更新日:2025/06/20

CRM戦略とは? 導入で得られるメリットや具体的な進め方、おすすめのツールを解説

【監修】株式会社ジオコード クラウド事業 責任者
庭田 友裕
顧客との関係を強化し、リピーターを増やすためにはCRM戦略が欠かせません。市場が成熟し競合商品・サービスが多く存在する現代だからこそ、顧客との接点を増やし、より深い信頼関係を構築することが求められています。
しかし、CRM戦略を効果的に進めるにはどうすればよいか、お悩みの企業担当者さまも多いでしょう。
本記事では、CRM戦略の基本や導入のメリット、効果的に戦略を進めるための方法を解説します。おすすめのツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次はこちら
CRM戦略とは?
CRM戦略(Customer Relationship Management:顧客関係管理)とは、顧客との関係を強化し、長期的な売上向上を目指すマーケティング・営業施策のことです。顧客データを基に、一人ひとりに合ったアプローチを行うことで、顧客満足度やLTV(顧客生涯価値)の向上を図ります。
CRM戦略が重要な理由
CRM戦略が求められる背景には、顧客ニーズの多様化と、チャネルの複雑化があります。現代では、従来の一律的な営業手法では対応が難しく、個別最適なアプローチが不可欠です。また、新規顧客の獲得が難しい中で、既存顧客との関係を深めることが、コスト効率と売上維持の両面で大きな意味を持っています。
CRM戦略の導入で得られる5つのメリット
CRM戦略を導入すると、以下の5つのメリットが得られます。
- 顧客のニーズを把握できる
- 顧客満足度を高められる
- データに基づいたマーケティング戦略を実行できる
- LTV(顧客生涯価値)の向上が期待できる
- 顧客情報の社内共有がスムーズになる
次で詳しく見ていきましょう。
1.顧客のニーズを把握できる
CRM戦略を導入すると、顧客一人ひとりの購買履歴や問い合わせ内容など、詳細な行動データを一元管理できます。これにより、顧客の興味関心や課題、購入のタイミングなどを把握しやすくなり、個別に最適化された提案が可能になります。
またCRM戦略は既存顧客だけでなく、まだニーズが明確になっていない「潜在顧客」へのアプローチにも効果を発揮します。蓄積された行動データを基に、関心度の高いユーザーを抽出し、的確なタイミングで情報提供することで、購買意欲を引き出すことが可能です。
このように、顧客の状態やステータスに応じた柔軟な対応が可能になる点が、CRM戦略の大きな強みといえるでしょう。
2.顧客満足度を高められる
CRM戦略を取り入れることで、顧客満足度の向上が期待できます。
顧客満足度を高めるには、顧客が求めているものや抱えている問題を把握し、それを基に商品やサービスを提供しなければなりません。
CRM戦略の分析で明確になった顧客のニーズや悩みなどの情報を基に施策を考えれば、顧客の期待に応えられる商品やサービスの提供が期待できます。
例えば、過去の購買履歴をデータ化し、割引クーポンを配布するなど特定の顧客に焦点を当てたマーケティング施策の立案も可能です。
CRM戦略で得たデータを活用することで、顧客に合った商品やサービスをタイムリーに提供し、顧客満足度を高められます。
3.データに基づいたマーケティング戦略を実行できる
CRM戦略の導入で、データに基づいた精度の高いマーケティング戦略を実行できるようになります。
CRMシステムには、多種多様な顧客データが収集・管理されています。データ内に含まれているのは、属性や在籍企業などのプロフィール情報だけではありません。これまでの商品の使用履歴や問い合わせ対応の記録、クレームに対して実施した対策なども含まれています。
これらの正確な顧客情報を活用することで、リピーターを獲得するための効果的なマーケティング戦略の立案が可能になります。
4.LTV(顧客生涯価値)の向上が期待できる
CRM戦略で、LTV(顧客生涯価値)の向上が期待できます。LTVとは、顧客が生涯を通じて企業にもたらす総売上や利益のことです。ここでの生涯とは、顧客が商品やサービスを利用し始めてから、その関係が続く期間全体を指します。
CRM戦略が成功すれば、顧客の期待に応える商品やサービスを提供できるようになり、顧客が継続的に購入してくれる可能性が高まります。取引額や購買頻度の向上によって売上や利益が増加すれば、必然的にLTVも高められるでしょう。
5.顧客情報の社内共有がスムーズになる
CRMシステムには各部署や担当者が同時にアクセスできるため、情報の伝達が効率的になり、業務のスピードアップが期待できます。
例えば、顧客から「過去に購入した商品の名前を教えてほしい」と問い合わせがあった場合、情報が一元化されていなければ、返答前に担当部署へ確認しなければなりません。
システム内で顧客情報を一元管理することで、部署や担当者を問わず必要な情報にアクセスでき、迅速な顧客対応が可能になります。
また、営業活動の進捗状況やクレーム対応の履歴なども共有できるため、組織全体でより質の高い顧客サービスを提供できるようになるでしょう。

