公開日:2020/08/31 

インサイドセールスとは?導入のメリットや従来の営業との違いを解説

「靴底をすり減らして」という表現があるように、営業職は外回りでのお仕事というイメージが定着していました。
しかしながら昨今、業務効率化や働き方改革などの観点から、「インサイドセールス」という営業手法(職種)が注目されています。
外回りでの営業(=フィールドセールス)との違いや、インサイドセールスのメリット・デメリットをご紹介します!

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、文字通り企業のインサイド(=内側、すなわち社内)でセールスを行う手法や職種を表し、社内での営業活動が中心になることから内勤営業とも呼ばれます。

主にメールや電話、Web会議システムといった遠隔・非対面での接触方法で顧客(リード)にアプローチを行います。
※以降、当記事では連絡先が判明している顧客を「リード」と呼びます

もともとはアメリカで生まれ、国土が広く移動に時間のかかる国では一般的な営業手法となっています。
日本でも、働き方改革の一環で取り入れられており、「業務効率化」「獲得単価削減」の観点から、注目を集めています。

例:①セミナーや展示会などの来場者に、
   電話やメールでアプローチを行う
  ②見積依頼や資料請求で得たリードに対し、Web会議等で商談を行う
  ③Webサイト上で資料ダウンロードを行ったリードに、電話やメール等でアプローチ   を行う

後で詳しく解説しますが、日本企業ではインサイドセールスとフィールドセールスを上手く担当分けしているケースが多く見受けられます。

インサイドセールス:非対面手法でのアプローチ、アポや商品につなげる
フィールドセールス:提案・クロージング、契約に近い局面を担当

どちらが良い、悪いではなく役割が異なります。
次のセクションでフィールドセールスとインサイドセールスの違いを解説します。

フィールドセールスとの違い

フィールドセールスとは

フィールドセールスは、フィールド(=実地)に出向いて提案・商談・受注を行う職種のことで、社外での営業活動が中心になることから外勤営業とも呼ばれます。
見込み顧客とのコミュニケーションは主に対面で行われます。

例:①面識のない相手に飛び込みで訪問し、営業活動を行う
  ②電話やメール等でアポイントを取った相手先に訪問し、商談を行う

インサイドセールスとフィールドセールスの違い

インサイドセールスとフィールドセールスの一番の違いは、何と言っても見込み顧客とのコミュニケーションが「対面か非対面か」という点にあります。

というか、実はこれ以外に(運用の仕方によっては)差はほとんどありません。

なぜなら、アポ獲得・訪問提案・クロージングの全てをインサイドセールス(もしくはフィールドセールス)が担うケースもあるからです。
「対面か非対面か」という違いでなく「業務内容そのもの」に関する違いは、各企業がどのような取り入れ方をするかによって変わってきます。

ですが、各々の性質上適した役割は存在します。
1社に深く入り込み関係性を構築するのは「対面」でアプローチを行うフィールドセールスが適しています。
一方サービスや企業説明といった同一のアプローチはインサイドセールスが向いています。
多くのリードに効率よくアプローチできます。

手法の紹介 – どんなことをやるの?

従来は、「アポ獲得・訪問提案・クロージング」の一連の流れは、1人の営業担当が行うことが一般的でした。
この流れの中にインサイドセールスを配置すると、以下イメージのようになります。

※※※この画像はボクシルの一例です

マーケティング

展示会やセミナー、Web上でのアプローチなど
要するにオフライン・オンライン問わず新規のリードを獲得し、場合によっては育成までを担当する。
興味・関心を持ったリードは、インサイドセールスに渡す。

インサイドセールス

マーケティング部門が獲得・育成したリードを引き継ぎ、メールや電話等の非対面手法でアプローチ。
BANT条件のヒアリングを行い、アポ獲得・商談化までを担当。
場合により失注・潜在化(保留)リードへの定期的なフォローも行う。
※BANT
B:Budget(予算)A:Authority(決裁権)N:Needs(ニーズ)T:Timeframe(導入時期)

