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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2024/07/29 

簿記は独学で取得できる?日商簿記2級・3級の違いや勉強時間おすすめの勉強法を解説

簿記は独学で取得できる?日商簿記2級・3級の違いや勉強時間おすすめの勉強法を解説

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

日商簿記検定は、多くの教科書・問題集が刊行されており、独学でも十分合格可能な試験です。

独学であれば、あまりお金をかけずに隙間時間をうまく活用して合格も可能になります。

通信講座を利用したり、無料サイトや勉強アプリなどを利用するのも独学を強力にサポートしてくれるでしょう。

実際、多くの受験生がスクールに通わず独学で合格を摑んでいるので、日商簿記試験に独学で受かるための勉強ポイントやコツを押さえておきましょう。


この記事で分かること

この記事の目次はこちら

日商簿記は独学でも取得可能なスキルアップに人気の資格

日商簿記は独学でも取得可能なスキルアップに人気の資格

日本商工会議所が実施する日商簿記試験は、ビジネスの世界で広く認知されており、キャリアアップやスキル向上を目指す多くの人々にとって人気の資格です。

経理職はもちろん事務職一般で高く評価される資格ではあるものの、資格取得の勉強を通じて会計の知識を学ぶことができるので、全てのビジネスパーソンに欠かせない必須のスキルを学べます。

日商簿記試験の3級・2級・1級の違いとは?

日商簿記試験は3級・2級・1級とレベル分けがされており、3級が簿記の入門としての位置づけで、商業高校に通う学生が取得するレベルです。

2級は、商業高校で、簿記・会計科など、会計に特化したスキルを身につけた学生が取得するレベルとなります。

1級は経営学部などで専門的に簿記・会計を学んだ学生が取得するレベルで、大卒程度の知識が要求されるため独学で取得するにはかなり難しいレベルです。

そのため、1級は税理士・会計士など会計専門職など、より高度な簿記・会計の知識を持っていることの証になります。

簿記2級以上が企業で求められる理由は習得レベルの違い

一般的に企業では、3級に合格していると簿記・会計の基礎を習得した状態であると評価され、2級に合格していると簿記・会計の知識を経営に活かせるレベルであると評価されます。

経理職として働くことを希望する場合には簿記2級の取得が望ましいと考えられ、事務職一般を希望する場合は3級の取得が望ましいでしょう。

なお1級は、税理士や会計士のような専門家になる方が、登竜門として合格を目指す資格となります。

簿記3級は独学でも十分取得可能な資格

簿記3級は商業簿記の基礎をカバーする試験ですので、簿記初心者でも独学で十分に取得が可能な資格です。

業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。

出典:商工会議所の検定試験.「簿記 3級」.https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3,(参照2024-01-09)

基本的な簿記の原則・仕訳・貸借対照表や損益計算書の作成など、入門レベルの知識に焦点を当てて学習を進めます。

勉強時間としてはおよそ120時間〜140時間程度の学習が必要です。

あくまでも基礎レベルとなることから、教科書や問題演習を通じて計画的に学習することで多くの受験者が独学で合格を果たしています。

勉強法としては問題演習を繰り返し行い簿記の基礎を身につけるのが大切です。

簿記3級は会計の基本を学ぶための良いスタート地点になるでしょう。

簿記2級は独学でも取得不可能ではない資格

簿記2級は簿記3級より進んだ内容を取り扱います。

独学での取得は3級に比べて難易度は高いものの、しっかりとした学習計画と十分な練習を行えば不可能ではありません。

経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つ。

高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。

出典:商工会議所の検定試験.「簿記 2級」.https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class2,(参照2024-01-09)

商業簿記だけではなく、工業簿記からも出題されるようになります。工業簿記は製造過程のコスト計算と管理に重点をおいた会計になります。

勉強時間としてはおよそ250時間〜350時間程度の学習が必要です。

勉強法としては、試験範囲が広いため過去問を活用して出題傾向をつかみ効率的に勉強することが大切となるでしょう。

直近の試験の合格率は21.1%となっており、近年の合格率は20%〜30%を推移しています。

簿記2級を取得することで会計の中級レベルの知識を得られるため、企業でも簿記3級を取得しているよりも簿記2級を取得している人材が求められます。

簿記1級は独学だとかなり難易度の高い資格

簿記1級は日商簿記試験の中で最も難易度が高いレベルです。会計士や税理士など職業会計人の登竜門として位置づけられている試験となります。

極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。合格すると税理士試験の受験資格が得られる。

出典:商工会議所の検定試験.「簿記 1級」.https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class1,(参照2024-01-09)

