更新日:2024/09/18
M&Aにおける事業譲渡とは? メリット・デメリット、流れ、成功事例を解説
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
会社の一部の事業がうまくいっていない場合や、既存の事業をさらに成長させたい場合に、M&Aの一つである事業譲渡を検討されている企業もいるではないでしょうか。事情譲渡を活用すれば、譲渡側と譲受側の双方にメリットが生まれる可能性があります。ただし、事業譲渡にはデメリットや注意点もあるため、場合によっては事情譲渡以外の方法も検討することが重要です。
今回は、事業譲渡の内容やその他のM&A手法との違い、メリット・デメリットを解説します。事業譲渡の流れや実際の成功例もご紹介しているため、参考にしてください。
大手&上場しているM&A仲介会社 比較10選
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会社名 | 特徴 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
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株式会社日本M&Aセンター |
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相談:無料 着手金:有 報酬:レーマン方式 |
事前コンサルティング M&Aサービス~戦略立案~ M&Aサービス~マッチング~ アフターサービス |
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 |
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相談:無料 着手金:無料 報酬:株価レーマン方式 |
譲渡売却 譲受買収 企業評価 M&Aマッチングサービス |
株式会社ストライク |
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相談:無料 着手金:無料 報酬:レーマン方式 |
成長加速型M&Aコンサルティング 事業承継型M&Aコンサルティング 経営支援コンサルティング |
株式会社M&A総合研究所 |
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年間問い合わせ5,000件以上 譲渡企業様は着手金中間金無料の完全成功報酬制 東証上場の信頼とM&A支援の豊富な実績 最短49日のスピード成約 AIマッチングシステムの活用 |
M&A仲介 事業譲渡 AIマッチングシステム 資料事業計画書の作成 面談指導 |
名南M&A株式会社 |
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譲渡企業報酬体系 着手金(アドバイザリー契約締結時): 5億円以下 66万円 5億円超~20億円以下 110万円 20億円超 220万円 成功報酬(クロージング時): 5億円以下の部分 5.5% 5億円超~10億円以下の部分 4.4% 10億円超~50億円以下の部分 3.3% 50億円超~100億円以下の部分 2.2% 100億円超の部分 1.1% (最低報酬1,100万円) 譲受企業報酬体系 情報提供料(アドバイザリー契約締結時): 10億円以下 66万円 10億円超~50億円以下 110万円 50億円超 220万円 成功報酬(クロージング時): 5億円以下の部分 5.5% 5億円超~10億円以下の部分 4.4% 10億円超~50億円以下の部分 3.3% 50億円超~100億円以下の部分 2.2% 100億円超の部分 1.1% (最低報酬1,100万円) |
事業承継 譲渡 譲受 |
株式会社オンデック |
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要お問い合わせ |
事業承継型M&A イグジット型M&A MBO支援 ターゲット選定 簡易企業評価 |
株式会社ペアキャピタル |
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着手金:なし 中間報酬:手数料の10% 成約時:残りの90% |
M&Aアドバイザリー 事業承継コンサルティング 業務提携コンサルティング 企業再生支援 資本政策経営計画コンサルティング 資産運用コンサルティング |
セレンディップホールディングス株式会社 |
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事業承継支援事業 経営コンサルティング事業 M&Aアドバイザリー事業 企業再生支援事業 コーポレートアドバイザリー事業 プロ経営者派遣事業 その他付帯する事業 |
ブティックス株式会社 |
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着手金:なし 最低手数料:100万円 報酬:レーマン方式 |
展示会事業 M&A仲介事業 人材採用支援事業 |
株式会社スピカコンサルティング |
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着手金:なし 成功時の報酬:成功時の報酬は、譲渡対価に対して計算される 譲渡オーナーは完全成功報酬 |
完全業界特化型M&A仲介 バリューアップコンサル |
大手企業傘下&上場企業傘下M&A仲介会社 比較11選
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会社名 | 特徴 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
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株式会社M&Aサクシード |
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中間手数料:無し 譲渡対価の5%~ 詳細については要お問い合わせ |
M&Aマッチングサービス 譲渡・譲受の仲介 |
株式会社Innovation M&A Partners |
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着手金:なし 中間手数料:なし 完全成功報酬型 |
M&Aサービス 初期コンサルティング 簡易株価算定 アドバイザリー契約締結 企業概要書(IM)の作成 経営者同士の面談のセッティング デューデリジェンス 条件交渉 最終契約締結 株式譲渡や資産の移管等を実施(クロージング) |
ABNアドバイザーズ株式会社 |
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着手金:原則無料 成功報酬型:取引金額に対するレーマン方式 |
M&A総合アドバイザリー業務 M&A仲介事業 事業成長戦略、事業承継戦略、事業再建戦略等の立案助言および実行サポート M&A戦略立案、検討、実行に係るアドバイザリー PMI戦略のサポート その他経営全般に係る助言サポート |
信金キャピタル株式会社 |
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着手金:なし 取引金額に応じた完全成功報酬制 |
M&A仲介 投資育成 |
株式会社DYM M&Aコンサルティング |
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M&A事業 投資育成事業 |
株式会社マイナビM&A |
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着手金:なし 手数料:株式価値に応じて手数料率を乗じ金額を算定 成功報酬制 |
M&Aに関する仲介、斡旋、コンサルティングおよび アドバイザリー業務 |
レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社 |
