更新日:2023/09/04
売れない営業マンが出来ていない至極の営業手法|インサイトセールス
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
新しいセールスの手法として、最近よく耳にすることが多くなった「インサイトセールス」
従来の営業スタイルと一線を画し、現代社会に適した営業手法として注目されています。
インサイトセールスがどのようなものか、その具体的な概要をしっかり理解できているでしょうか。
売り上げを伸ばすためにも、インサイトセールスについてきちんと把握しておきましょう。
この記事の目次はこちら
インサイトセールスとは
インサイトセールスとは
インサイトセールスとは、顧客が自分でもまだ気づいていない課題やニーズを見抜き、それらに合わせて自社の商品やサービスなどを薦めるスタイルの営業手法です。
インサイトセールスでは、顧客が課題解決のために調査を始める前段階で自社商品などを売り込むこと可能です。そのため競合他社との比較がされづらく、成果を上げやすくなるなどのメリットがあります。
インサイトセールス=顧客を真に思う営業
インサイトセールスを行うためには、自社商品に関する知識や企画提案力を持っているだけではいけません。
顧客自身が気づいていない課題を見抜き、洞察力や先見性、そして広い視野を持つ必要があります。
一方的に商品の説明をするのではなく、あくまで「主役は顧客」であると考え、顧客の話をしっかり聞くことが重要です。
「この業種であれば、こんな課題があるのではないか」「このような業務方法では、こんなことに困っているのではないか」など、能動的に考えながらヒアリングを行わなくてはいけません。
インサイトセールスは、顧客の立場になって行う、「顧客を真に思う営業」であると言えるでしょう。
モノ売り、ソリューション売りからインサイトセールスへの移行
時代の変化に伴い、営業手法も着々と変化しつつあります。
過去の営業手法を知り、どのようにしてインサイトセールスが生まれたのか把握しておきましょう。
過去の営業手法①:プロダクトセールス
プロダクトセールスは、提案営業とも呼ばれる営業手法です。
自社商品についてしっかり理解し、その魅力をプレゼンし顧客に売り込みます。
他社の製品にはない、自社商品ならではの魅力をしっかり伝えることで、新規顧客獲得につなげることが可能です。
ただ、「他社製品と機能面の差がない」「顧客が現在そのような商品を必要としてない」という場合、売り上げ拡大を実現しづらいというデメリットがあります。
過去の営業手法②:ソリューションセールス
プロダクトセールスから派生した営業手法のソリューションセールスは、顧客が抱えている課題を把握し、その解決策を提案する営業スタイルです。
商品やサービスを売り込むのではなく、あくまで解決策を提案するというのが大きな特徴。
商品やサービスは「課題解決のために用いる道具」という位置づけになります。
例えば、顧客が「社員の離職率が高い」という課題を抱えているとしましょう。
そういった場合に、「当社製品のビデオ通話アプリを使うことで、リモートワーク環境を整えやすくなり、離職率を下げることができます。リモートワークが可能になることで~…」と、
商品を導入することで構築できる環境や仕組み、そしてそれらが課題解決にどうつながるのか説明するのがソリューションセールスです。
ソリューションセールスの終焉
ソリューションセールスは、課題の解決方法がわからないという顧客に対しては、有効な営業手法であると言えます。
しかし、インターネットが普及した現代社会。
すでに把握している課題の解決策について、顧客は簡単に情報収集ができるようなっています。
つまり、顧客は課題を抱えた時点で課題解決に向け、すでに何らかの情報を探し始めているということ。当然、営業に出向いたときには、顧客が何かしらの情報をすでに取得している可能性が高くなります。
そこへ商品を売り込んでも、競合他社との比較にならざるを得ず、売り上げ拡大の可能性が低くなってしまうのです。
営業をとりまく時代の変化
インターネットが普及していない時代であれば、顧客が抱えた課題に対する解決策がすぐに見つかることはありませんでした。
そのため、プロダクトセールスやソリューションセールスといった、後手になる営業手法が通用していました。
しかし、情報氾濫の現代社会においてはスピードが重要です。
顧客が課題を認識した直後に売り込みをする「先手必勝の営業手法」が必要になりました。
なぜ今インサイトセールスなのか
スピードが必要な現代社会では、インサイトセールスこそが最適な営業スタイルであると言えます。
顧客がまだ把握していなかった課題を指摘した直後に解決策を提案するため、顧客が課題解決に向けて独自に情報収集することがありません。
また、潜在的な課題を見抜き指摘してあげることで、強い信頼関係を築きやすくなります。
ネットに掲載されている情報は質や量が向上しており、ネットで取得できる情報のみで意思決定を下している顧客も増加傾向です。
便利な反面、すべてネット上で解決するため、どこか無機質な印象があることも否めません。
そのようなネット社会では、いち早く顧客の課題にアプローチでき、なおかつ人間的な信頼関係を築けるインサイトセールスが、最適な営業手法と考えられているのです。
今後求められる営業マンとは
営業を取り巻く環境が変わったことで、営業マンに求められるものにも変化が生じました。
従来の営業マンと、今後必要とされる営業マンを比較してみましょう。
かつての営業マン
かつての営業マンに求められていたのは、主に以下の能力です。
・知識を情報として顧客に伝えるプレゼン能力
・顧客の課題を聞き出すヒアリング能力
これからの営業マン
これからの営業マンは、上記のものに加えて、顧客が潜在的に抱えている課題を発見する洞察力が必要になります。
「こういう状況だから、こういう課題が生じるはずだ」というように、顧客が抱えているであろう課題を指摘できる論理的思考力や、顧客の立場になり、顧客以上に顧客企業のことを理解する共感力も必要になるでしょう。
また、AIなどのITを使いこなす力や、これから時代がどのように変化していき、その結果どのような課題が発生するか予見する先見性も必要です。
日頃から広い視野を持ち、さまざまな情報を吸収しておくようにしましょう。
まとめ
営業の在り方も、時代とともに日々変化しています。従来の営業スタイルにとらわれることなく、時代に合った営業手法を取り入れなくてはいけません。
また、インサイトセールスの次の営業手法が確立されてもすぐに対応できるよう、常に時代の潮流を見ておくことも重要と言えます。
情報氾濫の現代社会では、インサイトセールスが主流の営業手法です。顧客の立場に立ち、時代に求められる営業マンになりましょう。
ちゃっぽこの記事の執筆者