試験に合格するためには広範囲にわたるトピックを習得し、実践的な問題解決能力を身につけなければなりません。

勉強時間としてはおよそ500〜700時間程度の学習が必要です。

独学での取得はとても挑戦的であり、多くの受験生は専門学校の講座や大学などの教育機関での学習を選択します。

独学での合格が難しい理由は圧倒的に問題演習量が不足してしまうからです。

簿記1級は独学だとかなり難易度の高い資格であると言えるでしょう。直近の合格率は12.5%で、近年では合格率10%程度で推移しています。

簿記1級合格をいきなり目指すことは不可能であるため、簿記3級、2級とステップアップしていくのが大切です。

そこで以下では、簿記3級と簿記2級に独学で合格するためのポイントをそれぞれ解説していきます。

簿記3級を独学で勉強したい場合は?

簿記3級を独学で勉強したい場合は?

簿記3級は独学でも十分に合格を目指せる試験です。

2020年12月以降は、統一試験(ペーパー形式)だけでなく、ネット試験(インターネット形式)が開始されたため、さらに独学でも合格しやすい環境が整いました。

簿記3級の合格率と難易度

近年の簿記3級の統一試験(ペーパー試験)の受験者数、合格者数、合格率は以下の通りです。

3級(統一試験)

受験者数(申込者数)実受験者数合格者数合格率
165(2023.11.19)30,387名25,727名8,653名33.6%
164(2023.6.11)31,818名26,757名9,107名34.0%
163(2023.2.26)37,493名31,556名11,516名36.5%
162(2022.11.20)39,055名32,422名9,786名30.2%
161(2022.6.12)43,723名36,654名16,770名45.8%
160(2022.2.27)52,649名44,218名22,512名50.9%
159(2021.11.21)58,025名49,095名13,296名27.1%
158(2021.6.13)58,070名49,313名14,252名28.9%
157(2021.2.28)70,748名59,747名40,129名67.2%
156(2020.11.15)77,064名64,655名30,654名47.4%

出典:商工会議所の検定試験.「簿記3級受験者データ(統一試験)」.https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class3 ,(参照2024-01-09)

統一試験の結果をみると直近の試験の合格率は33.6%となっていることから、受験者の3人に1人は合格できる難易度であるのが分かります。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、日商簿記検定試験を主催する日本商工会議所は2020年12月からネット試験を開始しました。

ネット試験は各地に設置された試験会場が設定する任意の日にいつでも受験が可能です。

定期的(毎週、毎月)にネット試験を実施している試験会場もあれば、受験生の希望に応じて随時受験ができるネット試験会場もあります。

受験者にとっては自分が受験したい任意のタイミングで受けられるメリットがあります。

近年のネット試験の受験者数・合格者数・合格率は以下の通りです。

ネット試験3級

期間受験者数合格者数合格率
2023年4月~2023年9月102,672名40,046名39.0%
2022年4月~2023年3月207,423名85,378名41.2%
2021年4月~2022年3月206,149名84,504名41.0%
2020年12月~2021年3月58,700名24,043名41.0%

出典:商工会議所の検定試験.「簿記2級・3級受験者データ(ネット試験)」.https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class2-3,(参照2024-01-09)

ネット試験の結果をみると、直近の試験期間の合格率は39.0%となっています。

傾向として、統一試験よりもネット試験の方が合格率は高くなっており難易度が相対的に低いのが確認できます。

簿記3級の合格基準と試験内容

日商簿記は100点満点中70%以上の得点で合格できる試験です。

公式サイトでは小規模企業の企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベルの試験内容であると説明されています。

70%以上の得点が合格基準となっており、60分で全ての問題に解答するのが求められます。

試験で問われる内容は商業簿記です。商業簿記は、株主や債権者など企業外部のステイクホルダーに対して、財務情報を提供するのを目的とした簿記です。

試験勉強を通じて、業種・職種を問わずビジネスパーソンであれば誰もが身に付けておくべき必須の基本知識を学べます。

参考:商工会議所の検定試験.「簿記 試験科目・注意事項」.https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3/exam,(参照2024-01-09)

