匿名掲示板における誹謗中傷の対策と削除方法

匿名掲示板とは、電子掲示板とも呼ばれ、『インターネット上のウェブサイトに、誰でも自由に、あるいは登録した人のみがコメントなどを書き込める機能またはサービス』を指す言葉です（※）。

（※）出典：総務省.「用語解説」.“電子掲示板（でんしけいじばん）

近年は匿名掲示板やSNSなどのプラットフォームの普及に伴い、企業やその従業員への誹謗中傷が問題となっています。匿名掲示板における誹謗中傷を放置すると、企業のイメージ低下や採用活動への悪影響といったリスクを抱えることになるため、正しい対処法を知っておくことが大切です。

本記事では、匿名掲示板における誹謗中傷の対策や削除方法について解説します。

また、おすすめの風評被害サービスの比較は、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

【2024年最新比較表あり】おすすめ風評被害対策サービス(会社)18選！導入するメリットや注意点も解説

匿名掲示板における誹謗中傷を放置する3つのリスク

5ちゃんねる（旧2ちゃんねる）をはじめとした匿名掲示板は、不特定多数のユーザーが互いに匿名で交流できるサービスです。匿名掲示板はユーザー間の気軽で自由なコミュニケーションを促進する一方で、一部のユーザーがその匿名性を悪用し、特定の個人や組織に対する誹謗中傷を書き込む事例も見られます。

誹謗中傷とは、警察庁によると『悪口や根拠のない嘘等を言って、他人を傷つけたりする行為』です。匿名掲示板などで誹謗中傷を行うと、侮辱罪や名誉毀損罪などの刑事処分が科される可能性があります（※）。

※参考：警察庁.「インターネット上の誹謗中傷等への対応」.“よくある相談”.

また企業の場合、自社や従業員に対する誹謗中傷を放置したり、発見が遅れたりすると、以下のようなリスクを抱える恐れもあります。

• 企業のイメージや社会的信用の低下につながる
• 採用活動に悪影響が生じる
• 誹謗中傷を受けた従業員のモチベーションが低下する

こうしたリスクに備えるには、匿名掲示板やSNS、ブログなどの投稿を定期的にモニタリングし、誹謗中傷を含んだ投稿がないかチェックする仕組みが必要です。また誹謗中傷を発見した場合に備えて、正しい初動対応の流れや、該当の投稿を削除する手続きについても知っておきましょう。

匿名掲示板で誹謗中傷を発見したときの3つの対策

もし匿名掲示板で自社に関わる誹謗中傷を発見したら、以下の3つの方法ですみやかに対処しましょう。

• 証拠となる投稿を記録する
• 警察などの窓口に相談する
• 風評被害対策サービスを利用する

まずは誹謗中傷を含む投稿を削除するため、証拠となる投稿やWebページなどを記録しましょう。その上で警察などの窓口に相談するか、外部の風評被害対策サービスを利用し、誹謗中傷への対応を行ってください。

証拠となる投稿を記録する

1つ目は、誹謗中傷の証拠となる投稿を記録しておくことです。

誹謗中傷を含む投稿を削除したり、警察に通報・相談したりするには、第三者に分かるような客観的証拠が必要です。Webページを印字するか、投稿のスクリーンショットを取得し、以下の5つの情報を記録しましょう（※）。

• 当該サイトの名称
• URL
• 書き込み者
• 書き込み日時
• 内容

※参考：警察庁.「インターネット上の誹謗中傷等への対応」.“掲載された内容の記録”

警察などの窓口に相談する

2つ目は、警察などの窓口に相談する方法です。

国や公的機関は、インターネット上の悪意ある投稿や書き込みを対象とした相談窓口を設けています。例えば、誹謗中傷について相談できる窓口には、警察のサイバー犯罪相談窓口や、セーファーインターネット協会の誹謗中傷ホットラインなどがあります。

匿名掲示板における誹謗中傷に対し、どのように対処すべきか分からない場合は官民の窓口に相談してみましょう。窓口によって相談できる事柄が異なるため、以下の表を参考にしてください（※）。