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成功報酬型:レーマン方式 |
M&Aアドバイザリー 企業評価の実施 資本政策経営計画コンサルティング |
エムレイス株式会社 |
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着手金:無料 アドバイザリー手数料:無料 中間報酬:基本合意契約締結時に200万円(消費税別) 最終報酬:取引金額に応じて定められた成功報酬を頂戴致します。 (レーマン方式により算出) |
M&A支援事業(M&A仲介、M&Aアドバイザリー業務) スカウト型M&A 事業承継サポート 後継者スカウト PMI(経営統合)サポート 企業価値評価 |
株式会社MJS M&Aパートナーズ |
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着手金:あり 成功報酬:レーマン方式 |
中小企業の事業承継事業再生等に関するサポート事業 税理士をはじめとする士業の事業承継支援事業 |
M&A BASE 株式会社 |
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着手金:なし 成果報酬型 |
M&Aアドバイザリー事業 サーチファンド事業 サーチファンド設立の目的、5つの強み、チームメンバー、サーチャーを紹介 |
株式会社ウィット |
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着手金:なし 完全成功報酬型 |
M&A仲介事業 |
中小企業向けM&A仲介会社 比較15選
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会社名 | 特徴 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
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株式会社M&Aコンサルティング |
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相談:無料 着手:無料 成功報酬:レーマン方式(M&A成立時) |
スケール型M&A 事業承継支援 不動産M&A |
株式会社M&Aベストパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 手数料率:5% |
中堅中小企業におけるM&A仲介 |
株式会社fundbook |
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相談:無料 着手金:無料 成功報酬:レーマン方式 |
譲渡サービス 譲受サービス |
株式会社CBパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬 |
M&A仲介事業 医療介護福祉業界M&A支援サービス 医師開業支援サービス |
インテグループ株式会社 |
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相談:無料 成功報酬:5億円以下の部分 5% 5億円超~10億円以下の部分 4% 10億円超~50億円以下の部分 3% 50億円超~100億円以下の部分 2% 100億円超の部分 1% (最低額1,500万円) |
M&A仲介アドバイザリー ディールファインディングサービス(買い手企業向け案件発掘サービス) MBO支援 |
株式会社経営承継支援 |
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着手金:なし 成功報酬型:基本合意時 100万円 最終契約締結時 :合計から100万円を控除した残額 |
中堅中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務 中堅中小企業の継続発展に資するM&A仲介助言業務 |
株式会社M&A DX |
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企業提携に関する仲介 企業提携に関するファイナンシャルアドバイザリー(FA) セカンドオピニオン(第三者視点のM&Aアドバイス) 財務税務調査業務(DD) 株式価値算定(Valuation) PMI(Post Merger Integration)支援 PPA(Purchase Price Allocation)支援 MBO(Management Buy Out)支援 CVC(Corporate Venture Capital)運営支援 スナイパーサービス(M&A戦略立案投資候補先開拓) 不正調査 相続相続税対策支援 富裕層向け財産サービス 資本政策策定支援 ストックオプション構築算定支援 組織再編プランニング実行支援 |
Growthix Capital株式会社 |
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基本合意の締結時:手数料の10% 受諾と決済時(クロージング):支払い:残額全て |
アドバイザリー契約の締結 M&A戦略の立案 対象企業へアプローチ 価格の条件交渉 基本合意の締結 買収監査(デューデリジェンス) 売買契約の締結 受諾と決済(クロージング) |
Byside株式会社 |
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着手金:なし 完全成功報酬型の手数料体系 |
M&Aアドバイザリー(FA業務) M&A仲介事業 |
M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬型 |
M&A仲介事業 M&Aアドバイザリーサービス(譲渡売却) セカンドオピニオンサービス MALAパートナープログラム |
株式会社NEWOLD CAPITAL |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 |
M&A仲介及びM&Aアドバイザリー事業 経営、プロフェッショナル人材の紹介事業 M&A業務及びM&A関連人材の教育研修事業 |
株式会社 M&Aフォース |
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成約時に手数料の100% 成功報酬の一部を着手金中間報酬として頂戴する場合あり |
事業承継診断 成⻑戦略コンサルティング 提携仲介契約締結 企業概要書作成 マネジメントインタビュー 財務/ビジネス分析 株価/企業価値算定 会社の雰囲気調査 マッチング 候補企業への提案 トップ⾯談 基本合意契約 買収監査 会計/法務監査 最終契約成約 |
ゴエンキャピタル株式会社 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成功報酬型:譲渡価格の5% |
M&Aコンサルティング事業 PMIコンサルティング事業 プライベートエクイティファンドの運営 |
株式会社クラリスキャピタル |
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着手金なし 成功報酬のみで200万円から |
M&A仲介アドバイザリー事業 |
株式会社INNOVATION LEADERS |
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手数料 0円 中間手数料:報酬の10% 報酬(残りの90%) |
M&A仲介事業 |
業界特化 おすすめM&A仲介会社 15選
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会社名 | 特徴 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
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株式会社ウィルゲート |
