
営業と基幹業務を一気通貫!SFA×ERPの違いと連携メリットを徹底解説【2025年版】

【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕
営業現場の「属人化」や、部門間の情報断絶に悩んでいませんか?SFA(営業支援システム)とERP(基幹業務システム)は、それぞれ営業活動と企業全体の業務を効率化するための重要なツールです。しかし、これらを単体で導入するだけでは、真の業務最適化は実現できません。本記事では、SFAとERPの違いを丁寧に解説しながら、両者を連携させることで得られるメリットや導入時のポイント、よくある課題とその解決策を解説します。これからSFA・ERP導入を検討している方、どちらを先に導入すべきか迷っている方は必見です。
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SFAとERP、それぞれの役割と違いとは?
SFA(Sales Force Automation)とERP(Enterprise Resource Planning)は、企業活動において重要な役割を担う2つのシステムです。それぞれの目的や活用シーンは異なるため、まずは基本的な役割や機能を明確に理解することが重要です。
SFA:営業活動の見える化と効率化を支援するシステム
SFAは、主に営業部門で使われる業務支援システムです。顧客とのやり取りや商談状況、行動履歴などの情報を一元管理することで、営業活動を「見える化」し、効率よくPDCAを回せるようにします。代表的な機能には以下のようなものがあります。
- 顧客情報・商談情報の管理
- スケジュール・タスクの共有
- 日報・活動報告の記録
- 見込み案件の進捗管理
- 分析レポートの自動出力
これらの機能を通じて、営業マンの活動を定量的に把握できるようになり、マネージャーはデータに基づいた指導や施策立案が可能になります。
ERP:企業全体の経営資源を管理する基幹業務システム
一方でERPは、販売・在庫・会計・人事など、企業の中核となる業務を横断的に管理するためのシステムです。全社レベルでのデータ一元化と業務プロセスの標準化を実現することで、部門を超えた効率的な経営判断が可能になります。主な機能としては以下が挙げられます。
- 受発注・在庫・購買管理
- 財務会計・経費精算
- 人事・給与管理
- 製造・工程管理(製造業向け)
ERPは部門単位の効率化にとどまらず、経営全体を視野に入れた情報活用を目的とする点が、SFAとの大きな違いです。
SFAとERPの違いを整理
比較項目 | SFA | ERP |
対象業務 | 営業活動 | 企業全体の基幹業務 |
主な機能 | 顧客・商談管理、日報、レポート分析 | 財務、人事、在庫、購買など |
導入部門 | 営業部門 | 全社または管理部門 |
導入目的 | 営業効率化・可視化 | 業務標準化・経営資源の最適化 |
SFAとERPは、それぞれ独自の目的と強みを持つシステムですが、企業成長においてはどちらも欠かせません。次のセクションでは、これらを組み合わせることで得られる連携メリットについて詳しく解説していきます。
SFAとERPを連携するメリットとは?
SFAとERPは、それぞれ異なる役割を持つシステムですが、連携させることでさらに大きな業務改善効果が期待できます。特に、営業と管理部門が連携して動くことが求められる企業にとって、この2つのシステムの連携は非常に有効です。ここでは、SFA×ERP連携の具体的なメリットを紹介します。
1. 情報の一元管理で二重入力・ミスを防止
SFAとERPを別々に運用している場合、営業が入力した顧客情報や受注情報を、管理部門がERPに再入力する手間が発生します。これにより、情報の二重管理や入力ミスのリスクが高まります。
連携することで、SFAに入力された受注データが自動でERPに反映されるようになり、作業負担を大幅に削減。入力ミスの防止と業務スピードの向上を実現できます。
2. 営業部門とバックオフィスの連携強化
たとえば、営業担当者がSFA上で見込み顧客との商談を記録した場合、その顧客が成約に至ると、すぐにERPで請求書作成や在庫管理が開始されます。
この流れがスムーズになることで、受注後の事務処理が迅速に進み、顧客満足度の向上にもつながります。また、納期調整や在庫状況の確認もSFA画面上で可能になれば、営業対応の精度とスピードも向上します。
3. データを活かした経営判断が可能に
SFAで収集した営業データ(受注率、平均リードタイム、失注理由など)と、ERPで管理する財務データ(売上、粗利、原価など)を組み合わせることで、経営層はより精緻な判断が可能になります。
たとえば、「どの商材がどの業界で最も収益性が高いか」といった分析も、SFA単体では見えなかった視点で可視化でき、経営戦略に活かせます。
4. 業務全体の流れをスムーズにし、属人化を防ぐ
SFAは個々の営業活動を見える化するためのツールです。ERPと連携することで、その先の業務プロセス(受注~請求~入金)まで一貫して管理できるようになります。
結果として、担当者が不在でも社内で業務の引き継ぎが容易になり、属人化のリスクを低減。営業部門と管理部門の連携を円滑にする仕組みとして機能します。
5. 顧客満足度の向上につながる
SFAとERPの連携により、顧客対応の質も向上します。たとえば、営業が顧客からの問い合わせに対して、「現在の在庫数」「納品予定」「請求状況」などを即時に確認・回答できれば、信頼性の高い対応が可能になります。
これにより、顧客からの信頼を獲得しやすくなり、結果的にリピート率や継続契約にも良い影響を与えることが期待されます。
導入検討のポイント|SFA・ERPどちらを先に入れるべき?

