 副菜 汁物 ご飯・パン など |
チケットレストラン |
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要お問い合わせ | ランチが実質半額になるチケットサービス |
WELBOX |
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要お問い合わせ | 旅行、健康増進、介護、育児、自己開発、エンターテインメントなどの商品・サービスをパッケージで提供 |
ライフサポート倶楽部 |
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要お問い合わせ | 宿泊・レジャー、介護、育児などの商品・サービスをパッケージで提供 |
ベネフィット・ステーション |
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Netflix得々プラン:1,850円(月額/1名) Netflixプラン:1,350円(月額/1名) 学トクプラン:1,200円(月額/1名) 得々プラン:1,000円(月額/1名) |
グルメ、ショッピング、学習コンテンツ、育児、介護、引っ越しなどの商品・サービスをパッケージで提供 |
福利厚生倶楽部 |
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要お問い合わせ | 余暇支援、育児、介護、学習などの商品・サービスをパッケージで提供 |
オフィスグリコ |
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要お問い合わせ | グリコが提供するおかし、ドリンク、アイスの提供 |
この記事の目次はこちら
なぜ今、保育園経営に「戦略的福利厚生」が不可欠なのか?
保育士の確保と定着が園の生命線である現代において、福利厚生は単なる「あれば嬉しいおまけ」ではありません。それは、園の未来を左右する極めて重要な「経営戦略」そのものです。その理由は、保育業界が抱える構造的な課題と、変化する保育士の価値観に深く根ざしています。
1. 採用競争の激化と応募者ニーズの変化に対応するため
厚生労働省のデータを見ても、保育士の有効求人倍率は常に高い水準で推移しており、人材獲得競争は年々激化しています。特に都市部では、一人の保育士を複数の園が取り合う状況も珍しくありません。こうした売り手市場において、現代の求職者、特に若年層は給与や勤務地だけでなく、「働きやすさ」や「健康への配慮」「キャリア形成支援」といった要素を重視する傾向が強まっています。福利厚生が充実していることは、「職員を大切にする園」という何よりの証明です。家賃補助や研修プログラム、給食補助といった具体的な制度を求人票に明記するだけで、他園との明確な差別化が図れ、応募者の質・量ともに向上させることが可能です。
2. 高額な離職コストの抑制と育成投資を最大化するため
一人の保育士が離職することによる損失は、単に人手が一人減るだけではありません。採用時にかかった求人広告費や面接コスト、そして入職後から費やしてきた研修費用やOJTの時間など、そのコストは平均して数十万円にものぼると言われています。定着率がわずか数パーセント向上するだけで、年間で数百万円規模の採用・研修コストを削減できる可能性もあるのです。住宅支援や食事補助、メンタルヘルスケア制度といった福利厚生は、保育士の経済的・精神的な安心感を醸成し、職場へのエンゲージメントを高めます。これにより離職率を大幅に低減させ、これまで流出していたコストを、園の設備投資やさらなる処遇改善へと振り向けることができます。
3. 現場パフォーマンスの向上と園のブランド価値を高めるため
保育士は、子どもたちの命を預かるという重責と、常に感情をコントロールし続ける「感情労働」という側面から、心身ともに大きな負担を抱えています。福利厚生による健康管理やリフレッシュ機会の提供は、職員の心身のコンディションを整え、欠勤率の低下やヒューマンエラーの防止に寄与します。そして、従業員満足度(ES)の向上は、保育の質の向上、ひいては保護者満足度(CS)の向上へと直結します。職員がいきいきと働く園は、子どもたちにとっても保護者にとっても魅力的です。先生の定着率が高いという事実は、「安心して子どもを預けられる園」という最高のブランドイメージとなり、地域での評判を高め、園児募集においても有利に働くのです。
保育士特有のニーズを捉える!本当に響く福利厚生の5つの領域
