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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2023/10/16 

RPAとは何か?基本から導入までポイントを押さえて解説します

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

働き方改革が注目されている今、長時間労働の是正や多様な働き方の実施など「労働環境の改善」を実現するための取り組みをおこなう企業が増えています。
しかし一方で、「残業を減らしたいけど、生産性は落とせない…」「人手が足りなくて余裕がない…」と頭を抱える企業もあります。
そんな企業をサポートし、働き方改革の後押しを期待されているのが「RPA」というシステムです。
この記事では「RPAとはなんぞや」から、「RPAの導入」まで、各所ポイントを押さえて解説します!

RPAとは

RPAは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略称です。

言葉の通り、工程を自動で対応してくれるツールで、主に事務系の仕事でパワーを発揮してくれます。
例えば…

①:契約書のデータを確認
②:それをエクセルにコピー&ペースト
③:顧客管理システムにアップロード

の様に、一作業でも様々なアプリケーションを使う仕事が発生することがあります。
RPAを使えばこのような作業を人間ではなくプログラムが代行してくれます。

ここまでの話を聞くと、ExcelのマクロやAIと似ていると感じる方も多いのではないでしょうか。

「自動化」という意味では似ていますが、マクロはそのアプリケーション内でしか業務の自動化はできません。
しかし、RPAは「複数のアプリケーションを横断して自動化」することができます。
様々なアプリケーションを使った業務代行がRPAの強みであり、特徴になります。

ただし注意点として、RPAはAIほど臨機応変に動くことはできません。
RPAが対応できるのは手順が決まっている「定型作業」に限定されます。

とは言え「対応頻度が多い定型作業」に効果を発揮しますので、業務効率化や働き方改革に貢献してくれるツールとして期待されています。

RPA導入のメリット

ここからはもう少し詳しくRPAのメリットについて紹介します。

作業のミスが減る

どんなに気を付けていても、人間の作業にはミスはつきものです。
ミスを防止するには、複数名・複数回のチェックが必要で、時間がかかってしまいます。
しかし、システムに頼ればミスは全くとはいかずとも、0に近くなります。

業務効率化・リソースの削減

業務を自動化すれば、そこに割いていた時間や手間を違う業務に割り当てられます。
先に述べた通りミスの可能性も減るため、チェックする人も少なくできます。
これは人員の補填や、業務範囲の拡大に貢献してくれます。
現場だけでなく、企業全体の効率化を期待できますね。

経費削減に貢献

RPAは人間ではないので、退職の心配がありません。
24時間365日稼働できます。(ちょっとブラックな言い方ですが…)
RPAは「時間コストの削減」や「成果物の品質向上」による費用対効果改善に焦点が当たりがちですが、他にも「人件費削減」への効果も大きなメリットの一つです。

※いくつかRPAによる改善事例を紹介しておきます!

RPA導入のデメリット

当たり前と言ってしまえばそうなのですが、RPAにはデメリットもあります。
しっかり把握しておかなければ「導入したけどダメたっだ…」と失敗してしまう可能性もあります。
過度な期待を抱くのではなく、メリット・デメリットを理解して運用する必要があります。

決まった作業しかできない

明確な作業手順やルールがない作業は、RPAに落とし込むことができません。
イレギュラーなケースが多い業務、都度で判断が必要な業務など、人が考えないと対応できない作業は自動化できません。

業務のブラックボックス化

業務を代行してくれるRPAも、ツールそのものの管理や操作をするのは人間です。
管理者の退職で、「ツールが使えなくなってしまう」「どんな業務を行っていたか分からなくってしまう」ということは起こりえます。
RPAを使っている業務内容の把握や、ツールの操作方法共有など、社内管理が必要です。
業務のブラックボックス化は、防がないといけません。

情報漏洩リスク

ツール導入の際、社外秘の資料など機密性の高い情報を取り扱う場合は、不正アクセスによる情報漏洩リスクが発生します。
慎重な対応はもちろん、社内のシステム管理の徹底や、セキュリティ対策を十分に行ってください。

RPAツールの種類

RPAには様々なツールがありますが、大きく分けて3つの種類に分類できます。
企業の規模や、必要な業務内容によって適不適がありますので、ご確認ください。

デスクトップ型

行う作業や担当者が限定的な場合は、PC1台ごとに導入できるデスクトップ型がおすすめです。
ネット環境がなくても対応できますし、対象のPC台数が少なければ比較的安価に導入できます。
注意点として、RPAで行う業務内容やシステムのカスタマイズが、PC所有者ごとに異なります。
引き継ぎや社内管理がやりにくい、といったデメリットは発生してしまいます。

サーバー型

社内全体もしくは広範囲での導入を行う場合は、サーバー上で管理できるRPAがおすすめです。
サーバー上で運用しているので、他部署・多人数での連携が求められる業務に適しているほか、起動中にPCが重くなる心配もありません。
注意点として、ネットワークとサーバーの環境を整える必要があります。
専門的知識とセキュリティ対策が、より求められます。

クラウド型

Web上で完結する業務であれば、クラウド型RPAの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
ネット環境があればサーバーの構築を行うことなく、比較的安価なコストで導入ができます。
注意点として、業務内容がWeb上のものに限られてしまうことや、管理がクラウド上になることが挙げられます。
社内情報の漏洩リスクを抑えるため、アクセス制限等セキュリティ面をしっかり整備しましょう。

RPAを導入する前に準備すること

RPA導入前には、下記を注意して準備を進めましょう。

セキュリティ面の整備

社内の重要な情報を取り扱うことになりますので、社内のセキュリティ対策を再度見直して、対策の周知と徹底を行うことが必要です。
導入の際、専門的な知識が必要になる可能性があります。
対応できる人材を確保し、導入に必要なセキュリティの整備は十分に行ってください。

業務の選定

先にも述べたように、RPAは「手順が決まっている定型作業」を行うためのツールです。
人の判断が必要になり、イレギュラーが多い業務には不向きです。
「業務工程が明確か」「難易度は高すぎないか」を検討して、RPAを使用する業務を選定することが必要です。

導入フローの確認・導入実験の実施

「導入の検討・決定」は経営陣が行うことが多いですが、実際に対応するのは現場の社員です。
エラー時の対応は問題ないか、社内フローに支障はないか、など想定通りの運用ができるかをしっかり確認しなければなりません。
フロー構築や導入テストのフィードバックなど、現場の声をちゃんと反映させなければ、ツールを導入しても失敗してしまう恐れがあります。

まとめ RPAと企業のこれから

業務の効率化に大きく貢献するRPAについて解説してきました。
この記事が少しでもRPA導入を検討している皆様の参考になっていれば嬉しいです!

最後にRpaと日本企業のこれからについて、少しだけ解説します。
まず、少子高齢化が進む日本では、2048年には総人口が1億人を割るという推計があります。

人口の減少と高齢化により労働者の数はどんどん減少していくと考えられる中、一人当たりの生産性を高めるうえでも業務効率化は不可欠です。
そのうえ近年の働き方改革による労働環境の変化によって、効率化を進めるRPAツールやAIシステムは存在感を高めていくはずです。
「システムと人間の業務の棲み分け」を明確にしていくことが、今後の働き方にとって大切なことなのではないか、と考えます。

まつ
まつこの記事の執筆者

SFAは活用されてこそ意味がある

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