公開日:2020/08/31 

マーケティングリサーチとは?メリットや代表的な手法を紹介

「商品のコンセプト」「価格設定」「広告の打ち出し方」といった要素は、ビジネスの売り上げを左右する重要なものです。
マーケティングリサーチを行うことで、客観的事実に基づいた決断につながります。

本記事では、マーケティングリサーチの代表的な手法や調査の流れを解説いたします。

マーケティングリサーチとは?

マーケティングリサーチとは、マーケティング活動で効果的な意思決定を行うために、市場や消費者の調査・分析をすることです。

マーケティングにおいて、調査することはたくさんあります。

・どんなユーザーをターゲットにするべきか?
・商品・サービスの利用・購入理由
・どんなコンセプトを商品の軸にするべきか?
・どんな広告を打つべきか?

上記のような解決したい課題に応じて、適切な調査を実施する必要があります。

例えば「どんな広告を打つべきか?」を明確にしたい場合、「ターゲットユーザーへ複数の広告案を見せて、フィードバックを得る」というような調査が考えられます。

マーケティングリサーチのメリット

マーケティングリサーチ実施によるメリットは、大きく分けて2つです。

  1. 企業とユーザーの双方にとってWin-Win
  2. リスク(マーケティング失敗)の回避

1.企業とユーザーの双方にとってWin-Win

マーケティングリサーチでは、市場やユーザーの生の声を得られます。
結果を元に商品・サービスを改善すれば、ユーザーの満足度は高まるはずです。

企業も客観的な意見に基づく、効果的・効率的な施策を実施できます。

2.リスク(マーケティング失敗)の回避

「大量投資をした後、販売したらニーズがなかった」となったら、大きな損失です。

マーケティングリサーチを活用すれば、こういった損失を避けられます。
企業側が良いと思っているアイデアが、ユーザーにとってもウケる可能性は必ずしも高くありません…

市場調査との違い

マーケティングリサーチと似た言葉として、「市場調査(マーケットリサーチ)」があります。

市場調査は「過去や現在の市場動向を調査、意思決定を行う」意味になります。
マーケティングリサーチはそこに「未来」の予測や分析が加わります。

それぞれの特徴が以下になります。

<市場調査>

  • 調査の方向性:過去や現在の市場動向を分析
  • 目的:新製品・サービスの企画創出などの戦略の初期段階で使われることが多い
  • データの種類:数字や割合などの数値データを用いることが多い

<マーケティングリサーチ>

  • 調査の方向性:調査結果から、顧客の潜在的なニーズや未来の消費者行動を予測
  • 目的:既存の商品、広告、流通方法など、マーケティング戦略全般の調査に使用
  • データの種類:自由記述式など、数値化できないデータも利用

諸説ありますが、市場調査がマーケティングリサーチの中に含まれることもあります。

リサーチの種類を紹介(定量調査と定性調査)

マーケティングリサーチは、「定量調査」と「定性調査」の2つに分類できます。
解決したい課題や目的に応じて、適切な方を選択しましょう。

定量調査

定量調査は、数や割合などの「数値」で表せるデータを調査する方法です。
代表的なものに、選択式のアンケートがあります。
簡単に言えば、「結果を数値化できる調査」ですね。

回答者一人一人ではなく、調査対象全体の傾向を掴むことに優れ、意識調査や満足度調査など、市場の実態や仮説検証に多く用いられます。

定量調査では「量」と「質」の両方が求められます。

まず、サンプルとなるデータが少なければ十分な調査結果を得られません。
加えて、(例えばアンケートであれば)「聞く質問」「聞く相手」を間違えれば、実際のマーケティングとはかけ離れた結果になってしまいます。