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完全成功報酬型 着手金・中間手数料なし |
M&A仲介事業 |
株式会社パラダイムシフト |
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M&Aアドバイザリー CVC運営支援 事業開発 金融イノベーション |
株式会社エイスリー |
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着手金:なし |
アドバイザリー契約の締結 M&Aの戦略立案 M&Aサービス -マッチング- 買手候補を一社選定 成約クロージング |
xxx(エイジィ)株式会社 |
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成功報酬:レーマン方式(※成功報酬の最低額は1,000万円) |
簡易審査個別相談 M&Aスキームのご提案 必要書類の準備 買手候補の選定 買手候補への提案 面談設定 条件交渉成約 PMI(M&A後の更なる企業価値向上、成長支援策の提案) |
株式会社エムズ |
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秘密保持契約の締結 M&A事業承継の可能性の検討 提携仲介契約の締結 具体的資料の提出/法人の評価額の算定 マッチング 譲渡価格などの条件交渉 基本合意契約の締結 買収監査の実施 最終条件交渉と譲渡契約の締結 クロージング対価の授受 |
株式会社シードコンサルティング |
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中小企業への財務力強化、資金調達、コスト削減、経営全般に関するコンサルティング業 相続事業承継に関するコンサルティング業務 建設業特化型スモールM&Aアドバイザリー仲介業務、M&Aに関する調査コンサルティング業務 生命保険、損害保険代理店業務、各種金融商品、生命保険の活用法、資産運用、資産防衛に関するコンサルティング業務 |
株式会社 バシラックス |
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売り手手数料 0円~ 書いて手数料 200万円~ 面談、基本合意手数料 0円~ |
条件交渉 TOP面談 契約締結 買収監査(デューデリジェンス) クロージング |
MACアドバイザリー株式会社 |
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原則有料(完全成功報酬型) 着手金:なし 中間金:なし |
調剤薬局ドラッグストア専門M&Aアドバイザリー 仲介事業企業再生再編支援コンサルティング業務 企業経営調剤薬局の運営に関するコンサルティング業務 薬価差の改善業務 |
株式会社アウナラ |
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完全成果報酬型 仲介手数料200万円~ |
M&A仲介 薬剤師様独立支援 ドクター誘致支援 人材紹介事業 |
株式会社希望の星 |
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清掃経営(支援)コンサルティング 清掃独立開業支援 清掃業M&A 清掃技術研修 |
早稲田M&Aパートナーズ株式会社 |
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初期相談料:無料 営業提案活動費:無料 着手金:無料 面談設定費:無料 完全成功報酬型 |
ベンチャー企業のM&A(株式譲渡売却資本提携事業譲渡等)の仲介業務 ベンチャー企業の資金調達支援及びファイナンシャルアドバイザリー業務 ベンチャー企業の株式価値算定及びデューデリジェンス業務 ベンチャー企業の経営コンサルティング業務 |
株式会社コルウスパートナーズ |
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国内最大級のネットワークを活用し信頼性の高いマッチングを実現 完全成功報酬制+業界最安値水準の料金体系 専門コンサルタントによる安心のサポート |
M&AアドバイザリーM&A仲介 経営コンサルティング PMIコンサルティング その他、上記に付帯する業務 |
株式会社エクステンド |
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着手金:なし 中間金:なし 成功報酬型:レーマン方式 |
お問い合わせヒアリング 提案 マッチング先の選定紹介 トップ面談 |
株式会社エスエムエス |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成約基本料 100万円 成功報酬型:レーマン方式 |
マッチング トップ面談 基本合意 デューデリジェンス(リスク調査) 最終合意 |
株式会社M&A Properties |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成功報酬型 |
ヒアリング初回面談 個別案件の初期検討 及び 意向表明書の提出 懸念点などのすり合わせ及び解消 投資回収シミュレーション 現地視察 デューディリジェンスのサポート 譲渡契約書の締結サポート クロージングのサポート |
この記事の目次はこちら
事業譲渡とはM&Aの手法の1つ
事業譲渡とは、M&A(Mergers and Acquisitions)の中の一つの手法として知られており、会社の事業の一部または全部を他の企業に譲渡することです。
一部譲渡では複数ある事業の一部のみを切り離して売却をし、他の事業拡大への資金に充てたり、会社にある債務整理に利用されたりすることもあります。全部譲渡はその名の通り、会社の事業の全てを譲渡しますが、主に経営権などを残しておきたい場合に利用されるケースが多いようです。
事業譲渡の対象となるものは、事業を行うために必要な商品や人材、ブランド、工場、不動産、債務など有形無形問わず多岐に渡ります。事業譲渡と聞くと会社の身売りや乗っ取りなどのネガティブなイメージを持たれがちですが、必ずしも悪いことだけではありません。事業承継や利益拡大のための重要な手段として有効的に働くケースも多く、企業の事業戦略の一つとして積極的に取り組まれています。
事業譲渡とその他のM&A手法との違い
M&Aに関しては事業譲渡だけではなく、その他にも会社の状況や目的に合わせて、いくつかの手法から選択できます。事業譲渡以外の代表的なM&Aの手法は以下のとおりです。
- 株式譲渡
- 株式交換・移転
- 会社分割
- 会社合併
ここでは、これらの代表的な4つのM&Aの手法と事業譲渡との違いをご紹介します。
事業譲渡と株式譲渡の違い
株式譲渡とは譲渡側が保有する株式を売却して、譲受側に経営権を継承させるM&A手法の一つです。事業譲渡との大きな違いは、売買する対象物が事業か株かの違いです。
また、売却した利益に関しても、事業譲渡の場合は会社にもたらされるものですが、株式譲渡の場合は株を保有している株主に支払われます。そのため、株主が法人であれば会社に、個人であれば個人に売却益が支払われる仕組みです。さらに、譲受側も事業譲渡の際に必要な従業員や取引先などとの新たな契約手続きや承諾も必要なく、比較的手続きが簡単でコストを抑えられるメリットもあります。
ただし、株式を譲渡する側は株主全員の同意が必要であったり、自社内での不採算事業がある場合は売却額が減少してしまう可能性もある点には注意が必要です。譲受側に関しても多額の買収金額が必要となったり、譲渡企業との相乗効果が出にくいケースもあるため、買収前に自社との相性を確認しておく必要があるでしょう。
事業譲渡と株式交換・移転の違い
株式交換とは、譲渡する企業が譲渡される企業の完全な子会社となる会社法に基づいた組織編成行為となります。主に譲受側が上場企業の場合に利用されるケースが多いようです。
