更新日:2024/12/06
BitLocker解除ができない場合のデータ復旧方法は?
【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕
BitLockerの解除ができなくなったとき、大切なデータを守るために適切な対応を取ることが必要です。この記事では、BitLockerが解除できなくなる原因と、具体的な対処法についてわかりやすく説明します。
この記事の目次はこちら
BitLocker解除ができない原因
BitLockerが解除できない問題の原因は、回復キーの紛失やハードウェアの変更など、さまざまな要因があります。以下に主な原因を紹介します。
BitLocker解除ができない原因 | 詳細 |
回復キーの紛失や入力ミス | BitLockerを解除するには回復キーが必要ですが、紛失してしまったり、入力ミスがあると解除できません。また、回復キーの保存場所が特定できない場合も問題となります。 |
ハードウェアの変更 | マザーボードやストレージデバイスなどのハードウェアを変更すると、BitLockerが安全性を確保するためにロックされることがあります。 |
TPMチップの不具合 | BitLockerはTPMチップを利用して暗号化を管理しますが、チップが故障すると解除プロセスに支障をきたします。 |
OSや設定の変更 | Windowsの再インストールやアップグレード、またはBIOS設定の変更により、BitLockerがロックされるケースがあります。 |
ディスクやファイルシステムの破損 | ストレージデバイス自体のエラーやファイルシステムの破損が原因で、BitLocker解除ができなくなる場合があります。 |
物理的なディスク障害 | 物理障害があるディスクではデータ領域自体にアクセスできず、復号処理を開始することができません。 |
特に物理障害があるディスクではデータ領域にアクセスできず、復号処理が困難です。無理な操作は損傷を悪化させる恐れがあるため、早急に専門業者への依頼が必要です。
BitLocker解除ができない場合の対処法
BitLocker解除ができない場合は、以下の対処法を試してみてください。それぞれの方法について具体的な手順を詳しく説明します。
BEKファイルから回復キーを探す
BitLockerは暗号化解除用の「回復キー」を生成し、Microsoftアカウント、外部ストレージ、またはローカルストレージに保存できます。ローカルストレージでは.BEKファイルとして保存されるため、このファイルが見つかれば解除に必要な情報を得られる可能性があります。
以下の手順で.BEKファイルを探しましょう。
- Windowsファイルエクスプローラーを開く
キーボードで「Win + E」キーを押して、Windowsファイルエクスプローラーを起動します。 - 検索ボックスにキーワードを入力
画面右上の検索ボックスに「*.bek
」と入力し、「Enter」キーを押します。 - スキャンが完了するのを待つ
システムがローカルストレージ全体をスキャンし、.bek
ファイルを探します。この処理には時間がかかる場合があります。 - 検索結果を確認
検索が完了したら、表示された結果の中にBitLocker回復キー(.BEKファイル)があるか確認します。見つかった場合は、そのファイルを利用してBitLocker解除を試みてください。
ディスクイメージを作成する
データが破損しないように、ストレージのクローンを作成します。
- 専用のクローンツール(例:Acronis True Image)をダウンロード。
- ターゲットディスクを接続し、イメージを保存。
- クローン作成後、復旧作業を行う。
BitLocker対応の復旧ツール「BitCracker」を試す
BitCrackerは、BitLockerで暗号化されたドライブを解除するためのオープンソースツールです。これは、ブルートフォース攻撃によって回復キーを特定しようとする手法を採用しています。ただし、成功には回復キーのパスフレーズや暗号化キーのヒントがある程度絞り込まれている必要があります。以下に手順を説明します。
1. 必要な環境を準備
- 対応するシステム: Linuxが推奨されます(Ubuntuなど)。
- 必要なハードウェア: 高性能なGPUを搭載していると処理が高速化します。
- BitCrackerのソースコード: GitHubなどからBitCrackerのリポジトリを取得します。
2. BitCrackerをインストール
- Linuxシステムでターミナルを開きます。
- 下記コードで必要なパッケージをインストール:
sudo apt update
sudo apt install git build-essential libssl-dev
- 下記コードでBitCrackerをクローン
git clone https://github.com/e-ago/bitcracker.git
cd bitcracker
- Makefileを使用してコンパイル:bashコードをコピーする
make
3. 暗号化ドライブの準備
- lsblkコマンドでBitLockerで暗号化されたドライブを調べ、デバイス名を特定します。
- 必要であれば、BitLockerのメタデータを抽出してキー解析の準備を行います。
- 使用する辞書ファイル(ブルートフォースのヒントとなるパスフレーズ候補)を用意します。
4. BitCrackerを実行
BitCrackerコマンドを使用して回復キーの解析を実行します。右記は一般的なコマンド例です。「./bitcracker -d /dev/sdX -w /path/to/wordlist.txt -g 0」
-d
: 暗号化されたBitLockerドライブ-w
: 辞書ファイル(パスフレーズ候補が含まれるテキストファイル)-g
: 使用するGPUデバイス番号
BitCrackerが成功すると、復号に必要な回復キーが出力されます。このキーを使用してBitLocker暗号化を解除してください。
コマンドプロンプトを使った「強制回復」を実行する
BitLockerが動作しない場合、コマンドプロンプトを使った「強制回復」が効果的な場合があります。
コマンドプロンプトを使った「強制回復」が有効である理由は、BitLockerの内部機能に直接アクセスし、通常の解除プロセスを回避して回復モードを強制的に起動させるからです。
この方法では、BitLockerが正常に動作しない場合でも、特定の回復手順を実行できる可能性があります。具体的な手順は次の通りです。
- 管理者権限で実行
システム設定や暗号化状態の変更には管理者権限が必要です。 - 事前のディスクイメージ作成が重要
万一回復が失敗してもデータを守るため、暗号化ドライブ全体のセクターレベルのイメージを作成しておくことが推奨されます。 - 回復キーが必須
この方法を成功させるには、事前に回復キーを準備しておく必要があります。回復キーが見つからない場合、解除は困難です。
専門業者に相談する
自力での対応が難しい場合や、重要なデータを安全に復旧したい場合には、専門業者に相談するのが最も確実な方法です。
BitLocker対応の実績が豊富な業者を選び、初期診断が無料であるかを確認してください。また、高度な暗号化技術を取り扱える業者を選ぶと成功率が高まります。
費用は軽度のトラブルで数万円程度、深刻な場合には数十万円になることがあります。データ量や損傷の程度によって異なるため、事前に見積もりを依頼しましょう。
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まとめ
物理障害が発生したディスクでは、BitLockerの復号以前にデータへのアクセス自体が困難になります。誤った対応は損傷を悪化させる恐れがあるため、専用設備と技術を持つ専門業者に早めに相談することが、データを守る最善の方法です。