更新日:2023/05/24
本質の営業力とは?売れる営業が当たり前に行動していること
【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬
営業マンであれば「売れるようになりたい!」「営業目標を達成したい!」などと考えているかと思います。
またそのために「営業力を高めよう!」とも考えたことがあるのではないでしょうか。
結論「営業力」を高めることができれば、誰でも「売れる営業マン」になれる可能性があると筆者は考えています。
ですが、営業マンに「営業力とは何か?」という問いをしてみると、「コミュニケーション能力!」と答える人が多いかと思います。
もちろん「営業力=コミュニケーション能力」ということ自体が間違っているわけではありません。
しかし、営業力の本質を理解することで、さらに効率よく営業力を高めることが可能です。
本記事では本質の営業力を理解していただき、現役営業マンが考える「営業力」についてお伝えできればと思います!
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営業力とは?
営業力とは、営業マンが新規開拓や既存顧客に対して営業活動を行い、契約を獲得するまでの流れ全体において必要な全ての能力のことを指しています。
前述のように「コミュニケーション能力」という言葉でまとめられてしまうことが多いです。
しかしコミュニケーション能力という言葉だけで説明してしまうと、いまいちイメージができない方が多いかと思います。
細かく分解していくと営業力とは、
- 人間力
- 技術力
- 知識量
- 管理力
の4つの要素から成り立っていると考えられます。
それでは順番に解説していきます!
人間力
ここでいう人間力とは、人に好かれる能力や、目標達成のために自ら能動的に行動する能力のことを指しています。
具体例を挙げるのであれば、以下のようなことができる能力です。
- お客様のためを思って行動できる
- 目標達成のために能動的に行動できる
- 責任を持って行動できる
- お客様の要望を汲み取ることができる
- 自ら計画を立て、これに沿って行動できる
- 状況を把握し報告ができる
- 周りを見て行動できる
- 約束を守ることができる
このようなことができる営業マンであればお客様からも信頼されるようになり、結果として契約の獲得することができるでしょう。
実はこの人間力という能力が営業力の土台なっています。
さらに最も重要な要素のため、身に着けることがとても難しいです。
したがって、前提としてすぐに身に付けられる能力ではないことは理解しておいてください。
その上で、ビジネスの場だけでなく日々の生活においても人に好かれるような行動をしておくことが人間力を身に付ける一番の近道になるかと思います。
技術力
ここでいう「技術力」を一言でまとめると、効率よく営業活動を行うための能力のことです。
詳しく説明すると、相手に分かりやすく正確に伝えることができたり、相手にストレスを与えることなく交渉を進めることが出来るような能力のことを技術力と呼んでいます。
よく営業スキルなどと言われていますが、分かりやすい話し方や話の聞き方などの手法を知ることで、比較的に身に付けやすい能力となっています。
後ほど、この営業スキルについてはご説明します。
知識力
いくら技術力を高めたとしても自分の中にある知識が少なければ何の意味もありません。
ここでいう知識力とは、以下のようなこと知っている能力を指しています。
- 世間
- 業界
- 顧客
- 自社
- 商品
- 業務
など
様々な知識を知っておくことで、お客様との会話を深堀りしたり状況を正確に把握することもできるため、質の高い提案内容にすることが可能になります。
特に自社の商品やサービス、さらに顧客のことを一番分かっている営業マンでなければ契約を獲得することは難しくなってしまいます。
思考力
最後の要素は思考力です
ここでいう思考力とは、課題に対して具体的な解決策が出せる能力のことを指しています
つまり営業活動において、契約を獲得するまでのプロセスを考え、自分自身の課題や顧客が抱えている課題を解決できる能力が必要ということになります。
稀にこの思考力が元々高い営業マンも存在します。
しかし多くの営業マンは最初は思考力が身についていないため、この能力を身に付けるには経験して学んでいくしか方法はないかと考えています。
例えば、営業経験がゼロの人に営業活動をやらせてみるとします。
どんなにコミュニケーション能力が高い人であっても、すぐに売れる営業マンになれるのかというと多くの人がそういうわけではありません。
なぜなら思考力が身に付いていないからです。
契約を獲得するまでに、どのようなプロセスが存在しているのか、課題をどう乗り越えるのかなどは自らが経験し失敗して学んでいくものです。
逆に営業マンとしての思考力を一度身に付けてしまえば、仮に他商材の営業を任されたとしても、
自分の勝てるパターンを繰り返すことでうまくいくケースが多いかと思います。
売れる営業マンと売れない営業マンの違い
