公開日:2020/05/29 更新日:2020/06/23

いまさら聞けない「生産性向上」とは?

働き方改革によって労働環境や雇用市場が変化していく中、昨今のコロナ禍もあり企業の在宅勤務やテレワークの導入が急増しています。
それに伴い注目を浴びているのが「生産性向上」という言葉です。
よく耳にする言葉ではありますが、具体的な説明を求められると答えに詰まる人も多いのではないでしょうか。
 
また実際にいざ生産性を向上させようと思っても「何をすれば生産性が上がるのか分からない」という人もいるかと思います。
この記事では、生産性という言葉の意味と向上させるための具体的な方法について解説していきます。

そもそも生産性ってナニ?

世界で最も利用者が多いと言われているインターネット上の百科事典「ウィキペディア」 で調べてみたところ、以下のように説明されていました。

経済学・寄与度といったような難しい言葉がでてきいているので、いまいちピンとこないかもしれませんが、「生産性」を簡単に分かりやすく一言でいうと「生産力の度合」のことです。
生産力とは、物事を作り出す力のことを意味する単語になるため、その度合や程度になります。

例えば、、、
 
・労力なら、何かをやる時にどの程度の労力を使うか
・時間なら、何かをやる時にどの程度の時間を使うか
・難易度なら、何かをやる時にどの程度のレベルなのか
 
このような具合です。
 
これを企業活動の現場で用いられることが多い「労働生産性」として計るためには、投入した資源(インプット)に対してどの程度の付加価値(アウトプット)を産み出せたかを見る必要があり、「産み出した付加価値 ÷ 投入した資源」で計算することができます。
この計算式をとある仮想ITベンチャー企業に当てはめてみましょう。
 
例えば、自社Webメディアのコンテンツ記事を大量に制作することになったとします。
 

■G社の場合
産み出した付加価値(500記事)÷ 投入した資源(社員100人)=生産性は5
※社員は全員がコンテンツ記事の企画やライティングの素人

■W社の場合
産み出した付加価値(500記事)÷ 投入した資源(外注10人)=生産性は50
※外注は全員がコンテンツ記事の企画やライティングのプロ

この場合、対応した時間や人件費と経費が同じと考えるとコンテンツ記事の作成に関してはW社の方が10倍も生産性が高いことになります。
 
ちなみに、生産性とよく混同されてしまうのが「業務効率」です。
生産性は、上記説明のとおり投入した資源に対して産み出した付加価値の度合や程度のことです。そのため、生産性を向上させるためには付加価値に直接影響を及ぼす資源を適切に投入することが重要となります。
 
一方で業務効率は、現段階ではあまり効率が良くない業務、またはあきらかに効率が悪いとされている業務を改善して今よりも効率を良くしようとする取り組みのことです。
一見同じようなことを言っているように感じるかもしれませんが、マニュアルなどを整備し、各個人でのムラやミスを減らすことで作業速度をアップさせる、といったような取り組みが重視されます。
 
よって大きな意味合いでは、業務効率も生産性のカテゴリーに入ると言えますが、生産性と比較した影響度合は格段に小さいと考えられています。

生産性が向上するとどうなるの?

生産性については先の説明で理解していただけたとは思いますが、では生産性が向上すると具体的には何がどうなるのでしょうか。
これをしっかり把握しておくことで生産性向上のモチベーションにも繋がると思いますので、具体的に紹介していきます。

■労働力不足の改善

日本では、出生率の低下により若年層の人口が減少する「少子化」と高齢層の人口が増加する「高齢化」が同時に進行している「少子高齢化」が深刻な問題となっているのは周知のとおりだと思います。
 
そのような状況下で2018年10月に大手人材会社が発表した「労働市場の未来推計(※1)」によると2030年には労働需要が7,073万人に対して、労働供給の見込みが6,429万人とのデータを公開し、そう遠くない未来に労働者が644万人も不足すると推計していました。
※1:https://rc.persol-group.co.jp/roudou2030/
 
この人手不足を補うために日本で働いている外国人は、2019年10月末時点で165万人以上と厚生労働省が「外国人雇用状況(※2)」で発表しており、7年連続で過去最高を記録しているとのことです。
※2:https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00676/
 
近年では、AIなどの人工知能を導入したりRPAと言われるロボットによる業務自動化の活用が注目されており、単純に労働人口を増やして不足分を補填するだけではなく、同時にこのような自動化を取り入れることで労働需要を下げることでより効果的な労働力不足の改善につながると言われています。