CRM戦略の進め方
CRM戦略を進める際は、以下の流れで行うと効率的です。
- CRM戦略で達成したい目標を設定する
- アプローチするターゲットを設定する
- 顧客の購買行動パターンを可視化する
- CRMツールの選定・導入を行う
- KPI(重要業績評価指標)を設定する
- 効果検証と改善を繰り返す
順を追って解説していきます。
1.CRM戦略で達成したい目標を設定する
まずは、CRM戦略で達成したい目標を明確にしましょう。
目標が定まっていないと途中で目指す方向が分からなくなり、効果が出るまでに相当な時間がかかる可能性があります。CRM戦略の最終目標をチームの共通認識で持っていれば、各部署が同じ熱量で戦略に取り組めます。
「利益を上げる」「顧客満足度を向上させる」といった抽象的な目標ではなく、「既存顧客の継続率を〇%向上させる」「顧客一人当たりの購買単価を〇円増加させる」など、数値化された具体的な目標を設定しましょう。また、目標達成までの期間も明確に定めることも重要です。
2.アプローチするターゲットを設定する
CRM戦略を効果的に進めるには、誰にアプローチするのかを明確にする必要があります。そのために重要なのが「ペルソナ」の設定です。ペルソナとは、理想的な顧客像を具体的に描き出した仮想の人物像のことです。年齢、性別、職業、興味関心、課題などを詳細に設定することで、訴求力の高いメッセージやサービスを設計しやすくなります。ターゲットを絞ることで、マーケティングや営業活動の効率が向上し、成果にもつながりやすくなるでしょう。
3.顧客の購買行動パターンを可視化する
CRM戦略を成功させるには、顧客がどのような経路を通って商品やサービスにたどり着くのか、その行動パターンを可視化することが大切です。ここで役立つのが「カスタマージャーニー」です。これは、顧客がサービスを知ってから購入・リピートに至るまでの一連の体験や感情の流れを図式化したものを指します。
各接点で何を感じ、何に影響されるのかを理解することで、的確なタイミングでアプローチできるようになります。結果として、顧客満足度や成約率の向上につながるでしょう。
4.CRMツールの選定・導入を行う
目的とターゲット、購買行動の把握まで完了したら、CRMツールの選定と導入のフェーズに移りましょう。
CRM戦略を効果的に進めるには、あらゆる情報から顧客のニーズを探らなければなりません。ツールを使用しないと顧客情報の管理や分析が手作業になり、ミスや時間のロスが発生します。
ツールを選定する際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 必要な顧客管理機能がそろっているか
- 操作がしやすいか
- サポート体制が整っているか
- 自社の予算に適した料金プランか
- 外部ツールと連携できるか
一つの要素に偏らず、複数のポイントを総合的に評価して選定しましょう。例えば、機能が豊富でも操作が難しければ使いにくく、予算に合っていてもサポートが不十分だとトラブル時に対応が遅れる可能性があります。
各要素がバランスよく整ったツールを選び、効果的なCRM戦略につなげていきましょう。
5.KPI(重要業績評価指標)を設定する
CRM戦略の効果を正確に測定するには、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定することが欠かせません。KPIは、戦略の進捗状況を可視化し、改善点の発見や目標達成への道筋を示すための指標です。例えば「顧客満足度」「リピート率」「新規顧客獲得数」「クロスセル件数」など、目的に合わせて複数のKPIを設定しましょう。また、KPIは定期的に見直すことも重要です。市場環境や顧客の行動が変化すれば、指標も柔軟に調整する必要があります。
6.効果検証と改善を繰り返す
CRM戦略を実施した後は、効果検証と改善を繰り返すことが重要です。導入した施策がどのような成果を上げているかを定期的に確認し、必要に応じて改善策を打ち出しましょう。
また、CRMツールで管理している顧客情報やレポートは常に確認できる状態にしておき、リアルタイムでの進捗状況を把握するのが重要です。
目標に向けて検証と改善を繰り返すことで、顧客満足度や売上のさらなる向上が期待できます。
CRM戦略を進める際のポイント
CRM戦略導入の効果を感じられるよう、以下のポイントを把握しておきましょう。
- 効果が出るまでに時間がかかることを前提に取り組む
- 顧客データをまとめておく
- CRM戦略の目的・実施方法を社内に定着させる
- 効果が期待できる顧客層から導入を始める
一つずつ解説します。
効果が出るまでに時間がかかることを前提に取り組む
CRM戦略は、導入してすぐに効果が出るわけではありません。まず顧客データの収集と分析に時間を要し、その後の施策立案と実行、効果測定というプロセスを経て初めて成果が現れます。特に初期段階では、データの蓄積と社内での活用方法の確立に重点を置く必要があります。そのため、効果を感じるまでには一定の時間がかかると覚えておきましょう。適切な施策によって顧客との信頼関係が築かれて初めて、CRM戦略の効果が実感できます。
顧客データをまとめておく
CRM戦略を成功させるには、顧客データの整理と一元管理がとても重要です。バラバラに管理された情報では、必要なときに必要なデータを活用できず、判断ミスや対応の遅れにつながる可能性があります。
氏名や連絡先、過去の購買履歴、問い合わせ内容など、あらゆる顧客接点のデータを一か所に集約しておくことで、より的確なコミュニケーションや分析が可能になります。また、潜在的なニーズの発見や、新しいアプローチにも役立つでしょう。
CRM戦略の目的・実施方法を社内に定着させる
CRM戦略を立てただけでは不十分です。その目的や具体的な進め方を社内全体に浸透させるプロセスが欠かせません。現場の担当者やマネジメント層が内容を理解し、自分ごととして捉えることで、実践の質が高まります。
そのためには、戦略の意義や効果を明確に伝え、日々の業務にどう生かせるかを具体的に示す工夫が必要です。また、定期的なミーティングや教育機会を通じて、戦略の再確認やアップデートも行いましょう。全社的な足並みがそろえば、CRM戦略の成果も高まります。
効果が期待できる顧客層から導入を始める
CRM戦略は、効果が期待できる顧客層から導入を始めていきましょう。
新規顧客から戦略でアプローチをかけると、目標達成までの道のりが遠回りになる可能性があります。特に操作方法に慣れていない初期の頃や情報が収集しきれていない場合は、効果を感じるまで必要以上に時間がかかるリスクも伴います。
最初はリピーターになる可能性が高い顧客層や、特定の商品やサービスに強い関心を持っている顧客に対して戦略を実施してみましょう。
CRM戦略を効果的に進めるためのおすすめツール
CRM戦略を効果的に進めるためのおすすめツールは、以下の通りです。
- SFA:営業支援ツール
- CRM:顧客管理ツール
- MA:マーケティングオートメーションツール
SFA:営業支援ツール
SFA(Sales Force Automation)とは、営業活動を支援し、効率化を図るためのツールです。
SFAでは、営業活動の進捗管理や顧客との接点記録、見込み顧客のフェーズ管理などの機能があります。SFAで営業活動を可視化することで、チーム間での情報共有がスムーズになり、パフォーマンスが向上します。また、個々の営業担当者の成果や課題も見える化されるため、より効果的な営業戦略の立案が可能です。
CRM:顧客管理ツール
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報をシステム内に集約し、顧客との関係性を強化するためのツールです。
SFAが、営業活動の効率化や進捗管理などの営業活動の支援に重点を置くのに対し、CRMは顧客との関係性に強化し、リピート顧客の増加やロイヤリティ向上を目指します。
CRMツールに蓄積された顧客データを洗い出せば、顧客の購買傾向やニーズをより深く理解しやすくなります。
MA:マーケティングオートメーションツール
MA(Marketing Automation)は、マーケティング活動に必要な顧客ニーズの分析やツールです。
MAでは、見込み顧客の行動パターンや興味関心の度合いに合わせて、キャンペーン内容を一斉メールで配信したり、メールの開封率を確認してマーケティング施策に反映させたりすることが可能です。
MAで業務の生産性を少しでも向上できれば、分析やニーズの洗い出しにリソースをかけられるようになり、顧客のニーズに合ったCRM戦略を展開しやすくなります。

