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更新日:2024/02/01 

CRM分析とは? 重要性や代表的な方法9つ、分析を行うポイントを紹介

【監修】株式会社ジオコード マーケティング責任者
渡辺 友馬

ビジネスの発展に欠かせないCRM分析ですが、「どうすれば上手くいくのかわからない」と悩んでいる方もいるかもしれません。CRM分析の手法も多く、整理しなければならない知識も多くあります。本記事では、CRM分析の概要や代表的な分析手法、効果的な分析を行うポイントを解説します。顧客との関係を見直し、ビジネスの成長を実現するためにも、ぜひ今回の内容を参考にしてください。

CRM分析とは

CRM分析は、企業が顧客との関係を管理し、ビジネスの成果を向上させるための手法です。CRMは「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理」という意味を持っています。CRM分析では、顧客のニーズや属性、売上貢献度などを把握し、そのデータを活用して企業価値を高めるための施策を考えます。市場のニーズを調査するのではなく、顧客との関係を中心に行われるのが大きな特徴です。

詳しくは後述しますが、CRM分析にはRFM分析やCPM分析、CTB分析などさまざまな手法があります。

CRM分析が重要な理由

顧客のデータを活用した分析は、マーケティング戦略の策定でとても有効です。例えば、顧客セグメントに対するキャンペーンの効果や、新商品のターゲット顧客の特定がより高い精度で行えます。さらにCRM分析を通じて得られるデータは、LTV(Lifetime Value)の向上にも役立ちます。LTVは、顧客の生涯価値であり、顧客との長期的な関係を築きつつ収益性を向上させるために欠かせません。

顧客のニーズや期待に応じたサービスを提供すれば、顧客満足度の向上にもつながります。CRM分析が適切にできれば、さまざまな側面で企業に多くのメリットをもたらすでしょう。

CRM分析の代表的な方法9つ

先ほども触れたように、CRM分析にはさまざまな方法があります。代表的な方法は、以下の9つです。

  • RFM分析
  • CPM分析
  • CTB分析
  • LTV分析
  • デシル分析
  • クラスター分析
  • セグメンテーション分析
  • 行動トレンド分析
  • 売上分析

概要や特徴を理解しておけば、より適切なアプローチがしやすくなるでしょう。それぞれ詳しく解説します。

RFM分析

RFM分析は、顧客の購買行動を評価・分析するための手法で、以下の3つの指標を使って顧客をセグメント化します。

指標説明
Recency(最新の購入日)顧客が最後に購入した日からの経過日数最近購入した顧客は、再度購入する可能性が高いとされる
Frequency(購入頻度)特定の期間内に顧客が何回購入したか頻繁に購入する顧客は、ブランドやサービスに対して愛着を抱いていると考えられる
Monetary(購入金額)特定の期間内に顧客が合計でどれだけの金額を支払ったか高い購入金額の顧客は、企業にとって価値が高いとされている

顧客を異なるセグメントに分け、それぞれのグループに合わせたマーケティング戦略やコミュニケーション戦略を実施できるのが、RFM分析の利点です。

CPM分析

CPM分析は、顧客ポートフォリオマネジメント(Customer Portfolio Management)の略で、顧客の購買行動や取引実績をもとに顧客をグループ分けする分析手法です。RFM分析と似ていますが、より細かく分類できるのが特徴となっています。

具体的には、顧客を「アクティブ(現役)顧客」「非アクティブ(離脱)顧客」に大まかに分け、以下の10個の要素に分類します。

  • 新規アクティブ顧客:限られた期間内での初めての購入を行った顧客
  • 初歩アクティブ顧客:限られた期間内で2回以上の購入を行った顧客
  • 定期的アクティブ顧客:限られた期間内で継続的に購入を行っている顧客
  • 流行購入顧客:短時間で高額の購入を行った顧客
  • 長期優良顧客:長い期間を通じて高額の購入を行った顧客
  • 新規非アクティブ顧客:限られた期間内での初めての購入後、離脱した顧客
  • 初歩非アクティブ顧客:限られた期間内で2回以上の購入後、離脱した顧客
  • 定期的非アクティブ顧客:限られた期間内で継続的に購入を行っていたが、離脱した顧客
  • 流行非アクティブ顧客:短時間で高額の購入を行った後、離脱した顧客
  • 長期優良非アクティブ顧客:長い期間を通じて高額の購入を行っていたが、離脱した顧客