保育現場には、一般企業とは異なる特有の労働環境があります。そのため、導入する福利厚生も、保育士が日々直面している課題に寄り添ったものでなければ、真の効果は得られません。現場のリアルな声から見えてくる、保育士が本当に求める支援は、主に以下の五つの領域に集約されます。
1.【生活基盤】住宅・通勤関連支援
特に都心部で働く保育士にとって、給与に占める家賃の割合は非常に重い負担です。経済的な理由から、都心での就労や一人暮らしを諦めるケースも少なくありません。生活の基盤を安定させる家賃補助や、園が住居を借り上げて低価格で提供する借上げ社宅制度は、最もニーズが高く、効果の大きい福利厚生と言えます。また、早朝や延長保育に伴う不規則な時間での通勤を支えるための、柔軟な通勤手当の整備も重要です。
2.【健康維持】給食・休憩サポート
体力勝負である保育士にとって、日々の食事は健康の源です。しかし、休憩時間が十分に確保できず、食事の準備まで手が回らないのが現場の実情です。栄養バランスの取れた園内給食の提供(費用補助含む)や、提携の弁当サービス、コンビニなどで利用できる食事補助チケットは、日々の負担を軽減し、健康を直接的に支えます。また、心身を休めるための休憩室や仮眠室の整備も、パフォーマンス維持に不可欠です。
3.【キャリア形成】研修・スキルアップ支援
保育士は、常に専門性を高めることが求められる仕事です。しかし、多忙な業務の中で、自己負担で園外の研修に参加することは容易ではありません。日々の保育に活かせるリトミックや食育、あるいは保護者対応スキルなどを、勤務時間内に学べるオンライン研修(eラーニング)や、資格取得費用の補助制度は、成長意欲の高い職員のモチベーションを大いに刺激します。自身のキャリアパスが明確になることは、長期的な定着の強い動機となります。
4.【心身のケア】健康管理・メンタルケア
女性が多い職場特有の健康課題に対応するための、婦人科検診費用の補助や、法定健診に加えた人間ドックの補助は、安心して長く働いてもらうために重要です。また、保護者対応や職員間の人間関係など、精神的なストレスも多い仕事だからこそ、匿名で専門家に相談できるオンラインカウンセリングサービスの導入は、メンタル不調による休職や離職を未然に防ぐための有効な一手です。
5.【ライフプラン】ライフイベント支援
保育士自身も、結婚・出産・育児といったライフステージの変化を迎えます。これらの変化によってキャリアが途絶えることのないよう、制度で支える姿勢が求められます。経験豊富な職員の離職を防ぐための、法定を上回る産休・育休手当や、自園または提携園で自身の子どもを預けられる制度は非常に効果的です。また、新卒保育士の経済的負担を軽減するための奨学金返還支援制度も、採用競争において大きなアピールポイントとなります。
【課題別】今すぐ導入したい福利厚生サービス5選
保育士特有のニーズを満たし、採用競争力と定着率を同時に高める外部サービスを五つに厳選しました。それぞれの特徴と導入時の注意点を解説します。
1. 住宅手当・借上げ社宅サービス
園が直接物件を借り上げて職員に低価格で提供する、あるいは職員が自身で選んだ物件の家賃を園が補助する制度です。物件探しから契約、管理までを代行する専門サービスも存在します。
- 効果: 国の「宿舎借り上げ支援事業」を活用することで、園の負担を最小限に抑えつつ、職員の家賃負担を劇的に軽減できます。住宅費が高い都心部でも応募対象エリアが広がり、遠方からの優秀な人材確保と、入職後の早期離職防止に絶大な効果を発揮します。
- 注意点: 補助を受けられる職員の条件(例:採用後〇年以内など)や補助上限額は自治体ごとに異なるため、事前の情報収集が不可欠です。また、補助上限額や利用期間に関する園独自の明確なルール設計も重要になります。
2. 食事補助サービス
提携している全国のコンビニや飲食店で利用できるICカードや専用アプリ(例:チケットレストラン)、あるいは提携弁当業者や外部給食サービス利用時の費用を補助するサービスです。
- 効果: 日々の食事準備の負担を軽減し、栄養バランスの確保をサポートします。特に勤務間の休憩時間が短い保育士にとって、健康維持と集中力向上に直結します。所得税の非課税枠を活用できるため、実質的な手取り額アップとなり、職員の満足度向上に貢献します。
- 注意点: 園の周辺に利用可能な提携店舗が十分に存在するかを確認することが重要です。また、アレルギー対応やメニューの多様性など、職員のニーズに対応できるプランを選びましょう。
3. 研修プラットフォーム(eラーニング)
