更新日:2025/08/06

SFAの選び方ガイド|11のポイントと選ぶ前にやるべきことや導入のメリット・デメリットもご紹介

【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕
営業活動の効率化や成果向上を目指すなら、SFA(営業支援システム)の導入がおすすめです。しかし、SFAと一口に言ってもさまざまな製品があり、「どれを選べばよいか分からない」という企業担当者の方も多いでしょう。導入の目的や自社の課題に合わないSFAを選ぶと、現場に定着しなかったり、SFAへ入力する手間だけが増えてしまったりして後悔する可能性もゼロではありません。
そこで本記事では、SFAの選び方や導入前にやるべきことなどをご紹介します。SFAの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
SFAとは?
SFAとは「Sales Force Automation」の略称で、営業活動を支援するシステムです。営業部門が保有するさまざまなデータを入力することで、営業活動の状況や案件の受注金額、売上進捗などを可視化できます。
また営業に関するデータを一元管理できるので、過去から現在までのデータを分析して営業活動の効率化や成果向上につなげられます。
SFAに搭載されている主な機能は、以下の通りです。
機能 | 概要 |
---|---|
案件管理 | 案件ごとの詳細や進捗状況を管理できる具体的には、案件ごとの営業担当者名や顧客側の担当者名、商材、受注予定日、見積金額、売上金額などを管理できる |
顧客管理 | 顧客に関する情報を管理できる具体的には、企業名や担当者名、連絡先、担当者の役職、問い合わせ・商談履歴、取引履歴などを管理できる |
行動管理 | 営業担当者の日々の行動を管理できる具体的には、アポイント数やコール数、訪問数、商談回数、受注数・受注率などを管理できる |
日報・週報管理 | 営業担当者の日報や週報を作成・管理できる |
タスク・スケジュール管理 | 営業担当者のタスクやスケジュールを設定・管理できる |
予実管理 | 予算と実績を比較し、どれだけ差分があるかを確認できる |
製品によって標準搭載されている機能は異なるので、詳細については運用会社(ベンダー)に問い合わせてみましょう。
SFAの選び方|失敗しないための11のチェックポイント

SFA選びで失敗しないために、おすすめの選び方をご紹介します。複数のSFAの中からどの製品を選べばよいか迷っている方は、参考にしてください。
1.SFAの形式(クラウド型/オンプレミス型)を選ぶ
SFAは「クラウド型」か「オンプレミス型」かによって、導入方法・運用コスト・柔軟性が大きく異なります。
クラウド型は導入が簡単でコストを抑えやすい一方、カスタマイズ性に制限があります。オンプレミス型は柔軟性が高くセキュリティ面も安心ですが、初期費用や保守の負担が大きいです。
チェックポイント:
- 導入のスピードを重視 → クラウド型
- 自社仕様の柔軟なカスタマイズが必要 → オンプレミス型
- セキュリティ要件が厳しい業界 → オンプレミス型が推奨
クラウド型
クラウド型とは、インターネットを通じて、ベンダーと呼ばれる運用会社が提供するサービスを利用する形式のことです。
クラウド型のSFAは、自社でサーバーやネットワーク機器を用意する必要がありません。インターネット環境が整っていれば、すぐに利用できます。また利用ユーザー数や欲しい機能に応じて複数のプランがあり、ニーズに合わせて自由に選択できるケースが多いです。導入時は最低限のプランにして、慣れてきたり他の機能が必要になったりしたらプランを変更するのもよいでしょう。
ただし、クラウド型のSFAはベンダーが提供しているツールであるため、後述するオンプレミス型と比べるとどうしてもカスタマイズできる範囲が限られます。事前にどの程度カスタマイズ可能かを確認しておくことが大切です。
オンプレミス型
オンプレミス型とは、自社内にサーバーやネットワーク機器などを設置して、自社でシステム全体を保守・運用をする形式です。
オンプレミス型のSFAは、クラウド型のSFAに比べて高水準のセキュリティ環境を構築できる他、必要な機能を追加したり自社の業務フローに応じた設計にしたりと、柔軟にカスタマイズできる点が特長です。
一方で初期費用が高額になりやすいだけではなく、障害が起きたときには自社で対応しなければなりません。保守契約を結んでいる場合は緊急時の対応やメンテナンスを依頼できますが、その分費用がかかる可能性があります。
2. 自社に必要な機能がそろっているか
必要な機能が不足していると、SFA導入後に運用が煩雑になり、現場の負担が増える原因になります。
SFAは豊富な機能が魅力ですが、全ての機能を使いこなせるとは限りません。機能が多すぎても現場が混乱することがあるため、自社の営業フローに必要なものだけを明確に洗い出しておきましょう。
チェックポイント:
- 案件管理・顧客管理は必須機能か?
