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更新日:2022/07/22 

テストマーケティングの手法ややり方を解説します!

「新商品がほとんど売れない…」
もしあなたの企画だったしたとしたら…
想像したくもないですよね。

テストマーケティングを行えば、事前にターゲットユーザーからフィードバックを獲得、リスクを軽減できる可能性があります。

本記事ではテストマーケティングの必要性や手法、実施時の注意点を解説いたします。

テストマーケティングとは?

テストマーケティングは、試験販売のことです。
新商品・サービスをリリース前にユーザーに利用してもらい、反応を見ます。
シンプルに評判が良ければ展開や拡大を、評判が悪ければ規模の縮小や中止を検討できます。

予測が立てば、売れない商品の大量生産、それに伴う在庫超過といったリスク回避にも繋がります。
テストにかかる投資は限定的なため、損失も大きくはなりません。

なぜテストマーケティングが必要なのか?

テストマーケティングを実施する利点は、ユーザーの声を事前に聞けることにあります。
集めたユーザーのフィードバックは以下の3点で活用します。

商品・サービスへの客観的な判断

テストで得られるのは「売れるか売れないか」だけではありません。
実際に販売すれば、良いレビューやクレームなど生の声も聞こえてきます。

テスト結果はその後の計画に影響し、客観的な改善策を打つことにつながります。

ターゲット層の決定

狙っているターゲット(市場)が正しいのかを判断できます。
極端な例ですが、「20代男性を狙った商品が、40代女性によく売れる」というテスト結果が出るかもしれません。

もしこんな結果になったら、考えていた広告戦略やコピーなども大きく変わってきますよね。

リスク回避

冒頭でも紹介しましたが、大量生産してからでは取り返しがつきません。
ニーズがなければ、大きな損失になります。

場合によっては、コスト回収のために、価格を下げて販売を続ける必要も出てくるかもしれません….

テストマーケティングの手法紹介

テストマーケティングには様々な手法があります。
ここではオフラインとオンライン、それぞれの手法を紹介します。
行うテストの内容に適した方法を選択する必要があります。

オフライン調査

オフライン調査は計測が難しい、消費者の感情や私生活に密着したフィードバックの獲得に適しています。
調査方法には下記のようなものがあります。

  • リアル店舗でのテストマーケティング
  • モニター調査
  • 会場調査

リアル店舗でのテストマーケティング

期間・エリアを限定し、実在する店舗で試験的に販売、ユーザーに利用してもらう方法です。
実施の際は地域を限定して小規模で行う傾向があります。
また、時期やエリアは本番に近い必要があり、近いほど精度が上がります。

例えば「冬に」「寒い地域で」「新作アイスクリーム」のテスト販売をしても、良いデータは取れないですよね。
本番と近い状況を再現して初めて、質の高いデータを収集できます。

【特徴】

  • 実市場のため高精度なフィードバックを期待できる
  • 検証に時間や費用がかかる
  • 高い精度を得るためには、本番に近い環境でテストを行う必要がある

モニター調査

新商品のサンプルを使ってもらいフィードバックを収集する方法です。
アンケートやインタビューを使って、モニターからフィードバックを得ます。

例えば「◯◯ヶ月使っていただいてその効果を実感!」みたいなやつですね。
化粧品やサプリメントなど、一定期間使わないと効果を実感できない商品に適した手法です。
反対に、厳重管理が必要な商品はあまり向いていません。

【特徴】

  • 実態に近いフィードバックを期待できる
  • 商品の管理がモニターに一任される
  • 報酬や商品の発送料など、コストが必要

会場調査

調査対象を指定の会場に集めて、アンケートやインタビューでヒアリングする手法です。
目の前で商品をテストしてもらうことにより、ユーザーのリアルな反応や感情の変化を観察できます。
インタビュー形式ならば、より細かいフィードバックを得ることも可能です。

【特徴】

  • パッケージや広告など、瞬間的な反応を調査する際に適している
  • インタビューにより掘り下げた感想を聞ける
  • 会場の手配りや商品の配送、スタッフの用意などコストがかかる

オンライン

オフラインに比べて手軽に実行できるのが特徴です。
匿名性が確保されていることから、オフライン(対面)では引き出せない率直なフィードバックがもらえるケースも多いです。
下記のような手法が該当します。

  • Webモニター
  • SNS
  • クラウドファンディング

Webモニター

Web上でユーザーにアンケートを回答してもらう方法。
定量データを収集する際に利用される傾向があります。

低コスト、短時間で多くのデータを収集することができる一方、インターネットを利用しない層(高齢者)の調査には向きません。

【特徴】

  • 手軽にアンケートの作成、実施が可能
  • かかるコストが少ない
  • インターネットを使わない層には適していない

SNS

投稿に対するユーザーの反応を収集する方法。
TwitterやFacebookの投稿に対するコメントや「いいね数」などでユーザーの反応を確かめます。

アンケートやインタビューよりも手軽で、1アクションのハードルが低くなります。
また、該当SNSのアカウントさえあれば、すぐにでも実施可能な点も◯です。

ただしアプローチできる数が「フォロワー数」に左右されます。
アカウント作成直後などフォロワーが少ない場合は、SNSフォローの促進から始める必要があります。

【特徴】

  • 開始のハードルが低い
  • フォロワー数等環境が整えば、ボリュームあるフィードバックを得られる
  • フォロワーが少ない場合は、アプローチ先が少なくなる

クラウドファンディング

クラウドファンディングを利用して、ユーザーの反応を調査する方法です。

本来、商品やサービスを応援する人から資金を集めるためにクラウドファンディングは使われます。
近年、SNSへの共有しやすさ、コストの低さなどからテストマーケティングの手法として注目されています。

