マーケティング用語においての「パイプライン」とは? 管理ツールやメリット、注意点を解説
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
「パイプライン」というマーケティング用語をご存知でしょうか。
マネジメントをされている方であれば一度は聞いたことがあるという方もいらっしゃると思います。
営業活動においての実績を上げて行くために、「パイプライン」に注意して業務を行なうことで、どこに問題があるのかというボトルネックの把握にも役立ちます。
今回のコラムでは「パイプライン」とは何かということやメリット、注意点をご紹介いたします。
今後の営業活動の参考にしていただければと思います。
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パイプラインとは?
「パイプライン」とは、営業活動を行う上で担当者が獲得した見込み客を受注するまでの段階的なプロセスになります。
例えば、商品やサービスの問合せがあったとします。
その場合、次に営業担当者は問合せてきたクライアントに対して詳しい内容などをヒアリングするといった業務に移ります。
次にヒアリングした内容をもとにクライアントに提案を行うというプロセスが発生する訳です。
こういったプロセスをパイプラインと呼びます。
もちろん業界によってプロセスは異なります。
しかし、どの業界においても受注という結果において、途中の過程が存在します。
パイプラインを意識することで受注率の向上に繋げることもできます。
パイプライン管理
「パイプライン管理」とは初回訪問から受注までのプロセスを可視化して、分析を行い弱い部分を改善していくというマネジメント方法になります。
パイプライン管理を行なうことで売上や営業目標の達成を目指していきます。
具体的な流れは以下の通りです。
- 問合せ
- ヒアリング
- 初回提案
- 二次提案
- クロージング
- 受注
上記のようなプロセスを可視化して、それぞれのステップを進めていきます。
後に個人の営業成績や分析を行う際に各フェーズごとの数字を計算し、その数字を判断材料として営業担当者の弱みを抽出することができるようになります。
例えば上記の流れを参考にすると、初回提案を行った案件に対して二次提案に進んだ率を計算したとします。
その数字が他の営業担当者と比較して悪いといった場合に、どういった原因があるのかということを分析できるようになるという訳です。
管理にツールを活用する
管理にはツールを利用することをおすすめいたします。
パイプライン管理はExcelでも行うことはできますが、セグメント分けをしたりグラフを作成したりと時間と労力をかなり費やしてしまします。
そこでSFAなどの営業支援ツールを活用することで、時間効率を大幅に改善することができます。
こちらは弊社が開発、販売している「ネクストSFA」というツールです。
案件を各フェーズごとに可視化することができ、フェーズの移動もドラッグ&ドロップで簡単に行うことができます。
また、管理者はチームの営業担当者の案件の現状を全て一目で可視化して把握することができるので簡単に実績に繋がりそうな案件の数字の集計ができます。
パイプライン管理のメリット
パイプライン管理を行うと営業担当者だけでなく、管理者にもメリットが存在します。
以下に3点のメリットを記載します。
課題抽出ができる
営業組織において売上目標が未達になってしまった場合などに、どこがボトルネックになっているのかを把握するためにパイプライン管理が役立ちます。
例えば、各フェーズの案件数を確認して二次提案からクロージングに進んだ率が低かったとします。その場合に単純に営業担当者の能力が低いと決めつけるのは早いということです。
問合せの質によっても変わりますし、もちろん営業担当者の能力に問題があるかもしれないということです。
その場合に問合せが入ってきた経路の分析を行うことが優先されます。
仮に同じ経路から問合せが入ってきているとして、営業担当者Aと営業担当者Bで二次提案からクロージングに進んだ率に大きな差があれば、営業担当者の能力に問題があるという課題が抽出できるという訳です。
営業目標や売上計画が算出できる
パイプライン管理を行ったデータを蓄積することで、各商品やサービスの受注率などを正確に把握できます。
その蓄積したデータをもとにシュミレーションを行うことで四半期や半期、さらには年度での営業目標や売上計画が算出できるようになります。
逆に営業目標から営業戦略を立てる際にも、達成するためには行動量をもっと増やす必要があるので、人員の確保をすることが必要だといったような算出もできるようになります。
営業マンの成長を可視化できる
SFAツールなどを使用して各営業担当者の現状を把握することができれば、前期と比べて営業成績が向上した際に、「どこのフェーズにおいての課題がクリアできたのか」ということや「強みだったフェーズの数字をさらに伸ばせている」といったような成長を可視化することも可能になります。
それをもとに面談などで、管理者がフィードバックが行いやすくなるということになります。
フィードバックした内容をまとめていくことで、後に入ってくる部下や新人教育の際に活かすこともできます。
パイプライン管理の注意点
パイプライン管理を行う上で、重要になるのは常に新しい情報になっているのかということです。
管理者の立場からすれば、売上や営業目標の達成率の把握にも役立ちます。
その場合にリアルタイムな情報でなければ、ずれが生じてしまうことに繋がります。
以下2点の注意点をしっかり守った上で管理していただければと思います。
営業担当者に入力を徹底させる
SFAなどの管理ツールを利用してパイプライン管理を行う際にリアルタイムな情報の入力を営業担当者に徹底させることが必要になります。
管理ツールであれば営業目標の達成率や案件の進捗情報などを自動的にグラフで表示してくれるため、現状や未来の実績の把握が簡単に可視化できます。
しかし、営業担当者が入力を行っていなければ、案件や実績は進捗しないままの状態になっており、管理者が実績の把握をする上でずれが生じてしまいます。
チームの営業担当者には必ずツールの進捗を常に新しく更新させることを徹底させてください。
データの集計や分析に時間をかけないように行う
パイプライン管理を行う際は、データの集計や分析に時間をかけすぎないことが重要になります。
なぜなら、集計や分析をすることが本質ではなく、営業活動において、ボトルネックになっている部分の改善やチームの営業担当者の業務改善を行うことが目的だからです。
先にも述べたように、パイプライン管理はExcelでも行うことはできます。
しかし、セグメント分けやグラフ作成など、手間がかかり業務効率が悪くなってしまいます。
その点、管理ツールを利用することで、データの集計や分析をシステムが自動的に行ってくれるため、業務効率が格段に早くなります。
是非この機会に管理ツールの導入を行い、業務効率の改善を図ってみることをおすすめします。
まとめ
今回はマーケティングにおけるパイプラインとは何なのかということや、パイプライン管理のメリットや注意点をご紹介しました。
営業活動において、ボトルネックになっている部分の洗い出しや売上、営業目標に対する進捗具合を具体的に把握できるなど、メリットは多くあります。
管理ツールを利用することで、パイプライン管理の時間効率もあげていくことができるため、マネジメントを行っている管理者の方は、是非参考にしていただければと思います。
エトゥーこの記事の執筆者