株式交換では親会社となる株式を取得できるため、その親会社の株価が値上がりした際に売却をすることで利益を獲得できます。また、株式の保有率によっては親会社の経営にも参画できるメリットもあります。ただし、親会社の業績悪化により株価が下落したり、親会社が非上場企業である場合は、株式の現金化が難しい可能性もある点に注意が必要です。
また、株式移転は、子会社(譲渡側)となる株式を既存の親会社(譲受側)に譲渡するのではなく、新しく立ち上げる親会社に株式を移転させる方法です。主に持株会社(ホールディングス)を設立する目的で行われています。
株式移転のメリットは、急な従業員の雇用形態や給与体系などの変化がなく、組織の内部統合が比較的簡単にできる点と言えるでしょう。また、新会社の株式を新しく発行するため、買収金などのコストも掛かりません。
事業譲渡と会社分割の違い
会社分割には、主に以下の2つの方法が挙げられます。
- 吸収分割
- 新設分割
吸収分割とは、譲渡する側の事業を既存の他の企業に承継する方法で、新設分割とは、会社分割と同時に新会社を設立してその会社に事業を承継する方法です。
吸収分割の構造は事業譲渡と似ていますが、譲渡する事業が個別か包括的かの違いになります。事業譲渡の場合は従業員や取引先などの権利義務に関して個別で同意が必要となりますが、吸収分割の場合は労働契約承継法に則っていれば同意なしに手続きが可能です。これは新設分割の場合も同様です。
また、2つには共通して分社型分割と分割型分割という区別も存在します。分社型分割は、事業を承継した会社または新設した会社の株式を譲渡企業が取得できる方法で、譲渡企業の株主が取得する場合は分割型分割と呼ばれます。
事業譲渡と会社合併の違い
会社合併は複数の会社を1つの会社に合併するもので、主に以下の2つの方法に分けられます。
- 吸収合併
- 新設合併
吸収合併は、吸収する会社が吸収される会社の従業員や取引先、債務などの事業に関わるものを包括的に承継することです。新設合併は、吸収する会社とともに新しく会社を設立し、吸収合併と同様に包括的に事業を引き継ぎます。
合併のメリットとしては、吸収される会社への対価を株式で対応できるため、多くの資金が必要ではないことです。さらに、2つの会社が完全に1つの会社となるため、会社が別々で構成される株式譲渡とは違い、関係性が強固なものとなり相乗効果を生みやすくなるでしょう。
ただし、会社を合併するに当たって消滅する会社の手続きや、合併するために株主総会での決議などの手間が掛かります。さらに、合併する側とされる側でこれまで異なっていた経営方針や、業務ルール、人事評価制度、経理などの社内体制を再構築する必要がある点には注意が必要です。
M&Aにおける事業譲渡のメリット
事業譲渡を行うと、譲渡側と譲受側の双方にさまざまなメリットがあります。ここでは、譲渡側と譲受側に分けてそれぞれのメリットをご紹介します。
譲渡側のメリット
譲渡する側のメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 譲渡しても会社の経営権自体は残る
- 一部の事業だけを譲渡できる
- 株主全員の同意なしに譲渡できる
それぞれのメリットを確認していきましょう。
譲渡しても会社の経営権自体は残る
事業譲渡の場合は会社の事業の一部を他の企業に譲渡しますが、経営権は譲渡側の企業に残る仕組みとなっており、継続して会社経営を行えます。そのため、譲渡して得られた利益を資金にして、同じ会社内で新しい事業を始めることも可能です。
また、会社自体の経営は行っていきたいが、後継者不足などで複数の事業を展開していくことが難しいケースもあるでしょう。そのような場合に、企業内の事業整理の一環としても事業譲渡を選択できます。
一部の事業だけを譲渡できる
複数の事業を展開している企業では、全ての事業がうまくいっているとは限らないケースもあるでしょう。好調な事業を伸ばす戦略と不調の事業を立て直す戦略の両軸が必要となり、複数の事業展開が負担になる場合も考えられます。
そのような場合に、既存の一部の事業を譲渡することで、メインとなる事業に絞って経営が可能です。さらに、譲渡して得られた利益を既存の好調な事業を伸ばすための資金に充てられたり、経営を立て直したりできる可能性もあります。
株主全員の同意なしに譲渡できる
株式譲渡では譲渡する上で株主全員の同意が原則必要ですが、1人でも反対されたり、連絡がつかない株主がいたりすると、譲渡できませんでした。
しかし、事業譲渡の場合は株主総会における特別決議で、総議決権の過半数を有する株主の出席と3分の2の賛成が得られれば実行可能です。さらに、簡易譲渡の場合は、株主総会ではなく取締役会での決議で取締役の過半数の賛成があれば事業を譲渡できます。
譲受側のメリット
譲渡される側のメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 買収する事業を選択できる
- 負債や債務などの承継リスクが少ない
- 節税対策となる可能性がある
こちらもそれぞれ確認していきましょう。
買収する事業を選択できる
事業を譲渡される側は、自社で展開している事業に必要な事業を選択できます。既存の事業とシナジー効果が高い事業を買収できれば、さらなる強化や効率化を図れるでしょう。
また、新しく事業を立ち上げる際は多額の初期コストが掛かるケースがほとんどですが、譲渡額を査定する際の範囲も一部となるため、事業譲渡の場合はコストを抑えられる可能性があります。
負債や債務などの承継リスクが少ない
事業譲渡の場合は基本的に必要な事業だけを承継するため、譲渡側の負債や債務を引き継ぐことは原則ありません。事業から債務まで包括的な引き継ぎとなる株式譲渡と比べると、財務面のリスクを回避できる点は大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、引き継いだ事業そのものに関連するリスクに関しては、事業を引き継いだ側が責任を負う点には注意が必要です。
節税対策となる可能性がある
事業譲渡では、目に見えない会社のブランド力や信用に値するのれんを一定期間にわたり償却処理できるため、節税対策につながる可能性があります。のれんには、会計上ののれんと税務上ののれんの2種類があり、事業譲渡の場合は後者の税務上ののれんに該当します。
例えば、譲渡側から引き継いだ事業の純資産が1,000万円で、譲受側がその対価として1,500万円を支払った場合、その差額の500万円の売却益をのれん償却として計上が可能です。
M&Aにおける事業譲渡のデメリット
事業譲渡はメリットだけでなく、デメリットも存在します。デメリットも考慮した上で、事業譲渡の必要性を検討してみましょう。
譲渡側のデメリット
譲渡側のデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 手続きが複雑になる可能性がある
- 競業避止義務を負うことになる
- 譲渡益に法人税が掛かる
それぞれの内容を解説します。
手続きが複雑になる可能性がある
株式譲渡の場合は事業内容や従業員、取引先などの契約に関して、包括的に譲渡可能で手続きが比較的簡単です。しかし、事業譲渡の場合はその契約の変更などを個別に行わなければいけないため、手続きが複雑化したり時間が掛かったりする可能性があります。仮に譲渡する事業が複数ある場合は、さらに手続きの手間や負担が増加します。
事業譲渡の手続きをスムーズに行うためにも、事前に従業員や取引先への同意を済ませておくとよいでしょう。
一定期間同じ事業を行えない
事業譲渡した会社は、譲渡してから20年間は同じ市区町村かつ隣接する市区町村で同じ事業を行うことはできません。これは会社法の第二十一条における譲渡会社の競業の禁止という項目にも明記されています(※)。また、譲渡側と譲受側で競業に関する特約を定めていれば、30年間は有効となります。
そのため、譲渡後も同じ事業を行う予定がある場合は、まったく違う地域で行うなどの対策が必要となる点に注意が必要です。
※参考:e-Gov法令検索.「会社法」.https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086,(2024-06-14).