- タスク・スケジュール機能は必要か?
- 自社の課題に直結する機能があるか?
3. スマートフォン対応しているか
外出が多い営業担当者にとって、スマホ対応はSFA活用の必須条件です。
移動中でも案件や商談の進捗を確認・入力できる環境が整っていれば、リアルタイムな情報共有が実現し、業務効率が大きく向上します。
チェックポイント:
- スマートフォン・タブレット専用アプリがあるか?
- 外出先からの入力・確認がスムーズか?
- UIが小さな画面でもストレスなく操作できるか?
4. 現場の営業担当者にとって使いやすいか
営業現場で定着させるには、「操作のしやすさ」が最も重要です。
どれだけ高機能でも、営業担当者が「使いづらい」と感じれば活用されません。UIの直感性や入力の手間の少なさ、表示速度などを実際の操作画面でチェックしましょう。
チェックポイント:
- 操作画面がシンプルで見やすいか?
- 手入力の負担が最小限に抑えられているか?
- 無料トライアルなどで実機テストができるか?
5. 柔軟にカスタマイズできるか
業務に合わせた柔軟なカスタマイズができるSFAは、導入後の定着率を大きく高めます。
入力項目・画面・権限設定など、現場にフィットした設計に変更できるかを確認。将来的な業務変化に対応できる「拡張性」もポイントです。
チェックポイント:
- ベンダーに追加開発を依頼できるか?
- 項目やレイアウトを編集できるか?
- ワークフローに合わせた設定変更が可能か?
6. 他のツール(CRM・MAなど)と連携できるか
SFAは単体ではなく、他ツールと連携して真価を発揮します。
CRMやMA、会計ソフトなどと連携すれば、手入力の工数削減や情報の一元化が可能になります。データ連携によってマーケティング〜営業〜管理部門までがスムーズにつながります。
チェックポイント:
- 連携できるツールの一覧が公開されているか?
- API連携・CSVインポートなど柔軟な方法に対応しているか?
- 社内の既存ツールと連携可能か?
7. アップデートの頻度や内容が明確か
継続的にアップデートされているSFAは、使いやすさ・安全性が保たれやすいです。
放置されがちなツールは数年で時代遅れになります。ベンダーの更新履歴やバージョンアップの内容をチェックし、常に進化しているSFAを選ぶのが安心です。
チェックポイント:
- アップデート実績がサイトなどで確認できるか?
- ユーザーの要望が反映されているか?
- 改善スピードが早いか?
8. コストと費用対効果のバランスが取れているか
単に安い/高いではなく、成果に対して見合っているかがポイントです。
初期費用・月額費用・オプション費用など、全体のコスト構造を確認。費用対効果のイメージを明確にしておくことで、社内説得や運用継続の判断がしやすくなります。
チェックポイント:
- 初期費用とランニングコストのバランスは良いか?
- 想定される効果(受注率アップ、工数削減)を数値化できるか?
- 導入後、他のコスト削減につながるか?
9. 導入前後のサポート体制が整っているか
サポートの質は、導入後のスムーズな定着に直結します。
導入支援・トレーニング・運用相談まで、ベンダーがどこまで対応してくれるかは要確認。チャット・電話・訪問など、サポート手段の多さも重要です。
チェックポイント:
- 初期設定や操作説明の支援があるか?
- 専任担当者やサクセスチームが付くか?
- トラブル発生時の対応スピードはどうか?
10. セキュリティ対策が万全か
SFAには重要な営業・顧客データが含まれるため、万全なセキュリティが不可欠です。
クラウド型であっても、二段階認証やアクセス制限、暗号化などの機能が備わっているかを確認しましょう。情報漏えいは信用失墜に直結します。
チェックポイント:
- 多要素認証・IP制限などの設定が可能か?
- データの暗号化やアクセス権限管理があるか?
- 過去のセキュリティ事故や対応履歴は?