簿記3級の勉強内容と合格するための勉強時間

簿記3級の勉強内容は、主に以下のトピックを含みます。

  • 基本的な会計原則と仕訳:  財務会計の基礎知識と、日常の取引を記録する仕訳方法
  • 財務諸表の作成:  損益計算書や貸借対照表など、基本的な財務諸表の作成方法
  • 簿記の各種取引:  販売、購入、現金や預金の取引など、一般的なビジネス取引の会計処理

合格するための勉強時間は、前述した通り、約120時間から140時間が一般的です。この時間をどのように配分するかは、学習者のスケジュールや理解度に依存します。

初学者の方が勉強する場合のポイントは、アウトプット(問題演習)を重視することです。

教科書を読んでいるだけでは試験で問われるような問題に対する回答力が身につきません。

独学で早期合格を目指す方もアウトプットの時間を増やしましょう。

簿記3級を独学で取得するためのスケジュール

まずは、いつのタイミングでの合格を目指すかを考えましょう。

近年は、ネット試験での受験を考える人の方が多いため、いつからでも勉強を始めることが可能です。

合格を目指すタイミングを決めたら、次は勉強のスケジュールを考えていきます。

独学で簿記3級を取得するための典型的なスケジュール例は以下の通りです。

  • 初期段階(1~2週間)

仕訳に関する基本概念の習得

  • 中期段階(2~6週間)

仕訳の練習と財務諸表の作成方法を習得

  • 後期段階(7~12週間)

過去問を利用して実践的な問題解決能力を磨く

簿記3級に独学で受かるためのコツはアウトプット

簿記3級の学習では、理論を学ぶインプットだけでなく、実際に問題を解くアウトプットが非常に重要です。

アウトプットを通じて学んだ知識がどのように実際の問題に応用されるのかを理解することができます。

また、アウトプットは学習した内容を定着させるのにも効果的です。

過去問の利用

過去問を解くことは、以下の点で特に有効です。

  • 実際の試験形式に慣れる

過去問を解くことで、実際の試験の形式や問題の傾向を理解できます。

  • 理解度のチェック

自分がどの程度理解しているか、どの分野が弱点かを把握できます。

  • 時間管理の練習

実際の試験と同じ時間制限を設けて過去問を解けば、時間配分の練習になります。

アウトプットの方法

アウトプットをする際には、以下の方針で実施するのがおすすめです。

  • 定期的な過去問の解答

学習の一環として、定期的に過去問を解く時間を設けます。

  • 間違えた問題の分析

間違えた問題はただやり直すだけでなく、なぜ間違えたのかを分析し、同様の間違いを繰り返さないようにします。

  • 模擬試験の実施

本番の試験に近い状況を作り出して、模擬試験を行うのも有効です。

簿記3級の試験対策で、アウトプットは不可欠な要素です。過去問を利用して実践的な練習を積むことで、より高いレベルの理解と試験への対応力を身につけられます。

簿記2級を独学で勉強したい場合は?

簿記2級を独学で勉強したい場合は?

簿記2級も、3級と同じように独学で合格できる試験です。

ただし、簿記3級と比べると出題範囲が広くなり、難易度も高くなります。そのため、短期間で集中して勉強するのが大切です。

簿記2級の合格率と難易度

近年の簿記2級の統一試験(ペーパー試験)の受験者数、合格者数、合格率は以下の通りです。

2級(統一試験)

受験者数(申込者数)実受験者数合格者数合格率
165(2023.11.19)11,572名9,511名1,133名11.9%
164(2023.6.11)10,618名8,454名1,788名21.1%
163(2023.2.26)15,103名12,033名2,983名24.8%
162(2022.11.20)19,141名15,570名3,257名20.9%
161(2022.6.12)16,856名13,118名3,524名26.9%
160(2022.2.27)21,974名17,448名3,057名17.5%
159(2021.11.21)27,854名22,626名6,932名30.6%
158(2021.6.13)28,572名22,711名5,440名24.0%
157(2021.2.28)45,173名35,898名3,091名8.6%
156(2020.11.15)51,727名39,830名7,255名18.2%

出典:商工会議所の検定試験.「簿記2級受験者データ(統一試験)」.https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class2 ,(参照2024-01-09)