譲渡益に法人税が掛かる
事業譲渡を行ったことで得られる利益に関しては法人税が掛かり、約30%の税率が課される可能性があります。例えば、譲渡した事業の資産価額が1,000万円で、その対価として1,500万円が支払われた場合、差額の500万円に約30%の税金が掛かり、150万円の法人税を納める必要があります。株式譲渡の場合は法人税が約20%とされているため、事業譲渡の方が税負担が大きいです。
ただし、譲渡する価額と対価が同じケースや、事業譲渡で発生する法人税を相殺できる他の損金があれば法人税の支払いはないため、場合によっては株式譲渡よりも税負担を軽減できるケースもあるでしょう。
譲受側のデメリット
譲受側のデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
- 譲渡手続きを終えるまで時間が掛かる
- 譲渡代金に対して消費税が掛かる
- まとまった資金が必要になる
譲受側の会社に関わるデメリットも確認していきましょう。
譲渡手続きを終えるまで手間と時間が掛かる
事業譲渡の際は、引き継がれた資産や負債を包括的ではなくそれぞれ個別で契約を結び直さなければいけません。例えば、不動産登記や許認可などはそのまま引き継ぐことはできないため、再契約が必要です。
また、従業員との契約もいったん白紙の状態に戻るため、再度個別で契約する必要があります。しかし、これまで働いていた従業員と確実に契約できるとは限りません。仮に、譲受の企業のことをあまりよく思っていない場合は、離職されてしまうリスクも考えられます。 そのため、事業譲渡を行う際は、円滑に契約や手続きが行えるように、事前に従業員や取引先と交渉を進めておくとよいでしょう。
譲渡代金に対して消費税が掛かる
譲渡側は法人税が掛かりますが、譲受側は消費税が掛かります。ただし、引き継いだ負債には消費税は掛からず資産に対して消費税が掛かる仕組みです。主に建物や商標、特許権、在庫商品などに関して消費税が掛かる可能性があります。
資産と負債の差額に掛かるのではなく、純粋な資産だけの価格に対して消費税が掛かる点を認識しておきましょう。また、のれんに関しても課税資産とみなされるため、消費税の対象となる点に注意が必要です。
まとまった資金が必要になる
事業を譲り受ける側は、事業を買い取るために初期コストとしてまとまった資金が必要となります。さらに買収資金だけではなく、前述した消費税などの支払いも行わなければいけないためトータルで掛かる資金を事前に確認しておきましょう。
また、事業を引き継いだ後も運営していくための人件費や管理費などが掛かる可能性があります。それらの資金も考慮した上で、先を見据えた計画的な事業譲渡を行うことが重要です。
M&Aにおける事業譲渡の手続きの流れ
事業譲渡を行う際は、さまざまな手順を踏んで手続きを進めていきます。ここでは、事業譲渡を行う側の目線で手続きの流れを解説します。
事業譲渡を行う際の主な手順は以下のとおりです。
- 事業譲渡の準備を行う
- 譲渡先の企業を探す
- 譲渡先の企業との交渉を行う
- 基本合意契約を結ぶ
- デューデリジェンスを行う
- 事業譲渡契約を結ぶ
一つずつ手順を確認していきましょう。
手順1:事業譲渡の準備を行う
まずは、事業譲渡を行うに当たって、どのような企業に引き継ぐかを決める必要があります。その際に、譲受側の企業が事業の内容を検討しやすいように、三期分の決算書などを事前に準備しておくとスムーズに手続きができるでしょう。
また、企業評価なども実施しておくことも重要です。企業評価のやり方はコストアプローチとインカムアプローチの主に2つの方法があります。それぞれの違いは以下のとおりです。
- コストアプローチ:企業の貸借対照表に記載されている資産や負債を基準にして、企業価値を算出する方法
- インカムアプローチ:企業が生み出している収益を基準にして企業価値を算出する方法
事業譲渡の場合は株式譲渡とは異なり、包括的な譲渡ではないため、会社全体の企業価値ではなく譲渡する事業にフォーカスした企業価値を算出するとよいでしょう。
手順2:譲渡先の企業を探す
続いて、譲渡側の企業は譲渡先を探さなければいけません。ただし、どこでもよいわけではなく、自社の事業促進と目的を達成してもらえる企業を選ぶ必要があります。
その際に、M&Aに関する資格を持ったアドバイザーと契約すると、円滑に手続きを進められるでしょう。アドバイザーと契約する際は契約費用や成果報酬などを支払わなければいけませんが、専門的な目線から具体的な戦略やスケジュール管理などを行ってもらえるメリットもあります。情報漏洩や機密保持の観点からも安心して任せられる可能性があるため、事業譲渡を成功させるための必要経費として捉えることも重要です。
手順3:譲渡先の企業との交渉を行う
譲渡先の企業が決まったら、その企業と交渉に入ります。主に従業員や取引先関係の契約事項、譲渡する価格、スケジュールの交渉などが挙げられます。この段階でも必要に応じて、M&Aアドバイザーや仲介業者を挟んで交渉を行うと、スムーズに手続きできるでしょう。
また、その交渉の過程では、お互いの企業のトップ同士による面談が実施され、経営方針や譲渡する事業内容の確認などを行い、関係構築を図ります。
手順4:基本合意契約を結ぶ
お互いの企業のトップ面談や交渉がまとまったら、基本合意書締結(MOU)を行います。基本合意書締結とは、これからM&Aにおける事業譲渡を行うことを書面で契約を交わす行為です。
ただし、この書面は完全な事業譲渡を行う確認書のような扱いとなるため、法的な拘束力は持たない点に注意しましょう。
手順5:デューデリジェンスが行われる
基本合意契約が済んだら、デューデリジェンスが行われます。デューデリジェンスとは、譲受側の企業が譲渡側の企業に対して行うもので、書面だけでは不明確な事業の実態を調査して正しい価値を査定する重要な行為です。
不動産や設備などの有形資産から、スキルやのれんなどの目に見えない無形資産まで対象となっています。法的な問題がないかなどの細かいチェックまで行うため、より正確な企業価値を割り出せます。
手順6:事業譲渡契約を結ぶ
デューデリジェンスが行われ、それぞれの会社の取締役会議で事業譲渡の承認が得られれば、事業譲渡契約を結びます。契約書に関しては、譲渡する事業内容や対価、譲渡する日にち、競業の禁止義務、従業員や取引先の契約の引き継ぎ事項などを記載します。
事業譲渡契約を結ぶ際は、内容に不備が発生してトラブルにならないように、専門家からの助言やサポートのもとで手続きを進めるとよいでしょう。
事業譲渡を行う際の注意点
事業譲渡を円滑に進められるように、注意点も把握しておくことが重要です。ここでは、事業譲渡を行う際の注意点を4つご紹介します。
早めに事業譲渡の準備を行う
事業譲渡では、引き継ぐ会社を探すところから、契約の締結までさまざまな手続きを行わなければいけません。そのため、早くても数カ月の期間を要し、譲渡先がなかなか見つからなかったり、交渉がうまくまとまらなかったりした場合は、1年以上の期間が掛かるケースもあるようです。
もし事業譲渡を検討している場合は、なるべく余裕を持って早めの準備を行うとよいでしょう。また、手続きが難航していて思うように進まない場合は、M&A専門の仲介業者やアドバイザーなどと契約をしてサポートしてもらうとスムーズに手続きを行える可能性もあります。
事業譲渡する際の従業員への影響を考慮する
事業譲渡ではこれまでと職場環境が変わるため、従業員によっては不安に思う方もいるでしょう。譲受側の企業に滞りなく移籍してほしいと考えていても、従業員側に拒否されたり、辞められてしまうリスクもあります。特に給料に関わる部分や待遇面は、譲受側の企業に転籍しても変更しない対策をとるなどして、なるべく従業員がストレスなく転籍できるようにサポートをしてあげることも重要です。
もし、事業譲渡前に従業員がたくさん辞めてしまうと、譲受側の企業に負担が掛かり、トラブルに発展してしまうリスクも考えられます。事業譲渡をする際は、転籍前に必ず納得してもらえるように、事業譲渡を行う理由や契約面の説明を慎重に行いましょう。
個人事業主の事業譲渡は法人とはやり方が異なる
法人格ではない個人事業主の方でも事業譲渡は可能ですが、法人の場合と手続き方法が異なるため、注意が必要です。