定性調査

定性調査は、「どう思ったのか?」「なぜ使っているのか?」といった数値化できないデータを調査する方法です。
インタビュー調査などが代表的です。

回答者一人一人の声を深堀りできるため、企業が気づかない点やリアリティのあるフィードバックを期待できます。

また、調査の性質から数が少なくなる傾向があります。
母数があ少ないので、統計データとしての信頼性はどうしても低くなる傾向にあります。

マーケティングリサーチの代表的な手法を紹介

ここからは、リサーチの代表的な手法を解説いたします。

  • 会場調査
  • モニター調査
  • 店頭調査
  • 訪問調査
  • Webモニター調査

 

会場調査

調査対象を指定の会場に集めて行う手法です。

目の前でユーザーの様子を観察できるため、瞬間的な反応や感情の変化を見ることができます。
インタビューを行えば、さらに掘り下げた感想も聞けるでしょう。

製品の見た目や価格といった要素を定量的に検証する際などに有効です。

モニター調査

商品のサンプルを実際に使ってもらい、フィードバックを収集する方法です。
ホームユーステストと呼ばれることもあります。

日用雑貨など日常的に使用する商品の調査に向いており、実態に近いフィードバックを期待できます。
モニターが商品を管理するという特徴から、厳重管理が必要な商品の調査には向かないのでご注意ください。

店頭調査

期間・エリアを限定し、実在する店舗で販売する方法です。

実際の市場で調査を行うため、高精度なフィードバックを期待できます。
ただ、時期やエリアはできるだけ本番に近い環境で行う必要があります。

検証するのに、時間と費用がかかる点も頭に入れておきましょう。

訪問調査

調査員がユーザーの自宅を訪問して、アンケートを行う方法です。
訪問したその場で記入して貰う方法と、後日改めて訪問する方法の2種類があります。

オンラインでの調査が容易な現代では、あまり使われない手法かもしれません。

Webモニター調査

Web上で参加希望者を募集し、調査する方法です。
コストが安く、手軽に実施でき、定量データを収集するのに向いています。

最近では、チャットを利用したリサーチツールなども登場しており、定性調査も手軽に実施できるようになっているようです。

例)Sprint 5分で出会えるチャットインタビューサービス

インターネットを利用しない層(高齢者など)の調査には適していません。

「市場機会の発見」「商品コンセプトの開発」「広告施策の改善」など、活用方法によって適した手法を選択しましょう。

リサーチの流れ

最後に、マーケティングリサーチの流れをご紹介します。
「課題抽出」から「結果分析」までを正しく行ってはじめて、良い成果に繋がります。

  1. マーケティング課題の発見・抽出
  2. リサーチ課題明確化
  3. 仮説の構築
  4. 調査企画の立案
  5. 調査票の作成・実施
  6. 結果の分析・報告書作成

1.マーケティング課題を発見・抽出

初めに、解決したいマーケティング課題を明確にしましょう。
調査で得られる結果を基に、「課題解決のための意思決定ができるか?」という点を踏まえて、有効かどうかを判断してください。

2.リサーチ可否の判断

次に抽出したマーケティング課題の調査可否を明確にします。

課題解決のためには「どんな情報が必要か」という観点から、調査方法を検討します。その中から「リサーチ可能な内容」と「リサーチ不可能な内容」に分け、「リサーチ可能な内容」の中から実施する調査を決定します。

3.仮説の構築

リサーチ可能なマーケティング課題に対する仮説を具体的に立てます。
課題が抽象的だと、後々の調査内容や結果に影響が出ます。

〇悪い仮説の例:
自社のお菓子が売れない原因はパッケージが悪いからでないか?

「悪い」だけでは具体性がありません。
「何が悪いか」の仮説がなければ調査内容が固まりません。

〇良い仮説の例:
自社のお菓子が売れない原因は、パッケージが悪いからではないか?
商品棚に並んだ時に目立たず、キャッチコピーも弱いため認識がないのでは?

