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更新日:2020/07/14 

ラポール構築完了後のリーディングって?心理学に基づいた営業スキル

心理学は、ビジネスにおいても信頼関係構築のために必要なスキルです。
相手の立場に立ち、考え、相手が求めているものを見極め導く。
それがペーシング、ラポール、リーディングです。

初対面から始まる人間関係で、きっとあなたも安心感や信頼感がある人と関わりたいと思うはず。
そこで今回は、ラポール形成が完了した後の「リーディング」についてお話をしていきます。
ペーシングからラポール形成のおさらいを踏まえてお話ししていきますので、参考にしていただければ幸いです。

リーディングとは

リーディングとは
リーディングとは、ラポールが形成された次に、初めて相手に対して本格的な「変化」を引き起こす働きかけをすることです。
具体的には…

「相手を注目させる方向へ変化させ、リードすること。」

リーディングは、相手の狭まってしまった視野を広げるお手伝いや、行動パターン・言動パターンで「相手が求める方向にシフトさせるサポート」を行います。
ただ、リーディングは時間をかけて変化を生み出すではなく、「限られた時間の中で変化を生みだすとき」に積極的に活用することで効率的にリードをすることが容易になります。

例えるなら…
この部屋には何もないと思い込んでる人に、窓や扉もあることを気づいてもらうように導くこと。
つまり、固定概念を取り除き、新たな変化や可能性を感じてもらえるように導くことです。

リーディングの重要性

リーディングの重要性
リーディングは言語のみならず、表現などでも相手を導けます。
これは、ビジネスでお客様相手だけにとどまらず、部下への指導などにも活用でき、自分が望む方向へ導けます。

お客様相手なら、提案やセールスの一つの営業スキルとして
部下への指導などであれば、コーチングするときのコミュニケーションスキルとして活用できます。

リーディングはラポールが構築出来ている状態でないと使えませんので注意しましょう。

提案・セールスの営業スキルとして

営業スキルとして活用する場合、お客様の固定概念を取り除きましょう

お客様との距離が縮まり、ラポールが成功したとき、次にお客様が何に思考が固まってしまっているのかを把握する必要があります。

★会話例

  • A男:こり解消のマッサージ器のセールスマン
  • お客様:会社にマッサージ器を必要としていない

セールスマンとお客様との間にラポールが形成され、これから本格的にセールスを行うためにリーディングを行います。

お客様「君、面白いね。
ただ、申し訳ないんだが、マッサージ器は我が社には必要ないよ。」

A男「ありがとうございます!
そうですよね、必要ないですよね。
因みに、その必要ない理由をお伺いしてもいいですか?」

お客様「いやいや、会社にマッサージ器が置いてあるところなんてないでしょw

この「会社にマッサージ器が置いてあるところなんてない」というのが固定概念です。
その固定概念を打破し、お客様に変化を起こすことができなければ、いくら信頼関係構築したところで、売り上げには繋がりません

では、このマッサージ器を必要としていないお客様がどうすれば、「いいな」と思ってもらえるでしょう。

A男「確かに聞いたことないですよね。
お客様は、様々な福利厚生があるのご存じですか?」

お客様「聞いたことはあるくらいかな。」

A男「そうなんですね!
今は、毎日オフィスにフルーツが届き無料でフルーツを食べられる福利厚生や、サッカー休暇を福利厚生として取り入れてる会社など、本当に面白い福利厚生があるらしいです!

因みに、このマッサージ器をご利用の他のお客様も、新たな福利厚生として会社に置いてくださっていて、『休憩中の社員の皆が喜んで利用しているよ』とお声をいただいたりしてるんです。」

お客様「へー。
このマッサージ器で、そんな使い方ができるのか。」

上記の例は、少し無理やりかもしれませんが、このように、お客様が持っていた固定概念や先入観を打破することで、自分の持っていきたい方向へ変化させることが重要なのです。

Point

  • お客様の先入観、固定概念を把握
  • お客様のニーズに合う提案
  • 視点を定め適切な提案

コーチングの際のコミュニケーションスキルとして

部下にコーチングする際にもリーディングは非常に重要です。
ただ、管理職についている人がしがちなのが、ラポールを築く前に部下に変化を求めてしまう事です。
人は、命令されると「否定」という心理が働き、返ってモチベーションを下げてしまう可能性に繋がるため、必ずラポールを築きましょう。

そして、コミュニケーションとしてリーディングを行うときは、相手の気持ちや考えを把握する必要があります。

☆会話例

  • 課長:自分の部下には成果を出してもらいたい
  • B男:あまり成果を出せず、先方を怒らせた部下

部下とのラポールが構築された状態で、成果を出してもらえるようになるため、始めに気身持ち・考えを把握する必要があります。
この時、決して怒らず相手の気持ちを汲み取り、穏やかに対応しましょう。