CPM分析は、主に優良顧客の育成(ナーチャリング)を目的としています。

CTB分析

CTB分析は、RFM分析と同様、3つの指標を活用して顧客の購買行動を分析する手法です。具体的には、以下のような分類となります。

指標説明具体例
Category(カテゴリ)顧客が購入する商品やサービスのカテゴリや種類を示す指標食品、衣料品、家電製品など
Taste(好み)顧客の好みを示す指標デザイン、色、サイズ、ブランドなど
Brand(ブランド)顧客が好むブランドやメーカーを示す指標特定のブランドやメーカー

CTB分析は、商品開発やプロモーションに大きく役立てられます。また、顧客の購買行動や好みの変化を迅速にキャッチし、それに応じてマーケティング戦略や商品開発を柔軟に変更する際に役立つのも大きな特徴です。

LTV分析

LTV分析は、顧客の生涯価値(Lifetime Value)を計算・分析する手法です。LTVは、顧客が企業にもたらす収益の総額を示す指標です。具体的には、顧客が初めて購入する時点から最後に取引を行うまでの期間に得られる収益の合計を指します。
LTV分析で重要なのは、1回の単価の高さではなく、収益の積み上げです。例えば以下の2人の顧客を想定します。

  • 顧客A:ある高額商品(10万円)を購入した
  • 顧客B:ある商品(1,000円)を1ヶ月に1度、合計10年にわたって購入した

顧客Aのほうが、一度に使う金額は多めです。しかし合計額は顧客Bのほうが高いため、LTVが顧客Aよりも優れていると評価できます。

LTV分析は、収益予測やマーケティング予算の最適化など、さまざまな面で役立ちます。

デシル分析

デシル分析は、データを10等分に分ける統計的手法です。具体的には、以下の4ステップで実施します。

  1. 順位付け:分析対象となるデータ(購入金額)を上から順に並べる
  2. グループ分け:ランク付けされた顧客を10の等しいグループに分割。例えば、購入金額が最も高い上位10%の顧客が第1デシル、次の10%が第2デシルなど
  3. 各デシルの特性の分析:各ランクの購入比率や売上構成比などのデータを算出
  4. 戦略の策定:デシル分析の結果を使って、マーケティングや販売の戦略を策定

膨大なデータを簡潔にまとめ、明確なセグメント分けができるのが大きな利点です。

クラスター分析

クラスター分析は、大量のデータを似た特性やパターンを持つグループに分類するために使用される手法です。事前にラベル付けされたデータを使わないのが大きな特徴で、目的・特徴別にグループ化するのではなく、データ自体の特性に注目します。
例えばRFM分析は、「最新の購入日」「購入頻度」「購入金額」のカテゴリーを最初に用意し、そこにデータを振り分けます。一方クラスター分析は、まず最初にデータがあり、類似性などを手がかりにカテゴリーを後付けするイメージです。

クラスター分析を通じて、データの中に隠れているパターンや関係性を発見すると、新しい市場セグメントや顧客のニーズを理解できます。製品の開発やマーケティング戦略の策定、リソースの最適な配分など、さまざまな意思決定の際の参考になります。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析は、大きな市場や顧客層をグループやセグメントに分けるマーケティング手法です。ターゲットとするセグメントに合わせた製品やサービス、マーケティング戦略を策定する際に役立ちます。

セグメンテーションには、以下のような種類があります。

  • 地理的セグメンテーション:地域や国など
  • 人口統計的セグメンテーション:年齢、性別、収入など
  • 心理的セグメンテーション:顧客のライフスタイル、価値観、性格など
  • 行動的セグメンテーション:購買頻度、ブランドの忠誠度、使用状況など

例えば購買頻度でデータ分析をし、「購入頻度が高い顧客はどのような年齢、性別、収入なのか」を理解できると、より正確なターゲティングが可能になります。

行動トレンド分析

行動トレンド分析は、顧客の購買行動や行動パターンを、特定の期間に焦点を当てて分析する手法です。具体的には、どのような購買層が特定のシーズンでトレンドを形成しているのかを調査・分析します。

例えばオンラインショッピングサイトが、季節ごとの購入データを分析し、「週末の夜や給料日後に購買が集中」「夏前には水着やエアコン、冬前には暖房器具の購入が増加」などのデータが得られたとします。ニーズに合わせるために考えられる施策は、以下の通りです。