直近の試験の合格率を確認してみると簿記2級の合格率は11.9%となっています。

過去の合格率をみても、簿記3級と比べて合格率は低いため、難易度が高い試験であるのが確認できます。

簿記2級の試験が難しい理由の一つに工業簿記が出題される場合があります。

工業簿記は簿記2級から出題される分野であるため、多くの受験生が十分な対策をせず、後回しにしてしまいがちです。

結果として、十分な解答力を養えずに試験に臨んでしまっています。

簿記2級に短期間で合格したいなら、むしろ工業簿記こそきちんと対策するべきです。

工業簿記は基本的な問題が出題されますし出題される頻出分野はほとんど変わりません。

従って、独学で簿記2級合格を目指すのであれば、まずはしっかりと過去問を活用して工業簿記の分野で頻出の論点をおさえておくのが大切です。

さらに、ネット試験の合格率も確認していきましょう。

ネット試験2級

期間受験者数合格者数合格率
2023年4月~2023年9月48,996名18,124名37.0%
2022年4月~2023年3月105,289名39,076名37.1%
2021年4月~2022年3月106,833名40,713名38.1%
2020年12月~2021年3月29,043名13,525名46.6%

出典:商工会議所の検定試験.「簿記2級・3級受験者データ(ネット試験)」.https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/candidate-data/data_class2-3,(参照2024-01-09)

簿記3級と同様に簿記2級も2020年12月からネット試験が開始されました。

近年では、紙の試験である統一試験よりもネット試験を受験する受験者が増えています。

実際、統一試験よりもネット試験の方が合格率も高いことが特徴です。

そのため、独学で合格を目指す方は、少しでも合格率の高いネット試験での合格を目指した方がよいでしょう。

簿記2級の合格基準と試験内容

簿記3級と同様に、簿記2級も100点満点中70%以上の得点で合格できる試験です。

試験時間は90分と長くなっていますが、商業簿記に加えて工業簿記も出題されます。

簿記2級では、およそ大問が5つ出題されます。大問ごとの出題傾向は以下のとおりです。

  1. 【商業簿記】第1問: 仕訳問題(20点分)
  2. 【商業簿記】第2問: 個別論点(20点分)

(株主資本等変動計算書、連結精算表など)

  1. 【商業簿記】第3問: 決算問題(20点分)

(個別財務諸表、連結財務諸表、精算表など)

  1. 【工業簿記】第4問: 仕訳問題、個別原価計算など(28点分)
  2. 【工業簿記】第5問: 直接原価計算や標準原価計算など(12点分)

参考:商工会議所の検定試験.「簿記 試験科目・注意事項」.https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class2/exam,(参照2024-01-09)

簿記2級の勉強内容と合格するための勉強時間

簿記2級の合格に必要な勉強時間は、簿記3級をすでに合格している場合は250〜350時間、簿記初学者の場合は500〜700時間と言われています。

簿記2級は高校生が受験するレベルとうたわれていますが、計算量が膨大で難しい論点の出題も見られるため、実質的な難易度は合格率よりも高いと言えるでしょう。

簿記2級の勉強内容は、主に以下のトピックを含みます。

  • 基本的な会計原則と仕訳:  財務会計の基礎知識と、日常の取引を記録する仕訳方法
  • 連結財務諸表の作成:  損益計算書や貸借対照表など、基本的な財務諸表の作成方法
  • 工業簿記の基礎(材料費・労務費・経費・個別原価計算など)
  • 工業簿記の計算(標準原価計算・直接原価計算など)

簿記2級の試験合格には単に知識を覚えるだけでなく、実際に問題を解く練習を重ねるのが重要です。

特に過去問題を解くことで試験の形式や問題のスタイルに慣れることができます。

また、定期的な復習を行い、知識の定着を図るのも大切です。

簿記2級を独学で取得するためのスケジュール

最初から簿記2級の合格を目指す場合、500〜700時間ほどの勉強時間が必要となるので、およそ6か月から勉強をスタートさせるケースが多いです。

近年では、簿記2級はネット試験を受けるのが主流となっているため、自分で合格を目指すタイミングを決められます。

合格のタイミングから逆算して、6か月のスケジュールで合格を目指しましょう。

6か月中、最初の3か月間

最初から簿記2級に挑戦するのであれば、商業簿記の勉強と並行して工業簿記の勉強をスタートさせるのがおすすめです。テキストと問題集を3か月かけて2回転ほどさせるとよいでしょう。

