更新日:2024/07/26
営業スケジュールのマネジメント問題を解決できます
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
営業のマネジメント問題を解決する3つのコツ
経営陣の人材マネジメントで最も難易度が高いのが、営業マンのマネジメントです。
「営業マン」というリソースは会社にとって売上の要であり、非常に重要です。
如何ようにすればそのリソースを最大限に活用できるのでしょうか。基本的に、営業マンのマネジメントにはいくつかのコツがあります。
- 「目標管理」
- 「行動管理」
- 「コミュニケーション」
今回はそれぞれを少しずつ説明していきましょう。
目標管理
初めに目標管理からお話ししていきます。
KPIを自分で設定させる?
一般的に、営業マンのマネジメントで最も大切とされているのが「目標管理」です。社内共用語を英語にすることで注目を集め、日本で最も有名になりつつある大手IT企業の営業マンに取材しました。
「うちの会社ではいわゆるKPIと呼ばれる数値を営業マンひとりひとりが持っています。
その数字を達成できたかどうかで個人の評価が決まり、当然ながらボーナス、昇給の幅・昇進のスピードなども変化してきます。それを達成するために、営業マンは必死に努力するのです。
いくら勤務態度が真面目でも、いくら上司と仲が良くても、KPIがクリアできない営業マンの評価は低いままです」
ちなみに、KPIを持っているのは営業マンだけでなく、経理やシステムなど、ミドル、バックオフィス系で働く従業員も、ほとんどが何かしらのKPIを持っているとのことでした。
「ここが重要なところで、例えば、勝手に人から目標を決められて『明日からこれが君の目標だ』と言われたところで、人はあまりやる気にならないと思います。
うちの会社では、KPIは一人一人がそれぞれの上司と何度かの面談を介して設定していくのです。
この行程を踏むことで、KPIという数値自体に対して『自分が決めたこと』という意識が芽生え、そこに執着心が湧くのです」
確かに、会社から無理矢理設定された目標といっても、そこに執着心が生まれるまでにはなかなか時間もかかります。
自分で目標を決めるというフローを挟むことで、うまく営業マンのマネジメントができるようになるのです。
行動管理
次に行動管理についてお話ししていきます。
細分化し、毎日の数字に落とし込む?
さて、次はKPIの追い方です。
営業マン一人一人が、日々自分のKPIに向かって正しく、近い道を選んで進んでいるか、そこが問題になってきます。
営業マンが孤独にKPIを見つめていると、意外と客観的視点が欠けてしまう場合もありますが、中立性が欠けてしまえば、歩む道筋に誤りが生じてしまう可能性も高くなります。
「通常KPIは、管理者が作る管理フォーマットによって、相当細分化されて管理されています。業種や営業の種類にもよりますが、基本的に月々のKPIを因数分解して、毎日のKPIまで落とし込んでいき、営業マンはその目標をプリントアウトして、常に自分の目に留まるところに置いています」
事実、取材した営業マンがサンプルにと見せてくれたA3の紙には、びっしりと細分化された数値が刻み込まれていました。
そしてそこに、あまり見かけない言葉が載っており、「費消率(ひしょうりつ)」という言葉でした。
「費消率というのは、たとえば、月の営業日数が20日だとしたら、月々のKPIに対して、一日過ぎるごとに、5%(全体を100として、20日で割った数値)が消費されていくという考えです」
つまり、必然的に一日が過ぎ、費消率が5%を切った時、KPIも5%以上達成していないと、「このまま行くと1ヶ月の目標に届かない」という視点で見ることができるということです。
「そんな風に細かく数字を見ていくことで、自分たちが正しい道を歩んでいるか、正当な努力をしているかというチェックができるのです」
コミュニケーション
では、最後にコミュニケーションについてです。
「緊張感」と「営業マンのタイプ」?
最後に最も重要なのが、コミュニケーションです。IT企業のマーケティング営業などではなく対面営業でも、細部にわたる報告や管理を行えば行うほど、得意先や仕入先との信頼構築の状況や業績の進捗具合などを図り知ることができたりします。
上司と部下のコミュニケーションは、やはり非常に重要なのです。
物理的なスケジュールに関して、入出記録を確保するためのカードシステムや営業支援ソフトを使って管理している会社も多いですが、毎日の日報報告業務を義務としている企業も多くあります。
日報に対して、管理者が指摘を繰り返すことによって、コミュニケーションが常に生じ、かつ日々の各作業にも緊張感が出てくるのです。
しかし、一方で、優秀な営業マンほど行動管理を嫌う側面もあります。
自分でスケジュールを管理できる人と、管理したほうが効果の出る営業マンとの判別をつけることが重要です。
そんな場合は、営業マンに対するインセンティブ付与割合を多くすればいい。
完全歩合制の営業であれば、基本的に行動を管理されるよりも、自分たちの給料を取りにいくために動くので、管理する必要性は薄れていきます。しかしこれは諸刃の剣。
しっかりと営業マンとコミュニケーションをとり、会社の文化と照らし合わせ、もっともいい営業管理の方法を模索していくべきでしょう。
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