保育理論、子どもの発達、保護者対応スキル、ICT活用などを、スマートフォンやPCでいつでもどこでも学べる動画教材やオンラインテストを提供するサービスです。
- 効果: 園外研修への参加に伴う移動時間やコスト、シフト調整の負担を削減し、全職員に均等な学習機会を提供できます。自己啓発意欲を後押しし、園全体の保育の質の底上げを実現します。
- 注意点: コンテンツの専門性や更新頻度、講師の質などを事前に確認しましょう。導入後は、受講状況を可視化し、修了証発行や受講レポートの提出を求めるなど、利用を定着させるための仕組みづくりを併用することが効果的です。
4. 健康支援・オンラインカウンセリングサービス
24時間対応のオンライン医師・カウンセラー相談窓口、人間ドックや婦人科検診の費用補助、提携フィットネスジムの割引などをパッケージで提供するサービスです。
- 効果: 身体的・精神的な負担を早期にケアし、欠勤率やメンタル不調による離職を予防します。特に、職員間の人間関係や保護者対応の悩みを匿名で専門家に相談できる環境は、職員の心理的安全性を確保し、パフォーマンス向上に貢献します。
- 注意点: 相談履歴などの個人情報が厳格に守られる、機密保持体制が万全なサービスを選ぶことが絶対条件です。また、職員が安心して利用できるよう、その匿名性を繰り返し周知することが重要になります。
5. パッケージ型福利厚生サービス
旅行・レジャー、グルメ、育児・介護支援、自己啓発、リラクゼーションなど、数千から数万にも及ぶ多様なメニューを、一つの契約で全職員に一括提供する総合サービスです。
- 効果: 本記事で紹介したような様々な支援を、低コストかつ少ない手間で導入できます。職員が自身のライフスタイルや価値観に合わせて好きなサービスを選べるため、多様なニーズに公平に応えることが可能です。採用活動においても「大手法人並みの福利厚生」として、園の魅力を高める強力な武器となります。
- 注意点: 導入後に利用実績を定期的に集計・分析し、職員のニーズと提供されているメニューに乖離がないかを確認しましょう。不要なメニューを削減し、人気メニューを拡充するなど、継続的な見直しを行うことで、費用対効果を高めることができます。
【重要】国の補助金活用法|宿舎借り上げ支援と処遇改善等加算
保育園向けの福利厚生を検討する上で、国の補助金制度をいかに賢く活用するかは、経営者の腕の見せ所です。園の財政負担を抑えつつ、職員の満足度を最大化するための二つの重要な制度について解説します。
1. 保育士宿舎借り上げ支援事業の最大活用
これは、住宅支援を導入する上で最も強力な武器となる制度です。園が職員のために借り上げたアパート等の家賃の一部または大部分を、国と自治体が補助してくれます。
- 制度活用のポイント:
- 自治体ごとの制度確認が必須: 補助上限額(国の基準は月額82,000円)や補助対象となる職員の要件(例:採用後10年以内など)は、事業を実施する市区町村によって大きく異なります。まずは、園が所在する自治体の保育担当窓口に、最新年度の実施要項を必ず確認しましょう。
- 対象物件と契約形態: 園が不動産会社と法人契約を結び、職員に貸与する「借り上げ社宅」形式が一般的です。契約手続きや家賃の支払い管理といった事務作業が発生しますが、これらの業務を代行してくれる不動産管理会社や福利厚生サービスも存在するため、活用を検討する価値は十分にあります。
- 経営的メリットの再確認: この制度を活用すれば、園の実質負担を月額数千円からに抑えつつ、職員に「自己負担1万円で住める」といった破格の条件を提示できます。これは、他のどの施策よりも採用活動におけるインパクトが大きく、人材確保難に悩む園にとってまさに切り札となり得る制度です。
2. 処遇改善等加算の戦略的活用
保育士の給与水準向上を目的としたこの加算金は、園経営において極めて重要な財源です。これを基本給や手当に上乗せするだけでなく、一部を福利厚生の原資として活用する、という視点を持つことが重要です。
- 戦略的活用の考え方:
- 費用対効果の最大化: 例えば、職員一人あたり月額5,000円の原資があるとします。これを単純に給与に上乗せした場合、社会保険料などが控除され、職員の手取り額はそれ以下になります。しかし、同じ5,000円を非課税の食事補助や、各種割引が適用されるパッケージ型福利厚生サービスの費用に充てた場合、職員は額面以上の価値を享受できる可能性があります。
- 職員への丁寧な説明と合意形成: 処遇改善加算を福利厚生に活用する際は、必ず事前に職員への丁寧な説明と合意形成を行う必要があります。「皆さんからいただいたアンケートの結果、特にニーズの高かった〇〇という制度を導入するために、加算の一部を使わせていただきます」というように、導入の意図とメリットを明確に伝え、納得感を得ることが円滑な運用に繋がります。
