更新日:2020/07/14
営業戦略の羅針盤「3C分析」 事例と分析方法を伝授
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
ノリ子能天気女子- 趣味:寝ること
短所:敬語が苦手
所属:普通の女子のようにきゃぴり隊
夢:生涯自由人
イト男おしゃれ好きなヒッキー(見た目とのギャップが悩み)- 趣味:ひきこもり
短所:コミュニケーションが苦手
所属:パソコンが友達部
夢:いつかモテること
3C分析という言葉をご存知でしょうか?3C分析とは、マーケティングの基本となるフレームワークのことです。
今回は、3C分析の基本情報と分析方法について解説します。
3C分析とは?
3C分析の必要性
3C分析は、効率的なマーケティング戦略を決定する際に必要になるよ。
- すでに競合他社が同じ様な商品を出している
- そもそもニーズの無い商品だった
3C分析方法
市場調査
市場や顧客を知らないままでは比較して自社の評価ができないため、まずは市場規模や成長性、顧客ニーズなどの顧客の購買意欲について分析を行う必要があるんだ。
マクロ分析とミクロ分析はイト男くんに説明お願いするね。
では説明させていただきます。
マクロ分析
Politics(政治) :政治動向、規制緩和、税制、法改正、デモなど
Economy(経済) :消費や景気の動向、為替や金利の動き、経済成長率など
Society(社会) :少子高齢化、多様化、トレンド、消費者志向の変化など
Technology(技術):技術革新、特許、インフラ、IT化、情報時代など
世間のことを知らないで、世間に受け入れられるサービスや商品を考えるのってかなり難しいことなんだ。
ミクロ分析
【ファイブフォース分析】
- 新規参入の脅威
- 業界内の敵対関係の強さ
- 代替品の脅威
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
この5つの力が強ければ強いほど、業界の収益が低く、魅力が少ない業界。
そして弱ければ弱いほど、業界収益が高く、魅力がある業界だということになります。
■新規参入の脅威------
新規参入は、競合企業の増加に繋がり自社の収益に大きく影響します。
たとえば、新規参入の容易な業界(IT業界など)では、新しいサービスを展開したとしてもすぐに模倣企業が新規参入して、本来獲得できるはずだった収益を競合に分け与えてしまいます。
■業界内の敵対関係の強さ------
業界内の敵対関係の強さとは、業界内における狭義の競争のことです。
寡占化が進んでいる業界では、競合性は低くなります。
ですが、下記のような場合は競争が激化する傾向にあります。
- 同規模の企業が多数業界に存在する場合
- 装置型産業のように大規模な設備が必要な場合
■代替品の脅威------
ユーザーのニーズを満たす新しい商品が現れた時、収益性が低くなる可能性があります。
下記は代替品の例になります。
- 書籍→電子書籍
- デジタルカメラ→携帯電話・スマートフォン
- ファストフード→コンビニエンㇲストア
代替品の脅威は、全く同じ機能の商品サービスではなく、商品・サービス自体は異なるが「提供価値」において同等の時にも起こる可能性があります。
■買い手の交渉力------
ここでの「買い手」とは、法人の顧客や一般消費者を指します。
「交渉力」が強い場合、「売り手」は値引きを要求され収益性が下がる可能性があります。
また、「交渉力」は下記のような状態の時に強くなります。
- 買い手の数が少ない
- 買い物の需要性が高い
- 差別化されていない
- スイッチングコストが高い
- 買い手が十分な情報を持っている
一般的に、巨大な購買力を持った「買い手」に対して販売を行っている企業は大きな収益を上げることは難しいです。
■売り手の交渉力------
ここでの「売り手」とは、部品や材料などを「供給元の業界」のことです。
例えば、パソコン業界に参入する場合、「売り手」は供給元のマイクロソフトやインテルになります。
そして「交渉力」は、「売り手」の業界の寡占化が進んでいる場合には、供給できる企業が限られているので「交渉力」は強くなります。
また、参入した業界の寡占化が進んでいたり、その業界で上位に位置している企業の場合は、「売り手」の交渉力は弱くなります。
競合企業・供給元の業界・顧客との力関係を分析することで、自社を取り巻く脅威を明確にして、収益性を高めるための戦略立てに役立ちます。
競合調査
競合分析では、競合製品のシェアや売上、従業員数など様々な項目を分析するよ。
分析する際は、「結果」と「要因」の2つにわけて分析を行うのがおすすめ。
「結果」は、競合が生み出した成果のことです。
競合企業の売上や市場でのシェア、顧客数などのことを指します。
「要因」は、競合企業が「結果」を出したプロセスや背景のことです。
営業プロセスや製品の開発体制、仕入れルートなど、様々な観点から、競合が「結果」を生み出した要因を明らかにすることを指します。
自社分析
自社分析では、市場・顧客分析と競合分析の結果に基づいて、自社の優位性を導きだすことを言うよ。
自社分析をするときに「SWOT分析」と「クロスSWOT分析」がよく使われるから、イト男くん、紹介お願い。
で、では、自社分析でよく使われるSWOT分析・クロスSWOT分析について話していきます。
SWOT分析
自社分析には、SWOT分析がよく用いられます。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
初めから、高い完成度を目指すのは難しいので、まずはできるだけ多くの項目を出すことを意識しましょう。
クロスSWOT分析
で、でも状況が分かって終わりではなくて戦略に落とし込まないと意味がありません。
そこで、必要になるのが「クロスSWOT分析」です。
「クロスSWOT分析」とは、SWOT分析で出てきた内部と外部の要因を掛け合わせて、具体的な戦略に落とし込む分析方法です。
SWOT分析の結果を下の画像のように配置します。
■強み(S)×機会(O):強みを生かして機会を最大化する方法
機会(チャンス)が来た時に、自社の強みを最大限生かすための戦略になります。
さらに自社の強みを押し出した積極的な施策を行いましょう。
■強み(S)×脅威(T):強みを生かして外部の脅威に対処する方法
自社の強みを活かして脅威になる事を克服していく戦略になります。
多くの場合、強みを活かし、競合と差別化を図れるような戦略を考えます。
■弱み(W)×機会(O):弱点を克服して機会を活用する方法
チャンスが転がっているにも関わらず、自社の弱みが原因でそのチャンスをつかめないのは非常にもったいないです。
機会損失にならないように、弱みの影響を最小限にする戦略を考えます。
■弱み(W)×脅威(T):弱点を克服して外部の脅威に対処する方法
自社の弱みと脅威が重なって、最悪の結果にならないように事前に対策案を考えます。
リスクの管理、弱みの解決それぞれの観点で戦略を立てましょう。
このように、クロスSWOT分析を行うことで、より具体的に行うべき施策やマーケティング戦略を見つけることができます。
まとめ
なので、まずはご紹介したフレームワークを活用して、何度も試行錯誤してブラッシュアップしていきましょう。
また、今回紹介した3C分析は、基本的なフレームワークです。
3Cに「流通(channel)」を加えた4Cや、「背景(Context)」「協力者(Collaborators)」の二つを加えて5Cなど、さらに深堀した分析方法もあります。
まずは、3C分析から試して、より詳細なマーケティング戦略を考える際には、4C・5C分析も活用してみてください。