更新日:2024/11/01
カスタマージャーニーマップの作り方&おすすめのテンプレート
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
マーケティングを考える際に、ユーザー目線の考え方や行動を意識することは大切ですよね。
私は頭では分かっていても気が付いたら、つい企業目線で考えてしまいます…
そんな私みたいな人の助けになるのが、カスタマージャーニーマップ!
作成するとユーザー視点で考える助けになってくれます。
この記事では「カスタマージャーニーマップ」の作り方を解説、テンプレートもダウンロードいただけます!
この記事の目次はこちら
カスタマージャーニーとは
カスタマージャーニーは直訳すると「顧客の旅」です。
顧客が商材を発見し、気に入って(ファンになって)、購入・登録に至るまでの行動や心理を時系列でマップに整理したものを言います。
カスタマージャーニーマップが様々な企業で活用されている背景には、企業とユーザーとの接点が増えたことが挙げられます。
昔はユーザーとの接点はテレビや新聞や雑誌でした。
ですが現代はインターネットや携帯電話が普及し、Webサイトやインターネット広告・SNSなど経路(チャネル)が多様化しています。
チャネルが違えばユーザーが考えることも変わります。
こういった理由で、ユーザー心理は複雑になり、マップ化したカスタマージャーニーを用意しないと、思考を予測し、まとめるのが大変な状況にあります。
思考や行動がまとまっていれば、ユーザーとの接点に合わせた施策を考えられるので、楽になりますよね。
カスタマージャーニーマップを作成するメリット
社内で共通の認識を持てる
カスタマージャーニーマップを作成することによって、社内のメンバーが顧客について共通認識を持てるようになります。
共通の基準がないと、ユーザーの思考や行動は各人の「主観」によってぶれてしまいます。
同じ認識をもっていないと施策に一貫性がなくなったり、的はずれな施策を行ったりする可能性も出てきてしまいます。
カスタマージャーニーマップの作成により、そういった認識のズレによる問題発生を防ぐことができます。
ユーザー目線で考えられる
カスタマージャーニーマップを作成すると、施策を考える際にユーザー目線で考えることができます。
例えば、私は自社のWebサイト担当をしているのですが、調査中によく見かけるのが「言いたいことが先行しているサイト」です。
とにかく成約に誘導したり、自社の強みを凄いスペ-ス使って掲載したり…
もちろんビジネスをアピールするのは大切ですけど、それだけじゃダメですよね。
そういった時にカスタマージャーニーマップがあると、ユーザー目線で考え直すことができます。
カスタマージャーニーマップの作り方
では、実際にどのように作成すればいいのか、解説いたします。
ステップ1:ペルソナの作成
カスタマージャーニーマップを作る際は、まずペルソナを作成します。
ペルソナとは、そのサービス・商品を利用する典型的なユーザー像のことです。
実際にその人物が存在していることをイメージして、年齢、性別、住所、職業、趣味、家族構成や休日の過ごし方など詳細に設定します。
カスタマージャーニーマップは、このペルソナをイメージしながら作成していきます。
ステップ2:フレームの作成
次にフレームを作成します。
初めて作るという方は下記のようにシンプルなフレームを使うことをおすすめします。
横軸はフェーズ、縦軸はユーザーをメインに考えて構成します。
上記はこのようなフレームで作成しました。
横軸(フェーズ):「サービス・商材認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」
縦軸:「ユーザー心理」「ユーザー行動」「接触ポイント」
横軸はユーザーがサービスを知ってから購入に至るまでを時系列で表しています。
場合によっては、BtoBの場合は継続利用、BtoCの場合はリピート購入やSNSでの共有・口コミ投稿等契約後の動きまで追うことをおすすめします。
縦軸は下記がシンプルで考えやすいと思います。
- 「ユーザー心理」は、ユーザーの心理、どう考えるか
- 「ユーザー行動」は、その心理の時ユーザーがどういう行動をとるのか
- 「接触ポイント」は、その行動によるユーザーと自社との接点
を入れていきます。
ステップ3:情報収集
ユーザーの行動、心理は想像だけで考えると、実態とのズレが生じる原因になります。
そのため、下記のようにユーザーの情報を多く集めると精度があがります。
- お問合せの内容を見てみる
- ユーザーアンケートを行う
- Google Analyticsでユーザー行動を見てみる
- 様々なチャネルから実際にアクセスしてみる 等
情報のマッピング
集めた情報を元にして、カスタマージャーニーマップにマッピングしていきます。
検討段階では情報を付箋に書いてボードに貼っていったり、たくさんの意見を考察してみましょう。
最終的にはエクセルやスプレッドシート等、データとして保存することをお薦めします。
あとから編集できますし、複数のメンバーがアクセス可能になります。
画像やイラストを追加して仕上げると、他の人が見た時にもわかりやすくなります。
これで完成です。
作成時の注意点
カスタマージャーニーマップを作成する際には以下に注意します。
ユーザー視点で作成する
カスタマージャーニーマップは想像だけで作っていると、担当者の「こうあって欲しい」という気持ちが反映されてしまうことがあります。
ユーザー調査をしっかり行い、「自分の考え」ではなく「作成したペルソナの考え」を基準に、行動や心理を考えるようにしましょう!
最初から作りこみすぎない
カスタマージャーニーマップは作成に時間を要します。
また、ブラッシュアップを繰り返して精度を高めていくものです。
完璧を目指して細かいフレームにすると、複雑になってどんな施策を打てばいいかわからなくなります。
改善するときも何をどう直すのか、判断に困ったりします。
初めて作る方はまずシンプルなフレームで作成して、徐々にブラッシュアップしていくことをおすすめします。
作ったまま放置せず、バージョンアップする
一般的に時間の経過に伴い、ビジネスの状況は変化します。
商品やサービスが変わる、新たなチャネルができる、法律が改正される、等、作成時と異なる状況になることは、起こりえます。
そのため、1年に1度はカスタマージャーニーマップを見直し、バージョンアップしましょう。
カスタマージャーニーマップの事例
就職活動のカスタマージャーニーマップ
実際に就職活動を行った学生と一緒に作ったカスタマージャーニーマップです。
アンケートを実施したり、ユーザーの声を元に作成するのは、精度の高いカスタマージャーニーマップを作成するポイントと言えます。
商品購入のカスタマージャーニーマップ
シンプルで分かりやすいカスタマージャーニーマップです。
友達と海外旅行に行くことになったペルソナが、デジカメを購入するという想定で作成されています。
初めて作る方はぜひ参考にしてみてくださいね。
温泉旅行のカスタマージャーニーマップ
家族旅行は一人ではなく、夫婦で考えて意思決定する、という仮説の上で作成されたカスタマージャーニーマップです。
難易度は高めの一例ですが、イラストやグラフも取り入れてあり、
分かりやすく作られています。
おすすめのテンプレート
ferret
マーケターのよりどころ「ferret」が提供しています。
横軸は「認知」「興味」「コンバージョン」のシンプルなカスタマージャーニーマップなので初めての方でも使いやすいでしょう。
会員限定でダウンロードもできます。
まとめ
カスタマージャーニーマップの使い方とおすすめのテンプレートを解説しました。
弊社でもカスタマージャーニーマップを作成して、施策の考察やメールマーケティング等に活用しています。
主観や企業目線の考えも、カスタマージャーニーマップを作っておけば、ユーザー目線に考え直すことができます。
みなさんもこの記事を参考に、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
大久保この記事の執筆者