
フォーマットしてしまったSSDからデータを復元する方法

【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕
SSD(ソリッドステートドライブ)は高速性能と耐衝撃性で人気を集めていますが、一度フォーマットや消去をしてしまうと、データの復元はHDDに比べて格段に難しくなります。
以下では、SSDからデータを取り戻すのが難しい理由と、具体的な手順を詳しく説明します。大切なデータを救出したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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なぜSSDからデータを復元するのが難しいのか
以下では、まず「なぜSSDからのデータ復元が難しいのか」を表形式で解説します。
原因 | 詳細 |
フラッシュメモリの特性 | – SSDはフラッシュメモリを使用しており、削除済みセクタがすぐに再利用される(ガベージコレクション)- OSのトリムコマンドなどにより上書きリスクが高く、復旧困難 |
ウェアレベリング | – データの書き込みを均等に行うため、物理的な書き込み位置を頻繁に変更- ファイルシステム上の位置と実際のNANDセル位置が乖離するため、データ追跡が難しい |
論理的なデータ配置 | – SSDのコントローラは独自のロジックでデータを振り分ける- コントローラが故障するとアクセス不能になり、物理的にも読み取りが困難 |
データ消去の方法 | – SSDのフォーマットやTRIMはブロック単位でデータを即座に無効化- 「削除済み領域」をすぐに再利用するため、復元を試みる頃には上書きが進んでいることが多い |
復旧率の低さ | – HDDに比べてSSDの復元成功率が著しく低い- 構造の複雑さやガベージコレクションの影響で、一度上書きされると取り返しのつかないデータが増える |
なかでも重要なデータや仕事に欠かせないファイルが保存されたSSDが故障した場合は、無理に自分で直そうとせず、専門業者に依頼するのが最善の選択です。特に物理的なトラブルが疑われる場合、SSD特有の複雑な仕組みや専用設備が必要になるため、プロの手に任せる方が安心です。
フォーマットしてしまったSSDからのデータ復元方法
フォーマットしてしまったSSDからのデータ復元方法は主に次の通りです。
データ復旧ソフトを使用する
市販のデータ復旧ソフトやフリーソフトを利用する方法です。操作性が高く、簡単な手順でスキャンから復旧まで行えるものが増えています。ただし、SSDの特性上、フォーマット後に大きく上書きが進んでいる場合や物理障害が疑われる場合には効果が薄いことがあるため、以下のポイントを踏まえて慎重に行いましょう。
- 対応フォーマット・ファイル形式を事前に確認
- ソフトウェアによって対応するファイルシステム(NTFS、exFAT、FAT32など)やファイル形式が異なる
- SSD特有のTrimコマンド下でもスキャン可能か、公式サイトの説明やレビューをチェック
- インストール先ドライブに注意
- ソフトをSSD上にインストールすると、復旧したい領域にさらに上書きするリスクがある
- 別のPCや別ドライブから起動するか、USBメモリなどにソフトを入れて起動するのが望ましい
- スキャン後の保存場所に気を配る
- 復旧したデータは必ず別のストレージへ保存し、SSD上には書き戻さない
- 十分な空き容量を持つ外付けHDDやNASなどがベター
- 使用を避けるケース
- フォーマット後にSSDに長時間アクセスしていた(ゲーム・動画編集など大きな書き込み)
- 物理的な異音やマウントエラーが頻発し、ハードウェア障害が疑われる
- 再フォーマット(複数回のフォーマット)や上書きが重なる操作を実行している
Windows File Recoveryを使用する
Microsoftが提供する無料のコマンドラインツール「Windows File Recovery」を利用する方法です。Windows 10バージョン2004以降で使用可能で、SSDからのデータ復旧にも対応しています。ただ、コマンドライン操作が必要なため、ある程度の知識が求められます。
- Microsoft Storeを開き、「Windows File Recovery」を検索
- アプリをインストールし、準備完了
- スタートメニューから「コマンドプロンプト」を検索
- 右クリックで「管理者として実行」を選択
- Cドライブの「Pictures」フォルダからJPGファイルをEドライブへ復元する場合は「winfr C: E: /regular /n \Users\<ユーザー名>\Pictures\*.jpg」と入力します。(source-drive: は復元元、destination-drive: は復元先です)
- 復元先ドライブに「Recovery_<日付時刻>」フォルダが作成され、そこにファイルが格納されます。
コマンドラインに慣れていれば、Windows File RecoveryでSSDからデータを取り戻せる可能性があります。ただし、物理障害や大きな上書きが発生している場合は、復元率が低下するため注意が必要です。
データ復旧業者に依頼する
重要なデータやビジネスに直結するファイルが含まれている場合や、SSD自体に物理障害が疑われる場合は、自己復旧より専門家に任せるのが賢明です。SSD特有のウェアレベリングやコントローラチップに関する知識、必要な設備が不可欠なため、以下の点も理解しておきましょう。
- 専門業者の技術的メリット
- クリーンルームでの物理障害ディスク分解やNAND素子の直接読み取りなど、一般ユーザーには不可能な作業が可能
- 特殊チップのファームウェア解析やSSDコントローラの内部構造に精通し、複雑な障害に対応
- 費用や期間に注意
- 物理障害やコントローラ故障を伴うケースは、数万円から数十万円かかることも
- 復旧期間は障害の程度やディスク容量によって異なり、数日から数週間と長期になる場合もある
- 相談時の心構え
- 発生時の状況やエラーメッセージ、フォーマット実行の経緯を正確に伝える
- 安易に自己対処や分解を試みるほど、専門家の復旧作業の難易度が上がる場合が多い
- 複数業者から見積もりを取り、実績・費用・納期などを比較検討するのも一つの手
注意点
操作を最小限に抑える
SSDは一度フォーマット・削除された領域が高速に再利用されるため、OSやアプリの起動で上書きが進む場合が多いです。できるだけ電源を落とし、通電時間や書き込みを減らしましょう。
物理障害の疑いがある場合は操作を控える
「フォーマットする必要があります」と頻繁に出る、SSDが認識・マウントしづらい、コントローラに関するエラー等が見られる場合は物理故障の可能性があります。
すぐに電源を切り、業者に相談するほうが良い結果につながりやすい
自己復旧のリスクを確認する
一度でも復旧を失敗すれば、SSDの内部構造を深刻に傷つけてしまうリスクが跳ね上がります。重要なデータや業務で使うデータなら、無理に自力で回復を試みるより、最初からプロに任せたほうが結果的に費用を抑えられることが多いでしょう。
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まとめ
フォーマット後のSSDからデータを救出するのは、HDDと比べてはるかに難易度が高いとされています。ウェアレベリングやTRIMなどの技術によって、削除データの上書きが進みやすく、いざ復旧を試みるころには既に多くのデータが取り戻せない状態になっていることも少なくありません。
それでも復旧を試みる場合は、データ復旧ソフトを用いたスキャンやWindows File Recoveryなどのコマンドラインツールを活用できますが、操作を誤れば成功率が著しく低下します。大切なデータであれば、物理障害やコントローラ破損の有無にかかわらず、早期に専門業者へ依頼することが安全で確実です。
最も重要なのは、定期的なバックアップを行うことです。SSDの高速性や利便性を享受しつつも、予期せぬトラブル時に備えて、別媒体へのバックアップ体制を整えておくことが、データを守る最善策といえます。