また、他の手法との大きな違いとして、アイデアに対するフィードバックを多く得られることがあります。
その理由は、クラウドファンディングで支援を募集した商品やサービスは、資金調達終了後に製造・販売が行われるからです。
アイデアやコンセプトが魅力的でなければ、クラウドファンディングでは支援は集まらないのです。

なお、クラウドファンディング自体がよく分からない方は、以下のリンクをご覧いただくとイメージが付きやすいかと思います。
参考サイト:Campfire
参考サイト:Makuake

【特徴】

  • SNSに共有しやすいため、PR活動にもなり得る
  • 掲載費用や月額費用がかからない場合が多い
  • アイデアに対する評価、反応を期待できる

業態別テストマーケティングの活かし方

ここからは業態別にテストマーケティングを上手く活用する方法を紹介します。

食品メーカー:「リアル店舗でのテストマーケティング」

商品の見た目や味はもちろん重要ですが、実際に店頭に並んだ時に買ってもらえなければ意味がありません。

例えば会場調査のテスト結果で「買う」と答えたユーザーも、実際には買わないケースが多々あります。
実店舗ではテスト対象の商品が他の商品と一緒に並べられます。
テスト会場とは状況が違うため、「リアル店舗」でのテストが必要になります。

成功例として「花王のヘルシア緑茶」があげられます。
地域を限定してコンビニでテストを行い、見事成功に繋がりました。

このテストの実施は、メタボに悩む中高年ビジネスマンがコンビニをよく利用するというデータに基づくものでした。

Webサービス:「クラウドファンディング」+「会場調査」

Webサービスのテストには、「クラウドファンディング」と「会場調査」の掛け合わせが有効です。
クラウドファンディングでサービスの「アイデア」、会場調査でサービスの「ユーザビリティ」に関する結果を得ることで、2つの軸からサービスを評価できるようになります。
資金調達後に製品の開発・販売が行われるクラウドファンディングでは、アイデアやコンセプトに魅力があるかどうかで支援の有無(=評価)が決められます。

その一方で、会場調査では実際にサービスを使っているユーザーを観察することで、サービスの使いやすさや動きといった質の部分を観測できます。
サービスのアイデアが良くても、使い勝手が悪ければ、成功する確率は低くなってしまいます。

小売店・飲食店:「リアル店舗」+「クラウドファンディング」

「リアル店舗」と「クラウドファンディング」を両方行うことで、
2つの異なる軸からの改善に繋がります。

リアル店舗(*この場合、ポップアップストアの出展)においては、食べ物自体の味やお店の雰囲気といったサービスの全体感に対するフィードバックを得ることができます。
一方、クラウドファンディングでテストできるのは、お店のコンセプトや雰囲気といった「アイデア」に対する評価です。

*ポップアップストア:数日~数週間の短期間だけ出展する期間限定店舗のこと。

実施時の注意点

必ず最初に対象ターゲットを明確にする

本番と違うターゲットを対象にテストを行ってしまうと、データの信頼性が著しく下がります。
また、テスト方法もターゲットの特徴によって大きく変わってきます。

原因の分析と改善がゴール

テストマーケティングのゴールは、その商品が「売れるか売れないか」を知ることではありません。
ゴールは、ユーザーからのフィードバックを受け、マーケティング戦略を改善することにあります。

仮に売れなかったのであれば、その原因を知る必要があります。
見た目が悪いのか、価格設定が悪いのか、それともニーズがないのか、など様々な観点を検証しましょう。
売れた際も、「何故売れたのか」を分析することが重要です。

仮説を立ててからテストを実施する

仮説は改善の際の基準の一つになります。

「こんなユーザーによく売れるだろう」
「このターゲットなら、価格は高すぎない方がいいだろう」

こういった仮説は、結果との照らし合わせが可能です。
「想定より売れなかった」「想定外の層に人気があった」のように仮説を元に結果をみれば、次のアクションに繋がりやすくなります。

改善の助けになるだけでなく、意思決定の速度や円滑な問題解決に貢献してくれるはずです。

「アイデアを盗まれるリスク」の対策を行う

テストマーケティングは、試験的とはいえ世の中に商品が出ることになります。
当然、競合にもアイデアが知られてしまうわけです。
商品そのものはもちろん、ネーミングやデザインなど、真似されてしまうかもしれません。

こういったリスクを軽減するためには、特許申請や商標登録といった対策方法があります。
ここで詳しくはお話しませんが、上記のような「商品の情報」を守ることができます。
※コストはかかりますが…

まとめ

テストマーケティングは、新商品やサービスの成功率を高めるために有効な施策です。
手法もたくさんあるため、商品の特徴やターゲットに合わせて選択するようにしましょう。

有益なフィードバックを得るためには、戦略と選択が重要です。
自社商品のこと、競合のこと、ターゲットのことなど、自分を取り巻く環境を理解した上で戦略を立て、手法を選択するようにしてください。

げんき
げんきんぐこの記事の執筆者

SFAは活用されてこそ意味がある

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