更新日:2022/07/05
覚書とは?作成のポイントを例文・テンプレートにて解説
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
“覚書(おぼえがき)”はビジネス取引にて用いられる書面の一つです。
ビジネスでは他にも「契約書」「合意書」「念書」のように様々な文書が用いられます。
でも「それぞれの書類の意味を説明してください」と言われたら自信を持って答えられる人は少ないのではないでしょうか?
今回は契約関連において重要な役割を果たす“覚書”について、意味や作成方法などを解説します!
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覚書とは
覚書は「当事者間での合意を記した書面」のことを言い、主に契約書の内容を変更・捕捉する用途で使用されます。
契約内容を変更したい時に、一から契約書を作り直さなくて済むので楽ですね。
署名・捺印が必要で、契約書と同様に法的な効力を持っています。
遵守されていない場合は契約不履行になる可能性がありますので、注意しましょう。
POINT
・契約書の「変更や追加」の際に用いる補助的な書面
・契約書同様、法的な効力がある
ビジネスで用いられる書面
覚書、契約書、合意書、誓約書…
ビジネスでは上記のように様々な書面が存在します。
覚書含め、それぞれの書面の役割を確認しましょう。
どういうシーンでどんな書面を使うのか、各書面の特徴と共に解説します。
覚書
・既にある契約書を補足・変更した文書
上記のような書面を指します。
ただし、書面の内容が契約内容の大筋を定めている場合、契約書とみなされるケースもあります。
契約書
契約内容が記された書面です。
要するに「お互いこんな契約をしましたよ」の書面ですね。
実は口頭でも契約は可能なのですが、契約書がないと後で揉めそうですよね…
合意書
例)契約締結前にお互い守るべき項目を記した書面
例)問題解決時にお互い合意した内容を記した書面
一般的に上記のようなケースで使用される書面です。
契約書とは異なり、取引と関係ないことでも用いられます。
なお、合意書は「合意した旨を示す証拠」にはなりますが、法的な強制力はもちません。
念書
・後々の証拠となるように、予めまとめておく書面
念書は、「お互い」ではなく、「一方が」書いて差し出す書面です。
署名捺印も念書を差し出した当事者のみとなります。
基本的には契約前に交わす書面で、こちらも法的な拘束力はありません。
約束した内容や、約束を破った際の対応など、後のトラブルを避けるために「念のために残しておく書類」になります。
誓約書
念書同様、一方がもう一方に対して差し出す書面で、法的効力もありません。
当事者間の合意がある場合には、法廷で有効な証拠となる可能性があります。
つまり「約束を破るわけにはいかない…」という心理的な影響力をもつ書面になります。
形式的には近いですが「念のため残す」念書とは使用用途が異なります。
覚書の作り方
ここからは覚書の作り方を解説していきます。
基本構成
覚書の基本的な構成は以下になります。
表題
文書の内容がわかるように設定します。
以下みたいなシンプルなもので問題ありません。
例)
・覚書
・○○についての覚書
前文
契約内容の要約や、覚書作成に至った経緯などを記載します。
甲乙についても前文に記載します。
例)
「〇〇株式会社(以下、甲)と△△株式会社(以下、乙)で締結した、□□契約書の一部を、次のように変更する覚書を締結する」
本文(合意内容)
「具体的な」合意内容を記載します。
また、必要であれば効力が発生する「日付」も記載します。
例)
第○条の「●●●」を「■■■」に変更する
第○条の変更内容は、令和〇年〇月〇日より効力が発生する
後文
作成した覚書の枚数や誰がそれを所持しているのか、また当事者間で合意したことを確認する宣誓文など記載されます。
例)
本契約を証するため、本書〇通を作成し、甲乙署名捺印のうえ、各一通を補完する。
作成日
覚書を作成する日付を記載します。
双方の署名捺印
当事者両名の署名を記載し、捺印します。
覚書のテンプレート
—————————————————————–
覚書
株式会社〇〇(以下、「甲」という)と株式会社〇〇(以下、「乙」という)は、甲乙間にて令和□□年□□月□□日付で締結した「〇〇契約書」(以下「原契約」という。)に基づく取引(以下、「本取引」という)について、下記のとおり確認し、合意した。
第一条(〇〇〇〇)
・
・
・
第〇条(〇〇〇〇)
本契約を証するため、本書を2通作成し、甲乙がそれぞれ1通を保管する。
〇〇年〇〇月〇〇日
甲 印
乙 印
————————————————————-
覚書作成時の注意事項
捕捉にはなりますが、覚書を作成するにあたってのお役立ち情報です。
覚書の修正方法
「覚書を修正・変更する覚書」が必要になります。
覚書で双方で交わす書面ですので、ちょっとの変更であっても勝手にやるのは厳禁です。
原則、修正・変更する箇所のみを記載します。
もちろん、この「変更の覚書」も双方の合意を明記しておく必要があります。
覚書で使用する収入印紙
収入印紙を貼る必要がある文書を「課税文書」と言います。
※課税文書に該当するかの判断は国税庁のホームページで公開されています
この課税文書に該当する場合は、覚書でも収入印紙を貼る必要があります。
当然ですが、非課税文書の場合は不要です。
甲乙の指定
「ビジネス上力関係が強い方が甲」になります。
お客様が甲で自社が乙、のようになりますね。
まとめ
「覚書」は契約書と同様に法的効力を持つ書類です。
署名、捺印を行った後は当事者双方の同意がないと取り消すことができないこともあるため、内容をしっかりと精査した上で締結するようにしましょう。
仕事で取り扱う方は覚書の性質を理解し、正しく使用してください。
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