- キャリアアップ要件との連動: 処遇改善等加算IIの要件である「キャリアアップ研修」の受講を、福利厚生としてのスキルアップ支援と連動させることも有効です。研修費用の補助や、研修日の特別休暇付与などを制度化することで、加算要件を満たしつつ、職員の満足度と専門性を高めることができます。
失敗しないための「サービス選定ポイント」と「導入5ステップ」
効果的な福利厚生制度も、設計や運用を誤ると「誰も使わない」「一部の人しか得をしない」といった、形骸化したものになってしまいます。投資効果を最大化し、全職員が満足できる制度にするための実践的なプロセスを解説します。
【選定ポイント】
- 1. 対象規模・導入実績: 貴園の職員数に応じたプランがあるか、また、保育業界や同規模の園での導入実績、成功事例(定着率向上率など)があるかを確認します。
- 2. コスト対効果(ROI): 初期費用・月額費用・従業員単価といった費用内訳を一覧化し、比較します。また、効果測定の方法(利用率、離職率推移、満足度調査など)をベンダーがサポートしてくれるかも重要な判断基準です。
- 3. 運用負荷とサポート体制: 従業員の登録・更新作業は自動化できるか、問い合わせ対応のヘルプデスクはあるか、導入初期の説明会やマニュアル作成支援はあるか、といったサポート体制の手厚さを比較します。
- 4. 将来拡張性・カスタマイズ性: 園の拡大や定員増に合わせてプランを柔軟に変更できるか、また、将来的に新たな制度を追加・カスタマイズできるかといった拡張性も確認しておきましょう。
【導入5ステップ】
- Step1:現状可視化とKPI設定: 離職率や応募数、従業員満足度などの現状数値を収集し、「離職率を5%低減する」といった具体的なKPI(目標)を設定します。
- Step2:RFP作成とベンダー比較: 対象人数、予算、必須機能などを明文化したRFP(提案依頼書)を作成し、複数社に送付。同条件で得た提案を、事前に定めた評価軸でスコアリングし、候補を絞り込みます。
- Step3:パイロット導入と効果検証: 全面展開の前に、特定のクラスや一定期間で限定的に試行導入します。利用率や満足度を測定し、運用上の課題を洗い出して改善します。
- Step4:全面展開と社内周知: 全従業員向けの説明会やマニュアル配布で、制度の目的や利用方法を丁寧に伝え、利用を促進します。問い合わせフローも明確化し、運用負荷を軽減します。
- Step5:継続的改善(PDCA): 四半期ごとにKPIをレビューし、利用率などを分析します。効果が低い場合は、ベンダーと共同で改善策を検討し、制度を常にブラッシュアップしていくことが重要です。
まとめ
本ガイドでは、保育士の採用難・離職率という深刻な課題を解決し、現場のパフォーマンスを向上させるための戦略的福利厚生の導入ポイントを網羅的に解説しました。保育園における福利厚生は、もはや単なるコストや「付加価値」ではありません。それは、保育の質そのものを担保し、子どもたちの健やかな育ちを支え、園の持続的成長を実現するための根幹をなす「戦略的投資」です。成功の鍵は、日々の業務に奮闘する保育士が抱えるリアルな課題に寄り添い、彼らが本当に求める支援を届けることにあります。特に、生活基盤を支える「住宅支援」、専門性を高める「研修支援」、そして日々の活力を生む「食事支援」は、絶大な効果が期待できる3大施策です。本稿で解説したポイントや、国の補助金制度を賢く活用しながら、まずは自園の現状分析と、職員の声に真摯に耳を傾けることから始めてみてください。職員一人ひとりを大切にするその姿勢が、「保育士に選ばれる園」を創り上げ、厳しい時代を勝ち抜くための最も確実な道筋となるでしょう。
【比較表】福利厚生のおすすめサービス
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サービス名 | 特長 | 費用 | 福利厚生の内容 |
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snaq.me office(スナックミーオフィス)
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初期費用:0円 月額費用:0円 送料・備品費:0円 商品代金:下記から選択 食べる分だけ都度決済「企業負担ゼロ」パターン 企業と従業員が一部負担する「一部負担」パターン 福利厚生費として企業が一括購入する「買取」パターン |