  • トレンドに合わせてタイムセールやプロモーションを実施
  • 季節の変わり目には関連商品の推奨を強化

このように、トレンド分析から施策実施までの一連のプロセスによって、効果的なマーケティングを実現します。

売上分析

売上分析は、企業の売上データを詳細に調査・評価するプロセスです。この分析を通じて、売上のトレンドや問題点を特定できます。的確な現状把握と改善が主な目的です。売上分析は、以下のステップで行われます。

  • 目的の明確化:分析の目的を定義。例えば「過去6ヶ月の売上トレンドを理解する」や「特定の製品の売上減少の原因を特定する」など
  • データの収集:売上データ以外にも、顧客データや製品データ、プロモーションやマーケティング活動のデータなどを用意する
  • 分析:分析をしつつ、売上の増減の背後にある原因を特定
  • 施策立案・実施:分析結果をもとに、問題点を解決するための施策を立案・実行する

効果的なCRM分析を行うポイント

効果的なCRM分析を行うポイントは、以下の4点です。

  • 情報を整理し、課題を明確にする
  • 自社に合うCRM分析を行う
  • システム同士の連携を検討する
  • 顧客の情報を複数掛け合わせて分析する

それぞれのポイントを詳しく解説します。

情報を整理し、課題を明確にする

まずは情報を整理し、課題を明確にすることです。CRMシステムを活用する場合、格納されているデータを整理し、分析に使いやすい形でまとめておく必要があります。顧客を異なる属性や行動に基づいてグループ化するのは、情報整理の典型的な方法です。

次に、整理した情報に基づいて、課題を明確にします。「顧客の離脱率が高い」「新規顧客獲得のコストが高い」「特定の製品やサービスの売上が低下している」「リピート購入率が低い」など、課題が明確になれば、取り組むべき施策やCRM分析がわかりやすくなるでしょう。

自社に合うCRM分析を行う

CRM分析を行う際、一般的な手法やフレームワークだけでなく、自社のビジネスモデルや市場環境、顧客の特性に合わせた分析を選ぶのが重要です。例えば「BtoCかBtoBか」によって、重点的に分析すべき項目が大きく変わってきます。

顧客の属性や行動に基づいてセグメンテーションを行う際、自社の商品・サービスに特有の要因を取り入れれば、より詳細なセグメントを作成できます。例えば高級ブランドの場合、顧客の購入頻度だけでなく、ライフスタイルや購入体験をもとにセグメンテーションを行うのが重要です。

自社に合うCRM分析を行うためには、目標設定も重要です。「なぜCRM分析を行うのか」「それによってどのような目標を達成したいのか」も明確にしておきましょう。

システム同士の連携を検討する

CRM分析を効果的に行うためには、異なるシステム間の連携を検討するのが重要です。システム同士の連携により、データの一元管理やリアルタイムの情報共有が可能で、正確かつスムーズな意思決定ができます。例えばCRMシステムと在庫管理システムを連携すれば、顧客の購入履歴と在庫状況をリアルタイムで確認し、在庫切れや過剰在庫を防げます。

またマーケティングオートメーション(MA)ツールや広告配信システムとCRMを連携させれば、特定の顧客セグメントに向けたマーケティング施策を自動で実行できるなど、連携のメリットはさまざまです。

顧客の情報を複数掛け合わせて分析する

CRMツールの、ネクストSFAの担当者からいただいたコメントによれば、効果的な分析を行なうために「顧客の情報を複数掛け合わせて分析する」のも重要です。

CRMには顧客に関するさまざまな情報が蓄積されており、データの組み合わせによってより深掘りした分析が可能です。例えばリピーター増加を目的とするなら、顧客の購買パターンと、こちらが行った施策に対する顧客の反応を組み合わせて分析できます。

異なる業務用システムを連携させることで、手動でのデータ入力や情報のやり取りを削減し、業務の効率化を実現できるのも大きなメリットです。

安価にSFA分析を試すならネクストSFA

CRM分析には、SFA分析などさまざまな種類があるため、自社に合った手法を選択する必要があります。分析の目的や課題の明確化など、事前準備を徹底するのが重要です。
ネクストSFAは、企業の営業効率を向上させるために開発されたCRMツールです。営業活動の最適化や顧客情報の一元管理、営業チームのコミュニケーションの強化など、さまざまな機能を持っています。

ネクストSFAは、CRMの導入が初めての企業や個人にも安心して利用できるよう、充実したサポート体制を整えています。疑問やトラブルが生じた際に迅速に対応するカスタマーサポートや導入時のサポート、定期的なアップデートや機能追加に関する情報提供など、ユーザーの利便性を第一に考えたサポートを提供しています。

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