失注分析とは?分析する項目や営業活動の改善につなげる方法を解説
【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕
営業では、受注した案件だけでなく、失注した案件を振り返ることも重要です。しかし、「価格が合わなかった」「競合に負けた」といった理由だけを記録し、その後の営業活動に活かせていないケースもあります。
失注分析を行えば、受注に至らなかった原因や営業プロセスの課題を把握できます。複数の失注案件から共通する傾向を見つけることで、提案方法やアプローチの改善にもつなげられます。
この記事では、失注分析とは何か、分析すべき項目や具体的な方法、営業活動へ活かすポイントを解説します。

失注分析とは
失注分析とは、商談や提案まで進んだものの受注に至らなかった案件について、失注した原因や傾向を分析することです。
単に失注理由を記録するだけでなく、顧客の課題や提案内容、競合状況、失注した営業フェーズなどを振り返り、「なぜ受注できなかったのか」を明らかにします。
失注分析を行う目的
失注分析の目的は、失注した案件から営業活動の課題を発見し、今後の受注率向上につなげることです。
例えば、提案後の失注が多ければ、提案内容や価格の伝え方に課題がある可能性があります。複数の案件を分析することで、個別の失敗では気づきにくい共通点も発見できます。
失注理由の記録だけでは不十分
「価格」「競合」「時期」などの失注理由を記録するだけでは、具体的な改善策につながらない場合があります。
例えば「価格」が理由でも、予算不足なのか、競合より高かったのか、価格に見合う価値を伝えられなかったのかによって対策は異なります。そのため、失注に至った背景まで確認することが重要です。

失注分析で確認すべき項目
失注分析では、失注理由だけでなく、案件の特徴や営業プロセスもあわせて確認することが重要です。複数の項目から分析することで、失注につながっている原因を把握しやすくなります。
失注理由
まずは、顧客が契約に至らなかった理由を確認します。
代表的な失注理由には、価格、機能不足、競合サービスの選択、導入時期の延期、予算不足などがあります。失注理由を一定の項目に分類しておくと、どの理由による失注が多いのかを集計できます。
失注した営業フェーズ
初回商談、提案、見積もり、クロージングなど、どの営業フェーズで失注したのかを確認します。
特定のフェーズで失注が多い場合、その段階の営業活動に課題がある可能性があります。例えば、提案後の失注が多ければ、顧客の課題に合った提案ができているかを見直す必要があります。
顧客の属性や課題
企業規模や業界、顧客が抱えていた課題なども分析します。
特定の業界や企業規模で失注率が高い場合、自社の商品・サービスとの相性やアプローチ方法を見直す材料になります。
競合・提案内容
競合サービスに決まった案件では、選ばれた理由や自社との違いを確認します。
価格だけでなく、機能やサポート、導入実績など、顧客が何を重視して判断したのかを把握することで、今後の提案内容の改善につなげられます。

失注分析を行うメリット
失注分析を行うことで、営業活動の課題を感覚ではなく、実際の案件データをもとに把握できるようになります。
営業プロセスの課題を発見できる
失注した営業フェーズや理由を分析することで、どこに課題があるのかを把握できます。
例えば、初回商談後の失注が多ければヒアリング方法、提案後の失注が多ければ提案内容など、改善すべきポイントを絞り込みやすくなります。
提案内容を改善できる
顧客が契約しなかった理由を確認することで、提案内容を見直す材料になります。
「競合との違いが伝わっていない」「顧客が求める機能を十分に説明できていない」といった傾向が見つかれば、その後の商談で説明する内容や資料を改善できます。
受注しやすい顧客を把握できる
失注案件を顧客の業界や企業規模などで分析すると、自社の商品・サービスと相性が良くない顧客の傾向を把握できます。
受注案件と失注案件を比較することで、受注につながりやすい顧客の特徴も見つけやすくなり、営業先の選定や優先順位の見直しに活用できます。

失注分析の進め方
失注分析では、個別の案件を振り返るだけでなく、複数の案件を同じ基準で比較できる状態にすることが重要です。
失注理由を記録する
案件が失注したら、営業担当者が失注理由を記録します。
「価格」「競合」「機能」「予算」「導入時期」など、選択式の項目を用意すると集計しやすくなります。必要に応じて、顧客から聞いた具体的な理由もあわせて残しましょう。
失注案件を集計・分類する
一定期間の失注案件を集め、失注理由や営業フェーズ、顧客属性などで分類します。
例えば、「価格による失注が多い」「提案フェーズでの失注が集中している」など、複数の案件に共通する傾向を確認します。
原因を分析して改善策を決める
失注の傾向がわかったら、その原因を分析して改善策を検討します。
提案内容に課題があれば営業資料を見直す、ヒアリング不足が多ければ質問項目を整理するなど、分析結果を具体的な営業活動へ反映させることが重要です。

失注分析を営業活動に活かすポイント
失注分析は、分析結果を確認するだけで終わらせず、営業活動の改善につなげることが重要です。
受注案件と比較する
失注案件だけを見るのではなく、受注した案件と比較しましょう。
顧客属性や商談回数、提案内容などを比較することで、受注・失注を分けている要因を見つけやすくなります。成果につながる営業パターンを把握する材料にもなります。
定期的に分析する
失注分析は一度行って終わりではなく、月次や四半期など一定のタイミングで継続的に行うことが大切です。
改善策を実施した後に失注理由や失注率が変化しているかを確認することで、施策の効果も検証できます。
SFA・CRMに失注情報を蓄積する
SFA・CRMに失注理由や商談履歴を記録しておけば、失注案件をまとめて確認・分析しやすくなります。
担当者ごとに情報を管理するのではなく、組織全体で失注データを蓄積することで、営業活動の改善に活用できる情報を増やせます。

まとめ
失注分析とは、受注に至らなかった案件を振り返り、失注理由や営業プロセスの課題を明らかにする取り組みです。
失注理由や営業フェーズ、顧客属性などを分析し、受注案件とも比較することで、改善すべきポイントを把握しやすくなります。
分析結果を提案内容や営業プロセスの改善に反映し、継続的に検証することで、受注率の向上につなげていきましょう。