B男「課長、すみません。」
課長「B男は原因が何かわかっているのか?」

B男「はい。提案が強引だったんだと思います。」

課長「そうか。強引な提案をしてしまったんだな。
じゃあ、なぜ強引になってしまったんだ?」

B男「それは成果を出したい一心だったんです。
でも、自分の中ではそれが正しいと思ったんです。」

部下であるB男の「成果を出したい一心だった」「自分の中ではそれが正しいと思った」という「思い・考え」を聞き出すことができました。

では、成果を出したいと強く思って、正しいと思って行動した結果クレームになってしまった部下に、どのようにすれば「成果を出せる部下」に変化させられるのでしょう。

課長「なるほど。
成果を出したいから自分の思う正しい方法をとったんだな。」

B男「そうなんです。
だから、どうしたらいいのかわからなくて…」

課長「そうか。
自分の正しいと思った行動が間違いだったとき、やるせないよな。
今回はこれをきっかけに、自分が成長できたと思って、次からはしないように意識しながら頑張っていこう。

もし、わからないのであれば、自分がやっている営業について研修するが、受けるか?

B男「はい、是非受けさせてください!」

これはあくまで一例なので、必ずしもとは言えませんが、B男が変化したのはお判りいただけたでしょうか。

「相手の気持ちを汲み、決して否定せず、相手と自分が求めている方向へ変化させる。」

これを行うだけで、部下のモチベーションも上がり、より関係が構築されます。

Point

  • 相手の気持ち・考えを把握する
  • 否定せず、尊重し同調する
  • 自分と相手の視点を定め、適切なタイミングを見計らう

注意点

リーディングを行うときは、必ずラポール構築完了後です。

決して相手のことを考えずに自己中なリーディングはやめましょう
これを行うと、せっかく築いた信頼関係が簡単に壊れてしまいます

リーディングを行うときは、必ず相手のことを思い、相手が求めているもの、望んでいるもの、困っているものを考えてから行いましょう。

リーディングは、適切な視点、適切なタイミングが非常に重要となるので、そこを意識しながら行うことをお勧めします。

ペーシング・ラポール・リーディング

ペーシング・ラポール・リーディング
「ペーシング」「ラポール」「リーディング」この3ステップは、ビジネスにおいても重要で欠かすことのできない基本テクニックです。
ただ、順番を間違えると自分の望む結果に導くことが難しくなるので、ご注意ください。

セールスなど、交渉を行うビジネスにおいても、この3つのステップをセットとして考えている人が多くいるので紹介していきます。

リーディングまでのステップ:ペーシング

ラポール構築をするためのはじめのステップは、「ペーシング」です。
ペーシングは言語や非言語を相手に合わせていくことですが、「相手に合わせる」ことは、自分の考え・やり方などを我慢したり、曲げたりすることとは違います。
相手を尊重し、よくなるための解決策や目的に向かって進めるために必要なものだとお考え下さい。

ペーシングの中でもステップがあります。

  • ゴール設定
  • マインドセット
  • 3つのペーシングスキル

ゴール設定

初めにコミュニケーションのゴール設定を行いましょう。
会話をする前に、その目的、意図など狙いを定める必要があります。
決められた時間で、どこまで進めるのかを決めていきましょう。

例(ビジネス)

  • お客様の課題まで聞き出す
  • 商品説明までする
  • お客様の求めているものまで聞く

のように、ゴールを設定することで、迷うリスクを軽減します。

マインドセット

次にマインドセットです。
相手に興味があることを示し、自発的に丁寧に「傾聴」しましょう。

ココでのポイントは自分が聞きたいことではなく、相手が話したい・伝えたい・言いたいことを聞くことです。
またこの時、相手を否定するように聞こえる言葉はNGなので、注意しましょう。

NGワード

  • 「でも」
  • 「いや」
  • 「しかし」

3つのペーシングスキルを活用

ゴール設定・マインドセットを行ったら、次にペーシングの基盤となる3つのスキルを活用していき、コミュニケーションをとっていきます。


ペーシングについてはコチラ↓をご覧ください。
・徹底解説ver

・実例を交えたご紹介ver

リーディングまでのステップ:ラポール

ペーシングで信頼関係を構築が完了することをラポール構築やラポール形成と呼びます。
詳しくはコチラ↓をご覧ください。

リーディングまでのステップ:リーディング

ラポールが形成出来た見分け方は、相手の姿勢や動作に現れます。
もしわからない場合はまだラポール形成が十分でない可能性があるので、その時は無理にリーディングせず、ラポールの形成を行いましょう。

リーディングは急いで行うものではありません。
もちろん、日を挟んでも大丈夫です。
責任やプレッシャーや責任感から解決を急ぎたくなることもありますが、落ち着いてリーディングを行うタイミングを見極めましょう。

まとめ

このスキルは、練習が必要なので、すぐにうまくいくとは限りません。
ただ、人と人のつながりを大事にしたいと思う人や、コミュニケーションを円滑にしたい人、技術やテクニックを身に着けたい人など、様々な人にとって欠かせないスキルです。

仕事、プライベート両方ともこのスキルを身につければ、人と素敵な関係を創り上げることができます。
ビジネスにおいては、売り上げ貢献、信頼関係構築、社員教育、モチベーション向上などのために活躍できるので、是非参考にしていただければ幸いです。

SFAは活用されてこそ意味がある

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