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更新日:2024/07/01 

前職調査とは? メリットや違法になるのか、リファレンスチェックとの違いについて解説

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

採用活動の一環として、前職調査の実施を検討している企業も多いのではないでしょうか。前職調査を実施すれば、採用候補者の職務経験に虚偽や間違いがないかを確認できます。過去に問題となる行動がなかったかも調べられるため、採用後のリスクを減らすことが可能です。ただし前職調査は、やり方によっては違法になるケースもあります。厚生労働省のガイドラインや、個人情報保護法のルールを守り、正しい方法で前職調査を実施しましょう。

本記事では、前職調査を行うメリットや注意点、外資系企業に多いリファレンスチェックとの違いなどについて解説します。企業の人事担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

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前職調査を行う2つのメリット

前職調査(バックグラウンド調査)とは、採用候補者の過去の勤務先に聞き取り調査を行い、履歴書や職務経歴書の内容に間違いがないかを確認する調査のことです。採用活動において、前職調査を実施するメリットは主に以下の2つがあります。

  • 採用候補者が経歴を詐称していないか確認できる
  • 問題のある人物を採用前に見分けられる

ここからはそれぞれのメリットの詳細について見ていきましょう。

採用候補者が経歴詐称していないか確認できる

1つ目のメリットは、採用候補者が経歴を詐称していないかを確認できるという点です。

前職調査では、採用候補者の過去の勤務先への聞き取り調査や、インターネット上の情報などから、以下のような点を調査します。

  • 採用候補者の勤務実態があるか
  • 採用候補者の学歴や職歴に偽りがないか
  • 採用候補者が過去に問題行動を起こしていないか など

こうした情報と履歴書や職務経歴書を比較することで、採用候補者が経歴を正しく申告しているかを確認できます。書類選考や面接とは異なる客観的な情報源から、採用候補者を適切に評価できるのが前職調査のメリットです。

問題のある人物を採用前に見分けられる

2つ目のメリットは、問題のある人物を採用前に見分けられるという点です。

金融業界や警備業界など一部の業界では、採用候補者が起こした過去のトラブルについて、採用時に調査する場合があります。例えば警備業界の場合、過去5年以内に罰金刑などの執行を受けた人や、暴力団との関わりがある人は、警備業法における欠格事由に該当するため、働くことができません。

そのため前職調査では、調査機関や信用機関に依頼し、採用候補者の犯歴(犯罪歴)や金銭トラブルとの有無、反社会勢力とのつながりなどの調査も行います。問題のある人物が入社しないようにするため、事前にスクリーニング(ふるい分け)を行うのも前職調査の大切な役割の一つです。

前職調査は違法?実施する際の注意点を解説

日本には、採用前の前職調査を禁止している法律はありません。しかし、前職調査は正しいやり方で行わないと違法になる可能性があります。

ここからは、前職調査を実施する際の注意点を2つご紹介します。

  • 個人情報を取得する際に採用候補者の同意が必要となる
  • 前職調査後に内定を取り消すと違法になるケースがある

個人情報を取得する際には採用候補者の同意が必要

前職調査を行う場合は、採用候補者の個人情報の取り扱いに注意しましょう。採用候補者の許可なく前職調査を行うと、個人情報保護法に違反し、罰則を科される可能性があります。

また採用候補者のプライバシーや思想信条に関わる事柄など、採用活動とは関係のない情報を入手しないようにしましょう。厚生労働省が作成したガイドライン(公正な採用選考の基本)でも、採用選考時に以下のような情報を取得すると、就職差別につながるとして注意喚起が行われています(※)。

採用選考時に配慮すべき事項
本人に責任のない事項の把握本籍・出生地に関すること
家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
生活環境・家庭環境などに関すること
本来自由であるべき事項の把握宗教に関すること
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人生観、生活信条などに関すること
尊敬する人物に関すること
思想に関すること
労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

前職調査は、必ず同意を得てから前職調査を行いましょう。

※参考:厚生労働省.「公正な採用選考の基本」.“(3)採用選考時に配慮すべき事項”.https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm,(2024-06-03).

前職調査後に内定を取り消すと違法になるケースがある

前職調査を行った後で採用候補者の内定を取り消す場合は、違法な解雇にならないように注意しなければなりません。

労働契約法では、採用候補者に内定を出した場合、事実上雇用契約を結んだものと見なされます。内定者を解雇する合理的な理由がなく、かつ解雇理由が社会通念上妥当と認められない場合は、前職調査で問題が見つかっても内定を取り消せません(※)。

前職調査後に内定取り消しが認められるのは、例えば以下のようなケースです。

  • 採用候補者が学歴や職歴を詐称していた場合
  • 採用候補者が犯罪歴を隠匿していた場合
  • 採用候補者に反社会勢力とのつながりがあることが発覚していた場合

一度内定を出してしまうと、前職調査を理由として内定を取り消すのは難しくなります。前職調査は、なるべく内定を出す前のタイミングで実施するようにしましょう。

※参考:e-Gov法令検索.「労働契約法」.“第16条”.https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=419AC0000000128,(2024-06-04).

前職調査とリファレンスチェックの違い

前職調査と混同されやすいのが、リファレンスチェックです。リファレンスチェックとは、主に欧米の企業で広く行われている調査で、採用候補者と一緒に働いていた第三者から採用候補者のスキルや人物像をヒアリングすることを目的としています。

前職調査とリファレンスチェックの違いは、主に以下の通りです。

前職調査リファレンスチェック
目的問題のある人物をスクリーニングする採用ミスマッチを防止する
調査内容
経歴詐称の有無
犯罪歴
過去の金銭トラブル
反社会勢力とのつながりなど
スキル
人物像
勤務態度
調査対象企業が選んだ前職の関係者採用候補者が選んだ前職の関係者(上司や同僚、取引先など)

リファレンスチェックの特徴は、採用候補者が自ら推薦者を選べるケースが多いという点です。企業側は推薦者にヒアリングやインタビューを行い、採用候補者を評価します。そのためリファレンスチェックは、前職調査よりも採用候補者にとっての心理的ハードルが低いという強みがあります。

またリファレンスチェックの主な目的は、採用候補者のスキルや人物像、勤務態度などを、書類選考や面接とは異なる視点から評価することです。リファレンスチェックを実施することで、採用候補者の人となりへの理解を深め、採用のミスマッチ(採用後のニーズや価値観のズレ)を防ぐことが可能です。

近年は外資系企業だけでなく、日本企業でリファレンスチェックを実施する例も増えてきました。リファレンスチェックを実施し、採用面接とのダブルチェックによって、採用候補者の人となりを正確に評価するのもよいでしょう。

前職調査やリファレンスチェックを実施し、採用リスクやミスマッチを防ごう

前職調査とは、採用候補者の過去の勤務先について調べ、履歴書や職務経歴書の内容に間違いがないかを確認する調査です。前職調査には、採用候補者の金銭トラブルの有無や犯罪歴などを確認し、問題のある人物を選別するという側面もあります。

ただし個人情報保護の観点から、前職調査を実施する企業は減少傾向にあります。前職調査に代わって導入する企業が増加傾向にあるのが、採用候補者のスキルや人物像を確認することを目的としたリファレンスチェックです。

リファレンスチェックを検討している場合は、リファレンスチェックツールを利用しましょう。リファレンスチェックツールなら、推薦者とのやり取りから採用候補者の分析まで効率的に行えます。

なお、リファレンスチェックツールにはさまざまな種類があるため、特徴や料金、実績などを確認して自社のニーズや課題に合ったものを選びましょう。

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