事業を譲渡する側の方は、個人事業主を廃業する手続きが必要となるため、まずは廃業届を税務署か都道府県税事務所に提出しなければいけません。また、必要に応じて青色申告の取りやめ届出書や、事業廃止届などの提出も必要です。
また、事業を譲り受ける側の方も個人事業主の場合は、開業届や青色申告書などを税務署に提出しなければいけません。譲渡先が法人の場合は、基本的には個人の場合と同じですが、企業同士の事業譲渡の際にも行った事業譲渡契約書を結ぶ必要があります。後々のトラブルに発展しないように、契約内容に関しては専門家を挟んで進めることをおすすめします。
無償の事業譲渡でも税金は発生する
事業譲渡の際は、譲渡側の事業に対する対価を支払ってもらう有償の事業譲渡が一般的ですが、無償で事業譲渡が行われるケースもあります。主に親子や親族間での場合が当てはまります。
注意点は、事業譲渡が無償で行われて譲渡益などが発生していないからといって、税金が掛からないわけではないことです。ただし、個人か法人、譲渡側か譲受側かによって掛かる税金の種類が異なります。
それぞれのパターンで掛かる可能性のある税金の種類は、以下のとおりです。
譲渡パターン | 税金 | |
譲渡側 | 譲受側 | |
個人から個人への譲渡 | 税金なし | 贈与税 |
個人から法人への譲渡 | みなし所得税 | 法人税 |
法人から個人への譲渡 | 法人税 | 給与所得(雇用関係がある場合)一時所得(雇用関係がない場合) |
法人から法人への譲渡 | 法人税 | 法人税 |
無償での事業譲渡の場合は、主に贈与税・所得税・法人税の3つが課されます。有償の事業譲渡の際に掛かっていた消費税は税務上、寄付金や贈与などに当たるため、無償の事業譲渡には原則消費税は掛かりません。
M&Aにおける事業譲渡の成功例
実際にM&Aにおける事業譲渡を行って、事業の伸長や業績の回復に至った事例を3つご紹介します。
株式会社ソトハ
事業譲渡を受ける前の事業としては、主に女性のための髪の毛やまつ毛、ムダ毛などのサービスのみで、スキンケアやボディケアなどに対するサービスがなく、サービスの充実度に課題がありました。その際に、とある赤字経営で悩んでいたエステサロンから事業譲渡の打診があり、デューデリジェンスを行った上で、既存のサービスとの親和性を加味し事業譲渡に至っています。
事業を承継したことでサービスの充実度が増し、顧客満足度の向上につながっています。また、客単価のアップにつながったり、美容室の既存の顧客をエステサロンにも送客できたりと、相乗効果も得られているようです。
オージージャパン株式会社
オージージャパン株式会社は、着用しなくなった着物を家具や小物に作り変えて販売をしている会社です。元々、被承継者とは桐箱制作を通じて以前から関係がありましたが、その制作技術を残すために、被承継者には従業員として会社に所属してもらい、被承継者が所有している工場や土地、機械などを買い受ける内容で事業譲渡に至っています。
その結果、これまで自社になかった桐箱の新しい制作技術を取得でき、オリジナル商品の開発や販路拡大につながっています。今後の展望としては、次世代のニーズによりマッチした商品開発とSNSによる情報発信で、さらなる売上の向上を目指してくようです。
ハート動物クリニック
ハート動物クリニックは、犬や猫などの診療から、鳥やうさぎ、ハリネズミ、ハムスターなどのエキゾチックアニマルの診療までを行っている動物病院です。事業譲渡前は診療スペース拡大やエキゾチックアニマルの診療における強みを活かしたサービスを模索中でした。その際に、近隣の動物病院が廃業となることを聞きつけ、被承継者との話し合いの結果、さらなる診療サービスの拡大と充実を目的に事業譲渡に至っています。
事業譲渡後は病院の改築を行い、より多くの診療が対応可能になったことや、被承継者が行っていた診療のノウハウも引き継ぎ、診療レベルの向上にもつながっています。今後は、同県でもめずらしいエキゾチックアニマルの専門病院として、優秀な獣医師の採用にも力を入れていく予定のようです。
M&Aにおける事業譲渡を活用すれば経営基盤の安定や成長につなげられる
事業譲渡はM&Aの手法の1つであり、うまく活用すれば譲渡側と譲受側の事業の安定やさらなる成長につなげられる可能性があります。譲渡側にとっては、不要の事業を切り離すことで既存の事業に集中できます。譲受側では、シナジー効果が高い事業を承継できれば、既存の事業をさらに伸長させられるでしょう。
ただし、事業譲渡を行う上で準備に時間を要したり、従業員への配慮したりする必要があります。手続きも複雑なものが多く専門性を問われる場面もあるため、手続きが難航する場合は、M&Aの仲介業者やアドバイザーにサポートしてもらうと円滑に進められるでしょう。企業の事業成長のために、事業譲渡以外のM&Aの方法も考慮しながら検討してみてください。
大手&上場しているM&A仲介会社 比較10選
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会社名 | 特徴 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
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株式会社日本M&Aセンター |
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相談:無料 着手金:有 報酬:レーマン方式 |
事前コンサルティング M&Aサービス~戦略立案~ M&Aサービス~マッチング~ アフターサービス |
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社 |
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相談:無料 着手金:無料 報酬:株価レーマン方式 |
譲渡売却 譲受買収 企業評価 M&Aマッチングサービス |
株式会社ストライク |
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相談:無料 着手金:無料 報酬:レーマン方式 |
成長加速型M&Aコンサルティング 事業承継型M&Aコンサルティング 経営支援コンサルティング |
株式会社M&A総合研究所 |
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年間問い合わせ5,000件以上 譲渡企業様は着手金中間金無料の完全成功報酬制 東証上場の信頼とM&A支援の豊富な実績 最短49日のスピード成約 AIマッチングシステムの活用 |
M&A仲介 事業譲渡 AIマッチングシステム 資料事業計画書の作成 面談指導 |
名南M&A株式会社 |
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譲渡企業報酬体系 着手金(アドバイザリー契約締結時): 5億円以下 66万円 5億円超~20億円以下 110万円 20億円超 220万円 成功報酬(クロージング時): 5億円以下の部分 5.5% 5億円超~10億円以下の部分 4.4% 10億円超~50億円以下の部分 3.3% 50億円超~100億円以下の部分 2.2% 100億円超の部分 1.1% (最低報酬1,100万円) 譲受企業報酬体系 情報提供料(アドバイザリー契約締結時): 10億円以下 66万円 10億円超~50億円以下 110万円 50億円超 220万円 成功報酬(クロージング時): 5億円以下の部分 5.5% 5億円超~10億円以下の部分 4.4% 10億円超~50億円以下の部分 3.3% 50億円超~100億円以下の部分 2.2% 100億円超の部分 1.1% (最低報酬1,100万円) |
事業承継 譲渡 譲受 |
株式会社オンデック |
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要お問い合わせ |
事業承継型M&A イグジット型M&A MBO支援 ターゲット選定 簡易企業評価 |
株式会社ペアキャピタル |
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着手金:なし 中間報酬:手数料の10% 成約時:残りの90% |