SFAには、顧客や売上に関する以下のような情報が登録されます。
対象機能 | 機密情報例 |
---|---|
案件管理 | 商談の進捗度や受注見込み、見積もり、売上など |
顧客管理 | 顧客名や企業情報、担当者や役職、商談履歴、名刺情報など |
行動管理 | 企業への訪問回数や提案数、受注率など |
セキュリティが万全ではないと、情報漏えいのリスクが高まります。万が一、情報漏えいが起こると、顧客や取引先に損失を与える可能性があるだけではなく、自社の信用が損なわれたり法的な責任を問われたりする恐れもあります。
検討しているSFAに、多要素認証や二段階認証、IPアドレス制限、権限設定機能、データ暗号化機能など、セキュリティ対策の機能が付いているかどうかを確認しておきましょう。
11. 自社と似た業種・規模での導入実績があるか
似た企業の成功事例があるSFAは、導入の参考になり安心感も高まります。
自社と同業・同規模の導入実績があれば、定着や効果のイメージが具体的に持てます。できれば、業種ごとの使い方や導入効果も確認できるとベスト。
チェックポイント:
- 導入効果(成果数値)が具体的に書かれているか?
- 導入事例に業種・規模のバリエーションがあるか?
- 実名企業の導入インタビューなどがあるか?
SFAを選ぶ前にやるべき3つの準備
ここまでSFAの選び方をご紹介しましたが、SFAを選ぶ前にもやるべきことがあります。詳細を見ていきましょう。
SFAを導入する目的を明確にする
まずは、何のためにSFAを導入するのか、自社の課題や導入目的を明確にする必要があります。「人気のあるSFAだから」「コストが安いから」といったようにあいまいな理由で導入すると、社内でSFAの必要性が理解されずなかなか定着しません。さらにせっかくSFAを導入したのにもかかわらず、自社の課題を解決できない可能性もあります。
導入目的を明確にするには、以下のフローで細かく現状の課題をまとめるのがおすすめです。
- 管理側・現場側それぞれで、営業に関する現状の課題を洗い出す
- それぞれの課題に対して、優先順位を付ける
- 優先順位の高い課題を解決できるSFAを選ぶ
SFA導入・定着の担当者を設ける
SFAを導入して組織に定着させるには、先述した通り多くのフローや作業が必要です。導入から運用までスムーズに進めるためには、SFAの担当者を設けましょう。
SFAの担当者には、ITリテラシーが高く営業の現場を把握している人材が適しています。専任の担当者を設けるのがよいですが、難しい場合は複数人で対応できるようにプロジェクトチームを作るのがおすすめです。
運用ルールを作っておく
運用ルールやフローがあいまいなままSFAを導入すると、データが入力されずに放置されてしまう恐れがあります。データが適切に入力されなければ、データ分析も正しく行えません。データ入力の頻度やタイミング、入力内容などをまとめた運用ルールや運用フローを事前に作っておくことが大切です。
SFAや企業によって適切な運用ルールは異なりますが、実際にデータを入力する営業担当者に疑問を持たせないようなルールやフローを作りましょう。
SFAを導入するメリット

最後に、SFAを導入するメリットとデメリットをご紹介します。主なメリットは以下の通りです。
営業状況を可視化・分析できる
SFAを導入すれば、日々の営業活動や顧客情報を社内全体で効率良く共有できます。その結果、特定の営業担当者しか情報を把握していないという、属人化を防げるでしょう。
さらに、営業担当者がルールに沿って正しくデータを入力していれば、常に最新の情報がSFAに反映されるため、営業戦略の見直しや施策の検討・立案がしやすくなります。売上状況などもリアルタイムで確認できるため、社員一人ひとりの達成感やモチベーションの向上にも効果的です。
ノウハウ・情報を蓄積できる
SFAには営業に関するさまざまなデータが蓄積され、そのデータを分析することで営業の成功パターンやノウハウをまとめられます。
新人や若手の営業担当者も、SFAを確認することで営業に必要な知識やスキルを身に付けやすくなるでしょう。さらに営業担当者が退職や休職、異動する場合も、SFAを活用すれば必要な情報をすぐに共有できるのでスムーズに引き継ぎが可能です。
工数を削減できる
SFAに蓄積されたデータは自動で集計され、レポートやグラフなどで可視化されます。スピーディかつ正確に集計されるので、分析にかかっていた時間や手間を減らせるでしょう。商材別や担当者別、案件別、チーム別といったさまざまな視点で、瞬時に集計できるのもポイントです。
