公開日:2020/06/26 更新日:2020/06/29

バリューチェーンとは?分析のメリット・活用方法を解説します

最近、ビジネスの世界で「バリューチェーン」という言葉をよく耳にするようになりました。
これは会社の業績を伸ばすために必要な考え方です。
今回はビジネス上で役に立つバリューチェーンの意味やメリット、また分析方法などについてご紹介します。

バリューチェーンとは

バリューチェーンとは、英語の「Value Chain」のことで、日本語に訳すと「価格連鎖」という意味になります。原材料や部品などの調達から、商品製造、商品加工、出荷、マーケティング、顧客のへの販売活動、アフターサービスに至るまで、企業が行う事業活動を単なる工程の集合体として考えるのではなく、価値の連鎖と捉える考え方のことです。ハーバードビジネススクールのマイケル・ポーター教授の著書である『競争優位の戦略』で紹介され、広く知られるようになりました。
 
バリューチェーンの目的は、事業活動を切り分けて分析することです。活動ごとに分析をすることで、どの工程において価値が生み出されるのか、またどの工程にトラブルが発生しやすいのかなどが分析しやすくなります。また、各活動にかかる費用(コスト)の把握もしやすくなるなど、自社の弱みや強みを踏まえた、実践的な改善策を講じやすくなるのです。
 
現代社会では商品を売り出すだけでは売り上げを伸ばすことはできません。また、全体の結果を見るだけでは、自社の状況を把握することも難しいでしょう。そのような時代だからこそ、事業活動を個別に分析するバリューチェーンという考え方が重要になってくるのです。

バリューチェーン分析のメリット

バリューチェーンの考え方を導入することには、以下のようなメリットがあります。
 
・自社の強みや弱みを把握できる
バリューチェーン分析により自社を分析することで、会社にどのような課題があり、またどのような武器があるのか把握できるようになります。仮に、自社の商品が若い男性からの人気があるとわかればそれが強みであると言えますし、反対に女性からの人気が低ければそれが課題であるとわかります。
 
強みに力を入れるのか、課題克服を試みるのか判断をする必要はありますが、いずれにしても集中戦略を立てやすくなると言えるでしょう。
 
・競合他社の動きを予測できる
バリューチェーンの分析対象に競合他社を入れることにより、競合が次に何をするのか、予測が立てられるようになります。競合他社の強みや課題をチェックし、消費者ニーズや市場の状態に鑑みたうえで、自社の動きを決定するのです。そうすることで、競合と自社の差別化を図りやすくなります。
 
・効果的なコスト削減ができる
ヒト(人的資源)、モノ(物的資源)、金(資金)、情報、ブランド力など、企業には経営のために必要な経営資源というものがあります。経営資源の量は企業体力ともイコールで、企業経営はそれらの資源をつぎ込むことで回すことになります。
 
しかし、むやみやたらにつぎ込んでいては消耗するだけで、良い結果を導き出すことはできません。バリューチェーン分析をすることで、事業活動のどの段階に何が不足しているか割り出せるようになります。そのため、必要なところへ必要な分だけ、効果的な資源の配分ができるようになり、コストの削減につながるのです。

バリーチェーン分析の方法

バリューチェーンで分析する事業活動は、主活動と支援活動の2つに分けられます。主活動というのは、購買物流、製造、出荷物流、販売、サービスなどです。支援活動というのは、全般管理、人事や労務の管理、技術開発、調達活動などになります。
これらの活動を個別に分けて、価値の連鎖を生み出していきます。
 
それを踏まえたうえで、バリューチェーン分析の方法を見ていきましょう。

ステップ1:バリューチェーン分析の対象を把握する

まずはバリューチェーンの分析対象を、主活動、支援活動ごとに洗い出します。
例えば販売店であれば、

主活動:配置する商品を決める、商品の仕入れ、店舗運営、集客、販売など
支援活動:人材採用、経理業務、キャンペーンの企画など

ステップ2:それぞれの活動に必要なコストを把握する

ステップ1で洗い出した活動ごとに、必要なコストを把握します。現状どれだけのコストがかかっているか確認し、活動ごとに収益性と比較します。

ステップ3:自社の強みや課題を把握する

活動ごとに、自社の強みや課題を明確にします。競合他社と比べて、どの点で自社が勝っているか、または劣っているかなどを洗い出し、分析します。ポイントは会社全体で洗い出し作業をすることです。アンケート形式の用紙を社内全体に配布するなどし、より多くの意見を得られるようにしましょう。

VRIO(ヴェリオ)分析を行う

VRIOとは、Value(価値)、Rareness(希少性)、Imitability(模倣される可能性)、Organization(組織)のイニシャルを取ったもので、それぞれは分析すべきポイントを表しています。
 
上記4つのポイントを、ステップ3で導き出した自社の強みと照らし合わせ、それぞれ分析していきます。分析の際は、以下のように考えながら行うといいでしょう。

Value(価値)
強みが経営目標の達成のために有効であると言えるか
 
Rareness(希少性)
強みに希少性があるかどうか
 
Imitability(模倣される可能性)
強みが真似される危険がないか
 
Organization(組織)
強みを活かせる組織作りができているか

具体例

最後に、今や世界的ブランドと言えるまでに成長した株式会社ユニクロを例に、企業がどのようなバリューチェーン分析を行っているのか見ていきましょう。
 
ユニクロは日本発のファストファッションブランド。高品質の衣料品を安く販売することで有名です。「大衆向け」に特化した価値提供の実施が、ユニクロの躍進を支えています。ユニクロが実施しているバリューチェーンは、以下のようなものです。

・独自商品の開発
・一度にたくさんの商品を生産する
・直営店舗に輸送する
・商品の陳列をシンプルにする
・セルフレジの導入

自分たちに上記のような強みがあることを把握しそこに力を入れています。その結果、ほかのファストファッションには見られない、高品質で低価格の商品提供を実現しているのです。

まとめ

自社の強みや課題を把握することは、企業成長のために絶対に必要です。しかし、ただ闇雲にそれらを探ろうとするのは簡単ではありません。
企業活動を区分して、バリューチェーン分析を行うことで、効率的に自社の状況を把握できます。積極的にバリューチェーン分析を行い、企業成長を促進していきましょう。

ooneda
ねだこの記事の執筆者
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