M&Aアドバイザリー 事業承継コンサルティング 業務提携コンサルティング 企業再生支援 資本政策経営計画コンサルティング 資産運用コンサルティング |
セレンディップホールディングス株式会社 |
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- |
事業承継支援事業 経営コンサルティング事業 M&Aアドバイザリー事業 企業再生支援事業 コーポレートアドバイザリー事業 プロ経営者派遣事業 その他付帯する事業 |
ブティックス株式会社 |
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着手金:なし 最低手数料:100万円 報酬:レーマン方式 |
展示会事業 M&A仲介事業 人材採用支援事業 |
株式会社スピカコンサルティング |
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着手金:なし 成功時の報酬:成功時の報酬は、譲渡対価に対して計算される 譲渡オーナーは完全成功報酬 |
完全業界特化型M&A仲介 バリューアップコンサル |
大手企業傘下&上場企業傘下M&A仲介会社 比較11選
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会社名 | 特徴 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
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株式会社M&Aサクシード |
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中間手数料:無し 譲渡対価の5%~ 詳細については要お問い合わせ |
M&Aマッチングサービス 譲渡・譲受の仲介 |
株式会社Innovation M&A Partners |
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着手金:なし 中間手数料:なし 完全成功報酬型 |
M&Aサービス 初期コンサルティング 簡易株価算定 アドバイザリー契約締結 企業概要書(IM)の作成 経営者同士の面談のセッティング デューデリジェンス 条件交渉 最終契約締結 株式譲渡や資産の移管等を実施(クロージング) |
ABNアドバイザーズ株式会社 |
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着手金:原則無料 成功報酬型:取引金額に対するレーマン方式 |
M&A総合アドバイザリー業務 M&A仲介事業 事業成長戦略、事業承継戦略、事業再建戦略等の立案助言および実行サポート M&A戦略立案、検討、実行に係るアドバイザリー PMI戦略のサポート その他経営全般に係る助言サポート |
信金キャピタル株式会社 |
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着手金:なし 取引金額に応じた完全成功報酬制 |
M&A仲介 投資育成 |
株式会社DYM M&Aコンサルティング |
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M&A事業 投資育成事業 |
株式会社マイナビM&A |
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着手金:なし 手数料:株式価値に応じて手数料率を乗じ金額を算定 成功報酬制 |
M&Aに関する仲介、斡旋、コンサルティングおよび アドバイザリー業務 |
レバレジーズM&Aアドバイザリー株式会社 |
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成功報酬型:レーマン方式 |
M&Aアドバイザリー 企業評価の実施 資本政策経営計画コンサルティング |
エムレイス株式会社 |
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着手金:無料 アドバイザリー手数料:無料 中間報酬:基本合意契約締結時に200万円(消費税別) 最終報酬:取引金額に応じて定められた成功報酬を頂戴致します。 (レーマン方式により算出) |
M&A支援事業(M&A仲介、M&Aアドバイザリー業務) スカウト型M&A 事業承継サポート 後継者スカウト PMI(経営統合)サポート 企業価値評価 |
株式会社MJS M&Aパートナーズ |
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着手金:あり 成功報酬:レーマン方式 |
中小企業の事業承継事業再生等に関するサポート事業 税理士をはじめとする士業の事業承継支援事業 |
M&A BASE 株式会社 |
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着手金:なし 成果報酬型 |
M&Aアドバイザリー事業 サーチファンド事業 サーチファンド設立の目的、5つの強み、チームメンバー、サーチャーを紹介 |
株式会社ウィット |
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着手金:なし 完全成功報酬型 |
M&A仲介事業 |
中小企業向けM&A仲介会社 比較15選
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会社名 | 特徴 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
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株式会社M&Aコンサルティング |
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相談:無料 着手:無料 成功報酬:レーマン方式(M&A成立時) |
スケール型M&A 事業承継支援 不動産M&A |
株式会社M&Aベストパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 手数料率:5% |
中堅中小企業におけるM&A仲介 |
株式会社fundbook |
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相談:無料 着手金:無料 成功報酬:レーマン方式 |
譲渡サービス 譲受サービス |
株式会社CBパートナーズ |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬 |
M&A仲介事業 医療介護福祉業界M&A支援サービス 医師開業支援サービス |
インテグループ株式会社 |
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相談:無料 成功報酬:5億円以下の部分 5% 5億円超~10億円以下の部分 4% 10億円超~50億円以下の部分 3% 50億円超~100億円以下の部分 2% 100億円超の部分 1% (最低額1,500万円) |
M&A仲介アドバイザリー ディールファインディングサービス(買い手企業向け案件発掘サービス) MBO支援 |
株式会社経営承継支援 |
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着手金:なし 成功報酬型:基本合意時 100万円 最終契約締結時 :合計から100万円を控除した残額 |
中堅中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務 中堅中小企業の継続発展に資するM&A仲介助言業務 |
株式会社M&A DX |