悩み・課題	相談窓口
どうしたらよいか分からない	違法・有害情報相談センター（総務省）
ネット上の書き込み・画像を削除したい	人権相談（法務省）誹謗中傷ホットライン（セーファーインターネット協会）セーフライン（セーファーインターネット協会）
書き込んだ相手に損害賠償を求めたい	弁護士法テラス（日本司法支援センター）
身の危険を感じている／脅迫されている／犯人の捜査、処罰を求めたい	警察または居住地のサイバー犯罪相談窓口

※参考：警察庁.「インターネット上の書き込みなどに関する相談・通報窓口のご案内」p1

風評被害対策サービスを利用する

3つ目は、外部の風評被害対策サービスを利用する方法です。

官民の相談窓口を利用すれば、誹謗中傷を発見した際の対策や、削除申請の方法について教えてもらえます。しかし、削除申請などの手続きは企業自身で行わなければなりません。

誹謗中傷への対処も含めて外部に委託したい場合は、風評被害対策サービスを利用しましょう。風評被害対策サービスとは、誹謗中傷やネット炎上、風評被害といったインターネット上のリスクを24時間365日監視し、早期発見してくれるサービスです。緊急性の高い投稿への初動対応も可能なため、誹謗中傷の発見から対処までワンストップで依頼できます。

誹謗中傷を含む投稿を削除する2つの方法

誹謗中傷を含む投稿を削除する方法は、大きく分けて2つあります。

• 匿名掲示板の規約を確認して削除依頼を申請する
• 発信者情報の開示請求をする

まずは匿名掲示板の管理者に対し、規約に則って削除依頼を行いましょう。管理者と連絡が取れない場合は、発信者情報を開示する手続きに進んでください。

匿名掲示板の規約を確認して削除依頼を申請する

匿名掲示板で自社に対する誹謗中傷を発見したら、まずはその掲示板の管理者に削除依頼を申請しましょう。

匿名掲示板によって、管理人へ削除依頼メールを送る、お問い合わせフォームから削除申請する、といった削除依頼の方法が決まっています。まずは各サイトの規約を確認し、指定された方法で削除申請を行いましょう。

発信者情報の開示請求をする

匿名掲示板によっては、管理者と連絡が取れないケースや、何らかの理由で投稿の削除に応じてくれないケースもあります。その場合は掲示板が利用しているプロバイダに対し、プロバイダ責任制限法に基づいて削除の申し立てを行ってください。

また誹謗中傷を行った相手に対し、損害賠償の請求などを検討している場合は、発信者情報の開示請求を行いましょう。発信者情報の開示請求とは、誹謗中傷などの被害に遭った本人または代理人（弁護士など）が、加害者に対し個人情報の開示を請求できる権利です。開示請求によって、誹謗中傷の加害者（発信者）の以下のような情報を開示できます（※）。

• 発信者の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスなど
• 侵害情報の書き込み時、同書き込みの対象サービスのログイン時などに使用されたIPアドレス、ポート番号など
• 侵害情報の書き込み時、同書き込みの対象サービスのログイン時などの年月日および時刻

匿名掲示板の誹謗中傷は放置せず、すみやかに対応を

匿名掲示板は、不特定多数のユーザーが自由に交流できるサービスです。近年は一部の悪意のあるユーザーによって、企業やその従業員に対する誹謗中傷が匿名掲示板に書き込まれる被害が多発しています。

自社に対する誹謗中傷を放置すると、ネット炎上や風評被害による企業イメージの低下につながる恐れがあります。匿名掲示板に誹謗中傷が書き込まれていないか定期的にチェックし、早期発見する仕組みが必要です。

匿名掲示板のモニタリングなら、風評被害対策サービスを導入しましょう。風評被害対策サービスでは、SNSやブログ、匿名掲示板などのサービスを24時間365日モニタリングし、企業活動にとってリスクとなる投稿をすばやく検知できます。ネット炎上や風評被害に発展する前の火種の段階で、早期沈静化を図ることが可能です。

また、おすすめの風評被害サービスの比較は、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

【2024年最新比較表あり】おすすめ風評被害対策サービス(会社)18選！導入するメリットや注意点も解説