それでは、売れる営業マンと売れない営業マンとでは何が違うのでしょうか。
売れる営業マンが当たり前にやっていることにフォーカスをあてて解説していきます。
売れる営業マンの特徴
売れる営業マンが当たり前のようにやっていることはたくさんありますが、今回はその中から4つを説明します。
結論から話している
顧客に説明するときや、質問を回答するときに結論から話しています。
人というものは自分が分からないことに対して、話のゴールが分からずに説明を受けることに苦痛を覚えるケースがあります。
したがって、顧客にサービスを説明するときは「このサービスは○○という強みがあるサービスです。」などと結論から話すことで相手に分かりやすく伝えることができます。
結果、契約を獲得することに繋がっていきます。
即レス・即対応
売れる営業マンは、お客様だけでなく社内に対してもレスが早いです。
ここで注意するポイントとしては、すぐに100%の回答をしなければいけないというわけでなく、一次回答で良いのですぐに対応することが大事です。
つまり今すぐに回答・対応できないものに関しては、まずは「承知致しました。確認しますので○○日を目安に回答します。」などと一次対応をしましょう。
一次回答をしておくことで、相手からしてみれば対応してくれていることが分かるため信頼に繋がります。
またその時には、「期限を決めておく」ということが大事なポイントです。
すぐにレスが返ってきたとしても、いつまでに正式な回答が来るのか分からない状況では、お客様も心配になってしまいます。
上記のことを理解して、即レス・即対応を心がけましょう。
はっきり決断をしている
はっきり決断をしているということは、周りからみると自信があるように見えます。
自信がなさそうな営業マンよりも自信がある営業マンの方が良いいんしょうを持たれるケースが多いです。
例えば、お客様から質問をいただいた時を想定してみます。
例①
客:「AとBどちらの方が良いと思いますか?」
営:「そうですね。Aも良いとは思いますがBも捨てがたいです。Aは○○で、Bは△△ですので決断が難しいところです。」
例②
客:「AとBどちらの方が良いと思いますか?」
営:「そうですね。私はAの方が良いと思います。なぜなら○○などのメリットが考えられるからです。しかし△△のような懸念点があるので注意が必要です。」
例①と②ではどちらのほうが、信頼して任せることができますか?
多くの人が例②の方に良い印象を持つかと思います。
例から見て分かるようにはっきりしている営業マンの方が、相手から良い印象を受け、売れる営業マンになっているということです。
また分からないことに対しても、はっきりと「分からない」と答える方が良い場合もあります。
しかし、前提として前述の「知識力」が身についている営業マンに限ります。
つまり、「様々な知識を持っている私でもこの事象に関しては分からないという立ち位置を取る」と相手に伝えることも大事になってきます。
約束じゃない約束を守っている
人とは知らない間に「約束じゃない約束」をしていることが多々あります。
約束じゃない約束とは「口約束」のイメージです。
もちろん大事な約束などに関しては口頭でもメールでもしっかりと伝えて守る必要があります。
しかし、商談の雑談時などに話すような安易な口約束に関しては互いに忘れてしまうことが多いかと思います。
売れる営業マンはこの約束じゃない約束を覚えていてしっかりと守っています。
お客様からしても、忘れてしまっているケースが多いですが、潜在的に悩んでいる内容になるため「そんなところまでやってくれるのか!」と非常に良い印象を与えることができます。
売れない営業マンの特徴
売れない営業マンとは、結論売れる営業マンが当たり前にやっていることができていない営業マンです。
つまり前述で挙げた4つができていないということです。
- 結論からではなく、ダラダラとゴールが見えないまま話してしまう。
- レスや対応が遅い。期限を決めない。
- はっきりと決断せずに曖昧な回答をしてしまう
- 約束じゃない約束を守らない
このような営業マンは売れないと言っても過言ではないでしょう。
営業力を強化するために行うべきこと~個人編~
まず個人で行うべきことを3つご紹介します。
営業スキルを学ぶ
世の中には営業スキルと呼ばれるテクニックが数多く存在しています。
この営業スキルを学ぶことで、営業力の強化に繋がります。
今回は数あるテクニックの中から3つをご紹介していきます。
ペーシング
相手の話し方や状態などを観察して自分を合わせるテクニックです。
例えば相手が早く話す人であれば自分も会話のペースを早めにしてみたり、相手の声が低かったら、自分も低音で話してみたりすることです。
人は無意識に自分と似ている人を好む傾向があるため、営業においても大事なテクニックの1つとなります。
バックトラッキング
日本語でいうと、オウム返しのことになります。
相手が話す内容に対して、できる限り同じ言葉を使ってリアクションし要約するテクニックです。
ポイントは3つあります。
- 相手の話した「事実」で返す
- 相手の話した「感情」で返す