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企業提携に関する仲介 企業提携に関するファイナンシャルアドバイザリー(FA) セカンドオピニオン(第三者視点のM&Aアドバイス) 財務税務調査業務(DD) 株式価値算定(Valuation) PMI(Post Merger Integration)支援 PPA(Purchase Price Allocation)支援 MBO(Management Buy Out)支援 CVC(Corporate Venture Capital)運営支援 スナイパーサービス(M&A戦略立案投資候補先開拓) 不正調査 相続相続税対策支援 富裕層向け財産サービス 資本政策策定支援 ストックオプション構築算定支援 組織再編プランニング実行支援 |
Growthix Capital株式会社 |
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基本合意の締結時:手数料の10% 受諾と決済時(クロージング):支払い:残額全て |
アドバイザリー契約の締結 M&A戦略の立案 対象企業へアプローチ 価格の条件交渉 基本合意の締結 買収監査(デューデリジェンス) 売買契約の締結 受諾と決済(クロージング) |
Byside株式会社 |
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着手金:なし 完全成功報酬型の手数料体系 |
M&Aアドバイザリー(FA業務) M&A仲介事業 |
M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 完全成功報酬型 |
M&A仲介事業 M&Aアドバイザリーサービス(譲渡売却) セカンドオピニオンサービス MALAパートナープログラム |
株式会社NEWOLD CAPITAL |
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着手金:なし 中間報酬:あり 成功報酬型 |
M&A仲介及びM&Aアドバイザリー事業 経営、プロフェッショナル人材の紹介事業 M&A業務及びM&A関連人材の教育研修事業 |
株式会社 M&Aフォース |
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成約時に手数料の100% 成功報酬の一部を着手金中間報酬として頂戴する場合あり |
事業承継診断 成⻑戦略コンサルティング 提携仲介契約締結 企業概要書作成 マネジメントインタビュー 財務/ビジネス分析 株価/企業価値算定 会社の雰囲気調査 マッチング 候補企業への提案 トップ⾯談 基本合意契約 買収監査 会計/法務監査 最終契約成約 |
ゴエンキャピタル株式会社 |
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着手金:なし 中間報酬:なし 成功報酬型:譲渡価格の5% |
M&Aコンサルティング事業 PMIコンサルティング事業 プライベートエクイティファンドの運営 |
株式会社クラリスキャピタル |
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着手金なし 成功報酬のみで200万円から |
M&A仲介アドバイザリー事業 |
株式会社INNOVATION LEADERS |
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手数料 0円 中間手数料:報酬の10% 報酬(残りの90%) |
M&A仲介事業 |
業界特化 おすすめM&A仲介会社 15選
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会社名 | 特徴 | 手数料体系 | サービス対応範囲 |
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株式会社ウィルゲート |
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完全成功報酬型 着手金・中間手数料なし |
M&A仲介事業 |
株式会社パラダイムシフト |
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M&Aアドバイザリー CVC運営支援 事業開発 金融イノベーション |
株式会社エイスリー |
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着手金:なし |
アドバイザリー契約の締結 M&Aの戦略立案 M&Aサービス -マッチング- 買手候補を一社選定 成約クロージング |
xxx(エイジィ)株式会社 |
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成功報酬:レーマン方式(※成功報酬の最低額は1,000万円) |
簡易審査個別相談 M&Aスキームのご提案 必要書類の準備 買手候補の選定 買手候補への提案 面談設定 条件交渉成約 PMI(M&A後の更なる企業価値向上、成長支援策の提案) |
株式会社エムズ |
|
- |
秘密保持契約の締結 M&A事業承継の可能性の検討 提携仲介契約の締結 具体的資料の提出/法人の評価額の算定 マッチング 譲渡価格などの条件交渉 基本合意契約の締結 買収監査の実施 最終条件交渉と譲渡契約の締結 クロージング対価の授受 |
株式会社シードコンサルティング |
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- |
中小企業への財務力強化、資金調達、コスト削減、経営全般に関するコンサルティング業 相続事業承継に関するコンサルティング業務 建設業特化型スモールM&Aアドバイザリー仲介業務、M&Aに関する調査コンサルティング業務 生命保険、損害保険代理店業務、各種金融商品、生命保険の活用法、資産運用、資産防衛に関するコンサルティング業務 |
株式会社 バシラックス |
|
売り手手数料 0円~ 書いて手数料 200万円~ 面談、基本合意手数料 0円~ |
条件交渉 TOP面談 契約締結 買収監査(デューデリジェンス) クロージング |
MACアドバイザリー株式会社 |
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原則有料(完全成功報酬型) 着手金:なし 中間金:なし |
調剤薬局ドラッグストア専門M&Aアドバイザリー 仲介事業企業再生再編支援コンサルティング業務 企業経営調剤薬局の運営に関するコンサルティング業務 薬価差の改善業務 |
株式会社アウナラ |
|
完全成果報酬型 仲介手数料200万円~ |
M&A仲介 薬剤師様独立支援 ドクター誘致支援 人材紹介事業 |
株式会社希望の星 |
|
- |
清掃経営(支援)コンサルティング 清掃独立開業支援 清掃業M&A 清掃技術研修 |
早稲田M&Aパートナーズ株式会社 |
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初期相談料:無料 営業提案活動費:無料 着手金:無料 面談設定費:無料 完全成功報酬型 |
ベンチャー企業のM&A(株式譲渡売却資本提携事業譲渡等)の仲介業務 ベンチャー企業の資金調達支援及びファイナンシャルアドバイザリー業務 ベンチャー企業の株式価値算定及びデューデリジェンス業務 ベンチャー企業の経営コンサルティング業務 |
株式会社コルウスパートナーズ |
|
国内最大級のネットワークを活用し信頼性の高いマッチングを実現 完全成功報酬制+業界最安値水準の料金体系 専門コンサルタントによる安心のサポート |
M&AアドバイザリーM&A仲介 経営コンサルティング PMIコンサルティング その他、上記に付帯する業務 |
株式会社エクステンド |
|
着手金:なし 中間金:なし 成功報酬型:レーマン方式 |
お問い合わせヒアリング 提案 マッチング先の選定紹介 トップ面談 |
株式会社エスエムエス |
|
着手金:なし 中間報酬:なし 成約基本料 100万円 成功報酬型:レーマン方式 |
マッチング トップ面談 基本合意 デューデリジェンス(リスク調査) 最終合意 |
株式会社M&A Properties |
|
着手金:なし 中間報酬:なし 成功報酬型 |
ヒアリング初回面談 個別案件の初期検討 及び 意向表明書の提出 懸念点などのすり合わせ及び解消 投資回収シミュレーション 現地視察 デューディリジェンスのサポート 譲渡契約書の締結サポート クロージングのサポート |