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SFA JOURNAL by ネクストSFA

更新日:2023/11/20 

海外ビジネスでリスクを回避する方法とは?ファクタリングが教える秘訣

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

日本企業は、国内だけでなく海外進出を検討していたり、既に海外向けのビジネスを展開していたりする企業が多いです。しかし海外ビジネスは、輸出取引などで代金を確実に回収できるかというリスクがあります。そこで、代金回収のリスクを回避する手段の一つとして、国際ファクタリングが注目されるようになってきました。

この記事では、国際ファクタリングの概要から流れ、国際ファクタリングがリスク回避につながる理由や国際ファクタリングの注意点などを解説します。ぜひ参考にしてください。

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海外ビジネスのリスクを回避する国際ファクタリングとは?

海外ビジネスにおけるリスクを回避する手段の一つとして、国際ファクタリングが挙げられます。国際ファクタリングとはどのようなサービスなのでしょうか。ここでは、国際ファクタリングの概要や流れ、L/C取引との違いなどを解説します。

国際ファクタリングとは

国際ファクタリングとは、海外企業へ輸出した際の売掛金を日本国内にあるファクタリング会社に保証してもらうことができるサービスです。国際ファクタリングは、国内企業と海外企業、国内のファクタリング会社と海外のファクタリング会社という4社間で行われます。

契約は基本的には自社が取引先の海外企業に承諾をもらい、国内のファクタリング会社に申し込む流れです。その後国内のファクタリング会社は、提携している海外のファクタリング会社に海外企業の信用調査を依頼します。調査の結果問題がなければ、4社間でファクタリング契約を結ぶ仕組みです。

国際ファクタリングの流れ

国際ファクタリングの具体的な流れは以下のとおりです。

  1. 自社と海外企業間で売買契約を結ぶ
  2. 自社が海外企業から国際ファクタリング利用の承諾を得る
  3. 自社が国内ファクタリング会社に国際ファクタリング利用を申し込む
  4. 国内ファクタリング会社が現地の海外ファクタリング会社に信用調査を依頼する
  5. 海外企業の信用調査に問題がなければ、4社間でファクタリング契約を結ぶ

ファクタリング契約後の流れはケースによって異なります。何も問題が発生しなかった場合には支払期日に代金が支払われます。一方、海外企業の倒産など何かしらの問題が起こった場合には、国内・海外のファクタリング会社により代金の支払いが保証されます。また、支払期日前に国内企業が資金調達を必要とする場合は、国内企業から国内ファクタリング会社に売掛金の買い取りを依頼して資金調達を行うことも可能です。

L/C(信用状)取引との違い

貿易では古くからL/C(Letter of Credit、エルシー、信用状)が利用されてきました。L/Cとは、買い手である輸入企業の取引銀行が、売り手である輸出企業に対して、商品代金を支払うことを保証する証書です。L/Cの取引と国際ファクタリングには主に4つの違いがあります。

【手数料】
一般的に手数料は国際ファクタリングよりもL/Cの取引の方が安いです。

【書類のやり取り】
L/Cでの取引では書類のやり取りが発生するため書類の不備リスクがありますが、国際ファクタリングでは書類でのやり取りがありません。

【待ち時間】
前述したようにL/Cの取引は書類のやり取りがあるため到着までの待ち時間がありますが、国際ファクタリングでは待ち時間が発生しません。

【利用のしやすさ】
L/Cでの取引を行う際はL/Cの開設を取引銀行に依頼しなければいけませんが、国際ファクタリングでは自社発で利用できます。

国際ファクタリングで海外ビジネスのリスクを回避できる理由

ここまで国際ファクタリングの仕組みや流れをみてきましたが、なぜ国際ファクタリングを利用することで海外ビジネスのリスクを回避できるのでしょうか。ここでは、3つの理由を解説します。

スピーディーかつ確実に売掛債権を回収できる

国際ファクタリングの利用により、スピーディーで確実な売掛債権の回収を実現できます。国際ファクタリングでは、売掛債権の額面金額100%が保証されるため、取引先の海外企業が倒産をして売掛金の回収が難しくなる、不当に支払いを拒否されるなどの事態が発生した場合でも、ファクタリング会社から売掛債権分の料金を確実に回収できます。手数料は多少取られるものの、売掛金を全く回収できないということはないため、安心して輸出できるでしょう。

また、自社が資金調達をするために国際ファクタリングを利用して売掛金を売却したいと考えているケースもあります。この場合、国内ファクタリング会社にB/L(船荷証券)(輸出を証明する書類)を提出し手続きを行うことで、売却が可能です。

信用できる会社と取引ができる

国際ファクタリングを利用することで、信用できる会社と取引できるというメリットもあります。国際ファクタリングを利用する際には、前述のとおり契約時に海外ファクタリング会社が取引先の海外企業を調査する過程があります。

信用情報の調査で海外ファクタリング会社が保証を請け負うと判断すれば、ある程度信用できる企業であると考えて良いでしょう。保証を請け負わないという判断になった場合は、何らかの問題があるため取引を進めない選択ができます。国際ファクタリングを利用しない場合は、自社で海外企業の信用情報を調査しなければいけないため、手間がかかるだけでなく正確な情報を入手できない可能性もあります。