- 相手の話を要約して返す
バックトラッキングを行うことによって、相手は自分が話した内容を理解されているという感覚を持たせることができます。
PREP法
論理的な話し方ができるテクニックです。
Point = 結論、ポイント
Reason = 理由
Example = 具体例
Point = 結論、ポイント
上記4つの頭文字を取ってPREP法と呼ばれています。
この話し方を覚えることで、論理的且つ分かりやすく相手に伝えることが可能になります。
情報を収集する
知識力を高めるためには、常日頃から情報を収集しておく必要があります。
情報収集方法としては以下の2つです。
モノから情報を収集する
本や新聞、インターネットなどから情報を収集する方法です。
特に見込み客の業界のことや、自社業界の最新情報、時事情報などをメインに収集すると良いでしょう。
ヒトから情報を収集する
同僚や上司など社内の人間はもちろんのこと、お客様など社外の人間からも情報を収集しましょう。
ここにおいてはテクニックはあまりないため、気になったことは率直に聞いてみることが大事です。
また情報を収集するだけでなく、アウトプットを行うことで自分の知識として使えるようになります。
相手にも情報を与えられる営業マンになれるように心がけましょう。
実際に経験をする
どんな物事にも共通して言えることですが、実際に経験することでしか学べないことはたくさんあります。
営業マンにおいて経験できる場とは、大きく2つのシーンがあります。
お客様への営業
電話や商談、メールなど何でも構いません。
契約に繋がる可能性があるお客様に営業するときが、最も経験値を獲得することができます。
ですので、1件1件のやり取りや商談ごとに何か自分の営業に役立てるものを学ぶことで営業力の強化に繋がります。
ロープレの実施
対お客様だけが経験というわけではありません。
社内でのロープレも経験値を獲得することができます。
実際の営業活動において、できなかったことをしっかり理解して練習することで営業力をより高めることが可能になります。
ただ経験するだけでなく実際に営業をしてみてどうだったのかなどPDCAサイクルを回すことが必要です。
練習通り話すことができたのか?自分の課題は何なのか?課題に対しての仮説を実行した結果はどうなのか?などを細かく分析をしていきましょう。
またこの時に重要なポイントとしては、うまくいった経験こそしっかり振り返る必要があるということです。
多くの営業マンは失敗したときやうまくいかなかったときに反省し改善しようとします。
もちろん改善をしなければ一生営業力が上がることはありません。
しかし成功したときやうまくいっているときこそ、なぜ契約を獲得できたのかを振り返ることが大事です。
たくさんの経験をしていくうちに、その中から自分の営業においての勝ちパターンを見つけることができるため、売れる営業マンに近づいていくことが可能です。
営業力を強化するために行うべきこと~組織編~
次に営業力を高めるために組織で行うべきことを2つご紹介します。
平等に成長できる環境を作る
営業マンが自発的に成長できる環境を作り上げましょう。
例えば、上司は売れない営業マンには全く仕事を任せず、売れる営業マンだけに仕事を任せてしまうと売れない営業マンは成長するスピードが非常に遅くなってしまいます。
もちろん目先の目標を達成するためには、できる人に任せた方が良いに決まっています。
しかし長期的な目線で考えたとき、平等に成長できる環境をつくり、組織全体の底上げを行うことができれば最も効率的に目標を達成することができます。
また社内外の研修を実施することも環境作りの一つと言えるでしょう。
営業活動の効率化
それぞれの営業マンの活動が効率化できるような仕組みやツールを導入しましょう。
例えば、SFAツールなどを導入することで営業活動の効率化やマネージャーからすると管理を行うことが容易になります。
そもそもSFAとは、「Sales Force Automation」の略で、「営業支援システム」と呼ばれるクラウドのことです。
実は、弊社ジオコードも「ネクストSFA」というクラウドを提供しています。
SFAについての詳しい記事もありますので、良かったら参考にしてください。
【あわせて読みたい:営業担当として知っておくべきSFA】
企業がSFAを導入する目的やメリット、導入時に押さえておきたいポイントについて解説しています。あわせてご覧ください。
このようなクラウドやツールを導入し営業活動の効率化を測ることができれば、空いた時間を営業力向上のために使うことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
営業力を高めて売れる営業マンになるために必要なことを解説していきました。
まとめると営業力とは、大きく4つの要素が成り立っており、各要素に適した行動をすることで誰でも高めることができます。
営業をやっている以上、目標の達成や売上への貢献をすることは当たり前です。
皆さまも本記事を参考に売れる営業担当を目指して、営業力を高めていきましょう。
ジュニアこの記事の執筆者