タスク・スケジュール管理機能を搭載しているSFAであれば、営業活動のタスクや商談スケジュールをまとめて管理することもできます。「タスクはタスクツールを確認し、スケジュールはスケジュールツールを確認する」といった無駄な確認作業がなくなるので、業務の効率化につながるでしょう。
SFAを導入するデメリット
SFAを導入する際の主なデメリットは、以下の通りです。
一定のコストがかかる
SFAを導入する際には、一定のコストがかかることを認識しておきましょう。製品によってもかかる費用は異なりますが、初期費用や月額費用、カスタマイズ費用(オプション費用)がかかるケースが多いです。
毎月どのくらいのコストがかかり、費用対効果が見合うのかを導入前にしっかり検討することが大切です。
SFAの費用相場や内訳については、以下の記事もご確認ください。
入力作業が必要
SFAを新たに導入する場合、今まで使っていた管理ツールやエクセル、スプレッドシートからデータを移行しなければなりません。これまで蓄積していたデータが多ければ多いほど、移行作業に手間と時間がかかるでしょう。
またSFAを導入した後も、営業担当者は自身の案件や顧客情報、営業進捗を都度入力する必要があります。なるべく楽に入力できるように、入力項目の少ないSFAや操作性の良いSFAを選ぶのがおすすめです。
よくある質問
- QSFAの選び方で失敗しないためのポイントは? + -
-
SFAの選び方で失敗しないためには、自社の営業課題を明確にし、それに合った機能や運用体制、カスタマイズ性、サポート体制などをチェックすることが重要です。
特に現場で使いやすいかどうかが、定着と運用成功の鍵になります。
- QSFAはスマホ対応していた方がいいの? + -
-
はい、スマホ対応は重要です。
外出先からでも案件状況や顧客情報を確認・入力できるため、営業活動の効率化やスピードアップにつながります。
- QSFAの価格帯や相場はどのくらい? + -
-
SFAの費用相場は、初期費用が0〜30万円程度、月額費用は1ユーザーあたり3,000〜15,000円が一般的です。
機能やサポート内容により幅があるため、事前に見積もりを確認しましょう。
- Q導入する前に準備しておくべきことは? + -
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主な準備事項は「導入目的の明確化」「社内担当者の設置」「運用ルールの策定」です。
これらが曖昧なままだと、SFAが現場に定着しない可能性があります。
- QSFAはどんな機能がありますか? + -
-
一般的なSFAには、案件管理・顧客管理・行動管理・スケジュール管理・日報/週報管理・予実管理などがあります。
製品によってはCRM機能やMA機能も搭載されており、部門間連携にも役立ちます。
まとめ
SFAを導入すれば、営業状況の可視化や営業ノウハウの蓄積、業務の効率化などさまざまなメリットを得られます。一方で、自社に必要な機能が搭載されていないSFAや使いにくいSFAを選んでしまうと、現場で定着せずにコストだけかかってしまう恐れもあります。
SFAの導入から定着までを成功させるには、事前の準備が非常に大切です。本記事でご紹介した選び方のポイントや事前にやるべきことを参考に、自社に合ったSFAを導入しましょう。
「ネクストSFA」は、サービス継続率98.6%(2025年3月時点)という高い実績を持つSFAです。テレアポや営業活動などのアプローチ管理から、案件・受注管理、営業担当者の日報・週報・月報作成・管理まで、営業活動において必要な機能が搭載されています。
その他にも、以下に挙げるMA機能やCRM機能もあり、案件や顧客に関する情報を一元管理できるのが特長の一つです。
- MA機能
メール一括配信機能、シナリオメール設定機能、スコアリング&トラッキング機能、問い合わせフォーム生成機能 - CRM機能
企業管理、売上管理、顧客別予算管理、請求書・見積書作成機能
クラウド会計ソフトや請求書管理システムなどの各種ツールとも連携できるので、営業だけではなくバックオフィスにもスムーズに情報共有が可能です。
使いやすさと見やすさを徹底追求した画面設計なので、SFAを導入したことがない企業にもおすすめです。複雑な初期設計をする必要はなく、柔軟にカスタマイズができます。また必ず1名以上の専任担当者が付き、使い方の説明会やマニュアルの作成、定着後のフォローなどを全て無料で対応します。回数制限はないので、困ったことがあったら気軽に相談できるでしょう。
無料トライアルも行っているので、SFAを検討している企業担当者の方はお気軽にお問い合わせください。