そのため、国際ファクタリングを利用すると、海外ファクタリング会社による調査を経て、正確な信用情報が手に入るため信用度の低い企業を避けられるでしょう。

L/C(信用状)取引よりも手軽に利用できる

国際ファクタリングは、L/Cでの取引よりも手軽に利用できるメリットもあります。貿易などで古くから利用されているL/Cの取引は、手数料が安いというコスト的なメリットがある一方、利用までに手間や時間がかかるというデメリットがあります。

前述したように、L/Cの取引では信用状の開設が必要です。信用状の開設には審査などがあるため時間がかかります。また、書類のやり取りも必要なため、書類の不備リスクや書類到着までの待ち時間などが発生し、L/Cでの取引を利用するまでには時間がかかります。

一方、国際ファクタリングでは信用状の開設は必要なく、書類のやり取りもないため、手軽かつスピーディーな利用が可能です。

国際ファクタリングの注意点

海外ビジネスにおけるリスク回避として有効な国際ファクタリングですが、利用する際には注意したいポイントもあります。ここでは、国際ファクタリングの注意点を詳しく解説するので、参考にしてください。

手数料が高い

国際ファクタリングは、L/Cでの取引に比べると手数料が高くなります。利用する際は、自社が輸出する商品の価格に対して月々0.7~2.0%程度の手数料がかかります。また手数料だけでなく海外企業の信用調査費用として1万円程度必要です。

一方、L/Cでの取引では年間で0.5~1.0%の手数料がかかり、月々の手数料に換算すると約0.04~0.08%です。このように、国際ファクタリングはL/Cの取引と比較すると手数料が高額になるため注意しましょう。

相手先の承諾が必要

国際ファクタリングは、前述したように4社間での取引です。国際ファクタリングを利用する際は、取引先となる海外企業の承諾が必要です。何らかの理由で国際ファクタリングの利用を拒否される可能性もあります。

ファクタリングに関しては日本よりも海外の方がなじみがあり、書類のやり取りなどがなく、費用についても輸出側が負担するため納得してもらいやすいサービスではあります。ただし、L/Cでの取引の方がより一般的であるため、国際ファクタリングに難色を示されるケースもあるでしょう。

利用できるファクタリング会社が少ない

国際ファクタリングを取り扱っている会社が少ないため、利用する際の選択肢はあまりありません。

国際ファクタリングを行えるファクタリング会社の条件は、世界各国の金融機関とつながりがあることです。そのため国際ファクタリングを提供しているのは、FCI(国際ファクタリング連盟)と呼ばれる連名に加盟している金融機関がほとんどです。例えば、三菱ファクターやみずほファクター、SMBCファインサービスといったメガバンクのグループ会社が国際ファクタリングを行っています。

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国際ファクタリングの利用が向いている企業の特徴

国際ファクタリングを利用する際は、メリットとデメリットをしっかりと比較して自社に合っているかどうかを見極める必要があります。ここでは、国際ファクタリングの利用が向いている企業の特徴を解説します。

相手先企業の信用調査を自社でできない

国際ファクタリングは、取引先となる海外企業の信用調査を自社でできない企業に向いています。国際ファクタリングでは、海外企業の信用情報調査を現地の海外ファクタリング会社に依頼します。そのため、適切な信用調査が行えるという点がメリットです。

自社で海外企業の信用調査を行う場合には、言語的な問題や国内とのルールの違いなどによって、調査が難しいケースもあります。信用度の判断をするための情報が集まらない可能性もあるため、自社での信用調査が難しい場合は国内ファクタリングを利用するとよいでしょう。

L/C(信用状)の開設ができない

L/Cの開設が難しい企業も、国内ファクタリングの利用に向いています。L/Cを開設する際には、輸出企業側(自社)の信用度が調査され審査が行われます。国際ファクタリングでは銀行が仲介するため、一般的な国内のファクタリングよりも審査が厳しく、審査に落ちてしまうケースも珍しくありません。

国際ファクタリングの場合は、L/Cの審査よりも利用条件が低く設定されているといわれており、L/Cが開設できない企業でも問題なく利用できるケースも多くあります。そのため、L/Cの審査に落ちてしまった場合は国内ファクタリングを検討するとよいでしょう。

初めて海外進出する

初めて海外進出する企業も、国際ファクタリングの利用がおすすめです。海外取引の経験やノウハウがない状態の場合、さまざまなリスクや問題が発生する可能性があります。例えば、前述したように取引先となる海外企業の信用情報調査も大きな壁の一つです。

国際ファクタリングであれば、信用情報調査は海外ファクタリング会社に任せられるため、自社でノウハウがなくても問題なく信用情報を把握できます。

まとめ

国際ファクタリングとは、国内企業・海外企業・国内ファクタリング会社・海外ファクタリング会社の4社間で行うファクタリングサービスです。スピーディーかつ手軽に利用できる、海外企業の信用調査を任せられるなど、海外ビジネスにおけるリスク回避に役立ちます。

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