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SFA JOURNAL by ネクストSFA

AIを活用した市場調査

AIで営業の市場調査を効率化!もう市場調査に時間はかけない

株式会社ジオコード クラウド事業 責任者 庭田 友裕

【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕

顧客がまだ気づいていない課題を提示し、競合の一歩先を行く提案で感謝される。そんな理想の営業活動に不可欠なのが、常に最新の市場を理解し、顧客のニーズを的確に捉える力です。
しかし、多忙な営業担当者がそのための市場調査に十分な時間を割くのは容易ではありません。そこで注目されているのがAIの活用です。AIを活用することで、従来の時間と手間がかかっていた市場調査は飛躍的に効率化し、データに基づいた戦略的な営業活動の実現につながります。本記事では、営業におけるAI市場分析のメリットから具体的な活用方法、注意点までを解説します。

営業における市場調査の課題

営業の現場では、業界動向、競合情報、顧客ニーズ、さらにはSNSでの評判に至るまで、常に多角的な情報収集が求められます。しかし、これら情報を営業担当者が一つひとつ手作業で集め、分析するには限界があります。その結果、情報収集にリソースを割かれすぎることで、本来最も時間をかけるべき提案の質が低下したり、準備不足への不安を抱えたまま商談に臨んだりするという課題が生じていました。

AIによる市場調査の3つのメリット

AIを市場調査に活用することは、営業担当者が抱える調査の課題を解決し、大きなメリットをもたらします。主なメリットは以下の3つです。

業務の効率化

市場調査は多くの時間を要する作業ですが、AIを利用することで劇的に効率化できます。営業担当が手作業で市場調査を行う場合は、ウェブサイトを一つひとつ検索し、情報を整理、要約していた作業が、AIツールを使えばわずか数分で完了ことも珍しくありません。これにより創出された時間を、営業担当者は顧客との対話や提案内容のブラッシュアップといった、本来注力すべきコア業務に集中させることが可能になります。

網羅的で 質の高いデータ収集

人の手による調査では、どうしても営業担当のスキルや知識によって収集できる情報の量や質にばらつきが生じてしまいます。AIを活用すると、ニュースサイト、プレスリリース、SNS、口コミサイトといったWeb上の膨大な情報源から、設定した条件に基づいて網羅的に情報を収集できます。これにより、人の目では見落としがちなニッチな情報や多角的なデータを捉え、分析の精度そのものを高めることにつながります。

ヒューマンエラーの削減

営業担当が手作業で市場調査を行うと、「こうあってほしい」という希望的観測や、「この情報は重要だろう」という先入観が入り込むことがあります。AIは感情や主観に左右されず、データのみを根拠として客観的に分析を行います。そのため、人の感情や思い込みに起因する判断ミスを防ぎ、より正確で信頼性の高い分析結果を得ることができます。

AIによる市場調査の活用方法

AIは具体的に下記のような調査や分析で活用できます。

企業の基本情報リサーチ

営業担当が新規顧客の情報を登録する際は、企業のウェブサイトを一つひとつ開き、会社概要などを手作業でコピー&ペーストするといった手間が発生していました。 AIツールを活用すれば、企業名を入力するだけでこれらの基本情報が自動で収集・入力され、作業を大幅に効率化できます。

顧客ニーズのリサーチ

収集したデータから顧客のニーズを導き出すことは、市場調査の核心です。AIの中でもこういった顧客ニーズの分析に優れたツールではSNSの投稿、カスタマーサポートの問い合わせ履歴、アンケートの自由記述欄といった定性的な「顧客の声」を分析し、頻出するキーワードや感情を可視化することができます。これにより、顧客が抱える潜在的なニーズや不満を的確に把握できるようになります。

競合他社のリサーチ

競合企業のウェブサイトやプレスリリース、製品・サービスのレビューなどをAIで分析することで、競合の市場戦略、価格設定、強み・弱みといった深い情報まで把握することが可能になります。これにより自社の立ち位置を客観的に評価し、説得力のある差別化戦略や営業トークを考える上で、強力なサポートとなるでしょう。

市場調査でAIを活用する際の注意点

多くのメリットがあるAIを活用した市場調査ですが、注意すべき点がいくつかあります。これから活用してみたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

データ量による精度の変化

AIは大量のデータを学習することで分析精度を高めるため、対象となる市場や業界のデータが少ない場合、分析の精度が低下する可能性があります。特にニッチな市場や新しい分野ではまだ十分なデータがそろっていないケースが多いため注意が必要です。

判断根拠のブラックボックス化

AIの分析プロセスは「ブラックボックス」化しやすく、なぜその結論に至ったのかという論理的な背景を掴みにくい場合があります。AIの分析結果を鵜呑みにせず、必ず人間の目でその情報が信頼できるか否かを検証することが大切です。

コスト面

高機能なAI分析ツールを導入する場合、初期費用や月額利用料といったコストが発生します。無料ツールも存在しますが、機能やセキュリティ面で制約があったり、商用利用が制限されていたりする場合も少なくありません。導入によって得られる成果とコストから費用対効果を慎重に検討し、自社の目的に合ったツールを選ぶ必要があります。

AIを活用した市場調査を始めるための3ステップ

①目的の明確化

まず、「何のために分析するのか」という目的を明確にします。例えば、「新規顧客開拓のため、特定業界が抱える課題を洗い出したい」「既存顧客へのアップセル提案のため、競合製品との優位性を示せるデータがほしい」など、具体的な営業シーンを想定し、解決したい課題を明確にすることが大切です。

②最適なツールの選定

目的が明確になったら、それを達成するために最適なAIツールを選定します。Webサイトの要約が得意なツール、SNS分析に特化したツール、複数の機能を備えた包括的な分析プラットフォームなど、ツールによって得意分野は様々です。自社の目的や予算なども考慮して、検討しましょう。

③AIによる分析と営業活動での活用

最後に、選定したツールで分析を実行し、営業活動に活かします。
ここで最も重要なのは、AIの分析結果を鵜呑みにせず、人間が「そのデータは何を意味するのか」を解釈し、営業戦略に落とし込むことです。そしてその分析結果を基に説得力のある提案資料を作成したり、顧客へのアプローチ方法を最適化したりといったアクションにつなげます。

まとめ

営業活動に不可欠な市場調査は、手作業では多大な時間と手間がかかり、担当者の主観が入りやすいという課題がありました。AIを活用することで、この調査を効率的にかつ客観的に行えるようになり、営業担当は情報収集の負担から解放され、顧客との対話や提案内容のブラッシュアップといった、より付加価値の高いコア業務に集中できるようになります。
ただし、AI活用を成功させるには注意点もあります。AIの分析結果を鵜呑みにせず、必ずその意味を解釈し、具体的な営業アクションに落とし込むことが大切です。AIの特性と注意点を正しく理解し、日々の営業活動に取り入れることで、これまで以上に高い成果を生み出すことができるでしょう。

SFAは活用されてこそ意味がある

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