次の2か月間

次の2か月は、アウトプット(問題演習)を重視した勉強を進めていきます。工業簿記は過去問を使って出題傾向をつかみ、得点力を高めておきましょう。

工業簿記でどれだけ得点できるかで簿記2級の合格率は大きく変わります。

商業簿記は連結会計など理解に時間がかかる分野が多いため、頻出の論点を押さえるために、基礎的な問題を解くようにするのが大切です。

残りの1か月間

残り1か月は徹底して過去問を解いていきます。目的は時間内に得点できるようにすることです。

問題量が多くなるため、時間内に問題が解けるように準備しておきましょう。

簿記3級を持っている方が2級を目指す際のスケジュール

簿記3級の次のステップとして簿記2級の合格を目指す方は、およそ3か月前から勉強をスタートさせるケースが多いです。

3か月中、最初の1か月間

1か月でテキストと問題演習を2回転させるイメージで勉強を進めるとよいでしょう。

次の1か月間

次の1か月はアウトプットを中心として頻出の論点を潰していきます。特に工業簿記の頻出論点を取りこぼさないように準備しておくのが大切です。

残りの1か月間

残り1か月は最初から簿記2級に挑戦する方と同様に、過去問を徹底的に解いていきます。

時間内に問題が解けるようにするとともに苦手な分野と得意な分野を分け、苦手分野を徹底的になくしていきましょう。

簿記2級は出題範囲が広いので、全くフォローしてない論点が出てしまうと合格基準を満たせない可能性が高くなってしまいます。

そのため、しっかりと試験範囲を把握し全ての論点を満遍なく得点できるように準備しましょう。

簿記2級に独学で受かるためのコツ3つ

簿記2級に独学で受かるためのコツ3つ

簿記2級に独学で受かるためには以下の3つのコツをおさえた学習が必要です。

簿記2級は単に時間をかけて勉強すれば合格できるものではありません。

勉強方法を間違えてしまうと、いつまでも合格できないので注意が必要です。

コツをおさえて学習を進めれば、難易度が高いと言われている簿記2級にも短期間で合格できるでしょう。

商業簿記と工業簿記をバランスよく勉強する

簿記2級では商業簿記と工業簿記の両方が重要なトピックとなります。

これら二つの分野は、それぞれ異なる概念と計算方法を含んでいます。

  • 商業簿記

一般的な企業の取引を記録し、財務諸表を作成するための基本的な簿記です。収益、費用、資産、負債、資本などの概念を深く理解する必要があります。

  • 工業簿記

製造業特有の経済活動を反映する簿記で、原価計算が中心となります。原材料、労務費、製造間接費などのコスト計算と管理が主な内容です。

商業簿記と工業簿記の分野をバランスよく学習することで、簿記2級試験の全体的な理解と対応能力を高められます。

特に、3級から継続して2級の合格を目指している方は、商業簿記の勉強の方がしやすいため、工業簿記の勉強を疎かにしがちです。

出題難易度としては工業簿記の方が簡単で得点しやすい分野であるため、両分野をバランスよく勉強することが肝心となり、不得意な分野を作らないことが大切です。

過去問を解き問題形式に慣れる

簿記2級試験の成功には、過去問を解くのが非常に重要です。

過去問を解くことには多くのメリットがあり、それによって試験へのパフォーマンスが大幅に向上する可能性があります。

  • 試験形式への慣れ

簿記2級の試験では、定番の出題形式や問題が出題されるケースが多いです。過去問を解くことで、特定の問題形式や出題の傾向に慣れることができます。

特に、簿記試験の経験が少ない受験生にとって有益です。実際の試験のような状況を再現することで、試験当日に直面するプレッシャーにも慣れるでしょう。

  • 時間管理の練習

簿記2級試験では限られた時間内で多くの問題を解く必要があります。単に問題が解けるだけでなく、スピーディーに問題が解けなければなりません。

2級試験は問題量も多いため、時間内に問題を解けるよう、訓練しておく必要があります。過去問を時間を計って解くことで、効果的な時間管理の技術を鍛えられます。

時間管理により、どのような問題に多くの時間を割くべきか、またいつ問題をスキップして次に進むべきかの判断が可能になります。

  • 弱点の特定と克服

過去問を解くことで、自分の理解度が不十分なトピックや特定の種類の問題に気付けます。そのため、学習計画を再構築し、特定の分野に集中して勉強することが可能になります。

