更新日:2024/07/26
【部下の目標管理】部下のモチベーションを引き出す目標設定から管理の4つのポイント!
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
今回は、部下を抱えるマネージャー層の方に向けて、部下のモチベーションを引き出す目標設定の主なポイントについて紹介したいと思います。
なかなか部下が目標達成に向けて、意欲的に動いてくれない。。
最初はやる気があったのに、モチベーションが落ちてきている様に見える。。
このような場合、全て目標設定の仕方や管理が原因ではないと思いますが、目標設定の仕方や管理方法によって部下のモチベーションが落ちている可能性もあるかもしれません。
目標管理と方針管理の違い
まず、目標管理と方針管理の大きな違いについて触れたいと思います。
部下の目標管理を行う上で、前提としてこの2つの考え方を把握しておくといいでしょう。
そもそも目標管理の制度とは、通称MBO(Management By Objectives)と呼ばれ、経営思想家のピーター・ドラッカーが提唱したマネジメント手法です。
日本の歴史として、目標管理制度が導入される前は、個人で目標設定することはなく、評価基準も不透明な会社がほとんどでした。
その後、目標管理制度が導入されてから、人事評価の基準や明確になり、評価プロセスも透明化されるようになってきました。
つまり、目標管理制度とは「社員個々の自主性を尊重し、目標設定とそのプロセスを自ら一次決定させるということ」です。
これによって、社員のモチベーション維持やアップに繋げてきたのです。
みなさんも与えられた目標をひたすら追っていくより、自ら決めた目標の方がモチベーションは上がるのではないでしょうか?
また、方針管理とは「基本的にはトップダウン式で管理すること」を意味します。
日本企業は、歴史的にトップダウン式で管理を行うことが多かった為、方針管理が主な手法でした。
目標管理を行うメリット
目標管理制度を行う一番の目的は、組織の目標達成と社員のモチベーションの維持・アップを同時に叶える為です。
もちろん、会社の目標と個人目標をリンクさせ、目標設定を適切に行わなければいけません。
また、目標管理をすることによって、組織側のメリットと社員側のメリット大きく2つ考えられます。
◆組織側
・人事評価の際、社員側から評価の納得感が得られやすい
・ボトムアップで決めた目標なので、目標に納得感が得やすい
◆社員側
・自分で決めた目標なので、モチベーションの維持・アップに繋がる
・スキルアップ・能力アップに繋がる目標設定もできる
具体的な目標設定から管理までの流れ
これまで、目標管理制度と方針管理の違い、また、目標管理制度のメリットについて紹介してきました。
次に、具体的に部下と目標設定を行う場合、どのような流れで設定し、そして管理していくかをポイントとして紹介したいと思います。
モチベーションが上がる目標設定の仕方
まず、大切なのが目標設定の仕方についてです。
ポイントとしては、大きく2つあります。
自主性を尊重する
目標設定する上で、自主性を尊重することは大切です。
目標を押し付けるのではなく、部下自ら目標を設定することが理想です。
なぜなら、自分で決めた目標設定の方が納得感が高く、達成までのモチベーションが高くなる傾向があるからです。
しかしながら、この時注意すべき点がいくつかあります。
- 目標設定が低すぎる場合がある
- 目標設定が高すぎる場合がある
- 組織目標と個人目標がリンクしない
このような場合マネージャーは、部下に対して、目標の修正やサポートが必要です。
さらに、目標設定が低すぎる人に対して、目標設定を上げさせることは非常に難しいことです。
上司としては「如何に、会社の方針や部門の方針を上手く伝えるか」と「その人個人の期待値を具体的に伝えてあげること」も重要です。
こういった目標設定の場面でおきる問題解決もマネージャーの腕の見せ所です。
目標達成までのプロセスを一緒に考える
また、目標設定の際には、どうすれば目標達成できるのかを明確にしてあげることも重要です。
いざ目標が決まったとしても、「いつまでに」「どれくらい」の行動すればいいのかが明確になっていなければ、ゴールのイメージが出来ずにモチベーションは上がりません。
営業組織の個人目標を例に挙げて考えてみましょう。
ある営業担当の目標を「単月売上100万円」と設定したとします。
仮に、50万円のサービスであれば2件の契約が必要です。
では、2件の契約を獲得する為に、具体的にどのくらいの案件・商談数が必要でしょうか?
また、その案件はどのような販路で案件を作成するのでしょうか?
そして、その販路に対して、そのくらいの行動量をすれば必要な案件数が生まれるのでしょうか?
(このあたりはKGI・KPIという管理指標の記事(ここにリンク)があるので参考してください。)
こういった、具体的な目標を個人個人に設定し、ゴールまでのイメージをさせることが重要です。
さらにこのプロセスに関しても、上司が決めるのでなく、まず自分で考えさせ、それを元に目標設定の摺り合わせをする方がよりいいでしょう。
進捗管理を定期的に行う
目標設定をした後は、進捗確認を定期的に行うことが必要な場合もあります。
なぜなら、日々仕事をしていくと目標に対して進捗が遅れる場合があり、最後蓋を開けたら達成出来なかったということもあるからです。
さらに、進捗管理を行うことによって、目標までのサポートをすることが可能です。
また、管理の頻度も社員のレベルによって、適応させることも重要です。
例えば、新人レベルの社員には、日々日報を提出させ進捗確認を細かくする必要があります。
また、ベテラン社員や準マネージャー層には、週次での進捗など頻度は少なく効率的に管理していくことをお勧めします。
なぜなら、彼らは、進捗管理をある程度自分自身で完結できるからです。
このように、社員のレベルによって管理方法や頻度を適応させることも1つの手法です。
フィードバックを行う
また、可能であれば月に1回、フィードバックをする機会を設ける事をお勧めします。
フィードバックの機会を設けるメリット大きく3つあります。
再度認識を摺り合わせことで、モチベーションの維持・向上
目標設定をして、しばらく時間が経つと目標達成意識の低下やモチベーションの低下が起きている社員がいるかもしれません。
こういった社員の為に、再度目標の認識を摺り合わせことで、モチベーションの維持や向上ができるかもしれません。
目標の軌道修正が可能
目標達成の進捗に遅れが出ている社員がいるかもしれません。
そういった場合、このままやっていても、達成が難しい為、目標達成のプロセスや行動量の軌道修正を行う必要があります。
当初の設定より、具体的にどういったことをして目標達成まで目指していくか一緒に再度考えてあげる機会にしましょう。
目標達成に向けての課題や悩みを相談できる
特に、部下が10名以上いるようなマネージャーの方は、なかなか一人に時間を多く割いてあげることは難しいでしょう。
また、部下からしても、忙しいマネージャーに対して気を使って相談をあまりしてこない社員の方もいるでしょう。
是非月に1回こういったフィードバックの機会を設け、現状の悩みや課題をクリアにする場にしましょう。
まとめ
目標管理とは、トップダウンで目標を与え管理していくものではなく、社員の自主性を尊重し、組織の目標とモチベーションの維持・向上を目指す制度です。
また、より効果的な目標設定と管理とは、
- 自主性を尊重すること
- 目標達成までのプロセスを一緒に考えてあげること
- 進捗管理を定期的に行うこと
- フィードバックを定期的に行うこと
の基本的なポイントを紹介しました。
是非、マネージャー層の皆様で参考になる部分があれば、実践していただければと思います。
ケンシロウこの記事の執筆者