フィールドセールス

セールスが創出した見込み顧客の元へ訪問し、対面にて提案・クロージングを担当。
場合により失注案件のフォローも行う。

インサイドセールスは

  • マーケティング担当者が獲得・育成したリードを引き継ぐ
  • 自ら獲得したアポイント・商談をフィールドセールスに引き継ぐ

という業務になるため、マーケティング部門・フィールドセールス部門の両方との連携が不可欠ですね。

インサイドセールスのメリット・デメリット

メリット

見込み顧客とのコミュニケーションを非対面にすることで、以下のようなメリットを得られると考えられます。

アプローチできるリード数が格段に増える

1人の営業担当者がアポ獲得から商談・クロージングまでを行うには、訪問の合間を縫って電話をかけなければならず、1日にアプローチできるリード数には限界があります。

その点インサイドセールスであれば、内勤ですので移動時間がありません。
1日に数十件電話・メールでのアプローチが可能になるため、対応できるリード数を格段に増やすことができます。

少人数でも成果を得られやすい

インサイドセールスは主に「ニーズがはっきりしていない層へのアプローチ」を行い、そこから商談につなげていきます。
つまり、フィールドセールスは訪問提案・クロージングのみに集中できるわけです。

しかもヒアリングやメールでのアプローチは完了していますので、確度の高い見込み顧客が対象になります。
これによりアプローチを「少人数のフィールドセールス」で行うことが可能になります。

インサイドセールスに関しては、そもそも少人数での対応が可能です。
インサイドセールスとフィールドセールスが連携することで、全体でみたときに少人数でも成果を得やすくなります。

人材を有効活用できる

インサイドセールスは、フィールドセールスに比べると体力的な負担が少なく、業務をマニュアル化しやすいという特性があります。
また、電話とパソコンを使った非対面の業務がメインになるため、女性や在宅勤務希望者なども挑戦しやすい職種です。

これまで営業職に興味や適性があったものの、体力的な理由や家庭の事情等から他の仕事を選んでいた人材が、インサイドセールスの導入によって営業職としてキャリアアップすることも可能になるでしょう。

また、外勤営業に比べて属人性が低いことも特徴に挙げられます。
新人の育成や教育コストの効率化が可能で、これにより人手不足解消への寄与も期待できます。

デメリット

非対面でのコミュニケーションにはデメリットもあります。

商品・サービスの良さを伝えきれないことがある

インサイドセールスは、コミュニケーションのすべてを非対面で行うため、当然サービスや商品の説明も遠隔で行うことになります。
特に有形商材の場合、対面での商談とは違い、実物を手に取ってもらうことができず、良さを伝える難易度が高くなります。

SAAS系の商材でも、実際に使用している画面を直接見せることができないので、細かい機能の説明は難しくなります。

また、当たり前ですが表情や目線等は見えません。
相手の求めている情報を把握しづらく、アピールするべきポイントを伝えきれないという可能性も考えられます。
※SAAS:クラウドにあるソフトウェアを、ネット経由で使用するサービス

対面でないことにより、信頼を得づらい

日本でも少しずつインサイドセールスの仕組みが取り入れられているとはいえ、文化として「営業は足で稼ぐもの」という認識がまだまだ根付いているのも事実です。

「商談が非対面でも気にならない」という企業もあれば、「営業マンなのに一度も会いに来ないなんて考えられない」という考え方の企業もあります。

もし受注までのすべての工程をインサイドセールスのみで完結させようとお考えの場合は、顧客の求めているコミュニケーションスタイルをよく考えてみてください。

情報共有不足による損失がでる可能性がある

これまで1人だったところにインサイドセールスの担当が加わることになります。
これにより「見込み顧客の情報を伝達・共有する」という工程が追加で発生します。

ここで情報の伝達不足や伝達ミスがあると、フィールドセールスの提案・クロージングに大きく影響します。
運用の仕方によっては、見込み顧客と一度も接触しない状態で商談へ向かうこともあるため、事前の情報伝達が商談成功の大きな鍵を握ります。

