更新日:2022/08/05
ポジショニングとは?-役割と事例を解説します-
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
マーケティングの戦略を立てる分析方法の一つに「STP分析」というものがあります。
この記事で紹介するのはその中の一つ「ポジショニング」、他社との差別化を行う重要なフェーズになります。
競合とやってることに大きな差がないのに成果が出ない、そんな場合はこのポジショニングに原因があるかもしれません。
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この記事の目次はこちら
ポジショニングとは?
冒頭で触れましたが、ポジショニングはSTP分析と呼ばれるマーケティング分析のフェーズの一つです。
※STP分析については後述しています
端的に言うとポジショニングは、「市場における自社の立ち位置を確立すること」です。
具体的には、下記のようなことを行います。
- 他社との差別化となるポイントを明確にする
- 明確にした独自の訴求ポイントをターゲット層に示す
極端な話ですが、商品が「本当に優れている」という事実よりも、「お客さんに優れていると思ってもらう」ことがポジショニングでは重要です。
「良い商品」が売れるのは「良い商品であること」をお客さんが「認識」しているからです。
(よくわからない商品に高いお金を払うのって、勇気がいりますよね…)
そのためにポジショニングを行って、「商品の認識」を広めていくわけです。
結果としてお客さんに共感してもらえれば、購入してもらえるはずです。
STP内のポジショニングの役割
ポジショニングは「STP分析」のフェーズの一つです。
※詳細は下記記事で紹介しています
https://gc-seo.jp/journal/about-stp/
STP分析は、S=セグメンテーション、T=ターゲティング、P=ポジショニングの頭文字です。
STP分析は具体的に下記の3ステップで進めます。
- セグメンテーション:市場(顧客を)細分化してグルーピング
- ターゲティング:どのグループを狙うか決める
- ポジショニング:独自の立ち位置を確立し他社との差別化を図る
STP分析を行う事により、「①市場をいくつかの層に分割して、②狙うべき層を決め、③そのターゲット層に向けたアプローチ」ができるようになります。
ポジショニングの役割は一番最後「他との差別化とアプローチ」ですね。
アプローチ先がどんなに良くても、アプローチの方法や方向性を間違ったらうまくはいきません。
ポジショニングを考えることの利点
ポジショニングを考えることにより、下記のような利点があります。
①競合との差別化
後ほど紹介する「ポジショニングマップ」を作成する事で、競合と自社のポジションを見比べることができます。
競合を避けて勝負をする「差別化」が可能になります。
ライバルのいない独走状態の確立に成功した企業は、とても上手にポジショニングを行ったわけですね。
②ターゲット層を狙った「他にない」戦略
ポジショニングでは「ターゲット層」を決めた後に、その中での「立ち位置」を決めます。
このときに「立ち位置」を他にない独自のものにすれば、競合がいない、もしくは少ない市場でビジネスを展開できます。
「競争に勝つ」より「競合がいない」方がいいですよね。
上手くいけば、戦うことなくお客さんを獲得できますね!
ポジショニングマップを使った設定方法(事例)
ポジショニングマップとは、縦軸と横軸を引いてグラフを作り、自社や競合がどこに位置するかを書き出したマップです。
例えば、ツールの提供に進出すると仮定して、縦軸を値段「安価」「高級」、横軸を機能「多い」「少ない」としましょう。
競合をこのグラフの中に書き出してみると、多くの競合は、高級で機能が多いことが分かりました。
言い換えると「安価」で「機能が少ない」ポジションは競合が少なく、進出しやすくなります。
ニーズがあるのであれば、「シンプルで使いやすい」「驚きの低価格◯◯円」のような戦略が良さそうですね。
このようにして、ポジショニングマップを作成することで、競合のいない隙間のポジションを視覚的に見つけることができます。
ポジショニングマップは下記の手順で作ります。
①軸をリストアップする
通常「セグメンテーション」の時に、「価格」「機能」「エリア」など様々な基準で市場(顧客)をグループ分けしています。
その中で、軸になる重要なセグメントをリストアップをします。
②軸を選ぶ
縦軸と横軸になる軸を選びましょう。
注意点は、自社に有利な軸ばかり選ばないことです。
消費者目線に立って、軸を選んでいきましょう。
この段階になって、「この軸も必要では?」という軸を思いついた場合、どんどん追加していきましょう。
設定したポジショニングの検証方法
ポジショニングマップを作ったら、「そのポジショニングが適切なのか」を検証しましょう。
検証方法は下記です。
〇ターゲットのニーズを満たしているか?
例えば「ビジネス用のイヤフォンマイク」を売るとして、「価格」と「音質」を軸にポジショニングマップを作成してみます。
この場合、おそらくは「低価格」「普通レベルの音質」にニーズが集まります。
音楽を聞く目的ならともかく、Web会議で高音質は必要ないはずです。
ただし、安すぎて使い物にならないのも困りますよね。
競合のいない隙間だからと「高価格」「高音質」のポジションを選択してはいけません。
競合がいない隙間を探すことに集中しすぎて、お客さんのニーズから離れてしまうことには、注意が必要です。
〇競合との差別化がはっきりしているか
例えば、「競合も自社もポジショニングマップの右上にいるが、自社のほうが若干右上にいる」というようなポジショニングではあまり意味がありません。
微妙な違いでは、お客さんからしてみれば「似たようなイメージ」になってしまい、独自の立ち位置を理解してもらる可能性が下がるからです。
最初に言ったように、お客さんに「共感」してもらうことが目的です。
ポジショニング設定後の動き
ポジショニングを設定したら、次はマーケティング戦略を作成していきましょう。
マーケティング戦略の分析手法「4P分析」というフレームワークがあります。
まとめ
ポジショニングはお客さんに「認識」と「共感」をしてもらうことが重要です。
他にはない独自の立ち位置を確立するために、是非ポジショニングマップを作ってみましょう!
競合が少なく、ニーズが強いポジションなど、穴場となる市場が見つかるかもしれません。
競合がいなくても、ニーズが弱いポジションでは意味がないので、気を付けてください。
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