また、間違えた問題に対しては、その解答と解説を詳細に分析すれば、同じ間違いを繰り返さないようにできます。全体的な理解を深め、知識のギャップを埋めるのに役立つでしょう。

電卓は使い慣れたものを使用する

簿記試験では計算が多いため、電卓の使用が必須です。ここで重要なのは、試験当日に使い慣れた電卓を使用することです。

  • 速度と正確性

使い慣れた電卓を使用すれば、計算の速度と正確性が向上します。

  • 操作ミスの減少

慣れ親しんだ電卓であれば、操作ミスのリスクを減らせます。

  • 心理的な安心感

試験の緊張感の中で、馴染みのある道具を使用することは、心理的な安心感を与えます。

簿記を独学で取得するためのおすすめ勉強法3つ

簿記を独学で取得するためのおすすめ勉強法3つ

独学で簿記を効率的に学ぶためには、さまざま勉強法がありますが、特に効果的とされる3つの方法について詳しく説明します。

近年では、無料で利用できる動画コンテンツ・サイト・アプリなどが充実しているので、それらを利用することが大切です。

簿記の無料サイトを活用して学ぶ

無料のオンラインリソースは、簿記の基礎から応用まで幅広く学べる優れた手段です。以下では、おすすめの無料サイトを3つ紹介します。

上記の無料サイトでは、基本的な会計原則から始まり、仕訳や財務諸表の作成方法など、簿記に関するさまざまなトピックがカバーされています。

メリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • コストパフォーマンスの良さ

無料で利用できるため、経済的負担が少なくて済みます。

  • 利便性の高さ

インターネットがあればいつでもどこでも学習可能です。

  • 多様な学習スタイルに対応できる

テキストベースの説明からビデオレクチャーまで、自分の学習スタイルに合わせて勉強法を選択できます。

簿記の勉強アプリで隙間時間に勉強する

スマートフォンやタブレット用の簿記学習アプリを使用するのも、とても効果的な学習方法です。

アプリは、隙間時間を利用して手軽に学習するのに最適です。

例えば、通勤時間や待ち時間などを使って簿記の知識を身につけられます。

以下の3つの簿記アプリの利用がおすすめです。

  • パブロフ簿記3級 lite 、パブロフ簿記2級lite
  • タダ簿記3級
  • 簿記3級 試験問題対策 アプリ-オンスク

アプリのメリットには以下が含まれます。

  • 携帯性

どこにいても学習できるため、場所を選ばずに勉強できます。簿記の教材は重いものが多いことから、スキマ時間に気軽に勉強が始められます。

  • カスタマイズされた学習体験

学習進度に応じて内容が調整されるアプリもあります。自分の苦手なポイントを踏まえて効率的に学習を進められます。

  • インタラクティブな学習

クイズやゲーム形式での学習は、知識の定着に役立ちます。

簿記のテキストは同じ出版社で統一する

簿記のテキストを同じ出版社のものに統一するのも、独学での学習で重要な戦略です。

異なる出版社の教材を混在させると、説明のスタイルや専門用語の使用が異なるため、混乱を招く場合があります。

同じ出版社の教材を使用するメリットは以下の通りです。

  • 統一された学習スタイル

説明の方法や用語の使い方が一貫しているため、理解しやすい。

  • 段階的な学習進行

同じ出版社のシリーズ物は通常、段階的に学習内容が進むため、自然な学習の流れを作れます。

  • 一貫性

一つのテキストで学んだ知識が、他のテキストで直接活用できる。

これらの要件を満たすものとして次のようなテキスト・問題集があります。

  • TAC出版
    よくわかる簿記シリーズ
    TACの簿記講座で実際に利用されているテキスト・問題集です。
    合格に必要な知識を漏れなく学習したい人におすすめです。
  • 中央経済社
    検定簿記講義/検定簿記ワークブック
    大学の教科書としても利用されることが多い教科書・問題集です。
    その他の教科書・テキストよりも安価に購入できるのも魅力です。
  • CPA会計学院
    『いちばんわかる日商簿記の教科書・問題集』
    誰でも登録すれば無料で簿記の学習ができる簿記学習WebサイトであるCPAラーニングと完全連携! したテキストと問題集が魅力です。

