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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2024/02/05 

オンプレミスとクラウドの違いは?移行するメリットとコストを比較

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

ノリ子
ノリ子
好奇心旺盛
趣味:カフェ巡り
短所:せっかち
夢:一軒家を建てる
座右の銘:ポジティブモンスター

「オンプレミス」という言葉を聞いたことはありますか?
オンプレミスは、サーバーやネットワーク機器を、自社の建物内に設置・運用することを言います。
今回はそんな「オンプレミス」を「クラウド」と比較しながら紹介していきます。

オンプレミスとクラウドの違い

まず「オンプレミス」という言葉は、元々は存在しませんでした。
クラウドサービスが一般化してきた頃、「クラウドでないサービス」の呼び名として生まれました。
では、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
ざっくり説明したものがこちらの画像になります。

一言で言えばオンプレミスは自社運用クラウドはネット経由、になります。
それぞれについて、説明いたします。

ノリ子
こんにちは、ノリ子です。
オンプレミスは、クラウドが生まれる前に一般的だった手法だよ。
昔はクラウドがなかったから、自社運用するしかなかったんだ。
それぞれについて、もう少し詳しく説明するね。

オンプレミスとは

まずはオンプレミスについて紹介します。

on(接触している)premises(敷地内)の名称のままで、自社設備内でサーバーや周辺機器の保有・運用を行います。
前述の通り「クラウド」と区別するために生まれた言葉になります。
凡そ2007年くらいまで、オンプレミス以外の方法はなく、この自社運用が一般的でした。

オンプレミスのメリット

・セキュリティ面が安心
・カスタマイズが自由
・コストが固定

オンプレミスのメリットはこちらになります。
まず、自社で管理・運用していますので、第三者の介入リスクが少ない状態で運用できます。
漏らしたくない情報は閉鎖した場所にある方が、安心ですよね。
また、クラウドサービスは契約次第では従量制になる可能性がありますがオンプレミスではその心配はありません。
加えてカスタマイズも自由に出来ます。
方が決まったサービスを使用するわけではありませんので、用途・要望に応じてシステムを柔軟に変更できるわけですね。

オンプレミスのデメリット

・コストが高い
・導入(構築)に時間がかかる
・サポートが存在しない(技術が必要)

デメリットはこちらになります。
当たり前ですが「自社運用」なので設備の用意や維持にコストがかかります。
また、環境構築からのスタートになりますので、導入にはどうしても時間がかかってしまいます。

ノリ子
因みにクラウドと同じように「オンデマンド」っていう言葉も、オンプレミスの対義語として使われてるんだって。
ちなみにオンデマンドは「必要な時にその分だけ外部システムを利用する」って意味があるんだ。

クラウドとは

次はクラウドについてです。
クラウドは「ネット経由でのサービス利用」を指します。
こちらは名称のとおりだと「雲」になりますね。
クラウドを図で説明する時に、雲の様な絵で説明することが多かったことからついた名称らしいです。
なお、クラウドサービスは「仮想化」という技術を使用しています。
専用のソフトを使うことで、物理的に存在する1台のサーバー上で、複数のサーバー(これが仮想サーバー)を運用する技術になります。

クラウドのメリット

・導入時のコストを抑えられる
・開始までにかかる時間が短い
・サポートを任せられる

オンプレミスとは違い、サーバーやネット環境は自社で保有・運用を行いません。
クラウドサービスを提供している事業者が保有・提供している環境を使用します。
そのため、利用開始が早い上に安くなります。(申し込んですぐですね)
また、サーバーやネット環境の維持・管理費もかかりません。
長期的な利用では割高になる場合もありますが、ケース次第では大幅なコスト削減を見込めます。

また、災害やシステムエラーなどトラブルが発生した時には、対応するのは事業者側です。

クラウドのデメリット

・自由にカスタマイズできない
・用途次第ではコストがかかる(従量制)
・セキュリティ面で不安がある

保有がクラウドサービス提供側になりますので、カスタマイズは基本できません。
また、契約が従量制の契約が多く、使用量次第ではオンプレミスより割高になります。
加えて、クラウドは閉鎖されたネットワークではないため、オンプレミスと比較するとセキュリティ面に不安があります。
コスト面や取り扱う情報を確認した上で、後述する「ハイブリッド利用」の検討を推奨します。

ノリ子

ネットワーク環境
サーバーにつなぐためのPC
サービス利用料

サービスを使う時に必要なのは、基本的にはこの3つ!

外部利用でシステム構築ができるクラウドサービスは、開始のコストで悩んでた企業さんには、とても嬉しいサービスなのがわかるね!