SFAとERPの両方を導入することが理想的であるとはいえ、現実にはコストや運用体制、業務課題の緊急性などから「どちらを先に導入すべきか?」と迷う企業が多くあります。ここでは、判断の基準や優先順位のつけ方について解説します。
優先すべきは「現場の課題がどこにあるか」
導入の順番は、企業が直面している課題の性質によって異なります。たとえば以下のように整理できます。
- 営業部門の業務が属人化している/活動が見えない
→ SFAを先に導入 - 在庫管理・会計処理が煩雑/システムがバラバラで非効率
→ ERPを先に導入
つまり、自社にとってどちらの業務がよりボトルネックになっているかを見極めることが第一歩です。
SFAから始めるメリット
SFAは比較的導入しやすく、小規模スタートにも向いているため、多くの企業が営業課題の改善を目的にSFAから導入する傾向にあります。特に以下のような場合に有効です。
- 営業の行動量や受注率が把握できていない
- 営業報告がバラバラでマネジメントがしづらい
- 顧客情報の管理がExcelや紙で属人化している
SFAで営業活動のデータを可視化し、現場の課題を整理したうえでERP連携に進めば、より効果的な業務改革が行えます。
ERPから始める場合の注意点
一方、すでにSFAに近い業務ツール(Excelや簡易CRM)が運用されており、販売・在庫・財務など全社横断での業務効率が急務であれば、ERPの導入が先になることもあります。ただしERPは業務範囲が広く、導入や定着に時間がかかるため、最初から全機能を求めすぎない「段階導入」がおすすめです。
段階的導入という選択肢
中堅・中小企業では、まず営業部門の効率化を図るためにSFAを導入し、成果が見え始めた段階でERPとの連携を進める、というステップを踏む企業が増えています。段階的にシステムを導入することで、業務フローを整理しながら、コストとリスクを最小限に抑えることが可能になります。
SFAとERPの連携でよくある課題とその解決策
SFAとERPの連携には多くのメリットがある一方で、実際の導入・運用段階で壁にぶつかる企業も少なくありません。ここでは、連携時によくある課題とその解決のヒントを紹介します。
課題①:情報の二重管理が発生してしまう
SFAとERPが別のシステムとして動いていると、顧客情報や受注内容をそれぞれのシステムに手動で入力する必要が出てきます。これにより、入力ミス・タイムラグ・データの不整合といった問題が生じやすくなります。
解決策:API連携やデータ自動同期機能の活用
SFAとERPをAPIなどで連携することで、営業が入力した情報をERP側にも自動反映できるようになります。手間とリスクの両方を削減するポイントです。
課題②:連携の仕様が合わない・コストがかさむ
既存のERPに後からSFAを連携させようとした際に、「連携に対応していない」「独自仕様で開発が必要」といった問題が発生することがあります。特に、大手ERPの場合、カスタマイズが前提になることもあり、導入コストが膨らみがちです。
解決策:柔軟なSFAを選定することが重要
連携前提でSFAを選ぶなら、カスタマイズ性が高く、既存のシステムとの橋渡しがしやすい製品を選びましょう。クラウド型でAPI対応のSFAは、比較的導入もスムーズです。
課題③:現場への定着が進まない
SFAとERPの両方を導入しても、現場で「入力が面倒」「見づらい」「業務に合っていない」と感じられれば、使われなくなってしまいます。これはツールそのものの問題というよりも、選定と導入プロセスに問題があるケースが多いです。
解決策:現場目線の運用フローを構築する
導入前に現場の業務フローをしっかり洗い出し、「どの情報をどのタイミングでどこに入力するのが最も自然か?」を可視化しましょう。加えて、マニュアル整備や初期サポートを充実させることも重要です。
課題④:導入後の改善が止まってしまう
連携が完了したことで安心してしまい、その後の運用改善やチューニングが止まってしまうと、せっかくのシステムも形骸化してしまいます。
解決策:導入後のPDCA運用体制を組む
SFAとERPは導入して終わりではなく、現場のフィードバックを取り入れながら継続的に改善することが不可欠です。定期的な見直しやミーティングを行い、運用レベルの最適化を図りましょう。
SFAツール選定のカギは“使いやすさ”と“サポート”にあり

SFAツールは多機能であるほど良い、と考えがちですが、実際には“使いやすさ”や“運用サポート”が導入後の成果に大きく影響します。いくら機能が豊富でも、現場で使われなければ意味がありません。ここでは、SFA選定時に注目すべきポイントを整理します。
現場にとっての「使いやすさ」とは?
