更新日:2023/11/08
VC分析(バリューチェーン分析)とは?事業戦略を練ろう!
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
現在、多くの企業で、自社サービスや自社商品のうち、顧客により付加価値を付けるために「自社の強み」を磨き、育成していくことが非常に重要となっています。
今回お話しする、マーケティング手法の1つである「バリューチェーン分析」について、わかりやすく紹介していきますので、是非参考にして下さい。
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バリューチェーン分析とは
バリューチェーン(Value Chain)とは、原材料を調達し、商品やサービスが顧客に届くまでの様々な企業の活動の連鎖を「物の連鎖」「価値の連鎖」として考えたものです。
このワークフレームにより、一つの事業を細分化し、事業の競合優位になる強みを把握することで、事業戦略を練る時に非常に役に立つ武器となります。
主活動
バリューチェーン分析の主活動とは、5つの活動で構成されています。
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・製造:原材料を最終製品に製造するための活動
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・出荷物流:最終製品を顧客に出荷するまでの活動
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・マーケティング・販売:顧客目線で購買意欲を引き立てる戦略など
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・サービス:より製品価値を高めるなどの質向上へ向けた活動
主活動は、価値を生み出すための工程です。
一番価値を生み出す工程は、業界や業種により異なります。
支援活動
バリューチェーン分析の支援活動とは、主活動をするために必要な以下の4つの活動を指します。
- 設備、消耗品などの調達活動
- 通信技術、会計ソフトなどの技術開発
- 人材採用をし、育てる人的支援管理
- 経営企画、法務、経理など運営に必要な企業インフラ
バリューチェーン分析の重要性
バリューチェーンの重要性、メリットについてお話ししていきます。
バリューチェーン分析の一番のメリットは3つです。
- 企業の強み弱みの把握が可能
- 競合の戦略予測
- 効果的なリソースの分配によるコスト削減
バリューチェーン分析では、自社、競合企業を分析することで、ニーズや市場の変化でどのような戦略を立てるかを予測することが可能です。
競合企業の戦略も予測できると言う事は、自社で「競合の戦略に対するさらなる戦略を立てる」ことが可能となるので、差別化や優位性を高めることに繋がります。
また、経営に必要なリソースの分配が効率的にかつ効果的に的確に行えることは、コスト削減に大きく貢献します。
そして、これまで以上の利益に繋がる可能性が大きくなるのです。
バリューチェーン分析のステップ
バリューチェーン分析の流れについてお話ししていきます。
これは4つのステップで構成されています。
- バリューチェーン内容の把握
- 各コスト把握
- 強み&弱みの分析
- VRIO分析(ヴェリオ分析)
バリューチェーン内容の把握
初めに、自社では現在、どのような主活動・支援活動を行っているのかを把握します。
製造業や、小売業、通信業など業界によって、当然ながら活動内容が異なってきます。
通信業を例としてお話ししていきますので、参考にしてください。
例:通信業
通信業の場合は、初めに商材であるインフラ構築から始めます。これは、WEBサービスなどのプロダクトです。
そして、プロダクトを販売するための営業活動→契約→サービス提供が行われます。
次に、料金の徴収を行い、継続してもらうためにアフターサービスを行います。
例:飲食業
飲食業の場合は、初めに研究開発から始まります。そして、商品の調達→店舗運営→集客を行います。
そして最後に会計を行い、サービス券配布やお口直しの飴などアフターサービスを行います。
このように、様々な業界によって定義するバリューチェーンは異なり、自分の会社がどのようなプロセスで動いているのかを考えなければなりません。
バリューチェーンの内容を把握することは、後の工程をより容易にするために欠かせないため、出来る限り細かいセグメントをしましょう。
各コスト把握
次に、各工程のコストを把握しましょう。
コストを把握することで、収益性などが、よりはっきりと見えるため、無駄な部分が浮き彫りになります。
このステップでは、Excelなど、表計算ソフトで活動毎に記入していくとわかりやすくなります。
どの活動に大きなコストがかかっているのかを把握し、要因を突き止めましょう。
ある活動にかけているコストがどの活動にどのように影響しているか調べることで、明確なコスト削減方法を考案することが可能となります。
強み&弱みの分析
次に行うのが強みと弱みの分析です。
自社と競合の強みと弱みを書く表を作成して、社内で多くの人に案を出してもらうと偏らず多くの意見を聞くことができます。
それぞれの活動でどこが競合よりも強いのか、何が競合よりも弱いのかをはっきりさせることが重要となりますので、多くの意見を聞きましょう。
VRIO分析(ヴェリオ分析)
そして最後に、VRIO分析(ヴェリオ分析)を行っていきます。
これはバリューチェーン分析の活用法の一つで、経営資源の競争優位性の分析です。
の頭文字で「VRIO分析」となります。
- Value(価値):経営目標の達成に有効な価値は何か?
- Roreness(希少性):経営資源の希少性とは何か?
- Imitability(模倣可能性):競合等に真似しにくいものか?
- Oeganization(組織):組織自体に経営資源を最大限に生かせる強みがあるのか?
以上4つの要素から、前のステップで設定した強みを上げていき分析していきましょう。
バリューチェーンの活動タイプ?
バリューチェーン分析には、主活動・支援活動の双方に3つの活動タイプである「直接的・間接的・質の保証」が存在しています。
間接的:直接的な活動が継続できるように補助する活動
質の保証:直接的、間接的の活動の質を保つための活動
この3つのタイプの中でも、「質の保証」は最も重要とされており、「製品の質」ではなく「活動の質」であるため、間違えないように注意が必要です。
最大限の効果を発揮しているかどうかよりも、活動の質がどうなのかをcheckすることで、コストに見合った効果を発揮してくれます。
まとめ
今回は、バリューチェーン分析についてお話ししてきました。
バリューチェーン分析は、「価値の連鎖」を指します。
主活動・支援活動で得られる情報は、
- 自社の強みの理解
- 競合の戦略予測
これまでお話ししてきたのを元に、実際に、自社と競合のバリューチェーンを洗い出し、そして、どのように運営していくかまで落とし込みましょう。
これは、短期的な成果だけでなく、中長期的なブランディングの向上・収益率の向上に繋がる戦略を考えられるので、是非試してみてはいかがでしょうか。