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更新日:2022/01/20 

「デフォルト」とは?ビジネスシーンでの意味や使い方を解説

新聞やテレビなどのニュースやビジネスシーンで耳にすることがある「デフォルト」。
横文字でカッコイイからなんとなく使っている、そんな人もいるのではないでしょうか。
そこまで頻繁に出会す言葉ではありませんが、正しい意味や使い方を理解しておくことでより良いコミュニケーションに繋がる可能性があります。
ここでは、そんな「デフォルト」について詳しく解説していきます。

「デフォルト」の意味とは?

筆者自身も日本人であり、このサイトも全て日本語ではありますが、まずは英語の「default」から解説します。

語源は古期フランス語で、deとfaultに分けて考えると前半のdeは「強調」の意味があり、日本語ではど真ん中やどデカイといった”ど”をイメージすると分かりやすいかもしれません。後半のfaultは「不足、怠る、失敗する」の意味となり、このdeとfaultを繋げて「default」となります。

このデフォルトは、使う場面によって様々な意味や解釈があるため、場面ごとの使われ方を把握することでグッと理解が深まります。英語での意味も併せて見るとより理解しやすいでしょう。

全体

怠慢、(義務を)怠る、何もしないこと。
成すべきことが成されないことや約束が実行されないことなどが全体的な意味合いになります。

金融

不履行、債務不履行、滞納、債務を履行しない、支払いを怠る。

  • default of payment=滞納
  • default interest=遅延利息

法律

欠席、(裁判を)欠席する、履行を怠る。

  • judgement by default=欠席裁判
  • default on=(約束、契約などの)履行を怠る

スポーツ

放棄、欠場、不出場、(途中で)破棄する、(試合を)欠場する。

  • default victory=不戦勝
  • go by default=欠場する、欠席する

コンピュータ

既定値、初期値、初期設定にする。

  • default settings=初期設定、お買い上げ時の設定
  • by default=設定しない状態(デフォルト)で

社会

不足、標準、元々、最初から、始めから。

  • default of water=水不足
  • set as default=標準として設定する

このように改めて意味を調べて見てみると、正直なところあまりポジティブな言葉や意味ではない印象を受けたのではないでしょうか?
そんな「デフォルト」の具体的な使い方を次の項で解説します。

「デフォルト」の使い方

日本国内では主にビジネスシーンで使われることが多い言葉ですが、その中でも金融関連がもっとも一般的に使われている印象です。

債権の発行者が破綻などの理由から、支払いが遅れたり、一時的に停止したり、不能に陥るような状況をそのまま「デフォルト」と言うことが多く、意味もそのまま通じるシーンが多くあります。

そして政府や企業、組織がデフォルトになると投資家や金融業界の関係会社が賃金を回収することができずに多額の負債を抱えることもあります。
そのため、金融業界のみならず直接的に経済や一般消費者の生活にも大きな影響を及ぼし、新聞やテレビでもニュースとして取り上げられることもあることから「デフォルト=金融関連」「悪いニュース」を連想させます。

金融関連での使用例

  • アルゼンチン、2014年以来のデフォルト
  • アルゼンチン債務、「デフォルト」格下げ相次ぐ
  • アルゼンチン、9回目のデフォルト-債権者との交渉は継続

最近では、金融関連以外でも使われるケースが増えており、特にIT関連企業の若手がビジネスシーンや日常の会話で使っているのをよく耳にします。

コンピュータ関連でのデフォルトは、既定値や初期値、初期設定といった意味であることから、「社内の会議はデフォルトで(元々)長い」「あの上司はデフォルトで(最初から)時間にルーズだな」などのように使われています。

若者言葉という括りにフォーカスすると「横文字=カッコイイ」というイメージから若干強引に使われることもあり、最近では「略語=イケてる」といった考えもあることから「デフォ」と略して使うこともあります。

例えば、「ここは老舗だからデフォ(基本メニュー)がオススメだよ」や「デフォでハイスペックなパソコンを買ったよ」といったような具合です。

このように、元々(デフォルトで)は金融関連で多く使われていた言葉が今はビジネスシーンや若者の日常会話にも登場するように変貌を遂げています。

「デフォルト」に関するニュース

先程、金融機関での使用例でアルゼンチンのことばかり例に挙げましたがそれには理由があります。

2020年5月末にアルゼンチンが再びデフォルト(債務不履行)になったとのニュースが入ってきたためです。


■アルゼンチン、2014年以来のデフォルト(アルゼンチン) | ビジネス短信 – ジェトロ

■アルゼンチン債務、「デフォルト」格下げ相次ぐ(写真=ロイター):日本経済新聞

■アルゼンチン、9回目のデフォルト-債権者との交渉は継続 – Bloomberg


このように、アルゼンチンは今回ので9回目のデフォルトとなり、数年単位で繰り返していることから度々ニュースになっています。デフォルトという言葉を耳にするとアルゼンチンのことを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

また、1971年にノーベル賞を受賞したサイモン・クズネッツ(アメリカの経済学・統計学者)の有名な言葉に「世界には4つの国しかない。先進国と途上国、そして、日本とアルゼンチンである。」があります。

その言葉の意味は、以下のようなアルゼンチンと日本のジェットコースターのような経済の歴史から例えられています。

  • 1900年初頭、アルゼンチン経済が絶好調
  • 世界を制するのはアメリカかアルゼンチンかとも言われるほどの国力に
  • 当時の国民1人当たりのGDPは日本の2倍以上の経済力
  • ところが1967年、高度経済成長に沸く日本に対し停滞から後退に転じ始めたアルゼンチン
  • 日本は、資源がほとんどない小国ながらも戦後の混乱から奇跡の発展 → 先進国に
  • アルゼンチンは、豊かな資源と日本の約8倍の国土がありながらも工業化に失敗 → 衰退


両国の発展と衰退が同時期に逆転していく稀な事例から、ノーベル賞受賞学者のクズネッツは「世界には4つの国しかない」と例えたのです。
デフォルトと日本とアルゼンチンを、経済やニュースの視点から見てみるのも非常に興味深いものがあります。

まとめ

このように使われる場面によって様々な意味や解釈があり、近年はビジネスシーンや若者が日常的に使う一般的な用語として変貌を遂げてきた「デフォルト」。この言葉の意味や使い方をよく理解し、ビジネスシーンや日常的な会話の中で的確に活用することで、より良好なコミュニケーションを築くきっかけになるかもしれません。

また、時代が進むにつれて今後どのように変貌を遂げていくのか。未来の「デフォルトとは?」を想像したり、独自の使い方を世に広めていくのも楽しみの一つかもしれませんね。

SFAは活用されてこそ意味がある

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