置き菓子やドリンクの提供 おやつ ドリンク コーヒー スイーツパン グラノーラ おつまみ プロテインバー ヴィーガン そうざい など |
TUKTUK
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要お問い合わせ ※福利厚生向けの従業員割引プランあり ※定価の25%オフ、50%オフにできるプランの他、要望に合わせたカスタマイズも対応 |
お弁当や軽食、ドリンクなどの提供 ※取り扱い商品は300種類以上 |
SANU 2nd Home for Business
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初期費用:0円 月額料金:9万円~(年間宿泊日数30泊~) 宿泊時の費用:宿泊費0円、清掃費3,300円、週末料金(土曜・日曜・祝前日)5,500円/室 ※ハイシーズン料金なし |
SANU 2nd Homeのシェア別荘(保養所)の利用 |
BeeNii
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初期費用:0円 月額料金:0円 ギフト代:有料 ※月次でまとめて請求 |
記念日に合わせて自動でギフトを贈る「ギフトスケジューリングサービス」 |
GALLEIDO
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電動歯ブラシ本体無料 <スタッフ自宅への個別配送> 替え歯ブラシ1本350円(税込) <会社への一括配送> 替え歯ブラシ1本308円(税込) |
電動歯ブラシ本体無料+選べる替え歯ブラシ(スタンダード/極細/フラット/子供用) |
Perk |
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要問い合わせ | ビジネススキルの研鑚・プライベートの充実など社員の様々なニーズにフィットする1,000以上のサービスを提供 |
Resort Worx |
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要問い合わせ | トラベル体験、リゾートワークの支援 |
OFFICE DE YASAI |
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要問い合わせ |
置き型の社食サービス オフィスでやさい オフィスでごはん 健康指導・支援 |
SANU 2nd Home for Business |
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・初期費用:0円 ・年間泊数 30泊 / 90,000円(/月)~ ・清掃費(1室1滞在) 3,300円 |
保養所の利用サービス |
オフィスおかん |
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要お問い合わせ |
置き型の社食サービス おかず 副菜 汁物 ご飯・パン など |
チケットレストラン |
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要お問い合わせ | ランチが実質半額になるチケットサービス |
WELBOX |
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要お問い合わせ | 旅行、健康増進、介護、育児、自己開発、エンターテインメントなどの商品・サービスをパッケージで提供 |
ライフサポート倶楽部 |
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要お問い合わせ | 宿泊・レジャー、介護、育児などの商品・サービスをパッケージで提供 |
ベネフィット・ステーション |
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Netflix得々プラン:1,850円(月額/1名) Netflixプラン:1,350円(月額/1名) 学トクプラン:1,200円(月額/1名) 得々プラン:1,000円(月額/1名) |
グルメ、ショッピング、学習コンテンツ、育児、介護、引っ越しなどの商品・サービスをパッケージで提供 |
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