簿記を独学する際は、以上3つの勉強法を組み合わせることで、さらに効果的な学習が期待できます。

無料のオンラインリソースで基本的な知識を学び、アプリで隙間時間を活用して同じ出版社のテキストを用いて深く知識を掘り下げるのが簿記の理解とスキルアップへの鍵となるでしょう。

簿記を独学で勉強するなら通信講座もおすすめ

簿記を独学で勉強するなら通信講座もおすすめ

簿記を独学で勉強するなら通信講座もおすすめです。

通信講座なら、自分のペースで勉強を進められますし、自分の好きなタイミングで勉強を開始できます。

以下では、おすすめの通信講座を紹介していきましょう。

ユーキャンの通信講座

ユーキャンの通信講座は、長年の開講実績を持った通信講座です。多くの合格者を輩出している講座で、通信校でも充実のサポート体制があるので安心して勉強を進められます。

市販の教科書にはない、漫画やイラストが豊富なテキストで、はじめて簿記を勉強する方にもイメージしやすいテキストです。

文章だけでは理解が難しい内容も、無理なく頭に入ります。出題傾向を徹底分析したテキスト・問題集で効率的な勉強が可能です。

費用2級: 一括払い 49,000円(税込)
  分割払い 49,400円(税込)
3級: 一括払い 39,000円(税込)
  分割払い 39,600円(税込)
標準学習期間2級: 6か月(受講開始から12か月までサポート) 
3級: 3か月(受講開始から12か月までサポート)
講座の特徴・Web学習対応(動画講義、デジタルテキスト、Webテスト、スケジュール管理機能)
・添削指導有り
・質問対応有り
公式サイトhttps://www.u-can.co.jp/

※2024年1月9日現在の情報です。
参考:通信教育講座なら生涯学習のユーキャン https://www.u-can.co.jp/ (参照2024-01-09)

大栄のオンライン講座

大栄のオンライン講座は高い合格実績が魅力のオンライン講座です。

大栄のオンライン講座で利用するテキストは各テーマごとに会話を元にして読み進められるように工夫されています。

分かりやすいストーリー形式が採用されているので難しい論点もすっきり頭に入るのが魅力です。

学習内容がセクションごとに細かく分けられており、理解度確認テストが実施されるので着実にステップアップできるプログラムです。

費用2級: 受講料(税込): 51,425円
  教材費(税込): 79,325円
  入学金(税込): 22,000円
  合計金額(税込): 152,750円
3級: 受講料(税込): 20,603円
  教材費(税込): 40,685円
  入学金(税込): 22,000円
  合計金額(税込): 83,288円
標準学習期間2級: 6か月
3級: 3か月
講座の特徴・高い合格実績
・専門講師による1対1で質問対応
・パーソナルトレーナーによる学習計画の作成と振り返り
公式サイトhttps://www.daiei-ed.co.jp/lp_boki/

※2024年1月9日現在の情報です。
参考:資格スクール大栄.「簿記講座」.https://www.daiei-ed.co.jp/lp_boki/ (参照2024-01-09)

フォーサイトの通信講座

フォーサイトの通信講座は独自のeラーニングシステム『ManaBun』でスキマ時間を上手に活用しながら効率的に学習できるプログラムが魅力です。

パソコンはもちろん、タブレットやスマートフォンでも学習を進められるので、どこでも自分のスタイルで学習できます。忙しい方にもおすすめできるプログラムです。

紙のテキストももちろん講座に含まれますがデジタルテキストもManaBunから閲覧可能です。さらに、学習スケジュールもManaBunが自動で作成してくれます。

スケジュールに沿った学習の進捗管理も可能で、合格まで最短コースでたどり着けるのが魅力です。

費用2級簿記
2級スピード合格講座: 31,800円(税込)
バリューセット1: 37,800円(税込)
(簿記の2級講座と過去問解き方講座がまとめて受講できるセット)
3級簿記
3級スピード合格講座: 16,800円(税込)
標準学習期間2級: 2〜4か月
3級: 3か月
講座の特徴・短期合格が可能な効率的プログラム
・Web学習対応でスキマ時間を活用しやすい
・記憶に残りやすいフルカラーのテキスト
公式サイトhttps://www.foresight.jp/boki/

※2024年1月9日現在の情報です。
参考:フォーサイト.「簿記2級・3級の通信講座はフォーサイト」.https://www.foresight.jp/boki/ (参照2024-01-09)

簿記を独学で取る際のよくある質問

簿記を独学で取る際のよくある質問

簿記を独学で学ぶのは、会計の基本的な知識と技能を身につけるための一つの効果的な方法です。

以下では、簿記を独学する方にとって疑問となりやすいポイントについて回答していきます。

簿記の独学は難しいですか?