CRM戦略を実行するなら「ネクストSFA」の導入がおすすめ!

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営業活動をサポートするSFA機能
SFA機能では、案件や企業ごとの営業状況を可視化できるため、社内での情報共有や現状把握がしやすくなります。週報や日報作成に加え、蓄積データをグラフ化できる分析機能もあるため、目標達成への軌道修正もしやすいです。
顧客との関係性を強化するCRM機能
CRM機能では、企業管理だけでなく、売上管理や顧客別の予算設定も可能です。顧客との信頼関係を構築するための情報管理が一括ででき、顧客満足度やLTV(顧客生涯価値)の向上も期待できます。
マーケティング活動の効率化を図るMA機能
MA機能には、設定した顧客への一斉メール送信やシナリオメールの作成、開封率やURLクリック数の確認、問い合わせフォームの自動作成の機能が備わっています。ネクストSFAのMA機能を使えば、マーケティング施策の効果測定が迅速に行えるだけでなく、顧客の行動に応じた柔軟なアプローチが可能です。
CRM戦略で顧客のニーズを満たす施策を考えよう
CRM戦略は、顧客と長期にわたって信頼関係を築き、リピーターにつなげるための重要な手法です。過去の購買履歴や行動パターンをCRMツールで集め、顧客の期待に応える商品やサービスを提供することで、顧客満足度やLTVの向上につながります。まずは戦略の目的を決め、ゴール達成に効果的なCRMツールを導入しましょう。
ネクストSFAは、企業管理はもちろん、顧客別の売上や契約、予算管理なども可能です。Web広告やチャットツールとの連携性も高く、直感的な操作と使いやすさを考えたUI/UXとなっています。
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