オンプレミスとクラウドの違い

ノリ子
オンプレミスとクラウド、なんとなくわかったかな?
じゃぁ、これから二つの得意なこと・苦手なことの違いを見ていこう!
オンプレミス クラウド
導入コスト × 高い 安い
運用コスト × 固定 △変動
構築期間 × 長い構築期間が必要 すぐに利用可能
運用のしやすさ × 環境の維持・管理が必要 環境の維持・管理は不要
カスタマイズ性 自由 △制限がある
セキュリティ 情報源の特定容易 △閉塞網領域などを利用できれば安全
システム連携 自由度が高い △制限あり

前述のとおり、クラウドとオンプレミスにはそれぞれ、メリット・デメリットがあります。
復習のようになりますが、両方をまとめた見解を、比較しながら解説します。

コスト面

導入費用はクラウドが安くなり、運用費用は用途次第になります。
使用量が多いとクラウドのほうが高くなる場合がありますので、その場合はオンプレミスへの切り替えも検討しましょう。
また、オンプレミスは設備費用の他に「人件費」もかかります。
使用しているサービスでも「メンテナンス」って結構見かけますよね?
環境の維持・管理、カスタマイズ、メンテナンスなど様々なコストが発生することになります。
上記より、従量制によるコストが割高になる場合を除いて、コスト面ではクラウドが良さそうですね。

管理・運用面

管理・運用は、クラウドは提供側が対応、オンプレミスは自社での対応になります。
サーバーやネット環境の用意等、構築に数ヶ月かかることもありますので、クラウドの方がハードルが低いのは間違いありません。
クラウドは自由にカスタマイズできませんが、必要なプランやオプションがあれば即時利用できます。
とはいえ、要望にマッチするものがあるかどうかはわかりませんので、制約があるのは事実です。
運営している他のシステムとの連携も基本的にはできませんので、柔軟性では劣ります。

セキュリティ面

オンプレミスは自社内に閉じたネットワークでシステムを構築できるため、セキュリティは安全です。
インターネットを接続できる回線とイントラネットで閉じた回線を用意するなど、高いセキュリティ対策がとれます。

クラウドは、セキュリティ面で不安だという企業も多くあります。
そのような声に応えて「インターネットVPN」や「閉塞網領域」など、セキュリティに配慮したサービスの提供を始めています。
こちらについての詳細の説明は割愛しますが、これらのサービスを使える場合、高いセキュリティを保つことができます。

ノリ子
イントラネットについて簡単に説明しておくね。
イントラネットは、企業や組織の中でだけで構築したネットワーク環境のことを言うよ。

オンプロミスからクラウドへの移行

・必要な機能が備わっているか(損なわれないか)
・セキュリティレベルは維持できているか

この2点に注意しましょう。
現状のシステムで行っていることをクラウドでも対応できるのか、同様の運用効率を保てるのか、といった内容を固めておく必要があります。
パフォーマンスの低下により、作業工数・人件費がかさんでしまっては、せっかくクラウドに移行してもコスト削減につながらない可能性もあります。
セキュリティに関しては前述の通りです。
使用するクラウドサービスのセキュリティレベルが十分なものか確認を怠らないようにしましょう。
自社×クラウド間でセキュアな接続ができているサービスの使用を推奨します。

オンプレミスとクラウドのハイブリッド型って?

オンプレミスとクラウドの「ハイブリッド型」は、共存し補完しあうことで、より双方を効率的に運用できる選択肢です。
セキュリティレベルを高く保ちたいシステムはオンプレミスのままにし、比較的クラウドに移行しやすいグループウェアや社内コミュニケーションツールなどのシステムをクラウド化するといった方法となります。

ただ、ハイブリッド型の向き不向きがあるので、そちらも紹介します。

用途によって活用できる「ハイブリッド型」

ハイブリッド型は、規模の大きい組織又は顧客数が膨大な企業が向いています。

・海外や日本全国など物理的な拠点が広範囲に点在する組織
・顧客数が膨大な企業
・回線機器やサーバーなどを自社で多く所有している場合

規模が大きい会社は、1つのシステムで無く様々なシステムを組み合わせて使用するケースが多くなります。
そのため、それぞれの業務をカバーできる仕組みづくりが求められます。
例えば以下のような切り分け方で、ハイブリッド型を採用します。

■全社で使用する期間システム
・自社運用に合わせた細かいカスタマイズが必要
・顧客情報を扱うため、高いセキュリティレベルが必要…オンプレミスの基幹システムを導入■営業マンが通常業務で使用するシステム
・外出先での利用
・スケジュールや活動履歴の登録など基本的な行動を記録したい…クラウドのSFA(営業支援ツール)を導入

ハイブリッド型の運用における注意点

ハイブリッド型はシステムの構成が複雑になります。
各システム間の明確な切り分けをおこな、運用するようにしましょう。
また、オンプレミスとクラウドのシステム間で連携させたい場合は、ネットワーク構成にも気を使う必要があります。
そのためシステム管理者は、クラウド・オンプレミス両方に精通している必要があります。

オンプレミスとクラウドは「どちらか一方しか使えない」というものではありません。
ハイブリッド型の活用による、効率よい運用も是非検討してみてください。

まとめ

クラウドは、時間やコストをかけず簡単にシステムを構築できるサービスです。
自社で構築するオンプレミスと比べて、システム運用開始までが早い点は魅力ですが、セキュリティ面や既存システムとの連携など、検討しておくべき注意点もあります。
取り扱う情報や必要な機能など、状況に応じてオンプレミスとクラウドを使い分けるハイブリッド型も視野に入れ、効果を高めるようにしましょう。

ノリ子
最後に、簡単にだけどポイントをまとめておくね!

Point
・クラウドは「ネット経由」でオンプレミスは「自社運用」
・オンプレミスは、コスト・時間はかかるけど自由度が高くてセキュリティに強い
・クラウドは導入が安くて早い、ただし自由度が低くセキュリティは比較的弱い
・「ハイブリッド型」による並行運用がおすすめ

SFAは活用されてこそ意味がある

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