簿記の独学は個人の学習習慣や前提知識に大きく依存します。

初心者にとっては、簿記の概念や仕訳、財務諸表の理解が挑戦的に感じられる場合があります。

しかし、適切な学習材料を用い、一貫した学習計画に従えば、簿記の基本は比較的短期間で学ぶことが可能です。

簿記の独学に必要なものは何ですか?

簿記を独学するためには、以下のものが必要です

  • 教科書

大手予備校が出版したものがおすすめです。教科書と問題集が1冊にまとまったものもありますが、問題演習量が少ないので別々のものの方がおすすめです。

  • 問題集

教科書とセットのものを揃えるようにしましょう。

  • 過去問

教科書・問題集と同じシリーズのものの方が解法が同じなのでおすすめです。

  • ノートや計算用紙

練習問題の解答や仕訳の練習に使用します。計算用紙として利用するものなので、コピー紙やメモ用紙などでも問題ありません。

  • 電卓

複雑な計算を効率的に行うために必要です。操作になれる必要があるので早めに購入しましょう。打鍵音が気にならない静音設計のものがおすすめです。

  • インターネットアクセス

近年の教科書・問題集はYouTubeなどの動画コンテンツにアクセスできるようになっているものもあります。動画コンテンツやブログなども独学の方の強い味方です。追加の資料やオンラインコースへのアクセスに利用できるのでインターネット環境を準備しましょう。

簿記の初心者は何から始めればよいですか?

簿記初心者はまずは仕訳を理解することから始める必要があります。

仕訳は、簿記・会計の全ての基本となるもので、簿記初心者の方こそそれぞれの取引でどのような仕訳が必要かをマスターしていく必要があります。

簿記3級を独学で勉強するには何か月必要ですか?

簿記3級の独学には個人差がありますが、一般的には約120時間から140時間程度の学習が必要とされています。

週に数時間の学習を想定すると、約3〜4か月の学習期間が目安となります。

しかし、これはあくまで平均的な目安であり、学習者の背景や前提知識、学習の効率によって大きく異なる場合もあるので注意してください。

簿記の独学は計画的かつ着実に進めるのが重要です。自分自身のペースで学習を進め、必要に応じて追加の資料や支援を活用すれば、効果的に知識を身につけられます。

簿記を独学で取得できる?のまとめ

簿記の資格は、就職や転職の際にも高く評価されます。

特に、日商簿記試験は数多くの受験者がいますが合格率は20%〜30%程度となっており中々合格できない人も少なくありません。

独学でもしっかりと対策を行えば簿記資格は十分取得可能です。日商簿記2級や3級の資格は効率的な学習戦略を用いれば、時間と費用を節約しながら合格を目指せます。

日商簿記3級は基本的な会計原則や財務諸表の作成、基礎的な取引の記録に焦点を当てており、初心者や基本的な会計知識を身につけたい人に最適な資格試験です。

一方、日商簿記2級ではより高度な会計処理や商業簿記および工業簿記に関する知識が求められ、3級の内容を理解していることが前提となります。

簿記3級の勉強時間は約80〜100時間が目安ですが、2級ではさらに追加して150〜200時間程度の学習が推奨されます。

効果的な勉強法として、まず無料のオンラインリソースや勉強アプリの活用が挙げられます。これらはコストを抑えつつ、隙間時間を利用して効率的に学習を進めるのに役立ちます。

また、実際の試験形式に慣れるためには過去に出題された問題を定期的に解くことが重要です。

そして、一貫した学習スタイルを維持するために、同じ出版社のテキストブックを選ぶことが推奨されます。

独学で簿記の資格を取得することは、計画的なアプローチと自己管理にかかっています。

時間と費用を節約しつつ、効率的に学習を進めることで、簿記の資格取得を目指すことが可能です。

SFAは活用されてこそ意味がある

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