従業員満足度のアップ

生産性が向上するということは、労働環境が改善されることに等しいと言えます。
それは、今までと変わらない労力(労働時間など)で今まで以上の付加価値を産み出せるということだからです。
 
そのため、生産性向上=労働環境改善となることで労働時間も削減でき、そこで働く従業員の長時間労働による健康被害から守ることができます。
また、家族とゆっくり過ごせたり、プライベートな時間が確保できるため従業員の仕事に対してのモチベーション維持や満足度のアップに繋がります。

国際競争力の向上

主要国の中で日本の生産性が非常に低いことが世界的にも有名なことはご存知でしょうか。
IMD(スイスのビジネススクール)が発表した「世界競争力ランキング(※3)」の最新版では、日本の総合順位が63カ国中30位となっており、シンガポール1位、香港2位、中国14位、台湾16位、マレーシア16位、タイ25位、韓国28位とアジアの国々と比較しても低い順位となっています。
このランキングからも分かるように、早急に生産性を向上させ世界でも戦えるよう国際競争力を高めていく必要があると言えます。
※3:https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/052900397/

生産性を向上させるために

生産性を向上させることは企業にとっても働く従業員にとっても、そして関わる人々にとっても良いこと尽くめだということがこれまでの説明でご理解いただけたと思います。
とは言え、実際にどうやって生産性を向上させればいいのでしょうか。
ここでは生産性を向上するための重要ポイントを説明していきます。

可視化する

自分が日々おこなっている業務はどのような目的でやっているのか理解していますか?その目的が可視化され明確になるだけで業務に対するモチベーションが変わり、作業スピードや成果物の質が違ってくるものです。
また、誰(どれだけの人)がどのような業務をやっているのか、いつどれだけの時間をかけているのか、どのような労働環境で業務に取り組んでいるのか、正確に認識できているでしょうか。
 
この中には、実際には必要のない業務や作業に担当者や時間を費やしてしまっている可能性もあるため、これらを可視化することで目標設定やタイムマネジメント、環境改善に役立てることができ、実質的な生産性の向上に繋げることができます。

標準化する

業務効率の部分でも説明をしましたが、マニュアル化やルール設定などはしてますでしょうか。
またそれらはしっかり活用されてますでしょうか。
 
単純に多くの人を投資し、一生懸命に業務を進めたところで各個人の判断による作業の無駄やムレが発生しては意味がありません。
そういった事態にならないためにもマニュアル化やルールを設定、検証、改善し、しっかり活用する必要があります。

餅は餅屋に

専門的な人や業者を上手く活用しましょう。「餅は餅屋」という言葉があるように、素人ではプロにはかないません。
サッカーで例えるなら、チームの点取り屋として大金をはたいて獲得した世界的に有名なフォワードを、ゴールキーパーとして出場させたとしたらその試合はどうなるでしょうか?
 
不得意な業務でも内製にすることで一見は生産量を変えずにコスト削減ができているようにみえますが、実際には素人が対応することによる業務クオリティの低さや、作業速度の遅さ、それを管理・修正するマネジメントコストを考えると生産性は非常に悪いものとなります。

能力アップする

各個人の能力をアップすることで業務に対するモチベーションや作業速度がアップしてきます。
パソコンのタイピングやショートカットの活用などのような汎用的なスキルから、社内勉強会を開催したり、外部セミナーへの参加を促すことで得られるような専門的なスキルまで幅広くあります。
 
そういった事に対して積極的に時間や予算を投資し、会社が全面的にサポートすることで会社全体の生産性の向上に繋がってきます。また、社内外の人達と効率的に業務を進めるためのコミュニケーション能力も生産性向上の要因の一つです。

まとめ

ここで紹介したことをすべて取り入れ、実行しても必ず上手くいくとは限りません。
やらなくてはならない業務に対して、誰を、どのように、どの程度の時間をかけて実行させるのか、しっかり検討した上で業務を割り当てる事が重要です。
 
よく考えずにただ業務を与える、能力やコストを考慮しない、長時間労働化など、しっかりと検証しなければ現場が混乱・疲弊して逆効果となってしまいます。
業務の可視化や、適材適所、個々のスキルアップといったキーワードを常に意識し、生産性の向上につとめていただければと思います。

わんこ
わんここの記事の執筆者
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