また、リードの数が増えるとインサイドセールス同士での顧客リスト重複なども考えられます。
効率で並んでいる場合は、MAツールなど管理できるシステムの導入もおすすめです。

成功する(効果を出す)ためのポイント

立ち上げ時には営業経験者を配属させる

インサイドセールスは、見込み顧客へアプローチをし、ニーズを引き出し商談を創出する役割を担います。
非対面とはいえ、営業力は欠かせません。

立ち上げ時には、営業経験者、中でも自社サービスをよく理解し、フィールドセールスの経験も十分にある人材を配属させるのが良いでしょう。
立ち上げ時に営業部の部長がインサイドセールスを担当したという事例もあるほどです。

MA(マーケティングオートメーション)ツールの活用

MAツールは、マーケティング活動の自動化・効率化してくれるツールです。
設定しておくことで見込み顧客の検討フェーズごとに適切なコンテンツ配信を行うなど、リードナーチャリング(顧客の育成)が可能です。
・インサイドセールスが架電をする対象をMA上でリストアップする
・架電の結果商談につながらなかったリードについては、再度MAツールを用いてナーチャリングを行う
など、インサイドセールスが効率的に商談を創出することに寄与します。

定期的な振り返りを実施する

立ち上げ時は特に、業務内容そのものや、マーケティングチーム・フィールドセールスとの情報共有などに課題が出てきます。

また、立ち上げ時は少人数となる場合が殆どなので、業務が属人的になってしまうことも考えられます。

KPIは妥当か?他部署との連携方法に改善点はないか?どうすればより効率的に成果を上げることができるか?など定期的な振り返りを実施しましょう。

こんなインサイドセールスは嫌だ

高額な商品やサービスを非対面のコミュニケーションのみで売ろうとする

もしあなたが、一戸建てを立てたいと考え、不動産会社に問合せたとします。
1社はすべてのコミュニケーションを対面で、もう1社はすべてのコミュニケーションを非対面で行ったとしたら、印象はいかがでしょうか?

後者には不安を感じる方が大多数のはずです。
安価な日用品1つ程度であれば、非対面どころか人とのやり取りを介さずにECサイトのみで購入の決断をすることも難しくはないでしょう。
ですが、戸建て1軒となれば一生に一度の大切な買い物のはず。
非対面のやり取りのみでの決断は、よほど特別な事情がない限りは普通抵抗があります。

非対面により見込み顧客の温度感を下げてしまわないか、案件の確度を落としてしまわないか、といったことに注意しながら、導入方法を検討しましょう。

「決まりだから」と、頑として対面での商談に応じない

しつこいようですが、日本の企業には「営業は足で」の文化がまだ残っています。
見込み顧客から「もう御社で契約することは決めたけれども、一度会って話がしたい」という依頼がくることもあるのではないでしょうか。

このときに、「私はインサイドセールスなので、立場上対面での商談はできません」などと返答してしまったら・・・結果はお分かりですね。

インサイドセールスを導入するのはあくまで自社にメリットがあるからであり、顧客のためにボランティアで導入しているわけではありません。
仕組みを取り入れたからその通りに動く、ではなく、あくまで見込み顧客の求めていることには柔軟に対応する姿勢が大切です。

まとめ

ご紹介したように、インサイドセールスにはメリットもデメリットもどちらもあります。
成功のポイントは、「ビジネスの実態に沿った導入」です。

「できるだけ顔を合わせて話がしたい」という要望があるのにも関わらず、全てのコミュニケーションを非対面で行っては受注率に影響が出ます。

反対に確度の低い見込み顧客にまで1件1件訪問をしていては、どんなに営業マンがいても足りなくなるでしょう。彼らの靴底が心配です。

顧客の望むコミュニケーションスタイルは何か、自社のサービスや商品の魅力を最も効率よく最大限伝えられる方法は何か、などリードの発生から受注までの全ての過程で重要となることは何かを吟味し、自社に合った方法で運用されてみてはいかがでしょうか。

小山田
まだこの記事の執筆者
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