手法:アンケート調査
内容:認知度調査

のような調査が思いつきます。
認知されていないことがわかれば、「目立つデザインに変更」「印象に残るコピーの作成」といった改善案にすすめることができます。

4.調査企画の立案

仮説を検証するための、調査企画の立案を行います。。

「なぜ」「誰に」「何を」といった、*5W2Hの各要素を具体的に設定しましょう。

When   (いつ)
Where  (どこで)
Who     (誰が)
Why     (なぜ)
What    (何を)
How     (どのように)
How much(いくら)

先ほどと同様、「自社のお菓子が売れない理由を調査したい」と仮定して、調査企画を考えてみます。

〇悪い調査企画の例

Why(なぜ調査をするのか?):自社のお菓子が売れない理由を知るため
Who(誰に対して行うのか?):商品を買いそうな10代後半の男女
Where(どこでやるのか?) :会場に人を集めて実施
When(いつ、どのくらい?) :1か月間
What(何を聞くのか?)    :商品に対する印象や味の感想を聞く
How(調査手法)        :会場調査を実施し、インタビュー形式で行う
How much(調査費用は?) :会場手配とユーザー募集のための広告費

 

まず、調査をする目的が抽象的です。
お菓子が売れない理由には、様々なものが考えられるため、広く浅く調査するしかなくなってしまいます。

それに伴って、「誰に?」「どこで?」の部分も、曖昧になってしまっています。

「何を」の部分も具体性が弱く「味」という結論になっています。
せっかく詳細をヒアリングできる会場調査(インタビュー)なのに、聞く項目が曖昧なのはもったいないですね…

上記のような失敗を避けるために、具体的な調査目的を設定し、ゴールから逆算した企画を作成しましょう。

〇良い調査企画の例

Why(なぜ調査をするのか?):パッケージデザインとキャッチコピーの印象が悪いことがお菓子の売上が伸び悩んでいる原因かを知るため
Who(誰に対して行うのか?):「直近1か月以内で同種のお菓子を購入したことのある20~50代の男女」
Where(どこでやるのか?) :会場とWEB上で実施
When(いつ、どのくらい?) :10日間(200サンプル)
What(何を聞くのか?)    :「キャッチコピーからどんな印象を受けるか」
How(調査手法)      :会場調査とWebモニターを実施
How much(調査費用は?)  :マーケティングリサーチ会社に依頼し、80万円で実施

 

「なぜ調査をするか」という部分が具体的になっているため、その他の要素も対応した項目が設定できています。
具体的な調査結果を基にした、効果的なアクションを出来る可能性も高まります。

5.調査表の作成・実施

調査企画を基に実際の調査表を作成していきます。
目的を達成するために、必要な質問項目やインタビューの流れを洗い出す必要があります。
実際の調査表をご覧いただくと、質問の項目が非常に具体的であること分かります。

また、「調査表が長すぎないか」「質問に複数の捉え方がないか」なども確認しましょう。データの回収率や精度にかかわってきます。

例えば、下記の質問①の場合だと、人によっては「家族、子供を考えると週4回かな」という風に捉えてしまう可能性もあります。

【調査表質問例】

「どのくらいの頻度でお菓子を食べますか?」 ✕
「あなたはどのくらいの頻度でお菓子を食べますか?」 〇

調査表の修正に関しては、以下のページで詳しく解説してありますので、参考にしてみてください。

参考:アンケートの調査表の作り方

ここまでのステップが問題ないことを確認したら、いよいよリサーチ実施となります。

6.結果の分析・報告書作成

リサーチ実施後は、収集したデータを分析します。

分析手法の細かい説明はここでは割愛しますが、単純集計やクロス集計、多変量解析など色々なものがあります。
分析結果を基に意思決定が行えるよう、報告書の作成も忘れてはいけません。

参考:アンケートの調査の分析

まとめ

マーケティングリサーチは、ユーザーや市場の声に基づいた適切な意思決定を行う手助けになります。

しかし、目的と調査手法や項目がマッチしていないと期待する効果は得れません。
リサーチの流れを確認した上で、効果を最大限に発揮しましょう。

げんき
げんきんぐこの記事の執筆者
営業の見える化、生産性向上を実現!クラウド型営業支援ツール ネクストSFA
ページ先頭へ戻る