更新日:2020/07/14
PEST分析とは?外部環境の分析ならPEST分析を使おう!
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
経営戦略を立てる際、フレームワークを活用することで、様々な視点から多くのことを発見することができます。
マーケティングは、様々なフレームワークを状況に応じて使い分けることが、成功の秘訣となり、経営者や企業をお考えの方は、その知識を持つ必要があります。
そこで、今回は、外部環境のマクロ環境を分析する「PEST分析」についてご紹介していきます。
PEST分析の概要から簡単な分析手順を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
PEST分析とは
PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境の「マクロ環境」を分析するためのフレームワークです。
自社の環境が現在や未来にどのような影響があるのかを予測し、把握することが可能なので、経営などの戦略を立てるのに活用されます。
PEST分析は下記の4つの英単語の頭文字から成り立ちます。
「Politics (政治)」「Economy (経済)」「Society (社会)」「Technology (技術)」
Politics (政治)
Politicsは「政治的要因」である、規制や市場のルールを変化のことを指します。
マーケティングやブランディングに影響を及ぼすかを見抜くことが重要です。
政治的要因
- 政治の動向
- 税制の変化(増税・減税)
- 法律・法改正
- 裁判制度
- 交付金制度・特区制度の変化
etc…
「政治的要因」は、マーケティングやブランディングの前提となる市場競争のルール自体を変化させてしまいます。
政治的要因がもたらす変化で、市場自体が消失してしまう可能性があるのです。
そのため非常に重要となります。
Economy (経済)
Economyは、経済的要因です。
経済成長や景気など、経済の動向の変化を指します。
こちらも、マーケティングやブランディングに影響を及ぼすかを見抜くことが重要となります。
経済的要因
- 景気の動向
- 原油や株価
- 物価の動向
- 消費動向
etc…
需要と供給のバランスは非常に重要で、経済的要因は売上、投資、コストに大きな影響を与えます。
ビジネスは基本、人や原材料の仕入れから始まるので、その二つの「需給のバランス」が働くため、近年の労働力不足のように、これが続けばもちろん人件費は上がり続けます。
様々な経済に関する動向で、価格連鎖に影響を与える「経済的要因」を分析することは、非常に重要といえます。
Society (社会)
Societyは、社会的要因のことを指します。
これは、生活者のライフスタイルなどの意識の変化を意味します。
最も身近な要素の一つです。
社会的要因
- 人口動態
- ライフスタイルの変化
- 流行や社会的事件
- 社会インフラ
etc…
近年、単身世帯の増加が、代表的な社会的要因です。
これを受け、スーパーなどでは、小容量化や小分け包装が多く見受けられるようになり、現在では主流となっています。
他にも女性の社会進出が増えたことから、家事などに時間を割けないというニーズが生まれ、ネットスーパーなどの定期的に食材が送られてくるサービスや、時短料理ができる冷凍食品などが出されたりと、成長を加速させています。
このように、生活者の重要構造に大きく影響を与えるのが、社会的要因なのです。
Technology (技術)
Technologyは、技術的要因です。
これは、生産技術やマーケティング技術などを指します。
技術的要因
- ITやデジタル技術
- 特許
- イノベーション
- 設計技術や生産技術
etc…
技術的要因は、成功となるカギを変えてしまう可能性があるのです。
近年、ITやデジタルテクノロジーの進化がマーケティングやブランディングに大きな変化をもたらしています。
Googleなどのプラットフォーマーの登場によってスモールスタートが可能になったり、
マーケティングのデジタル化で、データとしてリアルタイムに生活者の動きが可視化され、PDCA改善がおこなえるようになりました。
その他にもいくつかの変化があり、技術的要因の重要性が垣間見えます。
PEST分析の基本的な方法
では次にPEST分析の基本的な方法をお話しします。
- 目的
- 情報収集
- 整理/li>
・目的
初めに何のために分析を行うのか、目的を確認していきます。
ただのPESTについての調査だけでは意味のある結果が望めません。
そのため、PEST分析のフレームワークを使い、「機会と課題」を見つけ出します。
PEST分析は市場のマクロの要因を分析する理由があるので、市場の変化を先読みし、自社にとったチャンスやリスクとなる情報を見つけるために、目的を確認していきましょう。
・情報収集
次に、各分野の情報収集を行います。
情報を収集する際は、信用のできる公的機関、または専門家が作成したデータやレポートを参照しましょう。
ライフスタイルなどがはいる「Society (社会)」では、漠然とした情報の収集になることもありますが、どんな現象でも「具体的な調査結果のある情報を探す」ことが重要となります。
また、感情的な情報の取捨選択は行わず、あくまで事実として正しいものを拾います。
ただし、目的からあまりに乖離がある情報はかえって混乱を招きますので、「むやみやたらに情報を集めればいいというわけでもない」と言う事を前提に情報を集めましょう。
・整理
ここまで集めた情報は、「環境変化・チャンス・リスク」に分け整理しましょう。
単に並べるだけでは、重要度が隠れてしまいます。
また、一つ一つの情報が必ずしも同じ方向性だとは限りません。
そのため、市場により強い変化をもたらすカギとなる環境要因、自社のチャンスやリスクとなる情報かを整理することで、方向性を明快にすることが可能です。
PEST分析の注意点
網羅性が非常に高く、効率的に設計されたPEST分析には、注意点があります。
PEST分析はマクロ環境の分析です。
大きな規模の外部変化を対象の分析だと言う事は忘れないでください。
外部環境の変化は対策を立てる為の素材です。
市場にどのように影響を及ぼしているのか、またどのように市場の姿形を変えていくのかなどの、未来予測です。
出来る限り正確な未来のカタチを予測することが自社の将来を決定します。
強固な裏付けのできるPEST分析を心掛けましょう。
そして、中長期の計画・戦略立てに向いている手法でもあります。
マクロの環境の変化は、規模が大きいほど年数をかけ変化することが多くあります。
そのため、短期間の計画等にには向いていないので注意しましょう。
まとめ
今回はPEST分析についてお話ししてきました。
自社の協業努力だけでは変えることの難しいマクロ環境は、PEST分析を行うことで、最適なマーケティングやブランディングなどの戦略を練る際に日y増に大きな影響を与えてくれます。
市場の動きに敏感に目を向けるのならば、PEST分析は欠かせないので、徹底した情報収集、潜在的なニーズの見極め、明確にチャンスかリスク化の見極めを意識し、より良い経営戦略を練りだしましょう。
ビジネスチャンスを掴み取るために、様々なマーケティング手法を用いたいとお考えの方へ、参考にしていただければ幸いです。