m.2 SSDのデータが消えた？安全な取り出し方法と復旧手順を解説
【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕
突然パソコンが起動しなくなり、「M.2 SSDが認識されていない」と気づいたとき、一番に頭をよぎるのは「中のデータは無事なのか？」という不安ではないでしょうか？
- BIOS上でM.2 SSDが表示されない
- OSが起動せず、ストレージにアクセスできない
- 別のPCに接続しても認識されない
このような症状は、接触不良や論理障害、最悪の場合は物理故障が原因で発生します。
本記事では、M.2 SSDの状態ごとにデータを安全に取り出すための具体的な方法と、対応時の注意点をわかりやすく解説しています。
大切なデータを守るためにも、あわてず正しい手順を踏むことが重要です。自力での復旧が難しいと感じた場合は、無料診断を提供する専門業者への相談も検討してみてください。
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M.2 SSDからデータが取り出せない主な原因
M.2 SSDは構造が非常に精密で、トラブルが起きると通常のHDDやUSBメモリと比べて復旧の難易度が上がる場合があります。原因を理解しておくことで、不要なリスクを回避し、適切な対処が可能になります。
接続不良や物理的な接触不備
SSD自体に問題がなくても、スロットへの装着不良や外付けアダプタとの相性によってPC側で正しく認識されないことがあります。特にM.2 SSDは形状が細く、接続が甘いだけでも動作に支障をきたします。
フォーマットや初期化の誤操作
「フォーマットしますか？」というメッセージにうっかり操作してしまったり、誤って初期化を行ってしまうケースも少なくありません。初期化後でも復旧可能な場合はありますが、上書きが始まると復元は一気に難しくなります。
Trimコマンドによる削除処理
SSD特有の機能としてTrim（トリム）という処理があります。これは、削除されたデータ領域を自動的に無効化する仕組みですが、この処理が有効になっていると、削除されたファイルはソフトでは復旧できなくなる可能性が高くなります。
ファイルシステムの破損
Windowsが突然シャットダウンしたり、不安定な動作が続いた場合、ファイルシステムにエラーが発生し、SSD自体は認識されても中身にアクセスできない状態になることがあります。論理障害と呼ばれ、多くは復旧ソフトや専門業者の対応が可能です。
SSDの物理障害・基板トラブル
SSDがまったく認識されない、電源が入らない、異常に発熱する――こうした症状が出ている場合、内部の基板やコントローラーチップに物理的な故障が起きている可能性があります。この状態で何度も接続を試みたり、自力で分解や修復を行おうとすると、内部チップにまで深刻なダメージが及び、復旧できるはずだったデータまで失われてしまうリスクがあります。
少しでも異常を感じたら、無理に操作せず、データ復旧の専門業者に相談することが大切です。初期診断が無料の業者も多く、早めの対応がデータを守るカギになります。
【データ消失】自己判断の落とし穴とは
パソコンやデバイスに不具合が起きたとき、「とりあえず操作してみよう」と感じる人は多いと思います。しかし、その操作がかえって状態を悪化させ、復旧できたはずのデータまで失われてしまうことがあります。
たとえば、内部でファイル構造やシステムに異常がある場合、繰り返しの操作によって上書きや障害の進行が起き、本来なら取り戻せたデータが復旧困難になるケースも実際に少なくありません。
以下のような不安や迷いがあるときは、いったん手を止めて、専門的な視点から状況を確認してもらうという判断も有効です。
- 絶対に失いたくないデータがある
- 写真や業務データなど、重要なファイルが含まれている
- パソコンやストレージ機器の操作に不安がある
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状態別｜M.2 SSDからデータを取り出す手順
M.2 SSDの状態に応じて、最適なデータ取り出し方法は異なります。誤った手順で作業を進めてしまうと、復旧可能だったデータが失われてしまうことも。ここでは、「正常に認識される場合」「論理障害がある場合」「物理障害が疑われる場合」の3つに分けて、それぞれの対応方法を詳しく解説します。
M.2 SSDの取り外し手順
まず、SSDを取り外す際は物理的な損傷を防ぐため、正しい手順で丁寧に作業を行うことが重要です。静電気対策も忘れずに行いましょう。
M.2 SSDの取り外し手順
- PCの電源を切り、バッテリーを外す（可能であれば）
- 静電気防止手袋を装着し、作業環境を整える
- PCのカバーを外して、M.2スロットを確認
- 固定ネジを外し、M.2 SSDをまっすぐ水平に引き抜く
- 静電気対策された保管ケースに入れるか、アダプタに接続
他のPCやアダプタで接続する
取り外したSSDを他のPCやUSBアダプタを使って接続することで、データの取り出しが可能になる場合があります。ただし、M.2にはNVMe（PCIe）とSATAの2種類の接続規格があるため、接続機器が対応しているか確認することが大切です。
他のPCやアダプタで接続する
- M.2→USBアダプタを用意し、接続規格を確認
- 他のPCのUSBポートに接続
- デバイスマネージャーやエクスプローラーで認識状況を確認
- 認識された場合は、必要なデータをコピーして保存
データ復旧ソフトを使用する
論理障害によってアクセスできなくなっている場合は、復旧ソフトを使うことでファイルのスキャン・抽出が可能です。重要なのは、スキャン後の復元ファイルを必ず別のドライブに保存することです。
データ復旧ソフトを使用する
- 復旧ソフトを公式サイトからダウンロード
- 別ドライブ（C以外）にインストール
- SSDを接続し、対象ドライブを選択してスキャン
- 復元可能なファイルを確認し、保存先を選んでリカバリー
BIOSでの認識状況を確認する
PCに接続してもSSDが表示されない場合は、BIOS設定が原因となっていることもあります。特に自作PCや設定を変更した記憶がある場合は確認してみましょう。
BIOSでの認識状況を確認する
- PCの電源を入れ、[DEL]や[F2]キーなどでBIOS設定に入る
- 「Boot」や「Storage」メニューからSSDが認識されているか確認
- NVMe/SATAの設定が適切に有効化されているかをチェック
- 必要に応じて設定を保存し再起動
物理障害・重度トラブルは専門業者へ
SSDが全く認識されない、異常な発熱、何をしても反応しない──こうした場合は、自分で対応するのは避けた方が安全です。通電を繰り返したり、ソフトでのスキャンを行うことで、状態をさらに悪化させてしまうこともあります。
このような物理的な障害やファームウェアの異常が疑われる場合は、早い段階でデータ復旧の専門業者に相談するのが最も安全で確実な対応策です。プロの現場では、クリーンルームや専用装置を使った復旧が行われており、高度な技術でデータの取り出しが可能になります。
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初期診断はデータ復旧の鍵を握る重要な要素ですが、デジタルデータソリューション株式会社では、機器の異音や最先端のプログラム解析機、電圧測定器などを使って最短5分で故障個所を特定することが可能です。
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まとめ
M.2 SSDからのデータ取り出しは、状況を正しく見極めたうえで慎重に進める必要があります。誤った対処は、貴重なデータの完全消失につながる恐れもあります。特に、認識されない・異常があるといったケースでは、自己判断での操作を避けるのが賢明です。
自力対応が不安な方や、重要なデータが含まれている場合は、まず専門業者に相談しましょう。
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