営業パーソンにとって日々の入力業務は負担になりがちです。UIが複雑だったり、操作に手間がかかると、現場での活用が定着しません。「ワンクリックで日報が登録できる」「スマホからも操作できる」といった、現場に寄り添った設計がされているかをチェックしましょう。
また、SFAは営業部門だけでなく、マネジメント層や管理部門も使うツールです。各役割に応じた使い勝手の良さも、重要な評価軸です。
導入後のサポート体制も要チェック
SFAは導入したら終わりではなく、運用が始まってからが本番です。特にSFAとERPの連携を前提にする場合、ツール提供会社のサポート体制が重要になります。
- 導入時の設定支援があるか?
- 自社の業務フローに合わせたカスタマイズは可能か?
- 操作に不安がある社員向けのトレーニングやQAサポートが充実しているか?
こうした観点から、単に製品機能だけでなく、導入後の伴走体制が整っているかを確認しましょう。
ネクストSFAなら連携もスムーズに
ネクストSFA(https://next-sfa.jp/)は、使いやすさとサポート体制を兼ね備えたクラウド型営業支援ツールです。シンプルで直感的なUIに加え、営業現場の声に基づいた改善が随時行われており、初めてSFAを導入する企業にも定着しやすい設計となっています。
また、ネクストSFAは柔軟なカスタマイズが可能で、既存のERPシステムとの連携相談にも対応。初期費用は都度見積もりですが、月額50,000円(10ユーザー分)というリーズナブルな料金設定と、無料の運用サポートも大きな魅力です。ERPとのスムーズな連携を実現したい企業には、導入の第一歩として有力な選択肢といえるでしょう。
SFA×ERP導入を成功させるステップとは
SFAやERPの導入で成果を上げるには、単にシステムを導入するだけでなく、全社で「定着」させることが欠かせません。とくに2つのシステムを連携させる場合、導入手順と社内体制の整備が成功のカギを握ります。ここでは、SFA→ERPの連携導入を前提とした進め方をご紹介します。
① 現状の業務フローを洗い出す
まず、自社の営業・管理業務における課題や非効率な部分を明確にしましょう。誰がどこでどの情報を扱い、どのタイミングで共有されているのか。これを整理することで、SFAやERPに求める機能や要件が見えてきます。
② SFAの小規模導入で現場の声を集める
いきなり全社展開するのではなく、まずは営業部門の一部チームでSFAを運用し、現場のフィードバックを得るのが効果的です。小さな成功体験を積み重ねることで、現場の理解度や活用意欲が高まります。
③ SFAとERPの連携準備を整える
SFAがある程度定着したタイミングで、ERP連携の設計に進みます。この際、「どの情報を」「どのタイミングで」「どちらのシステムに渡すか」を明確にすることが重要です。必要に応じてベンダーと相談しながら、連携設計を進めましょう。
④ 定着・改善フェーズに入る
導入後は定期的に現場からの声を集め、機能や運用ルールの見直しを行います。ここで重要なのが、SFA・ERPの導入を“システム導入”ではなく“業務改善プロジェクト”として社内に浸透させることです。担当者だけでなく、現場を巻き込んだ改善活動を継続しましょう。
【まとめ】SFAとERPの連携で営業力と業務効率を両立しよう
SFAとERPはそれぞれ独立した役割を持つシステムですが、連携することで営業活動と基幹業務がスムーズにつながり、企業全体の業務効率と営業力を高めることができます。
重要なのは、「どちらを導入すべきか」ではなく、「どのように段階的に連携・活用していくか」を見据える視点です。そして、そのスタート地点として、現場に定着しやすく、連携にも柔軟に対応できるSFAを選ぶことが成功への第一歩となります。
ネクストSFAは、営業現場の使いやすさにこだわりながら、ERPとの連携相談やカスタマイズにも対応可能な柔軟性を備えています。これからSFA×ERPの導入を考える企業にとって、検討の価値がある選択肢といえるでしょう。